麻帆良から調布の方へタクシーを走らせ、途中から徒歩である神社に入る。
藪をかき分けて進む。
私の後に妖精たちも続く。
神社の敷地以上の距離を進んでいる。
もうここはゲゲゲの森だろう。
さらに進むと家々が並んでいる場所に出る。
江戸時代の長屋然とした建物が多い、少々昭和の偽西洋建築の建物もある。
妖怪横丁についた。
アマビエやカワウソたちと談笑していた砂かけ婆が私たちを見つけて声をかけてくる。
「大樹様、ようおいでなさった。ねずみ男は二階の奥の部屋に待たせておる。しかし、大樹様がねずみ男に何の用じゃろうか。」
私たちはねずみ男のいる奥の部屋に入った。
対するねずみ男は神様である私に指名されて呼び出されたことのあり委縮していた。
「た、大樹様。言われた通り、俺が今かで手掛けた事業の資料をまとめてきました。」
ねずみ男から受け取った資料をその場で読んで確かめる。
「だ、だけど…ほとんど失敗してるし、失敗してないのだって利益はあんまりない奴ばっかりですぜ。」
妖怪による電力事業、人材派遣、付喪神のレンタルなんてのもあるのね。違法だったり、失敗事業だったり使えないのもあるけど。半妖であるねずみ男が昭和、平成と行った事業の数々のデータは有効ですね。妖怪のUTuberデビューもおもしろい。
「そうですね。一人の力でこれだけの事業を起こしたのですから、あなた自身も優秀なんでしょうね。」
「え、そ、そりゃあ…まぁ。ですけど、大樹様がこういったものに興味を示すとは思わなかったですよ。」
「実に興味深いと思いますよ。利益というのも無きにしも非ずですが、このシェアハウス事業とかは人と妖怪の距離を知事めるのに一役買いそうですし、他のだって融和政策の目玉になりそうです。」
ここでねずみ男は大樹との会話がかみ合っていないことに気が付く。
「大樹様?出資していただけるなら、自分が専属コンサルタントとしてお手伝いしますが?」
「何を言っているのです。コンサルティングしていただけるのはありがたいですが、これは全部公共事業としてやるものですよ。次の選挙で民政党政権が解体したあとの政権でやるんです。私の主導のもと各省庁で連携し行政の管理のもと行います。そうそう失敗はしないでしょう。営利を求めすぎたゆえの失敗が目立ちますし非営利でやればうまくいきそうなものが多く見受けられます。給料も出ますしねずみ男、貴方もぐわごぜの娘さんのカロリーヌちゃんっていう良い人がいるんだから、このあたりで真面目に公務員になって身を固めてはいかがです?」
「!?」
大樹の言葉にねずみ男は凍り付いた。
私たちの陰に隠れていた。ぐわごぜの娘カロリーヌが前に出てねずみ男に話しかける。
「ねぇ、ねずみ男ちゃん…。私たち付き合い始めて30年過ぎてるのに・・・。石妖さんや骨女さんのこともあって私・・・心配なの。」
ねずみ男、完全に言葉に詰まってますね。
なんだかんだ、結構な性格をしていますけど。彼女に対しては清い交際を続けてるんですから本物なんだと思いますけど・・・。
私はねずみ男の肩に手を置いて言葉をかける。
「まぁ、なんていうのかしらね。もういい加減、身を固めちゃいなさいな。後で電話しますから、とりあえずは彼女と話でもしてあげなさいな。」
そういって私は妖怪横丁を後にしたのでした。
余談だが、ねずみ男もこの辺りで漸く男を見せて身を固める覚悟を決めたようでした。
その後でゲゲゲの鬼太郎の家へ行きます。勿論ねずみ男も後から合流させますし、道中で偶然会った青坊主とも合流(一緒にいないと絶対行方不明になる)してます。
ちょうど、花子さんが猫娘を送り届けたところだった。
温泉で妖力を回復したのでしょう。ロリではなかったです。
家の中には鬼太郎はもちろん、子泣き爺や砂かけ婆ら鬼太郎ファミリーが揃っていました。
この様子からして、これから身内の会話が始まる感じですね。
部外者は要件を告げて帰りましょう。
「猫娘さん、お体の加減はよさそうでなによりですね。」
「えぇ、温泉に入って以前より良くなったような気がするくらいよ。」
猫娘さんは無事に回復したようです。
目玉の親父さんと鬼太郎君の方に視線を向けます。
「色々とご迷惑をおかけしますが、とりあえず西洋妖怪とは一時停戦となるでしょう。地獄における一大作戦が失敗しましたのでようやっと交渉の席に着きそうです。そちらにも協力はしていくつもりですが、今後はそちらの方に手を回さなくてはなりませんので、鬼太郎君の方はそっちで何とか頑張って頂きたいです。」
「わかりました。後は僕らの方で何とかしてみます。」
鬼太郎君はもとよりこちらに頼りきりになるつもりはなかったようで凛として応じた。
「それと、目玉の親父殿と砂かけ婆さん。遠方・・・近いって言えば近いのかな?幻想郷からの客人を招く予定ですのでいくつか仮住まいを用意していただけると助かります。」
ゲゲゲの森の纏め役である目玉の親父と横丁長屋群のオーナーである砂かけ婆に幻想郷からの客人の仮住まいの斡旋をお願いし、ゲゲゲの森を後にする。
そしてその足でネギくんたちの見送りと自身の海外訪問のために成田空港へ向かうのでした。