大樹の妖精、神となり   作:公家麻呂

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141 昭和 鬼道衆!!鬼巫女の鬼太郎抹殺作戦!!

 

半魚人と人魚の王族の結婚式。

地球海洋世界における水棲妖怪勢力図における主流派人魚族と魚人族である。その他分類に海坊主やスキュラ等があげられる。船幽霊は幽霊なので妖怪に分類するかは微妙である。

また、河川系主流派は河童である。ちなみに西洋の河川主流派はケルピーなどの妖精系である。さらに言えば河川系の人魚もいる。

 

とにかく、水棲妖怪の主流である人魚族と魚人族の王族同士の婚姻は水棲妖怪全体の一体化が進むと思われる。大樹統治時代においても妖怪海軍水軍の中核であったが広い分布もあり勢力としては纏まっているとは言えなかったが、この婚姻で一大勢力になる可能性が出てきたとも言える。

 

人魚と半魚人の王族の結婚式では、大樹野槌水御神や旧大樹派大妖怪の祝電もあった。

出席者としては最近名を上げている鬼太郎ファミリーとその友人の人間である夢子が出席していた。

 

「半魚人さん、わかさぎ姫さんを大切にしてあげてくださいね。」

 

わかさぎ姫と言えば河川系人魚の筆頭王族である。

海洋系人魚の王族ではないあたりが、壁を感じされるが人魚と半魚人と言う水棲妖怪主流派の統合の走りとしては十分と言えた。

 

だが、怪しげな雲行きになりあたりは暗くなる。

 

「観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空 度一切苦厄 舎利子 色不異空 空不異色 色即是空 空即是色 」

 

奇妙なお経と共に怪しい集団が現れると半魚人を攻撃してわかさぎ姫を連れ去ろうとする。

鬼太郎が攻撃して追い払うと、奴らは鬼道衆だと目玉おやじが言う。

 

「大丈夫?」

わかさぎ姫が半魚人を気遣い半魚人は気丈に振る舞い息巻いた。

 

「俺の嫁さんに何をするんだ!!」

 

 

「奴らは鬼道衆じゃ!」

 

 

目玉おやじの話では1000年も昔からいる妖怪狩りのエキスパートだそうだ。

かつての天竜川の戦い、甲州征伐における諏訪方面の戦いで壊滅していたはずだったが長い月日を掛けて復興していたようだった。

 

 

 

「八尾比丘尼様。鬼太郎に邪魔をされ失敗してしまいました。」

 

鬼道衆の一行は八百比丘尼の前に姿を見せると鬼太郎に邪魔をされたと報告。

女王人魚の肉を食べないと八百比丘尼とその霊力で生きてきた鬼道衆も死んでしまうそうだ。

 

「大樹が失権しやっと我らが台頭する好機と言うに、おのれ鬼太郎!!っぐ!?」

 

そんななか、苦しみだす八百比丘尼。

 

「鬼巫女の術を使うのだ。それしかない!」

 

鬼太郎を倒すには鬼巫女の術を使うしかないと言って社に籠る事にして鬼道衆たちは再び鬼太郎たちのもとを目指すのだった。

 

 

翌日、夢子が森の中を歩いているとねずみ男が現れ、昨夜の奴らは人魚の肉を狙っていたと話す。

 

「夢子ちゃん!なんでも昨日の連中は鬼道衆って言ってね。人魚の肉を狙ってたんだってよ。その昔、八百比丘尼という尼さんが人魚の肉を食べて800年も生きたそうなぁ。奴らきっと漢方の薬にでもするつもりなんだろうぜ。」

 

「怖い、わかさぎ姫さんが心配ね。

 

と心配する夢子。

 

「鬼太郎たちや姫さんの友達の妖怪がっているから大丈夫。」

と言うねずみ男は夢子にラーメンを奢ると言うが、ねずみ男が奢ってくれるなんて珍しいわねと言うと気持ち悪いから帰ると言って去ろうとする夢子。

 

「きゃあああ!?」

 

ところが鬼道衆が現れてユメコを連れ去ってしまうのだった。

連れ去られた夢子は捕らわれ、八百比丘尼にお前は鬼太郎に騙されていると言われる。

妖怪と人間は天と地が開かれて以来敵同士なのだと言う八百比丘尼に対し

 

「違うわ、妖怪と人間は友達よ。鬼太郎さんはいい人よ。」

 

と言う夢子だが、鬼太郎は人間の敵だと言われて術にかけられてしまうと鬼巫女にされるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、わかさぎ姫の友達の今泉影狼と赤蛮奇は大樹に助けを求めて麻帆良学園の敷地に入ったはいいが魔法使いに追い回されていた。

 

「ちょっと!!勘弁してよ!!貴方達とやり合うつもりはないんだ!!大樹様に合わせて欲しいんだよ!!」

「そうなのよ!!助けて欲しいだけなのよ!!」

 

ふたりはそう言って麻帆良内を逃げ回っていた。

その様子を聞いた近衛近右衛門は埒が明かないと感じ、エヴァンジェリンに対応を頼むのだった。

 

「ふふふふ、麻帆良に忍び込んだ妖怪ってのはお前たちか。」

 

カッコつけて相対そうとしたエヴァンジェリンだったがエヴァンジェリンを見た彼女たちが

 

「あー!!!えばんぜりん様!!お取次ぎを!!お取次ぎを!!大樹様にお取次ぎを!!」

「わかさぎ姫が私たちの友達で人魚の皇女のわかさぎ姫が、鬼道衆に狙われているんです!!えばんぜりん様!!400年前に京都での御勇姿を拝見しました!!お会いできて光栄です!!」

 

 

今泉影狼と赤蛮奇はエヴァンジェリンに大樹への取次ぎを求めた。

何気に影狼がエヴァンジェリンにファンです宣言をしていたがエヴァはその辺をスルーした。エヴァも何気に歴史上の戦いで活躍しているので妖怪の中にはファンもいたりする。

 

 

そして、学園長室で近衛門とエヴァ、大樹は今泉影狼と赤蛮奇の話を聞いてどうしようか話し合ったのであった。

 

「鬼道衆はある意味因縁ではあるからの。大樹様に助けを求めるのはわかるが・・・。」

「私が動けば魔法世界や連合国にあらぬ疑いを掛けられますからね。」

 

大樹と近衛門はしばらく悩んでいると大樹が手をポンと叩いた。

 

「そうです!エヴァ!貴女が行ってきてください!!大丈夫、貴女も日本妖怪の中では有名人ですもの!大丈夫よ!」

 

それに近衛門が一言苦言を呈した。

 

「エヴァンジェリンもあまり外に出していいわけではないのじゃが・・・・・・それに、判子押し続けるの手が痛くなるから嫌なのじゃが・・・」

 

「そんなこと言わないで、私も手伝うし、何だったらぐわごぜにも手伝わせるから!大丈夫!魔法印の偽造くらいできるわ!神様だもの!!ぐわごぜも私の下で400年近く筆頭文官してるから出来るはずよ!」

 

それを聞いた近衛門は目を丸くした。

 

「そんなことできたなら早くいって欲しかったの。儂、腕が腱鞘炎になりかけてるんじゃが?」

 

「・・・私、表舞台から引退してるし、ぐわごぜだって子育てに専念したいって言ったから・・・。」

 

大樹と近衛門がコントをしているとエヴァが白けた視線を送った。

 

「私は行くとは言っていないのだが?」

 

「行ってくれないの?」

 

悲しそうな目で大樹はエヴァを見つめた。

 

「えぇい!そういう目で見るな!!行ってやる!!行ってやるから!!」

 

「エヴァのそういうところ。私好きよ?帰りにちょっとくらい寄り道してもいいから・・・ね?」

 

「う、うるさい!!そこの妖怪!!とっとと案内しろ!!」

 

「「は、っはい!!」」

 

ちょっとばかり、エヴァに八つ当たりされる今泉影狼と赤蛮奇であったが、なにはともあれわかさぎ姫の頼もしい助っ人を確保することに成功したのでした。

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ねずみ男は鬼太郎に夢子が拐われたと伝えると鬼道衆が姿を見せてお経を唱える。

鬼太郎たちが立ち向かうが手も足も出ずやられてしまう。

 

「鬼巫女様、止めを・・・」

 

そこに鬼巫女が姿を現わすと、トドメを刺し鬼太郎は妖怪殺しの奥義を食らってしまい魂が絵馬のなかに。

 

 

「きゃああ!!」

 

鬼道衆は王族半魚人と家臣の半魚人達や人魚たちをなぎ倒し、そのままわかさぎ姫を捕らえてしまうのでした。

 

そして、鬼道衆の半数はわかさぎ姫を連れ去り、残りが鬼太郎の仲間たちや海の妖怪たちを葬り去ろうとしたとした時だった。

 

「みんな!!助けに来たよ!!」

「お待たせ!!助っ人を連れて来たよ!!」

 

今泉影狼と赤蛮奇がエヴァンジェリンを連れて戻ってきたのでした。

 

「何奴!!」

「我ら鬼道衆が相手だ!!」

 

鬼道衆と相対した3人。

今泉影狼と赤蛮奇も妖怪としては強い部類であるので足手まといにはならない。

 

3人が鬼道衆を撃退するのだが、目玉おやじ達にわかさぎ姫が連れ攫われてしまったことを聞くのでした。

 

 

 

 

 

 

「800年ぶりの人魚の肉・・・。これで妾もまた幾百年生き永らえる。」

 

怪しく哂う八尾比丘尼に対してわかさぎ姫は

 

「私の命は捧げますが仲間の人魚や妖怪たちに手を出さないでください。」

と願ったが、それはできないと言う八百比丘尼。

 

「あぁ!?」

 

そんななかわかさぎ姫は窯で茹でられるのだった。

 

一方、妖怪殺しにあった鬼太郎を助けるためにエヴァンジェリンやわかさぎ姫の友達のふたり、鬼太郎ファミリーたちは一路。鬼道衆の隠れ家に向かうのだった。

 

一反もめんが結界にぶつかると、わしら妖怪はここから先へは入れないと目玉おやじが言う。しかし急いで絵馬を取り戻さないと鬼太郎もわかさぎ姫の命も危ない。

 

「ふむ…この程度なら何とかなりそうだな。少し下がってろ。」

 

エヴァはそう言って皆を結界から少し離れさせる。

 

「くらえ!集え氷の精霊 槍もて迅雨となりて 敵を貫け! 氷槍弾雨(ヤクラーティオー・グランディニス)!!」

 

大量の氷の槍で結界が突き破られる。

 

「よし!皆行くのじゃ!」「「「「「おー!!」」」」」

 

目玉おやじの号令で一行は突入した。

 

一行は鬼道衆たちとの乱戦に入る。

 

「やれ!!」「このぉ!!」「妖怪どもめ!!」「くらえ!!」

 

その拍子に絵馬を奪おうとするねずみ男により絵馬は飛び、シーサーが絵馬を叩き割ると鬼太郎の魂は解放されて元どおりに戻ったのであった。

 

「おのれ!!この八尾比丘尼が相手をしてやる!!」

「ほぉ…400年前は両面宿儺を相手にしたが、貴様どれほどか。この闇の福音が相手になってやろう!」

 

「鬼太郎さんたちはわかさぎ姫を助けに行って!!」「早く!」

 

今泉影狼と赤蛮奇は八尾比丘尼の取り巻きたちに向き合いつつ鬼太郎たちに先に向かう様に促すのでした。

 

侵入する鬼太郎は一反もめんに乗って先に進むとわかさぎ姫を見つけます。

けれども、また鬼道衆が立ち向かってくる。

 

そんななか鬼太郎は同じ手は二度と食わないと技を避け、砂かけ婆たちも後から追いつくと鬼道衆たちと戦うことに。

鬼太郎は鬼巫女の前に立つと、鬼巫女が術で火を繰り出して攻撃。

人間とは戦いたくないという鬼太郎だがそっちがその気ならと戦う気に。

 

「だめ!その人は夢子さんなのよ!」

 

するとわかさぎ姫が鬼巫女は夢子だと教える。

鬼巫女は再び術で攻撃すると手出しができない鬼太郎。

それでも、鬼巫女である夢子に話しかる。

 

「妖怪と人間が仲良く暮らせるように戦ってきたじゃないか。」と説得。

 

鬼太郎の呼びかけで鬼巫女の動きが止まる。朝日が昇り、何もしない鬼巫女に痺れを切らした鬼道衆が鬼太郎めがけて飛び道具で攻撃。

鬼巫女が咄嗟に鬼太郎を守ると鬼巫女の面が割れる。

 

それを見た八尾比丘尼に隙ができ、エヴァの攻撃を受けて消滅するのであった。

また、八尾比丘尼が消滅すると、鬼道衆たちも一斉に朽ち果てるのだった。

 

「かつて、大樹と信長が妖怪と人間の楽園を築き上げた。だが、人間たちはその楽園を自ら壊して妖怪たちに刃を向けた。妖怪と人間は・・・・・・。」

 

エヴァの言葉に、夢子がそれは違うと答えた。

 

「私と鬼太郎さんは仲良しよ。それに今まで鬼太郎さんに助けてもらった子たちも妖怪と仲良くしたいって思ってる。だから・・・そんなこと言わないで・・・。」

「そうですよ。僕と夢子ちゃんは仲良しですよ。だから、また妖怪と人間は仲良くなれます。」

 

 

夢子と鬼太郎の姿を見て、エヴァンジェリンはふとその姿が大樹と信長に重なって見えた。

 

「っふ、そうかもしれないな。まだ、希望はある。」

 

 

最後は、わかさぎ姫も無事に半魚人のもとに戻り幸せな生活を送るようになるのでした。

 

 

 

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