大樹の妖精、神となり   作:公家麻呂

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173 平成 京都修学旅行⑧

狗神使いの少年、犬上小太郎を退けたネギたちは映画村にいた刹那たちに連絡を取り、刹那達と合流。その過程で大樹先生も刹那に遅れて合流する旨を伝えられた。

その後、どういうわけか魔法関係を知らないはずの他の5班の生徒たちが関西呪術協会の本山に入ってきており、このままにするよりはと彼女たちと合流した。

 

「「「おかえりなさいませこのかお嬢様!」」」

 

本山の山門を越えると、幾人もの巫女たちが整列し笑顔を浮かべて待ち構えていた。

 

巫女たちは柔らかい笑顔で木乃香に挨拶を返す。

さすがは摂関家の姫と言ったところか。所作の一つ一つに高貴さが伺える。

 

 

「ただいまやぇ~。」

 

 

 その歓迎ムードが理解できないネギと明日菜は、刹那に詰め寄った。

 

 

「これはどういうこと!?」

 

「ええと、つまりはですね。ここは関西呪術協会の総本山であると同時に、木乃香お嬢様が生まれ育った場所なんです。」

 

 

ネギたちが通されたのは謁見の間で、古来よりこの国に伝わる楽器が鳴り、古めかしい武装をした女性たちが厳めしく儀礼的に立ち並んでいる。

 

 

奥の方から頬が痩せこけて青白い顔をした男性が降りてくる。それを見た木乃香は立ち上がり男の胸に飛び込んだ。

 

 

 

「お父様久しぶりや~」

「これこれ、このか。お客様を待たせてしまうよ」

 

 

まんざらでもない様子で木乃香を受け止めた長は、ゆっくりと彼女を降ろし続いてネギがおずおずと差しだした文書を受け取った。

 

「確かに承りました。ネギ君、大変だったようですね」

 

 そう言いながら、長は親書を開き中身を確認する。そこには二枚目までは公式な書として書かれていたが、三枚目は私的な事が書かれていた。

苦笑いを浮かべた詠春は、手紙を懐にしまう。

四枚目と言うか、刹那から差し込まれた大樹の苦言が書かれた書面には一瞬渋顔をし、尚且つ引き攣っていたのを刹那は見逃さなかった。

 

「分かりました。東の長の意を汲み、私たちも仲たがいの解消に尽力すると伝えてください。任務御苦労でしたネギ・スプリングフィールド君!!」

「は、はい!!」

 

 

 喜ぶネギに、よく分からないが目出度い気配を感じとり騒ぎ出す生徒たち。その姿を見た長は、落ち着くのに時間が掛かりそうしと、ネギへ提案する。

 

 

「どうでしょう、ネギ君。今から山を下りると日が暮れてしまいます。君たちも今日は泊まっていくといいでしょう。歓迎の宴をご用意いたしますよ」

 

「で、でも僕達修学旅行中だから帰らないと」

「それは大丈夫です。私が身代わりを立てておきましょう」

 

 

 喜んでいる生徒と案内を買って出た長に促され、ネギも結局泊まる事に賛同した。長自ら案内を買って出たのであった。

 

 

 

ネギたちと対面するより数時間前。

近衛詠春はある人物と対面していた。むしろ、その会談は詰問に近いものであった。

 

「わかっているのかぁ!?関西呪術協会の長さんよぉ!?近畿南部の不穏分子、早々に排除してもらわんと困るんだよぉ!!」

 

先ほどから詠春に唾を吐き散らかしているこの男、現政権与党第一党民従党幹事長鳩八馬友紀夫。

 

「メガロの方々への友愛は非常に評価しているよぉ。でもね、妖怪とか言う畜生どもにいつまで時間をかけているんのぉ!。連中に与する連中もクソムシも同然だろうがよぉ。それでも天下の破魔組織ですかぁ?あぁ!?」

 

「まぁまぁ、鳩八馬くん。関西呪術協会さんも色々大変なのでしょう。今回はついでに立ち寄っただけですので・・・。これくらいにしておいては?それに彼らには今後も頑張って頂きたいですからね。昨今は妖怪によるテロ行為もありますからね。政府と協会が協力しませんと・・・」

 

黒の和服を纏った老人にそう窘められた鳩八馬は180度態度を変える。

 

「はい~、奴良大先生がそうおっしゃるなら~。・・・おい、近衛の・・・奴良大先生の寛大な心遣いに感謝するんだ。大先生の人類友愛の精神、感銘します。」

 

老人が席を立ち、鳩八馬がそれに続いて退出した。

 

 

 

二人は、階段を下り山門を潜る。

 

「奴良大先生、近くのお茶屋さんを取っておりますので・・・舞子遊びなどいかがですか?」

「はっはっは・・・鳩八馬くん。それは楽しみですね。(彼らの催しを少し離れた貴賓席から見るのも悪くないでしょう。)」

 

山門の柱に寄りかかっていた白髪の少年にぬらりひょんは視線で合図を送った。

 

(結界に穴をあけておきましたよ。あとはご自由に・・・)

(あぁ、そうさせてもらうよ。)

 

 

 

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