大樹の妖精、神となり   作:公家麻呂

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222 平成 第三次世界大戦② 燃える世界

 

 

EU諸国はイタリアで封じ込めを図ったが、裂け目がフランスのパリ近郊のシャルルドゴール空港に出現したことでもろくも崩れ去る。

 

裂け目が開き召喚魔たちがあふれてくる。警察の封鎖線は一瞬で崩壊する。

 

「市民の避難を最優先に!奴らをパリの中心街に入れるな!!」

 

フランス政府の対応は迅速でパリ防衛のために軍を緊急展開した。

フランス軍はパリ防衛のために市街戦に突入。市民の避難と並行するという無謀な賭けに出た。結果としてパリは暫し維持することができた。

こうして、裂け目から現れる魔物たちの南下を防いだのだが、代わりに魔物たちは北上を開始。魔物の大群がベルギーのブリュッセルとイギリス海峡に迫っていた。

 

ここに、ルクセンブルクの要請を受けたドイツ軍およびポーランド軍が現地フランス軍とともに旧マジノ線に展開しドイツ国境およびルクセンブルク国境を固めた。

ベルギーでも市民がパニックを起こす中、軍が出動。さらにオランダからの援軍を迎え入れた。また、バックベアード率いる西洋妖怪軍団本隊がアメリカ防衛に動いており、欧州防衛には初代ドラキュラ公爵率いる第二軍が自身の伝手があるルーマニアに陣を敷き周辺諸国群と連携し東欧防衛の動きを見せていた。また、イギリス対岸の完全なる世界の手勢に対して英軍と共同で反攻作戦を実施するために西洋妖怪軍団の人狼族たちが集結しつつあった。

 

フランスの完全なる世界の軍勢を打ち倒す準備を整える。一方でイタリア南部地域に取り残されたイタリア軍はローマに集結、バチカンの保有する武装神官たちも動員され悲壮なる覚悟で教皇を守らんとしていた。

 

 

 

 

 

重慶市で発生した亀裂からあふれ出た魔物たちは中国妖怪大陸派と組み中国を侵略し始めたのだった。また、化け物どもの侵略と言う未曾有の事態で政府と軍の足並みが揃わなかったことに加え首都を預かる中部戦区軍が壊滅に近い損害を受けたことによって国家としては致命傷となる。かろうじて機能していた首都の中央政府であったが、残る戦区軍は地元地方政府の要請を優先し自戦区へ侵入を防ぐための戦闘にシフトしてしまった。

西部戦区軍は西側の中部戦区軍残存を吸収、防衛線を構築しそこから一切の進軍を止めた。

抗戦の主体は東部戦区軍が担ったが、中国妖怪を味方につけた完全なる世界の召喚魔群はじりじりと中国軍を追い詰めていった。また、他地域と違い現地の妖怪が完全なる世界側にたって参戦したことによって地の利は失われ、特にキョンシーの齎した怪我人がキョンシーになると言ったゾンビパニック的混乱は中国国民をパニックのどん底に突き落とした。

中国政府は都市爆撃及び装甲軍団投入し民間人ごと浄化を図ったがこの現実味がなかった策は失敗した。さらに言えばこのキョンシー疑似ゾンビパニックはゾンビパニックの様な嚙まれて即ゾンビと言うわけでなく感染してからキョンシーになるまでにそれなりに時間的猶予があることが災いすることとなる。オカルト的なそれではあるが現代科学の治療でもキョンシー化をある程度遅らせることは可能であったし、政府公式見解では完治する方法はないとされていたがキョンシーを操る術を持つ導師たちによる仙術儀式で根治可能であることが台湾政府によって公にされるのだが、中国本土ではかつての共産党政治の一環で導師の仙術を否定し弾圧したことによって中国本土での導師の数が絶望的に少なかった。台湾や華僑の導師に頼るにしても遅すぎた。こうして民衆の中国政府への不満が爆発し、有事にも関わら民衆は暴動を起こし中国中央政府の統治は事実上崩壊した。これに際し各戦区軍は地方政府と合同し独自に動き出す。北部戦区軍は万里の長城の向こう側へ民間人を連れて退避、北部中国暫定政府を樹立し、両東西ロシア及びモンゴルの軍を迎え入れ防戦に備えた。さらに南部戦区軍は常徳市まで失い長沙市や武漢市をも失おうとしている中央政府を無視して国連に救援を要請、アメリカを中心とした国連軍を迎え入れ中央政府には事後承諾させた。大国中国は崩壊しながらも抗戦を続けるのであった。

 

 

 

 

 

また、東南アジアでは中国南部を食い散らかしている中国妖怪と完全なる世界の召喚魔軍団の半数はインド方面に向かっていると思われる。そして、その先頭集団がついに東南アジア、ベトナム国境に姿を現した。これに対してベトナム政府はインドからの援軍が到着するまでの時間を得るためにベトナム北部を戦場にする決断を下した。ベトナム政府の呼びかけに応じてラオス、カンボジア、タイ、ミャンマーと言った周辺国は直ちに援軍を派兵し、インドネシアなどの南洋諸国も援軍を向かわせた。そして南方妖怪たちも郷土防衛に立ち上がり侵略者たちに乾坤一擲の一撃を与えんと集まっていた。

 

 

 

 

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