大樹の妖精、神となり   作:公家麻呂

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158 平成 A組の生徒たち

 

 

そして、その翌月の3月初めに私が出張が多い高畑先生の補佐と言う形でA組に赴任した。

 

「大樹水御(おおきみずみ)先生だ。今後は僕がいないときは彼女が面倒を見てくれるから仲良くしてくれよ。」

「「「「「はーい!」」」」」

 

「皆さん、よろしくお願いしますね。」

 

そこから始まる質問攻め。

「先生質問~!」「あたしも、あたしも~」「彼氏いるの?」「どこ住んでるの?」

 

「ほらほら、先生が困ってるじゃないか。麻帆良のパパラッチこと、朝倉和美が代表して聞いてあげよう!」

 

「お、お願いします。」

 

げ、元気な子たちですね。

 

「でははじめは住んでるところは?」

「え~と、図書館島ですね。」

 

「図書館島って人住めるの?」

「えぇ、まぁ・・・。」

「人住めるのか?初めて知った。」

 

 

「図書館島は非常に深いことも有名ですが、平面的な広さもかなりの物です。居住スペースがあっても不思議じゃないです。」

「そういえば、図書館島で大樹先生によく会ってたのって…。」

「あそこに住んでたからなんですね。道理で図書館島に詳しいわけね。」

 

図書館探検部の綾瀬夕映と宮崎のどかは長年の小さな疑問が解けた。

 

「次の質問はやっぱり、これだよね?ずばり、先生は彼氏いますか!!」

「彼氏と言うか。夫がいます・・・。」

「「「キャー!!」」」

 

この質問は少々恥ずかしいものがありますね。

 

「旦那さんってイケメンですか!?」

「い、イケメンですね…。」

 

大樹が少し顔を赤らめたのを見た朝倉和美はこのネタで掘り下げることにした。

 

「旦那さんのお仕事は?」

 

征夷大将軍は信長の代じゃないし、天下人?いや待て、今の子たちに天下人って言っても伝わらないよね。官僚?公務員?軍人?どれだろう…とりあえず・・・。

 

「公務員です。」

 

 

 

 

「子供っている?」

 

えっと、神精丸と祀よね。あれ鵜葺草葺不合命は養子だから子供よね。

 

「あ、えっと3人ほど、孫もいます。」

 

「「「「「えっ!?」」」」」

 

ここで大樹の見た目だが、ローティーンである。

合法ロリな見た目で、実年齢は少なくても皇暦より長く、もしかしたら3000超えている。

見た目年齢なら12・13歳くらい。

そんな彼女が3人の子持ちで孫もいる。実際はその先のひ孫玄孫にもっと先もいるのだが、この人何歳っていう疑問がわくだろう。

質問攻めが続く、女子中学生の若さの力に大樹は押されていた。

 

と言うか。孫発言は墓穴である。

大樹が返答に困っていると。

 

「こらこら、女性に年齢を聞くのは女同士でも失礼なんじゃないかな?」

 

自己紹介トラップを高畑先生の助けで何とか切り抜けたのだが…。

 

 

 

 

 

授業が終わり、放課後エヴァのログハウスにお邪魔したのだが…

 

「ははははははっは!!ばぁか!!ははははは!!」

 

エヴァに指さされて腹を抱えて笑われる私。

 

「いや、お前、もっとうまく隠せんのか!その見た目で子持ちってのも変なのに孫って!?」

 

私は少しいじけながらも

 

「だって、今まではそんな隠す必要がある相手なんて、ほとんどいなかったから…つい。」

 

「あ、お前。よく考えたらとんでもない箱入りだったんだな。」

 

これまで朝廷と幕府を行ったり来たりしていた。近代化後も国家の中枢から離れることがなかった。ここに来て、彼女が少し一般からズレていることに気が付いたエヴァであったが、致命傷にはならないだろうし、学園長のじじいが頭を抱えるだけで、大樹も面白いことになるだけだと思って、そのままにすることに決めた。

 

 

「お送りしましょうか?」

 

茶々丸の気遣いに感謝しつつお断りする。

 

「大丈夫です。図書館島の書架に用があるので…調べ物があるので…今日は大丈夫です。」

「そうですか。では、お気をつけて。」

 

 

 

図書館島、一般書架。

禁書とかそういうのが置いていない図書館島浅層部。

 

日本史の資料を読みながら、授業の資料作りだったり、歴史研究の一環と言う建前で昔の思い出に浸って過ごしていた。次の巻を取るために席を立とうとしていると、ふと声をかけられた。

 

「大樹先生。」「こんにちわです。」

「あ、宮崎さんと綾瀬さん。こんにちは。調べものですか?」

 

二人の様子を察するに綾瀬さんの手伝いに宮崎さんが付き合っている様だ。

綾瀬さんの持っている本の表紙。週刊寺社安土城内の大樹神社の表紙に目を奪われる。

 

懐かしい。

 

「あら、綾瀬さんそれは?」

「週刊寺社ですよ。先生もそういったものに興味があるですか?」

 

「えぇ、織田家と大樹大社の関係とか調べたことがありますよ。」

※当事者である。

 

「では、桶狭間の戦いの前に織田信長が先勝祈願をした際に、大樹野槌水御神が勝利を予言する神託を下したというのはご存じですか?」※神託を下した本人である。

 

「えぇ、もちろんです。では、織田軍上洛の際には尾張桃園大樹宮と近江琵琶大樹大社が協力しているのですよ。これはご存じですか?」

 

私は綾瀬さんと歴史談議に花を咲かせ、読書が趣味と言う宮崎さんともそういった関係で良好な雰囲気でお話をしました。

 

これをきっかけに、私は二人と仲良くなり、図書館探検部の近衛さん(学園長のお孫さん)、早乙女さんとも付き合いができましたよ。

 

 

そして、早くも月日が過ぎていきます。

 

 

非常勤時代や政権相談役を兼務していた頃は生徒さんとはそこまで深いつながりがなかったので、これはこれで新鮮ですね。よく考えると自分の子供以外の子供とこうやって関わったのは記憶にないくらい久しぶりですね。今まではタクシー通勤でしたが、駅前で綾瀬さんや宮崎さんたちと待ち合わせして通勤することもあるんですよ。

 

さてさて、今日はあの魔法世界の英雄の息子であるネギ・スプリングフィールド君が来る日なんですが、どんな子が来るんでしょうか?

 

 

 

 

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