戦姫絶唱シンフォギアST~Scratched thunder~   作:兵頭アキラ

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東方を書くつもりがシンフォギアを書いていた!・・・こっちの方が書きやすかったんや、非力な私を許してくれ


ST~Scratched thunder~編
壊れ行く日常


 第一開発計画

 聖遺物名『ケラウノス』

 開発コード シンフォギアシステム第一号

 開発主任 櫻井了子

 開発結果 開発不可

 備考 聖遺物そのものが雷であるため、ギアとして開発することが不可能と判断、この計画を第二次開発計画へと回し、次の聖遺物をシンフォギアシステム第一号とする

 

 新・第一開発計画

 聖遺物名『天羽々斬』

 開発コード シンフォギアシステム第一号

 開発主任 櫻井了子

 開発結果 成功

 備考 このシンフォギアシステムの開発成功により、『櫻井理論』によるギア開発の目途が立つ事となった

 

 第二次開発計画

 開発主任 轟瞳 轟斗真 夫妻

 開発対象『ケラウノス』

 開発結果 成功

 備考 雷そのものたるケラウノスをギアにするのではなく、ギアをケラウノスにするという逆転の発想をついた理論、『轟理論』にて開発された

 

 適合者 不明(一名該当者がいたが、何者かによって削除。櫻井博士の手をもってしてもサルベージは不可能と判断された)

 

○○○

 

 私の日常はあの日を境に、音を立てて壊れ始めた。

 

 小学6年生の最後の修学旅行。研究者の両親を持つ私、轟雷(トドロキアズマ)は自分の通う小学校の校庭に立ち尽くしていた。

 時刻は午後9時。仕事の都合上、いつも遅れてくる両親だったけど来ないことは一度もなかったのに。私は階段に座り込んで友達がお父さんやお母さんと帰っていく姿を後ろから黙って見ていることしかできなかった。

 先生方も最初のほうは残っていてくれたが、学校を閉める時間になってはそうはいかない。

 結局、迎えに来てくれなかった両親に恨み言を呟きながら、頭の中では帰ったらどんな話をしようかとか、お土産喜んでくれるかな。などの思いで一杯になりながら夜の道を重い荷物をしょって立ち上がる。

 もしかしたら弟の出海が病気になって付きっきりになっているかもしれない。

 

「すいません先生。私、歩いて帰ります」

「こんな暗いけど、大丈夫?」

「大丈夫です!いざとなれば叫びますんで!」

 

 先生を説得して私は家に向かって歩き始めた。

 

 啖呵を切ったはいいものの、怖がる自分を鼓舞するためにお父さんとお母さんが今年の誕生日プレゼントにくれたアメリカで発掘したらしい赤い石柱みたいなペンダントを握りしめて、お母さんがよく歌ってた「apple」ていう歌を歌いながら帰路についた。

 家の前に着くと、窓から光が漏れていた。やっぱり出海が病気になったのかもしれない。

 仕方ないとはいえ、こんな時間になっても娘を迎えに来ないのかと少しお小言を言うつもりで玄関の扉を開けた。

 

「お父さん!お母さん!ただいま!こんな時間になっても娘を迎えに来ないってどういうつもり?!」

 

 家中に響くように叫んだが返事が返ってこない。電気が付いてるから家にいるはずなのに・・・。そう思いながら靴を脱いでカバンを玄関に置き、リビングに足を進める。

 自分の家なのに、知らない人の家に足を踏み入れた気がした。私はリビングへの扉を開いた。

 

「お父さん!お母さん!出海!ただいまって言ったんだから返事ぐらいし・・・?!?!」

 

 リビングは凄惨な状況だった。白かった壁は家族の血で真っ赤に染まり、カーペットが吸収しきれないほどの血だまりが出来ていた。

 その血だまりの中に両親と出海の死体が転がっていて、素人目にも死んでいることが理解できる。

 それでも私は服が血まみれになることも構わずに家族の安否を確認した。

 

「お父さん?!お母さん?!出海?!しっかりして!えええっとこういうときってどうすれば・・・そ、そうだきゅっ、救急車!あ、あと警察も!」

 

 現場に来た救急車に乗ってた人からは家族はすでに死亡していること。警察の人からは集団自殺、ようは一家心中で命を絶ったらしいことを聞かされたけど、急過ぎて涙は出てこなかった。心はとても悲しいのに。

 

 その日を警察署で過ごした私は家族が死んだことを今になって実感し、大声で泣いた。次の日、私は母がたの叔父と叔母に引き取られることになった。

 迎えに来た叔父と叔母は優しそうな人たちで、安心しきった私は叔父の車の中で泣きつかれて眠ってしまった。

 

 次に目を覚ましたのは背中に激しい衝撃が襲ってきたからだった。肺の中の空気が一気に押し出され、呼吸が出来なくなる。

 痛みと急な目覚めによる混乱で頭が回らなかったが、叔父が私を冷たい目で見降ろしているのだけは理解できた。下はフローリング、私は叔父に背中から床に落とされたらしい。

 痛みにのたうち回る私を叔父が上から踏みつぶし、口を開いた。

 

「お前の家族は、お前が殺したんだよ」

「・・・どういう・・・ことですか?」

 

 叔父が私を踏む足にさらに力を籠め、叫んだ。

 

「そのまんまの意味だ!お前を育てるのにうんざりしたから死んだんだよ!」

「そんなの嘘だ!」

 

 踏んでいた足を上げると思いっきり腹に向かって蹴りを入れてきた。腕でガードして直撃は防げたが背中から壁に叩きつけられる。

 

「嘘なものか!私たちも壊す気だろう!この疫病神め!」

 

 その日は一日中暴行が続いた。食事は与えられるわけもなく、鍵付きの部屋に閉じ込められた。空腹はバックに入っていた家族のお土産用に買っていたお菓子でしのぐことにした。

 この日から私の地獄のような日々が始まる。

 

 殴る蹴るは当たり前。タバコの火を腕や足に当てられたり、ナイフを自分で体に刺せと言われたりしたし、泣いたり言うことを聞かなかったら風呂に頭を沈められた。さすがに死ぬかと思った。

 1週間ぐらいたったころ、お菓子も尽きて空腹が限界になったので100回ぐらい叔母さんに土下座して、殴られても蹴られても爪をはがされても頼み込んだら何とか食事にありつけるようにしてもらえた。仏さんぐらいの量だったけど食べれるだけありがたかった、飢え死にすることはなくなったから。

 「おまえは生きている意味がないんだ」とか、「これはお前が疫病神にならないための教育なんだ」とか言われ続けたけど、じきに慣れる、大丈夫。

 痛くて眠れない日や泣きたくなった日はペンダントを握りしめて耐えた。私は学校に行くときは身体中の痣やけがを隠すために包帯でぐるぐる巻きにして登校するようになった。そのことを心配そうに聞いてくる先生や友達を騙すのはつらかったが、バレたら風呂に沈められるので何とか隠し通した。

 

 クリスマスは叔父たちに連れられてレストランで立派な夕食を食べることになり、久しぶりにおなか一杯に食べられると私は心の中で喜んだ。

 でも最初に出てきたサラダを飲み込んだ時に私は思い知らされることになる。突然おなかに激痛が走ってトイレに全部吐き出してしまった。その時私は実感した、もう普通の生活はできないんだと。

 帰ってから「せっかくお前のような奴を連れて行ってやったというのに」って殴られた。

 ・・・私をこんな体にしたくせに。

 

 結局、この虐待は中2になるまで続いた。私の怪我を不審に思った先生や、近所の住民が警察に通報したのだ。

 明日から私はおじいちゃんとおばあちゃんに引き取られて、近くの中学校に転校することになる。やっぱり私は疫病神だ。

 




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