大樹の妖精、神となり   作:公家麻呂

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185 平成 魔なる者たちの襲撃後編

 

「石化させてしまったのかい?」

「剣士は自由にさせると面倒なのよ。体術も結構使えるし・・・。」

 

誘拐した少女を石化させた状態で連れてきたゴーゴンに少し不満を持ったヘルマンだったが、すでにさらった少女たちの怯えた姿を見て「まぁ、これはこれで」と思い直してネギたちの到着を待つ。

 

「そういえば、ゴーゴンさん?鬼太郎にマークされているって聞きましたが?」

「それなら、一応大丈夫ですわ。今日明日でバレるようなミスはありませんよ。それに、この後は私の番ですからお楽しみにですわ。姫様。」

「何か、催しが?」

「えぇ、麻帆良祭で狂宴をお見せできますわ。」

 

トントンとゴーゴンが足元を靴で示す。

 

「さすがはゴーゴンさんです。楽しみにしていますよ。」

 

 

 

 

 

 

『魔法の射手!!戒めの風矢!!』

 

魔法攻撃をヘルマンが片手で防ぐ。そして、向かい合う様にネギと小太郎が構える。

ヘルマンは手始めにザンビアが召喚したものを含めたスライムたちをけしかける。

とは言え、スライムたちは雑兵枠だ。難なくではないが順当にネギと小太郎がヘルマンに迫る。

 

その様子を観戦していたさとりであったが、上空の方に視線をやってから何かに気が付いたようにゴーゴンに声をかける。

 

「舞台は整えると言いましたからね。少し、外しますよ。」

「そうでしたね。では、お願いしますわ。」

 

そう言って、ヤングジェネレーションズの3人を連れてその場を離れる。

 

いわゆる空中戦だ。飛行能力のない狼男のワイルドは魔女ザンビアの補助を受けて浮遊している。私たちの周囲にゾンビフェアリー、吸血蝙蝠、パンプキンと言った飛行可能な雑兵たちを展開させる。

彼らの視界には騒ぎを聞きつけた麻帆良の魔法使い達が集まってきていた。

 

「麻帆良の警備要員ですか。皆さん、前哨戦です。お相手して差し上げなさい。」

「「「っは!」」」

 

 

 

 

 

スライムたちを全滅させたネギと小太郎はヘルマンと直接対峙するが封印の手立ては逆に封じられ、本性をさらしたヘルマンに圧倒されつつあった。

ヘルマンの真の姿に見惚れていたゴーゴンは捕えていた少女たちの魔法発動を許してしまう。

 

「「「「「火よ灯れ!!(アールデスカット!!)」」」」」

 

脱出した彼女たちは明日菜を利用した魔法封印術式を解除し残る雑兵スライムを蹴散らした。

 

そして、ヘルマン自身もネギと小太郎の連携で押され

 

「雷の斧!!!(ディオス・テュコス!!!)」

 

倒された。

 

 

上空で一進一退の攻防を繰り広げるヤングジェネレーションズと麻帆良の魔法使い達。

 

その中央で対峙するさとりと大樹。

二人の間を激しい弾幕が行き交う。

 

「お祖母様・・・人間の業を背負う必要は有りません。人と妖怪の間を繋ぐ人間はもういない。かつての様な理解ある人間はもういないのです。」

「さとり、貴女は性急だと思います。まだ、繋ぎ手の成りてはいます。」

 

「そうやって、人間に希望を見出し潰え、その繰り返し・・・もうこの流れは変わりませんよ。今、この世界を牛耳る人間どもはゴミだと聡明はお祖母様なら分かるはずです。」

「っ・・・人間は貴女が思うほど。愚かな存在ではありません。」

 

地上ではネギと小太郎、そして生徒たちが協力してヘルマンを倒す様子がうかがえた。

さらに大樹が助けを求めたゲゲゲの鬼太郎も一反木綿に乗って向かってくる様子がうかがえた。

 

「ここまでのようですよ。もう、下がりなさい。」

 

大樹の言葉にさとりはおとなしく従うようだが捨て台詞ともとれる言葉を放つ。

 

「私たちはここで引き揚げましょう。ですが・・・もういくつか波乱が起こりそうですよ。」

 

そう言って、さとりはヤングジェネレーションズを連れて撤退していった。

撤退するさとりたちを大樹は見つめていた。

 

「大樹様、遅くなりました。」

「少々、入るときに手間取りましての。」

 

鬼太郎と目玉おやじの言葉に、暴力こそ無かったが手間取ったのだろうと察した大樹は魔法使いたちに視線を向ける。負い目もあるのだろうが魔法使いたちは目を逸らした。

 

「いえ、今からでも十分そうです。」

 

大樹はゴーゴンに視線を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘルマンを倒し喜び合うネギたち。

 

「おう!ネギ!」「小太郎君!」

「やったアル!」「明日菜大丈夫?」「なんとか・・・」

「勝てたです。」「やった!」

 

 

そんな彼らの前に少女の石像が投げられる。

 

「せっちゃん!?」

 

石化された刹那が転がされる。

 

「あぁ、ヘルマン卿・・・オネエサマタチにジマンデキルト思ったのに!!オマエタチ!ユルサナイ!ユルサナイ!!ユルサナイ!!憎い!ニクイ!!忌々しい!!こうなったら、邪心の塊をここにオトシテやる!!」

 

髪の毛一本一本が蛇になっているギリシャの神格級の妖怪ゴーゴンが真の姿をさらしたのだった。そして、ゴーゴンの用意した邪心の塊が巨大な渦を巻いていた。

 

「姉ちゃんたち!俺とネギの後ろに隠れときぃ!」

「皆さん僕らの後ろに!!」

 

ネギと小太郎が生徒たちを守るために前へ出て構える。

その前にエヴァンジェリンが立ち声をかける。

 

「神格級の蛇女の相手はガキには荷が勝ちすぎるだろうが!お前らも下がれ!!大樹!!鬼太郎の準備はできてるのか!?」

「もちろんです!!地獄のカギを開いてください!!私たちの補助があれば被害は抑えられます!!」

 

エヴァが上空に声を上げると大樹の返事が返る。

 

 

「フハハハハハ!!タノシミダワ!!オネエサマたちが2千年前にホロボシタノはアレキサンドリアの町だったカシラ!!ここだったら3万人死ぬかしら、ソレモ若い男女バカリがフヒャヒャヒャ!!」

 

ゴーゴンの狂った嗤いが響く。

 

「任せてください!地獄究極奥義!!獄炎乱舞!!うりゃあああああああ!!」

「ミナゴロシヨォオオオオ!!!」

 

 

ゴーゴンの邪心の塊を鬼太郎の地獄の炎が飲み込んでいく。

 

「エヴァ!!」

「任せろ!!全てのものを妙なる氷牢に閉じよ!!(オムニア・イン マグニフィケ・カルケレ グラキエーイ・インクルーディテ)」

 

地獄の炎に飲み込まれたゴーゴンを炎ごと氷に封じるが地獄の炎で溶けて炎が漏れ出す。

 

「さすがは地獄の炎…もう一度だ!全てのものを妙なる氷牢に閉じよ!!(オムニア・イン マグニフィケ・カルケレ グラキエーイ・インクルーディテ)・・・あぁ!クソ!大樹!!魔力補助だ!!何度もやらんと抑えきれん!!近衛の娘も魔力補充を手伝え!!あれを倒せば桜咲の石化も解ける!!」

 

「わかりましたよ!」「わかったぇ!」

 

 

その後、10回以上もこおるせかいを発動させ漸く抑え込んだのだった。

 

 

 

 

 

そして、どこかの西洋妖怪軍団の拠点では…。

 

新四天王として取り立てた狼男のヴォルフガング、吸血鬼のカミーラ、マッドサイエンティストのヴィクター・フランケンシュタイン、魔女アデルが控え、参謀のヨナルデ・パズトーリが並ぶ空間で、麻帆良での戦闘を覗き見ていたバック・ベアード。

 

「グレイトだ…地獄のカギ…。それに、注意すべきは大樹野槌水御神や闇の福音に鬼太郎だけではないことも分かった。ゴーゴンとあの悪魔を捨て駒にした収穫は多い。魔法世界の英雄の息子、そしてそのパートナーたちも警戒するに値するな。どういった形で関わるかは分らんがいずれ相対することになろう。お前たち、気を抜く出ないぞ。」

 

「「「「「っは!」」」」」

 

 

 

 

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