大樹の妖精、神となり   作:公家麻呂

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124 昭和 天童夢子

 

男の子が妖怪ポストに手紙を入れようとしている。

男の子は遊園地で襲われた女の子の弟である星郎だ。

そんな彼に声を掛けたのはローブのような布一枚を体にまとった姿で、ねずみに似た顔。

ねずみ男、人間と妖怪との間に生まれた半妖怪である。

 

「お金がないならポストは使っちゃダメだな。」

 

星郎から手紙を取り上げて丸めてしまう。

 

すると、離れたところから大きな声が聞こえてくる。

 

「こら!ねずみ男!あんた何やってんのよ!」

 

紫髪を大きなリボンで頭の後ろにシニヨンで纏め、赤いワンピースとハイヒール。

顔つきもスタイルもかなり大人っぽい外見の少女。

 

「あんたまた、こんなことやってる!」

「ぎゃー痛ってぇええ!!」

 

彼女はねずみ男の顔を鋭い爪で引っ掻いてお仕置きした。

 

「あなた、鬼太郎に用事なの?わたし、鬼太郎の友達なの。」

 

猫娘の言葉に星郎は小指を立てて

 

「ガールフレンドですね。」

 

「ちょ、ちょっと!?何ってんのよ!」

 

顔を赤くする猫娘であったが、照れ隠しに小突いたら星郎少年の服が少し破れてしまって冷静さを取り戻した猫娘はバツが悪そうに眼を逸らした。

 

「案内するわよ。」

「は、はい…。」

 

あんまりからかうと怖いなと感じ取った星郎少年は黙って着いていくことにした。

ねずみ男は視線を逸らした。

 

 

 

 

 

 

「妖怪ポストは妖怪と人間が仲良くするために作ったんだぞ!」

 

鬼太郎に怒られたねずみ男は言い訳をし始めるが猫娘に威嚇されてしおらしくなった。

 

 

「おねえちゃんが妖怪に攫われちゃったんです!」

 

星郎少年の話を聞いた鬼太郎は、攫われた星郎少年のお姉さんが居なくなったと言うミラーハウスに行くことにした。

 

「ここだよ。鬼太郎さん。」

 

 

「微かに妖気を感じます。」

「気を付けるんじゃぞ。」

 

目玉おやじから気を付けるように言われた鬼太郎は慎重にミラーハウスに入っていった。

 

鬼太郎は歩いているうちに何かにぶつかった。

ぶつかった何かを取り押さえようとするが「きゃ!?やめて!」顔を引っ叩かれてしまう。

 

力加減と言い声と言い明らかに妖怪ではなく。むしろ…

 

「助けてください!私、天童夢子です!」

 

 

 

 

透明な姿になった夢子を星郎と一緒に家に連れて行った。

 

妖怪の事は口伝で聞いていた彼女の母親はすんなりと鬼太郎たちを家に上げ、父親の方は「妖怪って本当にいたんだな。」と驚いていた。

 

鬼太郎たちは母親から姿を失った夢子の写真を見せられる。

 

(かわいい…俺のタイプ…)とはねずみ男の感想。

 

「ううむ。これは美少女ばかりを鏡に取り込む鏡爺の仕業じゃな。」

「鏡爺は子供たちを見守ってくれる妖怪だと私の実家では聞いていましたが?」

 

夢子の母の言葉に目玉おやじは

 

「殺伐とした世の中じゃ。性格が変わったのかもしれんの。」

「まぁ」

 

 

「任せてください。夢子ちゃんは必ず助けます。」

 

鬼太郎の言葉に猫娘が若干ジェラシーを感じているのに気が付いたねずみ男が茶化すとねずみ男の顔はまた引っかかれ傷だらけにされてしまった。

 

(なんでこうなるの?とほほ)

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

「名付けて猫に鰹節。鏡爺に美少女作戦じゃ!」

 

 

目玉おやじの作戦で猫娘を囮にすることに・・・。

とは言え美少女判定を受けた猫娘は満更でもなさそうだ。

 

しかし

 

鏡爺は全く現れる様子が無かった。

美少女好きの妖怪なのに自分が行ってもうんともすんとも言わないのは、猫娘としてもかなりムカついたのだろう。

 

「おい、出てきなさい鏡爺!鏡を割るわよ!!」

 

美少女目的で夢子の姿を奪ったわけではなく。自分を大切にしてくれた少女に似ていた夢子だからこそ興味を持ったのであり、あんまりと言えばあんまりだ。

 

「そうはさせんぞ!鏡地獄に落としてやる!」

 

「ウニャアアアアア!!」

「ぎゃー痛い!」

 

猫娘に引っかかれた鏡爺はのたうち回る。

 

「今よ!鬼太郎!!」

 

「ぐぅうううう。おのれ、鬼太郎。じゃがこの子の姿は返さんぞ。」

 

そう言って鏡爺は逃げ去ってしまった。

 

 

鬼太郎たちは夢子の母の実家を探すことにした。

 

 

鏡爺の真価が発揮できない闇夜に出かけて鏡爺の本体のある鏡を見つけ意志で叩き割ろうとする鬼太郎であったが、鏡爺から懇願され鏡爺の言い分を聞いてやることにした。

 

鏡爺は不意打ちで鬼太郎を倒そうとしたのだが、戦いの中で夢子そっくりの写真を見つけた目玉おやじ。

 

「鏡爺!この写真を見るんじゃ。」

 

「夢子ちゃん?」

「違う、あれはお花ちゃんじゃ。」

 

「そうじゃ!夢子ちゃんとこの写真の子はそっくりすぎるとは思わなかったのか?」

 

「どういうことだ!?」

「妖怪のくせにそんなこともわからなかかったのか?お前の目は節穴か!」

 

 

 

「そうか!あの子はお花ちゃんの孫!?」

 

夢子はお花の孫であると指摘され、己の不明を恥じた鏡じじいは夢子の姿を返して鏡の中に戻っていった。

 

その後鏡爺は、廃村近くの村の公民館に大切に保管されることになった。

 

 

 

 

後日、夢子と鬼太郎たちはお礼も兼ねて街を案内してもらうことになった。

 

「本当に僕のタイプ。」

「あら、ねずみ男さんたらっ。冗談ばっかり!」

 

ねずみ男に言い寄られるが軽くいなす夢子は気あろうに話しかけた。

 

「妖怪が人間に恋してどうすんのよ!」

「あら、そんなことないわ。猫娘さん、これからは妖怪と人間仲良くしなくちゃ。ねっ鬼太郎さん!」

 

「っむ。」

 

夢子に対して俄かに嫉妬する猫娘であった。

 

 

 

 

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