大樹の妖精、神となり   作:公家麻呂

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09 秋比売神静子・穣子

洩矢の国と親交を深める一方で、羽山戸神と大気都比売神の夫婦を介して大和の国にも尻尾を振る今日この頃。

 

羽山戸神様と大気都比売神の娘さんが来てくれる日になった。

来てくださったのは秋比売神姉妹でした。

 

姉の方は静子さん、妹の方が穣子さんって言うんだよ。

 

二柱が大樹の国に滞在し始めてから数日、さっそく地力のあげ方を教えてもらう。

 

「広く不特定多数の植物に送りたいなら雨をイメージするといいのよ。」

 

「へぇ~、流し込む感じじゃないんだね。」

 

「それは単体の場合だけよ。そんなことしたら地力過多になっちゃうわよ。」

 

二柱の指導は上手で丁寧、それに優しいから妖精の子たちからもおおむね好評。

農業の生産率がさらに上がったよ。

 

逆に技術的な面ではこちらが上だったので、感心してたよ。

 

 

 

SIDE  秋穣子

 

お母さまに言われて来てみたけど、お母さまの好みそうな子だなぁってのが直近の感想だった。

神力の使い方に拙さが残ってるけど、それを補おうと色んなことに挑戦して私達の加護地に勝るとも劣らぬ豊穣の土地に育ってるわ。

田畑の実りがあなたに感謝の言葉を言ってるわよ?

 

それに・・・あたしのこと・・・

 

 

「なんだか、おねえちゃんみたい。」

 

だって~!!静子姉さん!!聞いた!!聞いてたでしょ!!

かわいい!!大樹ちゃん、かわいい!!こんな妹が私も欲しいわ~!!

 

 

大樹ちゃんは自分が妖精上がりの神様だってことをすごく気にしてるみたいだけど、実力はある子なのよ!なんとか、自信を付けてあげなくちゃね!静子姉さんも手伝ってよね!!

 

SIDEOUT

 

SIDE 秋静葉

 

大樹ちゃん、豊穣の神様見習い?ってところかしら…。

この土地にずっと昔からいる子みたい。

 

土地の人達は彼女たちの事をとっても大切にしてるわ。妖精たちも大樹ちゃんを中心に纏まってる。

妖精ってとってもいたずら好きで、やりすぎて人間たちと軋轢があったり、距離があったりするんだけど。彼彼女たちにはそういったものが無くて、ちゃんと共生してる。

 

大樹の国では人と妖精が共に生きているのね。

人と妖精と言う力弱き存在が、纏まって力を合わせて困難を乗り越えようと言う姿はすごく心に響くものがあるわ。

 

大樹の国の役人は大和朝廷の使者が忠信を迫った時、回答を保留した。

敵意が無いのは解っていた。なぜと言う思いがあった。大樹の国の人間にとって妖精は家族だったのよ。大和の神々は人間に加護を与えて、人に仇為すものを排除した。それは人にいたずらをした妖精達も含まれていた。だから・・・彼らは・・・。

 

大樹ちゃんたちが残そうとしているものは、この大和の国に絶対に必要なものよ。

大樹の国を大和朝廷は、洩矢の国同様に滅ぼそうとしてる。大樹の国を見て思うの、国を一つにまとめることは重要なこと。でも、私利私欲のために動く蛮族でもなく大和朝廷に楯突くでもないかの国々を滅ぼしてまで手中に収める必要が本当にあるの?

 

SIDEOUT

 

SIDE 大樹の国の民

 

豊穣祭

豊穣の神様が来たとあって、里はいつも以上に騒がしい。

自分は北の方から流れついた人間だったが、ここの人たちは光羽の巫女様たちのおかげで実り豊かだ。

自分もここに来てからは、里の人たちと一緒に畑仕事をしてきた。

畑が豊作になった時の喜びは知っているので、豊穣神様にはもちろん感謝している。

 

大和の神様たちは最近周りの国々を攻め取ってるって聞いてたが、秋の二柱様が豊作を祝いに来てくれたんだから安心だな。あんなに綺麗な紅葉を大樹様と彩られておられるんだから!

 

SIDEOUT

 

豊穣祭では私達三柱で木々を紅葉に変えたよ!

とってもきれいな紅葉と秋の実りで、国のみんなも喜んでたよ。ありがとう!

豊穣祭が済むと秋のお姉さんたちは冬になる前に帰るって言って帰っていった。

冬は疲れやすいんだってさ。

 

また、次の春には来てくれるよね。

 

 

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