大樹の妖精、神となり   作:公家麻呂

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202 平成 地獄攻防戦①

皇軍妖怪たちは武器を捨て天狗ポリスへ下り、決起部隊も次々と原隊へ復帰する。

 

この反乱騒ぎであったが、情報封鎖の為か外国へ詳細情報が洩れる前に解決したため。

 

現政権との裏取引で反乱騒ぎそのものをなかったものとして扱うこととなった。

 

現政権の裏取引と言っても、反乱発生を認めたら現政権が吹き飛びかねないこと。総理が決起諸部隊に罰を望むのであれば、大樹は次は介入しないと言い放ったこともあった。

 

 

 

「しかし大変だったわ。」

 

 

 

図書館等の大樹の居住スペースでワイングラスに注がれたワイン片手に愚痴をこぼす八雲紫。

 

 

 

「しかし、麻帆良の認識疎外の魔法もあったとはいえ貴様の境界を操る能力。ここまで効果的だとはな。」

 

「さすがに私ひとりじゃないわ。藍にも手伝わせたし、人里のワーハクタクにも手伝わせたわよ。」

 

 

 

大樹の恩赦としてこの度の事件はなかったことに、幻想郷の援軍もあり蹶起騒動は大事になる前に未然に防がれたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

だが、地獄での戦いは徐々にさとり率いる西洋妖怪軍団に天秤が片付きつつあった。

 

 

 

地獄ではさとり率いる軍団が攻勢を強め、地獄勢は防戦一方となっていた。

 

そんな混乱を利用して、閻魔庁の建物内を歩く老人が一人。否、妖怪であるその名はぬらりひょん。そして、もう一人中国妖怪の首領チーである。

 

 

 

「さすがにこの混乱とあっては、地獄の通常業務はストップですね。罪人たちが待ちぼうけを食らってます。これを逃がしてしまっても良いのですが、せっかくなら大物を逃がしたい。そうは思いませんかなチー殿。」

 

「ぬらりひょん、お前が何を企んでいようと構わない。姉上をお出しできるのならそれが最良だ。」

 

 

 

そう言って二人は通路を進む。

 

 

 

「おじさんたちは何してるの?」

 

 

 

「!?」「何者!?」

 

 

 

2人の前に姿を現したのは薄く緑がかった癖のある灰色のセミロングに緑の瞳。 鴉羽色の帽子に、薄い黄色のリボン。

 

 

 

「貴様!地獄の住人ではないな!!」

 

 

 

チーが警戒心を強め、丸薬を口の中に投げ込もうとしたのだが、一瞬で姿を消してしまった。

 

 

 

「なんだったんだ?今のは?」

 

「さぁ…ですが、今はあれに構っているのも良くない。チー殿、とにかく地獄の三将を解き放ちましょう。」

 

「うむ、そうだった。急ごう。」

 

 

 

 

 

二人は目的地へ向かった。

 

二人は早々に黒坊主と伊吹丸らを解き放ち、最大の目的地に到着した。

 

 

 

「ここが…。」

 

「そうです。あなたの姉君、玉藻の前…妲己、褒姒(ほうじ)或いは華陽太后ですね。」

 

「今はおそらく玉藻の前を名乗られるだろうな。ムン!!」

 

 

 

チーが力を籠めると玉藻の前を封印していた石が砕ける。これと同時に現世の殺生石も砕けた。

 

 

 

「…ふぁ~石の外は1000年ぶりよのぅ。チー、我が弟よくやったぞ。」

 

「いえ、当然のこと。」

 

 

 

「ん?そちらは誰です?」

 

 

 

玉藻の前の問いにチーが答える。

 

 

 

「この度のことに協力してくれた日本妖怪の…。」

 

「ぬらりひょんにございます。九尾様。」

 

 

 

「その方にも何か褒美をやらねばならんか?」

 

「いえいえ、九尾様のお役に立てたのならそれで充分です。」

 

 

 

ぬらりひょんは社交辞令をしてすぐにその場を離れようとする。

 

 

 

「私は、一度所用を片付けたく…。」

 

「ん、そうだったな。ご苦労だったぬらりひょん。」

 

 

 

チーの言葉の後にぬらりひょんはすっと姿を消して去る。そして、チー達もそのまま去った。

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