大樹の妖精、神となり   作:公家麻呂

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131 昭和 対決!!日本国天道派 中編

内閣会議室

 

「以上、京都妖狐の決起、両面宿儺の復活などの各情報を精査した結果。相当規模のクーデターが発生する可能性が極めて強いと言う判断に至りました。」

 

ざわつく会議室

 

「防衛大臣、防衛庁の方では何か掴んでいないかね。」

「陸海空ともに変わった動きは見られません。」

 

「かつての三島事件や三無事件の様な背後関係はありそうかね?」

「京都の事態は所謂天道派が主導している。自衛隊内の隠れ天道派が行動を起こすのでは?」

「自衛隊内の天道派の存在は所詮噂です。言いがかりはよしていただきたい。」

 

「天道派の悲願は麻帆良に幽閉されている。かの御方の解放であろう?彼女を中心とした保守政権の樹立と言ったところか。」

「米英や魔法使い達の目もあるんだ。そう滅多なこと…。」

 

「だが、現に関西の天道派は決起したではないか。他の地域の天道派や・・・万が一にもインペリアル・タイジュが出てきたら手に追えんぞ。連中は軍艦を持っているんだからな。」

 

「そうなる前に手をうたねばなりません。麻帆良の方には警告を出しておくとして、自衛隊内の選別をしておくべきでしょう。」

 

 

 

 

防衛庁、関東魔法協会合同指揮所

 

「警視庁より入電、不審大型トラックから自動小銃320丁、手榴弾400、5.56mm機関銃、迫撃砲、バズーカ砲各1基を押収したと連絡がありました。」

 

「御殿場から連絡、第一戦車大隊の一部に不穏な空気ありとのことだ。」

「なに、戦車も来るのか?」

 

 

情報が交差する中で待ちわびた知らせが届いた。

 

「敵の作戦計画書です。真崎陸将の自宅から見つかりました。」

「真崎は逮捕したのか?」

「いえ、踏み込んだ時には拳銃で自殺していました。」

 

 

『女神のいない八月』と題された作戦指示書には参加戦力や作戦内容が書かれていた。

白蔵主率いる中央鎮台残党を中心とした戦力が陽動の為に大規模な破壊活動を行い、その隙に関東の天道派残党及び天道派自衛官によるクーデターによって一気に政権を掌握すると言った内容であった。

 

クーデター軍の編成は旧関東大樹大社儀仗隊(妖精)、利根川水系河童衆、王子稲荷妖狐衆、宗固狸傘下の化け狸を中核部隊とし、これに旭川・青森・相馬原・静岡・広島・北九州からの決起自衛官を動員した3000である。また、このクーデター計画は旧東国鎮台のたんたん坊やインペリアル・タイジュの隠神刑部の傘下は確認できなかった。

 

8月15日正午を期して一斉に各目標を制圧する手筈になっていた。

 

首相はクーデターの詳細を知るや否や、統合幕僚長以下3軍幕僚にクーデターの速やかなる鎮圧を命じ、関西呪術協会に対しても畿内の妖怪クーデター軍制圧を命令した。また、都内の妖怪クーデター軍鎮圧には関東魔法協会の協力を依頼したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「ケノテートス・アストラプサトー・デ・テメトー(来れ、虚空の雷、薙ぎ払え)。」

 

斧の形状をした雷が両面宿儺に直撃する。

不完全な形ではあったが古の神でもある両面宿儺、伝説級のそれこそ安倍晴明クラスでもないと倒せるはずのない存在。自衛隊が全力を持って戦わなければならないような化け物。

 

それが、一撃の下に粉砕されている。

 

「ば、馬鹿な。」

「白蔵主様!!軍勢は壊滅です!!撤退!!撤退しましょう!!次を!!次の機会を待ちましょう!!」

 

唖然とする白蔵主は側近の宗旦狐に呼びかけられて我に返る。

 

「くぅううううう・・・無念、誠に無念なり、この恨みはらさでおくべきか。・・・退けぇ!!退けぇい!!」

 

 

 

 

「おい!待て!こいつら!!」

 

「ナギ、その辺りで良いでしょう。それにこちらも無傷ではないのですから深追いは禁物です。」

 

ナギと呼ばれた赤毛の青年にその仲間と思しき禰宜装束の剣士青山詠春が呼びかける。

 

「それにしても、あれの対処法をエヴァンジェリンさんが知っていたのは意外です。」

 

詠春の言葉にエヴァンジェリンは淡々と答える。

 

「ああ、2度目だからな。」

 

この頃、エヴァンジェリンは赤い翼と短期間だが行動を共にしていた。彼女は逃げ去る白蔵主たちを視線に捉え、虚しさとも何とも言えない感情が過った。

 

「助かったぜ。」

「そ、そうか!なら良かった。」

 

赤毛の青年に誉められた彼女は年甲斐もなく浮かれていた。

 

そして、この飄々とした青年がただものではないことは明らかだろう。彼こそはナギ・スプリングフィールド、魔法世界の戦争においてメセンブリーナ連合を勝利に導いた英雄である。

 

「っち、しかたねぇか。」

 

そう言って彼は関西呪術協会の神殿に戻っていった。

 

 

 

 

 

首相官邸

 

首相は不安げな思いを抱きつつ、秘書官や側近らが首相に報告を上げて指示を受けていた。

 

「京都の大規模決起は関西呪術協会ならびに関係各所の協力もあり鎮圧に成功したとのことです。」

「他は?」

「国道21号線上で決起部隊を乗せたバスを第10師団第35普通科連隊が鎮圧しました。」

「すでに決起した部隊がいたのか。」

「未決起部隊に武装解除を迫る予定です。」

「そうしてくれ。」

 

首相はため息をついて天を仰いだ。

 

「あぁ、本当に面倒なことになった。これでまた、麻帆良の魔法使いや米国に融通しなくてはならなくなる。」

 

 

 

 

 

鬼太郎たちの見つけた集団もそう言ったクーデター軍の一部なのであった。

 

「夢子ちゃんは、戻って父さんたちに知らせるんだ。」

「わかったわ。」

 

夢子に仲間たちに知らせるように頼むと鬼太郎は男たちの様子を観察する。

男たちは無線機で外部と連絡を取り始め、しばらくすると

 

「戦闘準備。」

「了解!戦闘準備!」

 

 

指揮官らしき男が指示を下した。

 

「これより、この列車を制圧する!」

 

 

 

 

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