北条時宗が執権となった前後の1268年、モンゴル帝国第5代大ハーンのクビライが高麗を通して朝貢を要求してきた。朝廷は対応を幕府へ一任し、幕府は回答しないことを決定、西国の防御を固めることとした。
SIDE 大樹大社
大ちゃんが御簾越しに報告を上げる。
「大樹様、朝廷と幕府より大陸より朝貢要求の使者が来たとの知らせが、時宗殿は大樹様の指示通り可能な限り引き延ばすとのことです。また、西国の防備を固める指示を出しました。それと蝦夷の妖たちですが樺太に渡り大陸妖怪と一戦交えているようです。」
ついに、来ましたか・・・。
大宰府の道真に九州の妖怪たちを指揮して防備を固めさせるように伝えなさい。
それと、白蔵主と刑部狸には手勢をすぐに動かせるように準備をさせなさい。九大天狗、にも兵を大宰府に送らせなさい。それと可能ならば高麗を偵察させるように、軍船や兵の動きをつぶさに報告させるのです。河童や人魚たちは海を警戒させなさい敵は人ばかりとは限りません。
琉球や南方の有力妖怪に使者を立てるのです。運が良ければ大陸妖怪たちの足を引っ張らせることは出来るでしょう。蝦夷の方にも使者を立てておきましょう。味方は多い方が良い。
鬼の方々は好きにするでしょう。あれは権威におもねるようなことは好みませんので口を出すよりは勝手にさせればよいです。鬼たちは不義理は働きませんから・・・。
それとぬらりひょんをここに呼んできなさい。
数日が経つと私の呼び出しに応じたぬらりひょんが側近の朱の盆を連れてやってきた。
「大樹野椎水御神が御呼びと聞き、このぬらりひょん・・・急ぎ参りました次第でございます。」
ぬらりひょん、私の求めに応じてよく来てくれましたね。
して、ぬらりひょんよ。想像は出来ているでしょうが貴方には種族として纏まっていない・・・所謂、雑多な妖怪達とかその他の妖怪と呼ばれるようなもの達を纏め上げてほしいのですが良いでしょうか。
「おぉ!そのような大任を任せていただけるとはこのぬらりひょん感無量ですぞ!!」
「よかったですね!ぬらりひょん様!!」
ぬらりひょんは少々大げさとも思えるほどに喜んで見せた。横にいる朱の盆も顔を真っ赤にして喜んでいる。もともと赤いですね・・・。
しかし、いくら優秀な貴方でも敵の上陸予定地である肥前、筑前、長門、石見をすべて事細かに任せるのは難儀かと思いまして、私の方で何名か選抜してみたのですが?
ぬらりひょんは私が渡した書簡に目を通す。
「どれどれ、たんたん坊と・・・誰だったかな。あぁ幽霊族のあいつか。それに風見まで招聘に応じたのか。」
ぬらりひょん、何か質問でも?
「大妖風見は確かに最強妖怪の一角ですが、将としては・・・。それにあれは他人に従うとは・・・。」
私も遊撃と考えています。後者については個人的な誼で協力してくれるはずです。
「であれば構いませんが・・・。将としては私含め3名ですな。敵は恐らく筑前長門のどちらかに上陸するでしょう。であれば、筑前長門に兵を集中させ上陸地によって石見や肥前へ兵を動かせば良いでしょう。」
そう言ったことは貴方に任せましょう。京の守護は万年竹に任せましたので・・・それと私も元襲来時には出ますので私が来るまではしっかりと元を抑えておきなさい。
「それと、大樹様・・・出雲の守りはどうするのです?あそこも他に比べれば低いとはいえ上陸はありますが?」
あそこは大丈夫です。八坂刀売神や洩矢諏訪ノ神が護りに付きます故。
SIDEOUT
SIDE ぬらりひょん
かっかっか!!遂に儂も多くの妖怪たちを指揮する立場か。
大樹様からのお墨付きまで頂けたのだ。
この戦の功績如何では妖怪の征夷大将軍も夢ではないな!!妖怪幕府でも作るか!!
かっかっかっかっか!!
SIDEOUT
その後も何度か大陸との使節のやり取りは続いた。
その途中で、三別抄と言う朝鮮の反乱軍が加勢を要請してきたが風前の灯火だったので朝廷と幕府は捨て置き、私の方も天狗の様な空を飛べるもの達に限り示威行為程度の嫌がらせなら元に仕掛けても良いと伝えるにとどまった。
そして、遂に・・・元が・・・いえ、大陸妖怪の襲来の知らせが届いたのです。
短編閑話集 新短編 大樹と向日葵 追加