大樹の妖精、神となり   作:公家麻呂

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204 平成 地獄攻防戦 初代ドラキュラ公爵

 

これは・・・地獄に到着したタイミングも最高だったようで・・・。

宋帝王に擬態した初代ドラキュラがその本性を見せるタイミングだった。

 

「ほぅ・・・初代ドラキュラ公爵か。」

 

その姿を見たエヴァが目を細める。

 

「そうだ。わが友バックベアードの頼みで数十年前、宋帝王に成り代わりジワジワと血の池地獄の力を吸収し続けてきた。時はきた・・・。」

 

初代ドラキュラに私は降伏を迫る。

 

「公爵、旧同盟勢力のナンバー2たる貴殿を倒すのは忍びない。貴軍は地獄の軍と我が軍に前後から挟まれ圧倒的に不利であり、包囲され目論見はすでに絶たれた。大人しく降伏しなさい。」

 

公爵は少し考えるそぶりをするが

 

「ふむ、確かに不利だ。なので、奥の手を使わせてもらおう!!いでよ!!ここまで育った我が僕たちよ!!」

 

「「「ギーーー!!」」」

 

まるで西洋の竜の様な凶悪な姿に育った吸血蝙蝠たちが血の池地獄から飛び出してきた。

 

「さぁ!!行け!!敵の軍勢を全て薙ぎ払ってこい!!そして、地獄の炎を我ら西洋妖怪のものとするのだ!!」

 

公爵の命令で蝙蝠竜たちがこちらに襲い掛かってくる。

公爵の後ろにいたさとりが口を開く。

 

「と、言うわけです御祖母様。私たちはまだ負けたわけではありません。まだ、これからです。全軍攻撃再開!!地獄の炎を!!妖怪の核を我が手に!!」

 

「っち!こちらも応戦せよ!!全軍戦闘開始!!総兵力はこちらが上です!!鶴翼の陣を持って敵を囲い込め!!」

 

 

弾幕や妖力の銃弾が双方の間を飛び交う。

 

初代ドラキュラ公爵の相手は鬼太郎がしてくれるようだ。

結構ボス臭い蝙蝠竜は博麗霊夢といった幻想郷の強者たちが相手をしてくれている。戦闘は拮抗状態、いえ兵力が多い分こちらに有利と言える。

 

 

だが私自身、私の本陣まで攻め込んできたさとりと一騎打ちをする羽目になっていた。

 

彼女の放つ茨を桃の木剣で巻き取り、引き寄せる。

 

「妖怪としても将として優秀であることは間違いなし。だが、若い!」

「押されているのに余裕ですね!御祖母様!」

 

「確かに、一騎討では押されている。私は戦働きは不得手でしてね。ですが、軍を…国を率いるものとして大局を見据えています。我が夫、信長もかつて配下の蒲生氏郷に言っておられた。一軍の将が前に出て大将首を上げようなど愚かと……。」

「何を!?」

「故に、視野が狭くなり機を逸するのです!!」

 

私は木剣ごとさとりを突き返し弾幕を放ち距離を取る。

そして、視線を移す。

 

解放された五官王と本物の宋帝王が地獄を支え、閻魔大王が直々に初代ドラキュラ公爵と戦っていた。実はこの場で最も強い閻魔大王が剣をふるっている時点で勝敗は明らかとなった。蝙蝠竜たちもすべて倒され、こちらの勝ちが確実となった。

 

「今こそ奴らに、真の地獄の罰を与える!」

 

閻魔大王がの一撃が初代ドラキュラ公爵を閻魔大王の獄炎乱舞が襲う。

 

「ぐわぁああああ!」

 

初代ドラキュラ公爵が倒れたことで西洋妖怪たちが撤退を始める。

 

「追撃はしなくてよい。」

 

私は供回りを連れて陣を離れる。

 

鬼太郎くんたちは閻魔様の方に行ったのだろう。

こちらには誰もいなかった。

 

 

「ぐぅううう。」

「こちらへ、初代様。」

 

「姫殿下、私はこれまでです。お逃げくだされ…我が友ベアードに面目が経ちません。」

 

私に気が付いた初代ドラキュラ公爵がこちらに剣を向ける。

と言ってもその剣は折れている。

 

「もはや勝負はついている。争う気はないし、見逃してやっても良い。ただし、バックベアードに言伝を頼みたい。」

 

初代ドラキュラ公爵は剣を置いて私の言葉に答える。

 

「言伝は伝える。ただし、ベアードが貴女の望む答えを返すかは分らんが、それでよいのなら…。」

「よい。・・・では、今から言うことをしっかり伝えてくれ。・・・昨今の人間社会の在り方はこの大樹を以てしても危ういものを感じており危惧するものである。故に人類社会に一石を投じることにした。この一石によって人類社会はもとより妖怪社会にも好天的に作用するであろうと考えている。もうじき、私が社会に投じた一石が目に見える形で現れるだろう。この結果を以て婿殿には我々との関係を再度考えてもらいたい。以上です。」

 

さとりと初代ドラキュラ公爵は頷いてから飛び去った。

私はそれを黙って見送った。

 

 

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