大樹の妖精、神となり   作:公家麻呂

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128 昭和 オベベ沼の妖怪

 

ぬらりひょんの暗躍は続いていた。

 

「白蔵主殿、今は我々が争っている時ではありませんぞ。」

 

「日本を天道派の治世に戻す前に、鬼太郎は倒すべきか。」

「そうです。妖怪至上主義を標榜する私と大樹様を中心とした人妖の政を目指す貴方ですが、人間の為の世の中の現状維持を良しとする鬼太郎は共通の敵ではないでしょうか。ここで我々がいがみ合うのは…」

「下策と言う事か。」

「はい、その通りです。」

 

ぬらりひょんは白蔵主と不戦協定を結んだのであった。

 

 

 

 

 

 

校外学習の一環で夢子たちは農村で田植えをすることになり、そのことを鬼太郎に話すと鬼太郎も偶然にもその農村に用事があり、現地で会うことになった。

 

「鬼太郎さんもぜひ田植えに参加してください。」

 

そして、なぜか鬼太郎たちも農家の人に勧められて校外学習の田植えに参加することに

 

「ね?鬼太郎さんも来てよかったでしょ?」

「うん、都会でスモッグを吸っているよりもずっといいや。」

 

鬼太郎たちが夢子たちと田植えをしている間に目玉の親父は村長から依頼を聞いていた

 

「悪戯妖怪に悩まされておりまして。」

「ここはオベベ沼と言ってカワウソが住んでいたはずじゃが。」

 

 

夢子が友達たちと止まらせてもらう予定の農家に向かっている時。

 

 

「釣った魚を売ってかーちゃんの入院費用を稼いでいるんだ。」

「おめー貧乏なんだな。」

「ここまで聞いたんだから力になってくれるよな。シジミを取ってくれよ。」

「おう!任せとけ!」

 

少年の為にねずみ男が親切にしている所に遭遇した。

夢子は優しい子である。少年の話に同乗した彼女たちは少年に頼まれて近くで野イチゴを詰むことに

 

 

 

 

「なんかかゆいな。」

 

歩みを覚えたねずみ男が腕を上げると、腕にびっしりとヒルが食いついていた。

 

「ぎゃー!」

「あ、ここヒルの巣だった。あとでっかい亀もいるんだ。おじさんくらいの大人がおびき寄せるにはちょうどいいんだよ。」

 

 

「きゃー!」

「あ、そっちは蛇がいるんだった。」

 

ねずみ男がのたうち回り、夢子たちは蛇に驚きてんてこ舞いしているのを少年は腹を抱えて笑っていた。

 

「もう、その辺にするんだ。ひどいことはもうやめるんだ!」

 

鬼太郎が割って入ってかわうそを捕まえようとすると

 

「くそ!」

 

かわうそは口から水鉄砲で鬼太郎に応戦した。鬼太郎とかわうそは沼で激しい格闘戦を行い。

 

「「勝負だ!」」

 

鬼太郎とかわうその勝負は鬼太郎の勝利に終わり、かわうそはちゃんちゃんこで縛られてしまうのだった。

 

「どうして、こんなことをしたんだ?」

 

かわうそは強情に口を開かなかった。

それを見たねずみ男は鬼太郎に「ちょっと俺に任せてみろ」と言ってかわうその前で鮒を釣ってそれを火で焼き始める。

 

「ふ、鮒!…うまそうだなぁ…。」

「欲しけりゃ、正直に理由を話せ!」

「ひ、卑怯だぞ!」

「どうだい?この匂い、我慢できまい。」

「あ~わかったよぉ。言うよ~。」

 

鮒の誘惑に負けたかわうそがぽつりぽつりと口を割る。

 

「近頃の人間はおかしいんだ。山を捨て、野を捨て、皆遠くに行っちまう。おれ…なんだか寂しくて…。」

 

「鬼太郎さん…。」

 

かわうその言葉に同乗した夢子たちも鬼太郎に視線を寄せる。

 

「かわうそ、ゲゲゲの森って場所があるんだ。そこは日本中のどこにでもあるけど、どこにもない。僕たち妖怪の隠れ里みたいなところなんだ。二度と人間にいたずらしないって約束するなら連れてってやるよ。どうする?来るかい?」

 

かわうそは瞼に涙を浮かべて答える。

 

「うん!」

 

 

 

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