大樹の妖精、神となり   作:公家麻呂

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137 昭和・異次元妖怪の大反乱 カロリーヌ

幻月、夢月姉妹の登場から場面は戻り。

 

「パパに言われてみんなの所に行ったの。そこで事故に遭って・・・。わたし、鬼太郎さんをやつける為なんて知らなかったの。」

「ん?パパって?」

 

「ぐわごぜなの。わたし・・・きらい?」

 

朧車の涙を使えば元に戻るというカロリーヌに、彼女が詳しすぎることを不思議がるねずみ男はここでカロリーヌがぐわごぜの娘だと知るのでした。そして、ねずみ男は彼女の涙を払ってやって。

 

「カロリーヌちゃんはカロリーヌちゃんさ。」

 

 

 

 

 

 

そして、ペンダントを渡され、朧車の涙を手に入れようとねずみ男が自慢のガスをぶっかけようと近づきますが転んでバレてしまう。

カロリーヌの協力で涙を手に入れることに成功したのですが、朧車に体当たりを受けてたカロリーヌは壁に叩き付けられてしまうのでした。

 

「ねずみ男ちゃん。パパを許してあげて・・・本当は優しいパパなの。」

「許す!許す!なんだって許しちゃうっての!だから、しっかりしてよ。カロリーヌちゃん。」

 

ねずみ男がカロリーヌを助けて逃げ出しますが思った以上に重傷のカロリーヌ。

 

「それに鬼太郎さんにごめんなさいって…。」

「なぁに、あいつは大丈夫だよ。」

 

「ねずみ男ちゃんに会えてよかった。もし、妖怪に生まれ変わったらお嫁さんにしてくれる?」

「ああ!!もちろん!決まってるじゃないか!!」

「うれしい・・・。」

 

そのまま息絶えてしまうのでした。

 

「な!?そんな!!冗談だろ!!カロリーヌちゃん!目を開けてごらんよ!!お願いだからよぉ!!やだよ!こんなの嫌だよ!こんなの嫌だぁ!!」

 

泣き叫ぶねずみ男。カロリーヌの亡骸を傍の腰掛に横たえた。

怒りも高まり、まずは鬼太郎を助けるために妖怪たちをばったばったと殴って鬼太郎のもとに向かうねずみ男。

 

勢いのまま、妖怪皇帝に向かうねずみ男の前にぐわごぜが立ちふさがる。

 

「ぐわごぜ!お前は馬鹿だ!バカ親父だ!カロリーヌちゃんはなぁ!カロリーヌちゃんは朧車に殺された。」

「な!?なぁ!?まさか!」

「なにが、まさかだ!バカヤロー!!」

 

ぐわごぜは愕然として膝をついた。

 

「わ、わたしはただ・・・娘にあの頃の様な時代に生きて欲しくて・・・・・・。あの子の為に・・・二人で幸せに暮らしたかっただけなのに・・・。わたしはどこで間違えてしまったのだ。」

 

カロリーヌが亡くなったことをぐわごぜに伝え最後までパパを許してあげてと言っていたことを伝えカロリーヌの優しさに気付かせたのでした。

 

『娘一人に騒がしい。国の為だ我慢せい。』

 

ぬらりひょんの言葉を聞いたぐわごぜは激高してぬらりひょんに殴り掛かかろうとした。

 

『ふん、馬鹿ものめ。取り押さえ、引っ立てろ。』

 

他の妖怪たちに組み伏せられ、国会議事堂の中に連れて行かれてしまった。

ぐわごぜの行動でねずみ男から注目が逸れた。

 

その隙に、朧車の涙の入った入れ物を、鬼太郎とぬりかべに投げつけて元に戻すねずみ男。

地下の朧車が怪気象の犯人だとねずみ男から知った鬼太郎はさっそく退治しに行こうとすると地震が起こり、地下から妖怪戦車が現れる。

これは夜行さんの発明で輪入道と野槌が合わさった戦車だ。

 

そこに、辻神が現れ議事堂の頂上へ逃げるぬらりひょん。

野槌を使った妖怪戦車はがしゃどくろや土蜘蛛を吸い妖怪たちを次々と吸い辺り一面を一掃。しかし、妖怪軍団の次に現れた悪魔軍団のベリアルの雷撃で妖怪戦車が壊されてしまう。

 

「東洋の妖怪など恐れるほどではないわ!この悪魔ベリアルが捻りつぶしてやる!」

 

「み、みんな!」

『よそ見などしてられるのか!鬼太郎。』

 

ぬらりひょんの剣撃は鬼太郎と拮抗していた。

 

 

「こちらは任せてもらおうか!来たれ氷精!爆ぜよ風精!弾けよ凍れる息吹!!氷爆!!ニウィス・カースズ!!」

 

「「「ぐぎゃああああああ!!」」」

 

「っ!?おのれ!吸血鬼の小娘が!!このベリアルが相手になってやろう!」

 

だが、そんなベリアルであったが悪魔軍団を蹴散らしながら現れたエヴァンジェリンに逆に圧倒されてしまう。

 

「大悪魔であるこの私が!?妖怪如きに!?」

 

 

そして、鬼太郎とぬらりひょんは戦いの最中。

 

「人間よりも優れている妖怪が人間世界を支配するためだ。」

 

と、言い。それを聞いた鬼太郎は

 

「妖怪には妖怪の、人間には人間のいいところがある!だから、助け合って生きていくべきだ!」

 

と返したのでした。

 

「っぐ!」「うぅ!」

 

そして、その直後、眩いばかりの光量の魔力の光でぬらりひょんと鬼太郎は目を充てた。

 

「あら、魔法使いのパシリにされた吸血鬼に、極東の雑兵妖怪じゃない。」

 

鬼太郎の攻撃で傷付いたぬらりひょんはそのまま国会議事堂のてっぺんから幻月、夢月姉妹に声を掛ける。

 

『ちょうど良いところに・・・。おぬしら、ぐわごぜではなく儂に付けばよい!』

 

「それは契約違反なのよ?でも、ぐわごぜの契約通り暴れてあげるから。」

 

『まぁ良い。だが、あの吸血鬼の相手はしてくれよ。』

 

 

 

 

 

 

その頃、議事堂内では朧車を倒した大樹は議事堂の廊下でカロリーヌの亡骸を見つける。

 

「この子は・・・間に合えばいいけど。」

 

カロリーヌの亡骸に手を添えて力を注ぐ大樹。

 

「よかった。一命は取り留めたみたい。」

 

大樹が一息ついているとぐわごぜの声が聞こえ、他の妖怪に連行されているぐわごぜの姿であった。

 

大樹はぐわごぜを捕らえていた妖怪たちを組み伏せた大樹はぐわごぜにどういう事か声を掛け説明させた。

 

「ぐわごぜ・・・娘に会いたいですか。」

「はい、会いたいです!せめて、もう一目!!」

「では、鬼太郎さんを助けて、他の皆を止めなくてはなりませんね。」

「そ、それはどういう・・・!?」

 

泣き腫らし、大樹に縋るぐわごぜの後ろからスッと姿を見せるカロリーヌ。

 

「か、カロリーヌ!!た、大樹様!!貴女がお救いくださったのですね!!ありがとうございます!ありがとうございます!!」

 

大樹はカロリーヌの背を優しく押してやる。

 

「もういいのパパ。大樹様と行って、皆を助けてきてあげて。」

「ああ、わかった。」

娘と話を終えたぐわごぜは覚悟を固め、事務方に廻ってから触れもしていなかった錫杖を手に取って、大樹の前を歩きだす。

 

「大樹様、ご案内します。」

「よしなに。」

 

 

 

テクニックもクソもない純粋な魔力の奔流が光の柱となってエヴァを狙い、その隙を縫って氷撃を放つ。

 

「っく」

 

「あらあら?二つ名持ちがこの程度なんてね。闇の福音の二つ名が泣いてるわよ。」

「最強妖怪の一角である吸血鬼がこの程度とは・・・。」

 

「うるさい!二つ名も持ちで神格級の悪魔が言えたことか!!」

 

 

 

次第に押されていくエヴァ。

まだか!?大樹!!

 

焦りが少し見え始じめ、追い詰められてしまった。

 

「っく!?」

 

「さて、止めですよ。」

夢月の言葉を遮る様にぐわごぜの声が響く。

駆け足でここまで来たぐわごぜは少々息を切らせながらも声を出した。

 

「契約違反だ!!」

 

幻月がぐわごぜを睨みつける。

 

「契約違反ですって?私達に?聞き捨てならないわね。」

 

「け、契約書には私と娘の為に暴れろと言った。だが、儂の為にもなっていないし、一度は娘の命を失う羽目にもなった。契約違反だろう?」

 

「それは、解釈の違いでは?」

夢月の言葉を遮って幻月、夢月に大樹が言葉を挟む。

 

「それに私との客将としての契約もある。二重契約は禁止ではないが悪魔業界では褒められたことではないのでしょう?」

 

「そ、それは!!」

夢月を遮って幻月は手を広げて降参のポーズをとる。

 

「参ったね。今回は手を引いてあげましょう。契約者が契約の不履行を望むんですもの仕方ないわね。それに大樹様は幽香から良くしてと頼まれてたし大目に見るわよ。どうせ、この世界に執着がある訳じゃないし、夢月、ベリアル帰るわよ。」

「わかったわ、姉さん。」

「っは!幻月様!」

 

悪魔たちが去り、妖怪皇帝のぬらりひょんに注目が集まった時にはぬらりひょんは既に姿は無く、その名の通りひょんと消えていたのであった。

 

『この勝負は暫し預けておこう。ふははははっは。』

 

 

 


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