大樹の妖精、神となり   作:公家麻呂

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23 壇ノ浦の戦い

 

 

両軍合わせて4000隻の軍船が壇ノ浦で両軍は衝突して合戦が始まった。

人間、妖怪、妖精、そして神をも巻き込んだ大戦は平家の滅亡を持って終わりを告げる。

 

 

SIDE 射命丸文

 

瀬戸内海の戦いから大天狗様の命令で人間の戦いに肩入れしている。

最初は人間相手の詰まらない戦に神様からの強制的な命令でいやいやだったんですが・・・。あやや、これはこれは・・・敵の総大将平宗盛ではないですか?

大将首なら私達天狗の評価も上がるでしょうし一仕事しておきましょうか。

 

「そこの人の子よ・・・おとなしく?おやぁ?あなた人間じゃないですね?」

「くくく、バレては仕方がない···天狗、貴様の魂を喰らってやる。」

 

敵の妖怪は夜叉。

夜叉は髪を振り回しそれを武器に襲い掛かった。

正体を現した平宗盛周囲の源氏方の兵士から魂を奪い喰らいながら文の腕を捉える。

 

「文様!ご無事ですか!」

「文殿を援護しろ!」

射命丸の腕に絡みついた髪を大剣で切り払い、射命丸の前に躍り出た彼女は犬走椛。

さらに迫る髪を錫杖で振り払ったもう一人は烏天狗の黒鴉。

二人は部下たちと共同し夜叉宗盛を囲う。

 

「大量の魂を食らった私にとって貴様ら等、雑魚も同然よぉ!」

 

夜叉宗盛は今まで喰らった魂を力に変えてさらに強力に髪を振るう。

 

「っく!つ、つよい。」

「なんと言う力だ・・・。」

 

二人の陣形が崩れたのを見た射命丸の顔に冷汗がつたう。

 

「二人とも下がりなさい。ここは大天狗様よりお借りした羽団扇を使うしかないでしょう。」

 

射命丸が羽団扇を振るうと無数の風の刃が発生し夜叉の髪を切り刻む。

 

「な、なんだと!倭国の妖怪にこの私が負けるなど!?くそっ!!この借りは返すぞ!」

 

夜叉宗盛は船から飛び降りて海の中へと消えた。

 

 

「ちょ!?文!?大丈夫なの!?」

 

まさか、敵の将が妖怪だったとは・・・。しかも、なかなか強い・・・なんとか退けましたよ。

腕をやられましたね。ちょうどいいところに・・・はたてさん・・・少し肩を貸していただけますかねぇ・・・。

 

「あはは、ちょっと油断しましたよ。敵将が妖怪だったとは・・・恐らくあれは大陸の妖怪・・・夜叉ですかね。」

「本当に大丈夫なのよね。・・・でも、夜叉?・・・なんで大陸の妖怪が?・・・これは大天狗様に報告した方がいいわね。」

 

夜叉の件はとにかくこの戦いの勝敗は定まったようですね。

彼女たちの耳には源氏方の鬨の声が聞こえていた。

 

SIDEOUT

 

 

 

「大樹母よ。なぜ御子をお見捨てになられたか・・・。」

私は二位尼の問いには答えなかった。

 

二位尼は死を決意して、幼い安徳天皇を抱き寄せ、宝剣を腰にさし、神璽を抱えた。安徳天皇が「どこへ行くのか」と仰ぎ見れば、二位尼は「弥陀の浄土へ参りましょう。波の下にも都がございます」と答えて、安徳天皇とともに海に身を投じた。

 

それを見届けた私は河城某に命じて三種の神器を回収させた。

 

 

その後、義経が追われる身となり、奥州藤原氏が滅亡したがこちらに関しては関わっていないため特に気にすることではないでしょう。

武門藤原氏の系譜は残り関東を中心に多くの傍流を残しているのだから、神奈子が珍しく興味を示した人間として、それと将門の時の義理は十分に果たしていると考えていいでしょう。

 

大樹記、諏訪洩矢書記、源平盛衰記、平家物語、玉葉、吉記、百錬抄、吾妻鏡と言った多くの文献に描かれている。

 

 

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