大樹の妖精、神となり   作:公家麻呂

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164 平成 竹の精・星華

ゲゲゲの森、一反もめんが短冊に願いをかける

「たのむ~。なつみちゃ~ん、ゆうかちゃん、よかけーん、ワシとデートしちゃり~。」

と一反もめんが短冊に願いを込める。

その横ではぬりかべが女房と子供たちと一緒に短冊に願いを込めていた。

 

(星華さん、元気でやってるかな。)

 

ぬりかべは思い出していた。数年前の彼女との思い出を・・・。

京都のとある笹林。

心優しき笹の精が住まうその笹林は今や伐採工事のための規制線が張られ、ご迷惑をお掛けしますの文言が書かれた看板が掲げられていた。

 

悪い妖怪の話を聞いて、退治するために鬼太郎たちと一緒に笹林に向かう予定だったが、用事で遅れてしまう。さらには道中で、脚の怪我で歩けなくなっていた。

 

「どうしよー・・・」と困っているぬりかべに「あんたもさっきのやつらの仲間だね」笹の精の女の子が近づく。

 

「とっとと!……あんた、怪我してる…」

 

ぬりかべが怪我をしていることに気が付くと

 

「はぁ…笹の葉の密から作った薬だよ、それ塗って早くここから帰んな。」

 

薬だけ手渡し去っていく女の子。

 

「…ありがと~」と礼を言うぬりかべ。

 

 

その頃、工事現場の人間や彼らに雇われていたねずみ男から

 

「このあたり一帯の笹の精なんだがな、昔から闇雲に人を襲う悪いやつなんだよ」

 

と説明を受けた鬼太郎たちは、その前にすでに彼女から攻撃されていたことでねずみ男の話を信じてしまうのだった。

 

一方でぬりかべは笹の精・星華と親交を深めていき・・・。

 

 

また、建築業者の自作自演の演技に騙された鬼太郎たちは星華を誤解する。

しかし、そんな中でぬりかべだけが彼女を信じ、彼女についていったのだった。

 

 

一方で本件の黒幕ともいえる妖怪あしまがりは以前星華に封印された過去を持ち恨みを晴らすべく彼女を自身の手で直接消し去ろうと黒雲を使い、笹林を焼き払ってしまう。

 

その後、あしまがりは鬼太郎とねこ娘の活躍によって無事に退治されたものの、笹林はあまがりの手によって殆ど焼き尽くされてしまい、彼女を護ろうと必死に庇ったぬりかべの奮闘も虚しく瀕死状態だった彼女は、自分に寄り添うぬりかべに。

 

「あんたとまたこうして手を繋ぎたいと」

 

告げ静かに目をつぶると光となって消えていった…。

 

建築業者の者たちも役所からの指示で建築許可が撤回されて工事中止となり退去していった。

こうなる以前星華はこの地域の神様に助けを求めていた。

秋比売神・静葉、穣子である。

彼女たちは当時繋がりのあった農林水産省に圧力をかけ

 

「1993年の米騒動の時に骨折って日本中の田んぼに加護を与えてやった時の借りを返しなさい!」

「あの地域の山林は手を入れるなと言ったはずよ!」

 

当時の農林水産省担当者にものすごい剣幕で詰め寄ったこともあり、開発計画は撤回されたのであった。計画撤回が発表されたときにはすでに、星華は・・・。

 

 

そのことを知った彼女たちは、この地方一帯を纏める妖怪である万年竹と協力して、星華復活に手を貸した。そのお陰もあって翌年には少々容姿が幼くなってはいたが復活を果たし、ぬりかべとの再会も果たしたのだった。

 

 

ぬりかべはひとしきり思い出に浸ったあと、手を止めていた短冊の飾りつけを再開し始めた。今となっては、自分の家族を含めた家族ぐるみの仲だ。

 

「ぬりかべ!」

 

名前を呼ばれたぬりかべは顔を向ける。

 

「星華さん!?どうしたの?」

 

息を切らせた星華は所々怪我をしている。

それ以上に焦っているのが分かった。

 

「鬼太郎さんたちに伝えて・・・万年竹様が危ないの!助けて!」

 

 

 

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