朝廷軍、遂に討伐軍を発する。
寺社連合他の争いも途中である中、大急ぎで手近な軍勢をそろえて対抗しますが、将門軍はあっけなく貞盛・秀郷に負け敗走。
将門は、藤原秀郷の手により打ち取られてしまいます。軍勢が手薄なタイミングをうまく狙った作戦勝ちというところでしょう。また、朝廷の恩賞につられ、将門から離れる人々もいたようです。将門軍も一枚岩ではなかったということです。
こうして、新皇を名乗った平将門が朝廷軍と戦ったことを平将門の乱と言います。
武士をないがしろにしては、いつどこで大反乱が起こるかわからない。そんな恐怖心が朝廷内に生まれます。こうして、武士は、朝廷内でも一定の地位を確立できるようになりました。
武家の時代の到来でした。
「武家どもめ…刀を振りかざすばかりの粗野な者たちめ・・・」
朝議に参加した高位貴族の一人が歯噛みした。
しかし、武士をうまく利用すれば、強大な戦力になりうります。
彼らの力、世のために奮わせればよいのです。
「さすがは大樹様・・・。」
朝廷は寺社衆を統括し、武家の上に立つ存在。
しかし、武家の力は見過ごせない。であれば、彼らの力を利用する方法を考えればよいのです。
SIDE 諏訪大社
「なかなかの男だったろう・・・?藤原秀郷は?」
藤原秀郷は神奈子の眷属である大蛇の願いで大百足を退治した。蛇足ではあるが「俵藤太物語」の百足退治伝説として現在まで逸話が伝えられている。
その経緯もあって、戦神である神奈子の推薦もあって将門討伐の筆頭武将に藤原秀郷が当てられた経緯があった。
あっという間でしたよ。あの将門をこうも容易く討ち取るとはなかなかできることではありませんよ。あれにはそれなりの役職を与えやろうかと思っていますので・・・。
それを横で聞いていた諏訪子は軽くふざけた調子で聞いてくる。
「ティタ~太っ腹だね~。で~本音は?」
暫くは、私のひざ元に置き関東の鎮撫をさせる。その功を盾に奥州の蝦夷や朝廷に非協力的な者への抑えにするつもりですよ。
「こわ~い。」
「なかなか、腹黒いねぇ。」
京の政に謀と関わるとこうもなりますよ。
これらの功により藤原秀郷は同年3月、従四位下に叙され、11月に下野守に任じられた。さらに武蔵守、鎮守府将軍も兼任するようになった。かの子孫は奥州藤原氏として奥州の支配者となるのだ。
『かくて、討ち取られし将門の首は京都の七条河原にさらされき。
将門の首は何か月たつとも腐らぬ、生けるかのごとく目見開き、夜な夜な「斬られし我の五体はいづこなりや。ここに来。首つなぎていま一戦せむ!」とののしり続くれば、京の民どもに恐怖せぬ者はあらざりき。
さる時に、暗き藍色の狩衣を着し壮年の貴族男性といわけなき10世前半の巫女装束の童女の晒されたる首の前になれり。
「この者が将門公なりや。」
「その様なりかし。」
男が童女に尋ぬと童女はそれに軽く応じき。
「よほどこの世に未練ぞあらむ。蛇を殺ししきはの男に負けしには納得がいかんか・・・?梅林、いかが思ふ?」
「・・・・・・・・・・。」
男の言の葉に童女は応ぜざりき。首ばかりの将門がギロリとまもりしやうに感ぜられき。
男は尺を胸に当てて歌を詠む。
「将門は こめかみよりぞ 斬られける 神々等が はかりごとにて。」
「神とは、いづこの神なりきや?」
男の詠みし歌に対して、将門の首の口開きて尋ぬ。
「大樹野椎水御神、八坂刀売神、洩矢諏訪ノ神・・・。」
「して、そなたは?」
将門の首がなほ尋ぬと男はなほ応ず。
「菅原道真。」
「こは勝たれぬよしなり!!大樹野椎水御神、八坂刀売神、洩矢諏訪ノ神、天満大自在天神とは!!かかる大物を相手によく戦ひしものよ!!」
将門は豪快にからからと笑ひだす。かくて道真はなほ将門に言ふ。
「よき戦たよりに、関東の護持してかの神の行く末見て見ぬか?我はさて大宰府なれど?」
「わかれり!わかれり!我も残りやる!かの神々に伝へよ!」
将門はなほ豪快にからからと笑ひ、すなはち朽ち果てき。 』
『』太宰府天満宮蔵書 梅林日記より