私が戻った頃にはネギ君がエヴァと古菲さんの弟子になっていました。
そして、帰って来て早々に図書館島に詳しい私に、宮崎さんや綾瀬さんの引率を手伝ってほしいとネギ君に頼まれてしまうのでしたが・・・。
さすがにほとんど寝てないので後から追いかけると約束して床に就くのでした。
昼過ぎまで寝た私はネギくんたちを追いかけて図書館島の深部を降りていると茶々丸さんに合流しました。
「どうしてここに?」
と聞くと
「なんででしょうか?」
と疑問形で返してきます。
ロボットって基本無意味なことをしないのではと思い、少しづつ付喪神化してるのかなと茶々丸さんを眺めていると
「大樹先生!あれを・・・。」
茶々丸さんの視線が向いている方を見るとドラゴンに襲われているネギ君たちが!?
「助けましょう!」
「はい!」
私と茶々丸さんがドラゴンに応戦しながらネギ君たちを撤退させます。
茶々丸さんが宮崎さんと綾瀬さんを抱えて私とネギ君がドラゴンを牽制しながら、なんとか撤収するのでした。
「ね、ネギくん・・・ドラゴンを相手にするのはまだ早いと思うの。」
息を切らせている私ですが、私は神様とは言え戦闘向けでは無いのでドラゴンの相手は辛いのです。それでもネギくんはエヴァに向けるそれには劣るものの
「大樹先生もお強いんですね!」
とか言っているので・・・
「てい!」
頭をひっぱたいてやりました。
「痛い!?な、なにするんですか?」
私はネギくんたちが持っていた地図を見せつけながら、正座させる。
「この地図にもドラゴンが書いてあるじゃないですか!!いくらナギ・スプリングフィールドが残した地図だからって自分の実力を考えて行動なさい!それに魔法生徒ならまだしも一般生徒を危険な場所に連れて行くのもどうかと思います!」
「ご、ごめんなさい!」
私は宮崎さんと綾瀬さんにも一応注意する。
「あと、二人ともネギくんはお父さん関係になると見境がなくなりますので、もう少し考えてあげてください。」
「「は、はい。」」
ネギくんも子供とは言え大人としての対応を求められ、それを出来るだけの器量はあるのですから努力してもらいたいです。本人にその気があれば大人もフォローできるというものです。
今回の京都での事件は、妖怪社会に様々な影響を与えている。
人間と妖怪の関係が変わりつつある、あまり良くない方向にだ。
天ヶ崎千草の行動が人間の驕り高ぶりを見せつけてくれた。人間は己が欲望のために妖怪をそして、神々をも恐れずに利用しようとしている。そして、妖怪だって人間の都合の良い存在に成り下がるわけがない。
南北朝時代から始まる戦国時代よりも、この国はぐちゃぐちゃになる。
あの時は天皇家が二つに割れ諸大名たちが大分裂を起こした。妖怪たちはそれを一歩離れて見ていて、見るに耐えない状態になって手を貸しただけ。
今の日本は魔法世界の出張所たる麻帆良、護国会議や呪術協会の様な旧来の破魔勢力。
在日米軍の様な旧連合国の影響力。現政権も諸外国勢力に媚びうる連舫政権、その政権も宮内庁をはじめとした官僚勢力と対立している。国内の武装組織である自衛隊も旧軍のように私の影響力が十全に及んでいるわけではない。警察や海上保安庁も同様と言える。戦後占領政策で逆コースをGHQが採用したおかげで僅かながらに影響力は残っているがその程度だ。幕府時代の残滓たる華族武家の勢力は戦力としては心もとない。
妖怪たちの過半数が私に対して好意的なのは幸いでした。ですが、私の意に沿うことはあっても従うまでには至らない者たちも多い。わが孫娘率いる西洋御妖怪軍団の方面軍もある程度の忖度はすれど、人間との敵対姿勢は崩していない。中国妖怪が敵対関係なのは昔からなのはしょうがない。刑部狸率いるインペリアル・タイジュ(大樹皇軍)は私を奉じてはいるものの私を奉じて日本を再占領しかつての最大範図である合藩連合帝国を再興しようとしている。これに南洋妖怪が同調しているのも不安要素だ。
国内においてはぐわごぜや白蔵主、万年竹を再度直接指揮下に置いたことで国内妖怪の半分に少し足りないがだいたい半分を手中に収めたのは良かった。
ぐわごぜは先の反乱のせいで勢力としては力を失っているが、私の政務担当としての権威は残っている。白蔵主や万年竹は術師たちとのいざこざは抱えているが近畿周辺域の領域をしっかりと抑えている大妖怪である。少し状況が変わるのは四国、名目上の首領である刑部狸は戦時中の残党を抱えていまだに外地におり、現在は金長狸が代行している。刑部狸が日本の現政権を敵とし、現在も魔法使いたちや連合国とバッチバチに火花を飛ばしている反面、金長狸は内地の妖狸衆を纏め折り合いをつけているが現政権に良い感情を持っていない。九州は天狗ポリスや河童衆の有力者や現地妖怪の有力者が群雄割拠していて九州を一括するような大妖怪はいないところに不安が残る。だが、概ね西日本は私の意思がしっかりと通る状況になったと言っていいでしょう。
しかし、私の居る麻帆良のある関東以東以北は私の指示が通らない状態だ。関東などは麻帆良を警戒して目立つような動きは全くないし、比較的大きな組織があるのは解るが私にすら連絡を寄越すことがない。河童の一部やゲゲゲの森がせいぜいか。妖怪同士の連絡線が関東以北以東で寸断されてしまっているのだ。
だが、なんとか影響は与えられるのが幸いか、北の雪女郎には鬼太郎たちを介して何とか連絡が付いたが、たんたん坊は連絡が付かない。昔から武断派として辣腕を振るい先鋒で戦った彼が戦後全く行動を起こさずにいたのは不気味とすら言える。そして、連絡が付かない現状・・・。
遅かったかもしれない。
幻想郷は中立と謳っているが、そろそろ、手を打たないと博麗大結界の維持にも問題が出てくるはず。八雲紫との関係は比較的良好だが、幻想郷そのもの特に天魔天狗衆や天人、そして古参妖怪の多くとは関係は悪い。100年近く前の侵攻が尾を引いている。新興の妖怪勢力はそうでもないのだが・・・まぁ、それは良いでしょう。幻想郷の問題は喫緊の課題と言うわけでは無し。
問題はぬらりひょんと魔法世界の秘密結社ども、そしてそれの傀儡たる現政権だ。
一見私の味方が多い盤面だが、実際は味方の様な敵や敵の様な味方が多く使える手札が少なすぎる。私が退いていた50年でここまで崩れるとは・・・。
そして、ぬらりひょん・・・何を考えているんでしょう。
私は、テレビをつけてニュースを見るというよりは眺める。
『頭に皿の様なものを乗せた謎の集団に襲われ大変なことになっています!!』
どっかの馬鹿が河童に奴隷労働をさせて河童がぶち切れたのでしょうね。
思った以上に大事になってるわね。
「あの~大樹様?何卒お力をお貸しいただけますでしょうか?はい。」
この目の前にいる半妖怪は・・・。
ねずみ男、これからなんだかんだで厄介ごとを持ち込みそうな奴ですよ。