「この度の責はすべて某にあります。咎はすべて自分が受けます故、私に付き従って来た者たちには何卒寛大な処置をお願いいたします。」
刑部狸が床に額を擦り付けて配下の者たちの助命を願った。
刑部狸は大樹から授かった香木と恩寵の刀を差し出すが大樹はそれを突き返した。
「松山城での謹慎を命じます。沙汰は追って伝えます。今後も変わらぬ忠誠を期待します。」
「た、大樹様・・・。」
クーデター騒ぎを比較的穏便に収束させた大樹であった。
「貴女も大概に甘いのね。」
「刑部は平安時代からの功臣です。」
隙間から現れた八雲紫に大樹は毅然として答える。
「紫、何か用があるのでは?今はお互いに忙しいはず。」
「えぇ、ただ私ではなく彼女がね。」
紫が視線で示す先には幻想郷の閻魔である四季映姫の姿があった。
「四季映姫殿、此度は何用で?」
「実はご相談…いえ、お願いがございまして…。」
映姫の話では宋帝王が五官王を西洋妖怪の内通者として五官王を牢に入れ、拘束したというものであった。西洋妖怪に攻め入られてるただ中に地獄で政変ですか?
「私に介入しろと言いますか。」
「明け透けに言えば…そうなります。」
地獄の政変に首を突っ込んでも大きな問題にならないのが、今なお現世で絶大な影響力を持つ私ということでしょうか。大きな問題にならないだけで問題がないわけではないのですが…。それを踏まえても四季映姫が助けを求めてくる程度に地獄の状況が悪いのでしょう。
「それに、宋帝王様も他の縦横であらせられる秦広王様や初江王様たちが性急すぎると反対しても耳を貸そうともしないのです。大樹様ならと思い…こうしてご助力を願いに来た次第です。」
動かざるを得ないのですが…。
側に控える水楢とぐわごぜに目をやる。
「仕込みは済んでいますので、地獄の政変に介入してもよろしいかと…。」
「地獄の件放置するには、危険すぎます。」
二人とも介入に反対しなかった。
「わかりました。地獄に関しては手を打ちましょう。妖怪狸たちの取り纏め役は二ツ岩マミゾウに任せます。そういえば紫、あの子たちの様子はどうですか?」
「あの子たち?あ、妖精たちのことね。傷は癒えたと思うわ。今一度取り立てるのならブランクはあるでしょうけど問題ないと思うわ。それに、あの子たちも喜ぶと思うわ。」
「今後は政治、軍事、経済、外交…すべての面でやるべきことが増えていくでしょう。旧臣たちを集めなくてはなりません。旧臣と言わずとも協力してくれる者たちを集めなくては…。」
地獄に行くにしても西洋妖怪たちと戦う必要がある。
「ぐわごぜ、水楢、兵をすぐに集められるだけでいいので集めなさい。二ツ岩マミゾウにも同様に伝えなさい。」
「四季映姫殿。それに紫…幻想郷に対して通行権を要求します。」
そして、二人は大樹に対して幻想郷の通行権を認めることとなった。
しかし、軍を編成するには時間が掛かる。
一先ずは鬼太郎たちに連絡を入れ、先行して対処をお願いした。
鬼太郎たちも顔無しだか名無しだか言う巨大なノヅコとの一件があったばっかりで大変なはずなのだが、快く引き受けてくれた。
クーデター事件から時間も経ち、ネギくんの父親探す部=ネギま部(仮)(仮じゃなくなりそう)も出来ました。私が顧問の先生です。エヴァは名誉顧問だそうです。
「ナギに関するすべての情報は寄越してもらう。」
エヴァ・・・未だに振られた男に未練があるのかしら。
その後に、ネギくんたちもエヴァ謹製の特訓を受けてさらに強くなりました。
民自党や華族会の議員たちと何度か会談をしたり、民政党に謀略を仕掛けたり、野党第二党である日本改革会にも触手を伸ばしてみたりしています。そんなこんなで数日が経ち…。
長野県白岳。富山県警察・長野県警察によって完全に封鎖され余人が入る余地のないこの山に二ツ岩マミゾウ以下妖怪狸500、白蔵主以下妖狐200、水楢以下妖精200、天狗ポリスからの派遣部隊である黒鴉以下50、聖白蓮以下僧兵の1000近い軍勢が大樹に率いられていた。
長野県白岳の某所の大穴の前にこの軍勢は集結していた。
「ここは幻想郷につながる道の中で最も大きい場所。ここならこれだけの兵力でも通れるというものです。」
ネギくんたちはエヴァ謹製の隔離タイプの特訓をしていたために連れて来れませんでした。
エヴァもネギ君の特訓の師事もあって離れられないとのこと。
大穴を超えた先は森だった。さらにその先に進むと小ぶりな神社が建っていた。鳥居に記された名は『博麗神社』。
「あー、ちょっとそこの団体さん。紫から話は聞いてたけど、さすがにその人数は境内に収まらないわ。代表の人以外は出てってくれない?」
黒のまっすぐな髪、茶色の眼、やや高めの身長。
そして何より目を引くのは袖が無く、肩・腋の露出した赤い巫女服。後頭部に結ばれた模様と縫い目入りの大きな赤いリボンもワンポイントなのだろうがやはり目を引く腋。
博麗の巫女なのかな~。
「若いわね~。」
「??・・・とにかく、こんな大勢で長居されると異変みたいになるから、さっさと行きましょう。あと、界隈から援軍が来てるわよ。挨拶とかは移動しながらにしてちょうだい。」
博麗神社で待ち構えていたのは団体で言うなら妖怪の山からの援軍の天狗河童山童。それと幻想郷在住の妖精たち。著名な個人としては妖怪の山からの援軍を率いて来た。それぞれの隊長各である射命丸文と犬走椛、河城にとり、山城たかね。私の旧臣にあたる大ちゃんこと大妖精にチルノ、サニーミルク、ルナチャイルド、スターサファイア、リリーホワイト、リリーブラック。なんか野次馬参加のクラウンピースって子もいた。あと、戦国時代にはかなり大暴れした風見幽香も駆けつけてくれた。
それ以外のお初な感じの子たちは幻想郷在住の魔女である霧雨魔理沙さん、アリス・マーガトロイドさん(この子って魔界神の神綺様の娘さんじゃ?)。あと、東風谷早苗さん。彼女は幻想郷に隠居している八坂神奈子と諏訪子の寵愛を受けた巫女で多分諏訪子の子孫にあたる人物だと思う。二人の紹介状を持って来ました。
『楽しそうなことをしてるじゃないか。一枚かませろよ。』
といった内容の書状だった。
「じゃあ、霊夢あとはお願いね。」
そういって隙間に引っ込む紫。
「えー。」
ちょっと嫌そうですね。
「あ、あのうちの分社を置いてもいいですよ?」
「分社とか守屋神社で間に合ってるから、いらないわ。」
むっ
「うちは年間の賽銭総額が5億ありますよ。」
「っ!?ぜひ、内に分社をどうぞ。なんでしたらご神体でも。」
紆余曲折はありながらも博麗霊夢の先導を受けて地獄へ向かうことに。
結構な早送りで幻想郷を通過。是非曲直庁幻想郷支部で小野塚小町と庭渡久侘歌、牛崎潤美ら幻想郷支部の戦力が合流。その総兵力は3000(主力は妖精)に膨れ上がっていた。
「えっと、地獄には畜生界を通っていくから。あそこはつい最近、大人しくさせたばかりだから問題ないでしょ。」
何か言いたげな四季映姫を一先ずは無視して先を急ぎます。
「こっちじゃ、一騎打ち形式の弾幕戦闘が主流なんだが今回は集団戦になりそうだな。」
「貴女の開幕の一撃は貴女のマスタースパークが良さそうね。乱戦になれば私のドールズウォーの使い勝手がいいと思うけど。」
少し聞き耳を立てていると魔理沙さんとアリスさんがそう話しています。
「あ、あの大樹様は神奈子様や諏訪子様の古いご友人なんですよね。お二人の昔話なんかを今度聞かせてください。」
「えぇ、いいですよ。諏訪子とは諏訪大戦より前から知り合いで・・・・・・・・・略・・・。」
早苗さんと話しながら進んでいると、先に進んでいた霊夢さんが戻ってきます。
「畜生界の奴らとは話をつけて来たから。」
霊夢さんがそう言って視線の先の3人を指し示す。
「ふむ。そうですか・・・。」
畜生界、その本質は目先の利害にとらわれ、理性が働かないでしたか。
「外界よりの敵がすぐそこまで迫ってきています。先手必勝、奴らの背後をつき一気呵成に責め立てる。貴様たちも各々の兵を持ってこれに加わられたし。」
ストレートに敵を倒すと言えば、着いてきそうな気もする。
これが意外に効いたのか。以前の博麗霊夢の所業が効いたのか。あるいはその両方か・・・。
畜生界の主要な勁牙組、霊長園、鬼傑組の3勢力の兵力を一時傘下に置くことに成功した。
畜生界に詳しい3人の誘導を受けて、西洋妖怪の背後を突くことに成功するのだった。