大樹の妖精、神となり   作:公家麻呂

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200 平成 皇国再興計画④ 蹶起

 

練馬駐屯地では駐屯地の廊下を連隊長ら数人が師団長室に向かって歩いていた。

全員が全員完全武装であった。

 

「駐屯地を第三種勤務体制に移行させ、1普連、後方支援連隊、通信大隊、化学防護隊を緊急出撃準備させてください!目的地は永田町です!総理公邸を占拠します!」

 

「な、なにを言っているんだ?そんなことできるわけないだろう。陸幕長からの命令は来ていない。どこからその話は来ているんだ?」

 

師団長は少々脅えた様な声になった。

 

「東方総監です。自分が許可を得ました。連舫内閣は潰します。師団長はこの基地だけでなく他の駐屯地の部隊にも動員命令を出してください!都心を制圧しこの国をあるべき姿に戻すのです。」

 

連隊長は9ミリ機関銃のボルトを引きながら師団長に迫った。

 

「ク、クーデターじゃないか!馬鹿な真似はやめろ!」

 

「警衛指令!師団長の身柄を拘束しろ!」

「っは!」

 

連隊長に随伴していた警衛指令が師団長を拘束し連れ出していった。

連隊長は随伴していた中級指揮官たちに向き直り宣言する。

 

「これより、第一師団は決起する。東方総監はの許可は得ている。師団長は決起に反対したので、身柄を拘束した。自分が師団長に替わって指揮を執る。もうじき、皇軍の妖怪たちも到着するだろう。彼らと合流し都心を制圧、その足掛かりとして貴官らは総理官邸を占拠、永田町制圧作戦を起案せよ。」

 

 

 

すでに強力な妨害電波が発せられており、テレビラジオは不通であり、ネット回線も不具合が生じており情報は寸断しつつあった。

 

ぶつ切りの様な真偽不明の情報が錯綜する中の一つ。動画共有サイトUTubeに投稿されたものであった。

 

「で、でけぇ…戦艦大和にそっくりだ。すごい数だ…」

 

横浜ベイブリッジの下を古の大戦艦を中心とした軍艦が通過していく。

途中、ボーと汽笛を上げる音が現実の光景であると理解させられる。

 

かつて、日本を出た陰神刑部狸率いる旧日本妖怪軍が戦艦紀伊を中心とした大艦隊を率いて東京湾に侵入していく。

 

『達する。非常呼集。繰り返す非常呼集。各部隊は発信待機せよ。』

 

慌ただしい基地内で連隊長は特殊無線の受話器を取り、連絡を取る。

 

「お待ちしておりました。刑部殿、第一師団はこれより貴軍の指揮下に入ります。本作戦において、警察が作戦参加を見送ったため作戦の修正が必要です。1普連は日比谷公園を本部とします。これは永田町、霞が関に近いからです。第一中隊は総理公邸を襲撃、総理の身柄を押さえます。永田町及び霞が関の制圧に当てます。第四第五中隊、重迫中隊は貴軍と合流させ麻帆良攻略に当てるのが妥当でしょう。また、埼玉及び都心部の制圧自体は第32普通科連隊が行います。魔法使い等の敵航空戦力に対しては各所に神奈川警備隊区の第一高射特科大隊の部隊を呼び寄せます。一応、お伝えしますが第十二旅団は中立の立場を表明。東北方面隊と北部方面隊は準備を始めております。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「うむ、そうか。」

 

長老河童が腰を上げる。

 

「関東は利根川の禰々子だったか。大義に従えと伝えよ。我らも加勢する。メドチ、ガラッパ、シバテンを呼んでくるのじゃ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「刑部様。一部が日和りましたが本土の同志たちが行動を開始しました。」

 

東京湾に係留した旧日本妖怪軍残党艦隊。

 

「電波通信妨害装置が正常に機能しています。関東圏の通信機能は破壊できているようです。」

「よろしい。航空銃翼兵団を態度不鮮明な入間、百里、浜松に送れ、横田の米軍基地の方は破壊していい。怪しい動きを見せたら攻撃しろ。古参御料兵は東京ヘリポートだ。報道機関のヘリがウロチョロされて騒がれるのは好ましくない。それと念のため警視庁航空隊を見張らせよう。」

 

刑部は艦橋の司令官席で参謀の妖怪狸たちに指示を出していた。

 

「横須賀港前面への機雷敷設完了。米軍基地には蛟龍を特攻させました。」

「千葉方面よりヘリコプター群、第21航空群…友軍です。」

「そうか。横須賀に回せ、刺突爆雷を装備した魚人たちもいるが、潜水艦対策に第21航空群にも哨戒させる。鬼畜米英の米軍だ。怪しい動きがあったらすぐに沈めろ。」

 

 

「護衛艦いそかぜ、うらかぜ。巡視船あきつしま、おおすみ。横浜港より出港、こちらに合流するとのこと。」

「待っていると返信しておけ。」

 

東京湾及び浦賀水道に布陣している残党艦隊は大和型戦艦四番艦紀伊を旗艦とし、軽空母鳳翔、駆逐艦雪風以下5隻の駆逐艦と7隻の海防艦、武装小型船13隻、大型輸送船1隻で構成していた。

 

「輸送船を東京港へ、兵を上陸させろ。決起同志と共闘し首都を陥落させる。あまり、民間人には被害は出したくない。我らの大義が失われる。」

「1号輸送艦を港に接舷させます。」

 

刑部は妖怪狸たちが上陸するのを確認する。

 

「鳳翔に命令。桜花、すべて発射…目標麻帆良学園都市。忌わしき夷敵を焼き払え。」

 

 

 

 

 

民自党の連携議員代表との話し合いを終えた大樹は空を白い線を描いている飛行機雲を見つける。

 

「遊兵の妖精巫女たちを武装させ東京各所に配置、水楢には主力を率いて永田町へ何とかにらみ合いで時間を稼がせて。」

 

ぐわごぜが携帯電話を掛け麻帆良に連絡を取っているようだ。

 

「止められなかったか。」

 

 

2019年7月6日22:14 自衛隊決起、皇軍上陸。

 

 

 

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