唐津湾で窮奇に大樹がやられて日本軍が壊乱した後、何とか軍を纏めた神奈子と諏訪子。
彼女たちはたんたん坊や少弐経資と合流し肥前基肄城で指揮を執っていた。
「鹿島神宮よりお使者です。至急、八坂刀売神様にお会いしたいと・・・。」
鎮西西方軍の大将少弐経資が膝を付き、使者の到着を知らせる。
「鹿島からだと・・・遅かったじゃないか・・・。」
鹿島神宮からの使者は二振りの剣を差し出す。
伊都之尾羽張と布都御魂剣の二振りであった。
鹿島神宮の祭主の枕元に建御名方神、建御雷神が枕元に立ち八坂刀売神に力を貸すように言われたと告げた。なお、布都御魂剣の方は石上神宮から託されたものだと告げられた。
また、諏訪子にもヒヒイロノカネで作られた鉄輪が届けられた。
「我が夫、建御名方神。それに建御雷様感謝しますぞ!!」
自分の夫が、自分の自分よりも強い一応ライバルでもある建御雷に頭を下げたのであろう夫の姿を想像し、クスリと笑った。
神奈子は、今は高天原にいる夫とその兄貴分に礼を述べたのだった。
鹿島からの使者は、胤仁親王が大樹野椎水御神にありったけの神器を持って向かっていることが告げた。
神奈子と諏訪子はそれぞれの新たな武器の手なじみを確認して、言い放った。
「よし、ここは打って出るぞ!」
「いくよ!あんた達!!」
次に起きるであろう。友の大反撃の成功のために自分たちが敵を引きつける為。
たんたん坊率いる妖怪軍団と少弐経資率いる鎮西西方軍、地元の有馬氏、大村氏の協力を得て反撃に出た。反撃に出た神奈子たちは鹿島、嬉野、川棚で勝利し佐世保と白石まで押し返し、筑紫平野佐賀で抗戦していた白蔵主と刑部狸たちと戦域を重ねることが出来た。
その数日後、肥後玉名にて大樹野椎水御神の生存の知らせと檄が飛ばされ。
日本軍の大反撃が行われるのであった。
「伊都之尾羽張と布都御魂剣の二振りで貴様を倒させてもらうぞ!」
「東夷の小神が!!喰らってくれる!!」
「ヒヒイロノカネの鉄の輪であんたを切り刻むよ。」
「小さな島国の土地神風情が生意気な!!」
神奈子と諏訪子の相手には渾沌と饕餮。
「日本妖怪の意地を見せてやる!」
「「「「「おおおお!!」」」」」
「我こそは!!鎮西西方軍を預かる少弐経資である!!異族め!覚悟!!」
「「「「「おおおお!!」」」」」
「ガヒー!!!」
「我ら夜叉の一族の恐ろしさ見せてくれる!」
「倭国の兵など撃ち滅ぼして、奴隷にしてくれる!!」
「「「「「「「「「「おおおお!!」」」」」」」」」」
妖怪も画皮や夜叉の一族が相対し多くの妖怪を引きつけていた。
伊万里の戦いも非常に激しいものであった。
筑紫平野久留米でもぬらりひょんの軍勢と鎮西西方軍、六波羅探題派遣軍の軍勢がぶつかり合い。同地に配された伊吹童子、星熊童子、茨木童子に加え彼女らの部下である熊童子、虎熊童子、金童子、石熊童子と言った鬼たちも集まっていた。
この地には檮杌が出てきた。
「こいつは馬鹿だから、取り囲んで死角から攻撃すれば案外うまくいく!」
「たぶん、四凶最弱だ!!」
茨木童子と星熊童子の言葉に続いて伊吹童子が鬼たちに号令を掛ける。
「とにかく、囲んで殴り倒せばいい!お前たち、やっちまいな!!」
「「「「「「「おう!」」」」」」」
「ぬらりひょん様ぁ!どの戦域でも皆、奮闘し優位ですよ!」
久留米の舘で指揮を執るぬらりひょんの下に朱の盆が戦況を伝えに駆け寄る。
「でかした!水虎河童に伝令じゃ!!」
「はい!ぬらりひょん様!!」
久留米の舘から天狗の伝令が飛び立ち響灘まで後退していた水虎河童率いる妖怪水軍と村上・下津井・塩飽・淡路・土佐の瀬戸内・四国の増援水軍を加えた連合水軍に玄界灘への進出を命じた。