大樹の妖精、神となり   作:公家麻呂

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37 弘安の役 元寇軍壊滅

伊都之尾羽張と布都御魂剣の二振りで屠られた饕餮は、止めに御柱で背骨を圧し折られ、顔面を潰し神奈子は饕餮の羊毛を毟り取って雄たけびを上げた。

 

「しゃあぁあああああ!!饕餮は死んだぞ!!」

 

渾沌の方も、諏訪子のヒヒイロノカネの鉄輪で切り刻まれ大量の血を流して崩れ落ちる。

 

「渾沌、敗れたり!」

 

これを見た画皮や夜叉たちが逃げ出し、他の大陸妖怪も我先にと逃げ出す。

元寇の軍も潰走し始め、たんたん坊や鎮西軍に追い立てられる。

 

久留米の方でも、徹底的に殴る蹴るされた檮杌が無残な姿で撲殺されていた。

四凶の檮杌と言えども最強妖怪の一角たる鬼たちに四方八方から殴り廻されれば、ひとたまりもないと言うことであった。

 

 

四凶が敗れた元寇は潰走を始め、日本軍が追撃を開始する。

頭部が大きな口だけで全身毛に覆われた、寸胴の大蛇の妖怪。野槌(のづち)はあたりの敵兵をてつはうが爆発しようが、矢が飛んで来ようと怯まず敵を吸い込んでいく。

 

「いいぞ!やっちまえ!」

 

他の妖怪達も追撃を弱めず港から敵を追い出していった。

 

各地で日本軍が勝利し、元寇軍は各地の湾から多くの軍船が出港していく。

 

 

妖怪大軍船を中心とした元寇水軍に日本連合水軍が攻撃を仕掛ける。

 

水軍衆の軍船が元寇の軍船に接舷し乗り込み、剣と刀、槍と矛・戟がぶつかり合い。

弓や弩から矢が射ち交わされる。

 

三翼軍の水軍を日本水軍とぶつけている間に妖怪大軍船他の大陸の水軍は沖に逃げ出す。

 

「追え!逃がすな!!」

 

水虎河童は仲間たちに追撃を命じる。

河童や人魚、船幽霊たちに加えお化け蛤の殻で出来た軍船でカワウソの一族がは元寇の東路軍や雲南軍の軍船に襲い掛かる。

 

その様子を見ていた船幽霊のひとり村紗水蜜も東路軍の軍船に柄杓で水を流し込んでいたが、切がないと軍船に乗り込んだ。

 

河童や半魚人、カワウソらが乗り込んで乱戦している中で見回すと軍船の錨が目に入った。

これだ!

 

村紗は錨を担いで振り回す。

東路軍の兵士達を吹っ飛ばし、叫ぶ。

 

「この船、沈めるぞぉ!!見てろよ!!」

 

村紗が軍船の床に錨を叩きつけると錨は床を突き破り船底まで一気に突き破った。

 

「元寇の軍船を一撃で沈めてやったぞ!!」

「「「「おおおお!!」」」」

 

村紗の勝ち鬨に他の船幽霊も柄杓や手桶を掲げて応じた。

以後、村紗は船幽霊の纏め役として名を上げるのであった。

 

 

 

 

そして、妖怪大軍船にも・・・

 

「行け!化け鯨!!」

「クォオオオオン!!」

 

水虎河童の言葉に合わせて白い骨格のみの姿をした巨大な鯨が姿を現した。

あたり一面は骨だけの姿の魚どもで満ち溢れ、さらには妖しげな骨鳥が姿を現す。

 

お化け鯨はその巨体を妖怪大軍船に叩きつける。

妖怪大軍船の艦首がへし折れ、前に沈んでいく。数多の大陸妖怪達が海に投げ出さられ河童や人魚たちに海に沈められていくのであった。

 

「キュオオオオン!!」

 

お化け鯨の第二撃が妖怪大軍船の船腹に叩きつけられる。

妖怪大軍船は船腹の穴から海水が流れ込み沈んでいく。

 

元寇軍壊滅の瞬間であった。

 

 

 

 

 

 

 

その頃・・・

大陸妖怪の首魁チーは江南軍の軍船にいた。

 

「今回の侵攻は失敗したが、我の邪魔となる四凶が死んだだけでも良しとしよう。次こそは日本を手中に収めてくれる。」

 

 

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