「え、ネギ君たち図書館の地下にいるんですか?助けに行った方がいいんじゃないですか?」
近衛近右衛門に事実を知らされた大樹は当たり前の返答をした。
「うむ、心配は要らんよ。その場所はわしが管理しているところじゃから危険はないのじゃよ。」
「そ、そうですか?」
大樹は近右衛門に疑いの視線を向けた。
大樹が安全性に疑問を持っているのは近右衛門でも、想像できた。故に話を逸らそうと話を振る。
「ところで、大樹先生。」
「な、なんですか?いきなり?」
「大樹先生は副担任なわけで、ネギ君のサポートも仕事のうちなのじゃ。ネギ君が図書館島で特に成績の悪い子たちと特別合宿をしてるわけじゃか。残ってる生徒たちも優秀な子たちばっかりと言うわけじゃないのじゃが、そっちは大丈夫なのか?」
「え!?」
いきなり、その話題は予想していなかった大樹は動揺してしまう。
「ネギ君には2-Aを学年トップにしないと課題不合格になると言う罰則があるわけじゃが、大樹先生には何もないのは不平等じゃな。ネギ君が課題クリアできない場合、学園外への外出禁止なんてどうじゃ?」
「え、えぇええええええ!!ちょ、ちょっと!それは!?」
「なに、2-A成績をどうにかすればよいことじゃ。簡単じゃろ?ほれほれ、大樹先生。こんなところでぼさっとしてなさんな。急いで行動あるのみじゃよ。」
それを聞いた大樹は慌てて学園長室を後にした。
「あ、課題の内容・・・学年トップじゃなくて最下位脱出じゃった。・・・まぁ・・・大丈夫じゃろう。あのクラスにはそれくらい発破をかけた方が効くじゃろう。」
数時間後
スパーン!!!教室の扉を豪快に開けた大樹は大声で生徒たちに席に着くように促す。
「はいはい!!みんな座って!!今回の学期末試験の成績は爆上げしないといけません!!ビシバシ行きますよ!!」
普段の緩い大樹先生とは違う空気を感じた生徒たちはここはおとなしく席に着いた。
「とは言え!!私だけではちょっとむつかしいと思いましたので!!外部から特別講師をお連れしました!!」
大樹は教室のドアを開けながら叫ぶ。
「菅原先生!!どうぞ!!」
「うむ、菅原m「ゔふぉ!?ごほっごほ!?」・・・。」
盛大にむせ返るエヴァンジェリン。大樹がズレていることは把握していたがここまでとは・・・。あのじじい・・・大樹はああ見えて外圧に押されやすいんだ。変に煽りすぎたな…恨むぞ。事情を知ってる私が抑えに回らねばならんではないか!!
そして、同時刻ネギ君のついでにと覗いていた近右衛門も盛大に吹いてむせていた。
「な、なんじゃとぉおおおおお!!あの神様なにやってんの!?」
逸話を見れば解るように神様と言うのは時折ぶっ飛んだ行動をする。大樹もそういった神様の一人なのだ。
「いくら、成績上げるためにって大宰府から菅原道真を呼びますかぁ!?」
と言うわけで、ネギたちが英語でツイスターをやったりゴーレムと戦ったりしている頃。
残った生徒たちは
『間違えた子たちにはビリビリ電気椅子!?お仕置き!!数学大会』『間違えたら梅の枝でお尻を叩いちゃう!?古文現国読み解こうゲーム!!』『高畑先生の本気の英語教室!!(急遽フォロー側として呼び戻された)』
と言うスパルタ授業が展開されていたのだった。
ちなみに、悪いのは最下位脱出と学年トップを伝え間違えた学園長だ。
そういうことにしておこう。
ネギ先生の特別合宿と大樹先生のスパルタ授業どっちがきつかったか。
それは本人たち胸の中。
むろん、菅原先生は期末試験後はお帰りになりました。
最下位脱出余裕でした。
東北某所
「たんたん坊さま、襲撃の準備順調に進んでおります。」
二口女の言葉にたんたん坊はうむと応じた。
辺りには雑多な小妖怪たちが集まっていた。
「暫し、時機を見てと思っておったが、勘弁ならん!人間どもの増長は目に余るものがある!」
辺りには荒らされ、建材が飛び散り、重機が損壊し散らばった工事現場の姿が広がっていた。
「東京の進出予定の場所なのですが…。変なものがありまして…」
「変なもの?」
小妖怪たちが錆付いた槍や刀を持って妖怪上に入っていく。
「はい、逆五芒星の印なのですが…。」
「害はないのだろう。大事の前の小事、捨て置け。わしは人柱を集めてくる。」