大樹の妖精、神となり   作:公家麻呂

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217 平成 終章開幕

 

 

立川から今度は麻帆良にとんぼ返りするわけだが、今いる面子は私とエヴァンジェリンと従者のチャチャゼロ、八雲紫とその式の藍。そしてバックベアード。私とベアードの側近数名。さらに私の側近枠で駆けつけてくれた昔馴染みの風見幽香とその友人や家臣たち。

客観的に見てもわるいわるーい顔した集団でしたね。

この状況で日本的な腰の引けた外交は出来ませんから、ある種の脅迫外交でしたね。

 

「はっはっはっは!!さすが我妻祀の御母堂!決戦の地を地球にしてしまうか!!愉快!!我らの相手に不足なしだ!!」

とベアード。

「しかし、お前。よくここまでやったな。」

「この子は、昔から戦闘はからきしだけど後ろの方で権謀術数をするのが天才的なのよ。」

エヴァンジェリンの発言に風見幽香が代わりに答える。

 

「ねえ。亡霊たちを魔法世界に送るのってやっぱり私がやるのよね。流石に骨が折れるわね。」

と不満を述べる八雲紫に対して

「長期熟成の最高級日本酒やロマネコンティとかドンペリとかたくさん用意してるから頑張ってちょうだいな。」

「えっ・・・・・・・・・・ゆかりん、超頑張れる気がするわ。」

「ゆ、紫様。」

「藍さんには福井の老舗名店の油揚げを用意しましたよ?」

「コホン、これは私たちがここで活躍しないといけませんね。ね!紫様!」

「ら、藍。貴女も現金ね。」

 

若干、年甲斐と言うか立場的役職的にはあり得ないくらい和気藹々としていたが、エヴァンジェリンが区切り着ける。

 

「さて、あっちには私のかわいい弟子もいるんだ。完全なる世界の黒幕に弟子をかわいがってくれた礼もしなきゃならん。」

「黒幕ね~。あっちには黒幕が一人・・・こっちには黒幕がたくさん揃ってるわ。こっちの方が勝じゃないかしら?」

幽香の後ろにいた幻月が顔を覗かせて言う。

 

そして、最後に私が

「いままで、苦労させられた分お返ししませんとね。ざっと、数百年分くらい。皆さん宜しくお願いしますよ。」

 

と言うと皆が不敵に笑った。

 

 

 

 

 

 

同日

 

『開票速報、保守政党連合の勝利確実。』

『華族会議席を大きく伸ばす。環境政党議席確保、旧民政党勢力大敗。』

 

「ま、爆弾テロ如きじゃ結果は覆せませんな。わかっていたとも、大樹様も本腰を上げている。わしも本気でお相手せねば失礼と言うもの・・・蛇骨婆。七人同行に手を貸してきてくれませんか。」

「ふぇっふぇっふぇ。ぬらりひょん、主もずいぶん強引手を使う。」

「間違いなくこれまでで最大の大舞台ですからね。この程度はやらねばなりませんよ。」

 

 

 

2019年8月28日 夕方

 

平将門率いる亡霊軍団を魔法世界に送り出して数時間後。

大樹とエヴァンジェリンは近衛近右衛門と話をする。エヴァンジェリンは近衛近右衛門と向かい合う形で上座の方に大樹が座る形だ。

 

「近衛学園長。麻帆良はただちに厳戒態勢に移行してください。」

「うむ。」

 

何か変な駆け引きがあるかと思っていたのだが、大樹からの要請に学園長の近衛近右衛門は素直に受諾した。

 

「学園の生徒たちは全員退去。周辺住民の避難はすでに埼玉県警の指揮のもと開始してます。学園の生徒たちに関しては学園の自治権が及んでいますので学園が動かないといけません。急いでください。それと魔法生徒に関してもある程度選抜して下さい。半端な戦力は恐らく足手まといになります。」

「あぁ、急いで退去させる。しかし、そこまでなのか?」

 

自身の想像を超えた事態に近右衛門が些か動揺しているのが見て取れた。

 

「えぇ、完全なる世界とそれに与した者たちの規模は貴方たちの想定を遥かに超えたわ。」

「はぁ・・・確かに、これは想像できんわな。」

 

《速報:連舫前首相逮捕。8月28日8時23分、警視庁は連舫前首相をテロ等謀議罪で緊急逮捕した。また、同容疑者は内乱予備罪・内乱陰謀罪等の余罪があるとして再逮捕の可能性も示唆されている。》

 

このテロップが入ってすぐに緊急報道特番に切り替わる。

 

『旧民政党本部及び立憲民政党に東京地検特捜部による捜査が入ったとの情報が入りました。旧民政党議員からも逮捕者が多数出たとの情報が先ほど入っております。今回の逮捕は内乱予備罪・内乱陰謀罪等の国民への甚大な被害が予想されるは重大犯罪の為の超法規的措置であると警察庁の発表がありました。また、これは未確認ですが一部が欧州同時多発テロにも何らかの形で関与したとの情報があり今後の発表が待たれます。』

 

大樹たちはテレビに気を取られていたが、窓の外から目を覆いたくなるような強い光を受けて、そちらに視線を移す。

 

「世界樹が光っておる。ここまで強い光は初めてじゃ。」

「ついに来ましたか。」

「あぁ。」

 

エヴァンジェリンのスマホが鳴る。

 

「どうした?超か?鬼太郎について行ったんじゃなかったのか?・・・な!?いや、ありえるか。・・・・・・大樹。茨城でダイダラボッチが復活したらしいぞ。」

 

 

 

「学園長、今すぐに総員総力即応体制を取らせてください。電話をお借りしますよ。あ、エヴァ。貴女もそろそろ支度した方がいいわよ。少しぐらいは準備があるでしょ?」

 

そう言って、大樹はすたすたと学園長の執務机に歩み寄り黒電話を掛け始める。

これは、未だに大樹がスマホを始めとした携帯電話苦手にしているからでもあった。

そして、エヴァも「そうさせてもらう。」と答えて学園長室を後にした。

 

「今動かなければ、手遅れとなります!!多少の無理は押し通してください!!」

大樹は電話の相手にかなり強い口調で指示を出していた。

近右衛門も自身のスマホを使って魔法先生たちと連絡を取り合う。

執務机の前の会談用のソファーの先にあるテレビが映像をただ流し続けた。

 

そして、1時間ほど時間が経過したころ大樹は電話を切る。

 

 

『この奴良グループが主体となって内乱計画を・・・!?政府より緊急発表です!!よ、読み上げます。さ、さきほど内閣官房長官内定していた津田信國氏は臨時的に緊急の会見を開き以下の重大な発表が為されました。え、あ、日本国民の生命及び財産、自由並び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険が迫っていると判断し、もはや現在の警察力では対処不可能と判断し自衛隊に対し防衛出動を指示したことを・・・』

 

 

テレビに映るニュース特番に視線を移した大樹は

 

 

 

「学園長、完全なる世界が動き出しました。同盟関係にあるぬらりひょんも行動を起こしました。学園長、私は永い時を生きてきました。ですので似たようなことがあるといろんなことを思い出します。私たちと完全なる世界の間で争いが始まりそれぞれの同盟者が反応し矛を向け、その同盟者たちも武器を構える。収拾をつけるのが大変そうです。そして今は欧州大戦・・・世界大戦の時のことを思い出します。」

 

 

大樹の言葉を聞いた近右衛門は僅かに表情を強張らせた。

 

「そうかの・・・。」

「えぇ、時代が変わろうとしている。良きにつけ悪きにつけ、そういう時は必ず大きな騒乱に見舞われるのです。」

 

 

 

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