転生ベルトとボクっ子娘   作:すーぱー☆ふぁんたずむ

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 突然ですが皆さんは特撮ヒーローはご存じだろうか?
 よくニチ〇サで魔法少女とかの次に放送されているアレだ。

 みんなの笑顔を、夢を、思い出を、未来を、街を、友情を、希望を、大切な人を、可能性を、命を、愛と平和を。
 皆それぞれだが人間の自由と平和のために戦ってきた戦士達。
 かつて人々はそんな彼らを称え、英雄(ヒーロー)と呼んだ。

 時に一度そんなヒーローに変身してみたい! なってみたい! と思った事はなかろうか? 特に男子諸君ならば尚更だ。
 少なくとも僕はある。幼いころそんなヒーローに変身できるアイテムがあれば! ……っと思いを巡らせたこともある。例えるならそう、ベルト(・・・)とかね。


 そろそろ本題に入ろうか。
 ではもしも君が、そんなヒーローに変身できるアイテムを手にしたら……いや、変身できるアイテムそのものになってしまったらどうする?


 これから語る物語はそう……異世界でベルトに転生してしまったヒーローオタな青年が、相棒と最高の英雄(ヒーロー)を目指す物語である。


1話orプロローグのようなもの 旧

――――雨が、降っていた。

 

 空は黒く、厚い雲に覆われて、辺りには木々が生い茂り、その森はどこまでも深く、人の気配も、小さな灯火もない。

 まるで永遠に続く底無し沼のように深い夜の森を、少女は駆け抜けていた。

 

 ――走る

 

 ――――走る

 

(少しでも遠くに……! 引き付けないとーーッ!!)

 

 なんのために走るのか。

 ()()かを引きつけるために、少女は少しでも遠くへと、己の身を突き進ませる。

 

 既にどれくらいの時をかけ続けているのだろうか? 

 体力は既に限界を迎えており、足は一歩踏み出すごとに悲鳴を上げて、その痛みは容赦なく全身へと伝わり、苦痛となって彼女の体を襲う。

 

 ――――――――――――ッ!!

 

 それでも彼女は足を止めない。

 歯を噛み締め、痛みに耐えながらも駆け抜ける。

 

 やがて木々が減り先が見えてくる。

 あと少しで森を抜けようかという、その刹那――

 

 不可視の砲弾が、彼女を吹き飛ばした。

 

「――ッァ!」

 

 痛みよりも先に、衝撃が全身を包み込む。

 直撃こそしなかったが、その威力は凄まじく。

 地を砕き、少女の身体を軽々と吹き飛ばす。

 

「〜〜〜〜ッ!!」

 

 少女は、地面に叩きつけられる様に転がる。

 

 全身を襲う苦痛に、今度は耐えることが出来ずに声にならぬ悲鳴をあげてしまう。

 立ち上がろうにも、全身を襲う痛みと痙攣がそれを許してはくれない。

 

 ――――ドシン!

 

 ――ドシン!

 

 地響きが鳴り渡り、その音は徐々にこちらに近づいてくる。

 

「ヴゥルルルル……」

 

 猛獣の唸り声、やがて彼女を追っていた追跡者が正体を現す。

 追跡者の正体。それは、一頭の熊だった。

 

 しかし、熊と言うには、その姿はいささか異形である。

 通常の熊よりも数倍の大きさを誇る図体をもち、その手足にドリルの様な螺旋を描いた爪を生やして、風を纏っていた。

 その姿はまさしく【魔獣】と呼べるだろう。

 

 魔獣が彼女の元へと近づいていく。

 逃げ場はもう無い。それでも彼女は諦めない。

 

(諦めない……ボクが、ボクがみんなを守るんだッ!」

 

 魔獣がその剛腕を振り上げーー

 

 

 ーーーーーーーー死。

 

 少女の頭に死が過ったその瞬間ーーッ!!

 

 『うぉぉおおおお!? 上から来るぞ! 気をつけやがれぇ!!』

 

 ーー声が聞こえた。

 そして、空から流星の如く降ってきた『何か』が魔獣の鼻先を殴打した。

 

「グルァア!?」

 

 突然の激痛に悶える魔獣。

 

『そこの少女!』

 

 脳裏に響く声。

 

「? 声? 誰かいるの……?」

『ここだよ、ここ!』

 何かが落ちてきた場所、声の発生源場所に視線を向ける。

 向けた先、そこにあったのは――

 

「ベルト……?」

 

 

 

 

――――少女は運命と出会う。




ネタ考えたのが2016
描き始めが2018
投稿が、2020
細部更新が2022

…怠惰過ぎないか? ワレ

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