大樹達は二つのグループに分かれた。
旧日本妖怪軍の日本上陸を阻むグループと鬼太郎達と合流して西洋妖怪軍団を阻むグループだ。
学園の会議室を仮設の司令部としてブリーフィングが行われる。
ネギたち以外にも学園長を中心に魔法先生や魔法生徒たちも多くが参加している。
司会進行は茶々丸が担当しており、横には超とエヴァが座っており、エヴァは少しばかり退屈そうにしていた。
「現在関東南部で西洋妖怪他多数の妖怪による攻撃が始まっています。陥落している場所は東京スカイツリー、東京タワー、麻帆良大電波塔等の電波施設です。このことから彼らは科学的な要素を組み入れた何らかの儀式を執り行うものと思われます。私たちはこれを阻止すべく行動を開始します。敵軍は東京一帯を襲撃している西洋妖怪軍団、旧日本妖怪軍残党。旧日本妖怪軍には旧西国鎮台軍、航空銃翼兵団、大樹大社御料兵団の姿が確認されています。友軍は自衛隊、在日米軍、警察…そして。」
茶々丸が口を開く前に学園長が皆の方を向いて話しかける。
「おほん、すでに聞いているものもいるだろうし思うところがあるものもいるだろう。しかし、今は首都陥落もあり得る緊急事態じゃ。異議のある物もいるじゃろうが異議は後で聞く。今は目の前の問題解決に力を貸してもらいたい。」
学園長は自分の話を言い終わると茶々丸に割り込んだことを軽く謝罪して、続けるように促した。
「では続けます。友軍は自衛隊、在日米軍、警察。そして、ゲゲゲの森の妖怪たち。大樹様配下の関東大樹大社妖精巫女衆、神仏護国会議関東支部です。警察は妖怪に対抗できる戦力ではなく、自衛隊や在日米軍は先の急襲で展開が遅れ、神仏護国会議関東支部も創設から日が浅く練度に不安があります。ゲゲゲの森は西洋妖怪の攻撃を受けており。関東大樹大社妖精巫女衆は東京湾に展開中です。第一グループは東京湾へ、第二グループは・・・
「助けて!」
「わかった。」
一方で西洋妖怪の先遣隊を退けた鬼太郎達は魔女アニエスから助けを求められ、彼女の知るブリガドーン計画の全容を知り、西洋妖怪軍団と戦うことをゲゲゲの森や横丁の仲間たちと改めて決意するのでした。
そして、調布に現れたアルカナの指輪を巡って攻防を繰り広げる鬼太郎達と西洋妖怪軍団。
その隙を利用して、政府と都庁は東京湾岸の住民の避難と間に合わせ周辺に外出禁止令をだし、各所で麻帆良や護国会議の戦力が戦闘を開始するのでした。
そんな中、偶然にも道に落ちている指輪を犬山まなが見つけます。
彼女は好奇心から指輪をはめますが、抜けなくなってしまいます。焦るまなの後ろに、名無しが立っていました。
「抜けぬ指輪は魔女の物。魔女なら抜ける 指輪なら人には抜けぬ 理も当然…。」
その時、アデルがまなの前に現れる。
「その指輪をよこせ。」
「ま、まさか、アデル?」
アデルはまなに攻撃します。危ない! しかし、そこで鬼太郎が現れて、まなを助けます。鬼太郎はまなに霊毛ちゃんちゃんこを渡して、目玉おやじにまなを連れて逃げるように言った。
アデルは鬼太郎にまなの事を問い。鬼太郎もそれに答えます。
「彼女はアニエスの友か。」
「そうだろうな。」
「魔女が人の子と友人になれるわけないだろうに…。」
「その決めつけがアニエスを不幸にしているんだろうに!」
「お前に、魔女の何が分かる!」
二人の戦闘が再開され、鬼太郎を結界に閉じ込めたアデルがまなを追うのだった。
そして、まなを他の四天王が襲うのを鬼太郎の仲間たちが阻止していきます。
そして、その中でまなはアニエスと再会するのであったが、アデルに追いつかれ指輪を奪われるのでした。そしてアニエスも囚われの身に…。
「ハハハハハハハ。」
そして、ついに姿を現すバックベアード。
「ベアード様。」
アデルの示した方向から自衛隊の戦闘ヘリ群が迫ってくる。
戦闘ヘリはベアードの周りを包囲する。
「こうるさいハエめ。落ちろ!」
ベアードがそう発すると同時に、ヘリのパイロットたちが硬直し操縦不能となり次々と落下していく。
鬼太郎も捕られ、アルカナの指輪もアニエスもベアードの手に落ちた。
「我がブリガドーンを邪魔するものはもはやいない。これでいよいよブリガドーン計画を始められる。アニエスをコアにしてブリガドーンを始めよ。」
ベアードから命令されたアデルはベアードに返事をした後でアニエスに話しかける。
「承知しました、ベアード様…。アニエス…お前は魔女の定めから逃れられると思っているのか。」
「定めとか!運命とか!そんなものを大事にするアデルなんて大っ嫌い!」
「ふん、大っ嫌い、か」
何か、寂しそうな目をしたアデルは自らがアルカナの指輪をはめて、ブリガドーンの呪文を唱えたのでした。
「アニエス。お前だけは、魔女のくびきから逃れよ。母上も、それを望んでいらっしゃったはずだ。」
アデルは最初から、アニエスの代わりにコアになるつもりだった。
「これで、お前は自由になれる!」
「お姉さま・・・」
「こんな私でも、まだ姉と呼んでくれるか」
「なんで、私は家族を失わなければならないの?」
「お前は、私にその苦しみに耐えろというのか?」
「お姉さま!」
「魔女の定めは、私で終わらせる」
しかし、ブリガドーンの光が消えます。アデルの魔力では、コアには適さなかったのだ。
「お前がアニエスの代わりになろうとしたことぐらい。分からないと思っていたか。」
バックベアードは、すべてお見通しだと言って、アデルにお仕置きします。悲鳴を上げるアデル。
ベアードはアデルと鬼太郎を人質にとり、アニエスに
「アデルと鬼太郎の命が惜しくば、ブリガドーンを実行せよ」
と迫るのであった。
追い詰められたアニエスは、とうとうブリガドーンを唱えるのだった。
「ランツイ・ワナ・ケーイク・コダーミ・デ…ブリガドーン!」
すると、調布の人たちは訳の分からない怪物になってしまったのでした。
そこへ遅れてやってきたのは大樹野椎水御神であった。
大樹は妖怪奴隷となった調布の人達を見る。
傷つき倒れる鬼太郎とアデル。そして、ブリガドーンを発動し膝をつくアニエス。
それを見て大樹は愕然としてベアードに問うた。
「妻の祀を失い、その娘であるさとりとこいしの間は裂かれた。そんな貴方が彼女たちを見て何も躊躇しなかったのか。」
「躊躇?躊躇などするはずがない。」
「妖怪が善か悪かと問われれば、やはり悪に寄っていることは仕方のない事だ。だが、お前自分と同じ苦しみを、好き好んで味あわせるような真似…。むごい…、あまりにむごい。」
ベアードは当然と言わんばかりに、そして冷たく言い放つ。
「大樹野椎水御神、豊穣の神よ。甘い、貴女は甘すぎる。ゆえに重要な局面で情に絆され対極を見誤る。」
「そ、そんな…。」
ベアードは大樹の言葉を遮る。
「100年前のワシントン講和会議の結果を受け入れず戦争を継続していれば…戦況は変わったはずだ!70年前損害度外視で徹底抗戦していれば根負けしているのは連合国の方だった。貴女は目先の流血を恐れるばかりに大局を見誤った。私は貴女と同じ失敗はしない。魔女たちの犠牲は必要だった。そして…。」
ブリガドーン発動のエネルギーに反応してスカイツリー、東京タワー、麻帆良大電波塔の装置が共鳴する。
「地獄の炎を手に入れる必要があったのだ。」
そして、時空の穴が生まれる。
「地獄の門は開かれた。」
東京スカイツリーのある墨田区上空で地獄の門が開く。