大樹の妖精、神となり   作:公家麻呂

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201 平成 皇国再興計画⑤ 鎮圧

 

地下鉄出入り口からあふれ出るように現れた軍服の妖怪狸たちは総理公邸に横付けした陸上自衛隊第一普通科連隊の第一中隊とともに公邸に突入し、連舫首相を拘束した。

 

「あなたたち、何をしているのかわかっているのですか。」

「重々承知しています。首相には当分、ここにいてもらいます。」

 

 

その後も特に目立った戦闘はなく、各公官庁や報道局が制圧されていく。

 

 

 

 

 

 

麻帆良ではアルビレオ・イマの張った結界によって自爆特攻機桜花の群れを凌ぎ切った。

 

「なんとか凌ぎ切りましたが…。」

「次が来たようだな。」

 

アルビレオの言葉にエヴァが被せた。

 

 

すでに警察部隊は撤退していた。代わりに現れたのは自衛隊であった。

82式指揮通信車を先頭に73式トラックが何台も続く。さすがは訓練された軍隊、歩兵部隊がすぐに降車し迫撃砲が並ぶ。さらには決起に加わった関東近郊の雑多な妖怪たちも集まって来ていた。

 

 

「一般生徒たちを中央会館に避難、大橋以外の橋はすべて落とすのじゃ。全魔法先生たちは麻帆良大橋に集結、魔法生徒たちは一部を除き一般生徒たちを守らせるのじゃ。」

「はい!」

 

無反動砲を構えた自衛官たちが大橋の向こうの扉に狙いを定める。

「撃て!」

 

麻帆良大橋の外壁の大扉が吹き飛ぶ。

中隊長が攻撃開始を叫んだ。

 

「全隊攻撃開始!!麻帆良を制圧せよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

大樹は民自党会館を後に、永田町から皇居に避難した。

皇居の堀を挟んで永田町の決起軍と睨みあっていた。

大樹は手持ちの妖精巫女と皇居付きの妖精巫女、皇宮警察を掌握。

 

「大樹様、陸上総隊の司令部は抑えられましたが、第一空挺団、中央即応連隊、特殊作戦群は超法規的措置として大樹様の指揮下に置くとのことです。」

「即応連隊は宇都宮、到着まで時間がかかる。実質的には第一空挺団と特殊作戦群が手駒ですね。」

 

東京湾の方も爆音や閃光が見える。

ネギくんや鬼太郎君たちが刑部狸がいる残党艦隊に攻撃を仕掛けたようだ。

荒川を挟んで河童たちが第32普通科連隊と睨みあったことで、都内の完全制圧は防げた。

河童たちがこちらに味方したのは幸いでした。

 

そして、すぐ近くでも銃声が聞こえ始めた。

 

「ここでも始まったか。」

 

決起軍と大樹率いる籠城軍の火ぶたが切り降ろされた。

決起軍は完全武装の自衛隊と同じく武装した軍隊狸たちであった。

練度的にも不利だったが、戦力的に拮抗したのは茶々丸と彼女に率いられたロボットたちだ。超が用意していたロボットの9割強は処分したが1割弱は残った。この1割弱の未来ロボットの存在が永田町の決起軍を抑え込んでいた。

 

 

通信がほぼ完全に停止している中、東京都が機能不全の政府に替わり戒厳令を発令した。

『いったい何が起こっているのですか!?目の前で銃撃戦が起きているのに!とにかく一般人を外に出さないようにはします。警察では歯が立ちませんよ!!それに警察は中立だと言っています!このままでは民間に被害が出てしまいます!』

 

「わかっています。ですが第一高射特科の一部が永田町に入ったので第一空挺団が使えませ…ん。」

 

いや、永田町にいる高射特科は対空ミサイルじゃない。あくまで機関砲、機関砲程度なら…。

 

大樹は都知事との回線を切ってすぐに妖怪の水晶通信を開く。

 

「天狗ポリス関東管区隊!」

『こちら、関東管区隊隊長三浦坊。』

 

「現在の状況は理解しているか?」

『はい、もちろんです。』

 

「永田町制圧のための降下作戦を行う。関東管区隊は永田町の高射特科を引き付けられますか?」

『もちろんです!お任せください!』

 

 

大樹は大天狗赤嵐坊に連絡を取り、天狗ポリスの指揮権を行使することとなる。

 

 

 

 

 

東京湾係留中の残党艦隊。

 

自衛隊から合流した決起艦をも相手に鬼太郎たちとネギパーティーは大太刀周りを演じていた。

 

護衛艦や巡視船、残党軍の艦船のCIWSや機関砲を躱し、距離を詰めるネギたち。

 

「銃撃が激しくて近づけないわ!」

「僕の魔法の盾じゃミサイルや砲弾は受けきれませんし、機銃弾もたくさん当たれば割れてしまいます。」

 

 

「さすがに、軍艦相手に指鉄砲じゃ敵わない。」

「どうしたものかの。」

 

ネギと鬼太郎たちがどうしたものかと悩んでいると、高速でその間に飛び込んできた少女。

 

髪は黒髪セミロング。左右の紐に白いポンポンをつけた赤い山伏風の頭襟。

黒いフリルの付いたミニスカートと白いフォーマルな半袖シャツ、履いている赤い靴は底が天狗の下駄のように高くなっている。

 

天狗ポリス所属の天狗たちとは違い人間に寄った容姿をしているのが彼女高位の天狗であること理解させる。

 

「幻想郷最速!いえ、世界最速の射命丸文が皆さんにお届け物を持ってまいりました!!」

 

「これは?」

 

鬼太郎の問いに射命丸が答える。

 

「天石楯です。八雲妖より届けるように言われましたので、お届けしました!」

「おぉ、これは天狗の記者どの。お手数かけさせますのぉ。」

「いえいえ、こちらも八雲から見返りはいただいているのでお気になさらず。」

 

目玉のおやじの例になんてことないと家電量販店の商品券の束を見せるて応じる。

 

「それにあれを相手にするのは骨が折れるでしょう。ここは幻想郷の精鋭天狗たちが協力しますので、あとはちゃちゃっとやっちゃてくださいな。椛!」

 

「はい!!」

 

射命丸の呼び声がちょうど良いタイミングで配下の白狼天狗たちを率いて追いついた犬走椛が返事を返す。

 

「さて、ここは私たちに任せてほら!」

 

 

 

射命丸に促されてネギと鬼太郎たちは天岩盾を構えて戦艦紀伊に突貫し、無事乗り込んだ。

 

『甲板に侵入者!各員応戦せよ!』

 

甲板に上陸されたことに気が付いた妖怪狸や山童や河童たちが小銃や軍刀を手に取り応戦してくる。

 

甲板の妖怪たちを蹴散らした彼らは鉄扉をけ破って艦内へと乗り込んだ。

 

「撃て!撃て!これ以上行かせるな!!」

 

 

 

天狗ポリスの天狗たちが決起軍高射特科に対して陽動を開始する。

 

「このままにらみ合いを続けましょう。」

 

皇居に籠城する大樹たち。

 

 

 

ネギと鬼太郎たちは刑部狸のいる戦艦の艦橋に至った。

艦橋に乗り込んだ彼らを見た刑部は「もはやこれまでか。」と息をついた。

そして、降伏する旨を告げた。

 

もっと、激しい抵抗があると予想していたネギと鬼太郎たちは少し拍子抜けではあったが、一応の降参なので受け入れることにした。

 

 

皇居では戦艦紀伊が陥落した知らせを受けて、高射特科を無力化し、都内に空挺部隊が投入された。そして、大樹は通信水晶の前に立ち、妖精巫女が文書を読み上げる。

 

「決起軍並びに皇軍妖怪兵士官に告ぐ。

 

神命が發せられたのである。既に大樹野椎水御神の御命令が發せられたのである。

お前逹は上官の命令を正しいものと信じて絶対服従して誠心誠意活動してきたのであろうが既に大樹野椎水御神の御命令によってお前逹は皆復歸せよと仰せられたのである。此上お前逹が飽く迄も抵抗したならばそれは神命に叛抗することになり逆賊とならなければならない。正しいことをしていると信じていたのにそれが間違って居たと知ったならば徒らに今迄の行き懸りや義理上から何時までも叛抗的態度を取って大樹御神に叛き奉り逆賊としての汚名を永久に受けるようなことがあってはならない。今からでも決して遅くはないから直に抵抗をやめて大樹御旗の下に復歸する樣にせよ。そうしたら今までの罪を許されるのである。大樹野椎水御神様もそれを心から祈っているのである。速やかに現在の位置を棄てて帰ってこい。」

 

 

麻帆良学園都市を包囲していた決起部隊に対して学園保有の飛行船が回遊て見せた。

飛行船に記されていたのは一言『神命下る神旗に手向かうな』。

 

 

天狗ポリスの大編隊と護国会議の実働部隊が都心を包囲していた。

 

2019年7月7日4:48明け方 反乱鎮圧

 

 

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