大樹の妖精、神となり   作:公家麻呂

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212 平成 崩壊寸前の門

 

 

 

ローマ教皇との会見は以外にも即座に開かれることとなった。

 

教皇を中心に協会の司教司祭たちがひどく狼狽しているのが見て取れた。

「まるで、ヨハネの黙示録が現実になった様です。」

 

青ざめた顔のウェネデクト教皇の言葉に私は致し方ないと感じつつ対応する。

 

「確かに、黙示録の12章にありましたね。『天で戦いが起こった。サタンが地に投げ落とされる。』でしたか?」

 

魔法世界と言う天で戦いが起こり、まさにサタンの様な完全なる世界の悪意の体現のような存在が噴出してきましたからね。彼らが黙示録を連想するのはおかしくない。

 

「えぇ、その通りです。『赤い竜が神の民を迫害する。』赤い火星の者たちが地球の民を迫害する。そう言った未来もあり得たわけですから・・・。我々の危惧もご理解していただけるでしょう。」

 

・・・これは・・・彼らも主要国の代表者同様か。

メガロ・メセンブリアの魔法使いたちが信用ならないうえに使い物にならないと踏んで私にすり寄ってきたか。ここは、彼らの本気度合いを試してみるかな。

 

「まぁ、ある程度は・・・。ですが、貴方方とてかつては私を大淫婦バビロンなどと指して来たではありませんか?そのような私が仮に好意であっても手を出しては貴方方の対面が

傷つきませんか?」

「そ、そのようなことは!?いま世界がまとまらなくては人類は、世界は・・・超sファイルに示されたように崩壊してしまいます!?」

 

ほぉ・・・彼らの危機感は本物ですね。

「私はかつて世界区分で言うなら東洋を庇護してきた存在。今でも妖怪たちや信奉者たちを庇護しています。貴方方は私たちを当て馬に使うのでは?」

 

「い、いや。そ、それは・・・その様なことは決して!?」

「ふふ、冗談ですよ。黙示録かラグナロクかは解りませんが今この世界に大いなる災いが迫っていることは間違いありません。故に地球に住まう者同士でいがみ合う余裕も無いのです。」

 

「確かにその通りです。異教の神、大樹。貴女は人ならざる神の視点で何が見えているのですか?主はお答えにはなりませんでした。ですが、主は大地の穢れの今を知る者こそが、最も真実に近づいているだろうと仰いました。」

 

「デウスも世界の危機は見逃せぬと言ったところでしょうか。」

「ファテマ第三の預言の一部です。」

「あの神の上位存在ですからね。私よりも先が見えているのでしょうが、偉い神様はどうして私を使い走りにするのか。」

 

大樹はため息をつくが嫌そうではなかった。

 

「どこの宗教でも最高神は現世を見捨ててはいないが愛着も薄れているようですね。ヒントは出すが答えは教えない。」

「コホン、我が神に親しい異教の神よ。」

 

愚痴っぽくなっていたことに気が付いた大樹は少々バツが悪そうにした。

 

「あー、失礼。魔法世界で起こっていることがこちらに波及している。こちらとしては打てる手は少ない。だが幸いにして主だった大きいな道は断たれています。故に塞がれた道の隙間からあるれるであろうそれを、徹底的に叩くのみ。ただ問題は塞がれた道から流れ出す力は、向こうから押し出そうとする力。別の新たな穴、もしくは割れ目が開いてしまうことでしょうか。それに、今もって繋がっている道は麻帆良だけ。そこを何とかすれば・・・。」

 

「じ、実はもう一つあるのです。」

「?」

 

教皇はそっと下を指さした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ローマのゲートは非常に頑丈でした。と言うよりも大規模ポートを破壊するような超人級の手練れはそう滅多にはいないのです。故に私は封印を指示しました。ですが、超sファイルにあった様な逆流が起きれば封印など吹き飛んでしまうでしょう。」

 

「エネディクト教皇。残念ですがその時はローマを捨てるしかないでしょう。」

「やはり、それしかありませんか。教会の総力を以てしても塞ぎきれない。わかっていました。」

 

「ここに至っては各種族、国家の垣根を越えて対処せねばならないと考えます。教皇猊下としましても全世界への呼びかけをお願いしたく思います。」

「わかりました。教会として全力でご支援いたします。」

「ありがとうございます。今日は本当に建設的な話が出来てよかったわ。」

「はい、全くです。何とか幸先は良い出だしになりましたね。」

「えぇ」

 

 

 

2019年8月19日

ローマ教皇との会談を済ませて翌日にはすぐに飛行機で立った大樹たちは19日には日本に帰還していた。

国家元首を失った国や国民に被害を出した国があったが欧州の混乱も表面上は収まった。主要各国の首脳たちは次があることを理解している。故に多少強引にでも収めたというのが真相だが、今はそうでもしなければ乗り切れないのだから正しい行為でしょう。

でも、それは一時のこと。

恐らく、完全ある世界の造物主は静かに魔法世界内で魔法世界を滅ぼすつもりだったのでしょうが、ぬらりひょんが弄繰り回したお陰で計算が狂ったようですね。

ですが、彼らも時間がない。多少の被害は目をつむるか。地球に住まう私たちには迷惑どころの騒ぎじゃないですけどね。

時折、伝わる向こうの話でもどうやらネギくんたちも相当な大冒険を経て、完全なる世界との戦いも佳境に迫っているようだった。

 

 

魔法世界の危機はぬらりひょんの悪意に惹かれ肥大化し、地球を、妖怪や妖精たち数多の種族を巻き込みさらに多くの連鎖を引き起こそうとしていた。

 

 

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