大樹の妖精、神となり   作:公家麻呂

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126 昭和 暗躍する妖狐たち

最近父親の様子がおかしいと従姉の春子から相談された夢子は妖怪の存在を感じて鬼太郎に相談することに。

 

「鬼太郎さんに相談してみましょう。ね!」

 

砂かけばばあが占ってみると、15年前に事業に失敗し自殺を図った春子の両親の前に妖怪・白山坊が現れ、16歳になった春子を嫁にする条件で事業を成功させていたのだ。

 

 

 

山王日枝神社では二人の妖狐が密談していた。

布をまとった白い狐の妖怪白山坊。そして、神主の格好をした白狐の妖怪白蔵主。

 

「うまくいっている様だな。白山坊。」

「はい、順調です。今月も指定の口座に売り上げの一部を入金させましたのでお確かめを。」

「わかった。部下にやらせておく。金の事は心配しておらんが、要らぬ欲をかくのは関心せんぞ。」

「娘を生贄にもらうと言う奴ですか。人を喰らうは妖怪の本能…大目に見てほしいものです。」

 

白山坊のこれまでの貢献を鑑みても人間の娘一人くらい目を瞑っても良いだろうと判断した白蔵主。

 

「まぁ、良いだろう。だが失敗は許さんぞ。」

「はい。解っております。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白蔵主の心配は見事に的中し、白山坊は春子を連れ去ろうとするが鬼太郎に邪魔をされる。

 

「えぇい!お前ら!やってしまえ!」

 

白山坊の合図で沢山の妖狐が現れる。

 

「来る気を付けるのじゃ!奴らは鎮台の妖狐じゃぞ!」

「はい!父さん!!」

 

妖狐たちの術を躱して、砂かけ婆や小泣き爺たちと協力して倒してゆく。

春子の屋敷で繰り広げられ戦いは白山坊を屋根の上まで追い詰める。

 

「えぇい!このまま、恥をかくわけにはいかんのだ!!死ね鬼太郎!」

 

白山坊は剣を抜いて鬼太郎に切り掛かる。

鬼太郎は身を翻して白山坊に剣のようにしたちゃんちゃんこを一太刀浴びせると白山坊は苦しみだしてから気絶した。

 

「砂かけ今だ!」

「ほいきた。」

 

砂かけ婆は蜂を焚きつけて白山坊に止めを刺した。

 

 

「どういうことなの?」

 

夢子はどうして白山坊がやられたのか理解できず目玉おやじと砂かけ婆に尋ねた。

 

「ちゃんちゃんこの先に奴に弱点のジガバチと毒をぬったのじゃ。」

「そしてわしがヒメバチに蛾の卵を注射してもらったのじゃよ。」

 

「蛾の卵?」

「蛾の卵は白山坊を中から食べ尽くして成虫になり飛び立っていく。その過程を1日でやってしまう様にしたんじゃよ。」

 

翌日、夢子と鬼太郎たちは春子に見送られて屋敷を後にした。

白山坊の成れの果ての蛾が飛び立っていったのが一反木綿に乗った鬼太郎たちからも見えていた。

 

ッボ

 

蛾が突然火だるまになり、消えた。

 

「あ、あれは!?」

 

鬼太郎の視線の先には神主姿の白い妖狐である白蔵主の姿があり、白山坊の蛾が焼け崩れるとすぐに姿を消してしまった。

 

「あれは、妖狐の長…白蔵主じゃ。何も起こらねば良いのじゃが…。」

「父さん…。」

 

 

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