鎮守府におじいちゃんが着任しました   作:幻想の投影物

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私たちは、新結成された第二艦隊の配属のようですっ。
今回の提督さんはぶっきらぼうだけど、色んな謎が秘められてるみたいでとっても楽しみ。
その秘密を暴いて、艦娘の皆さんに知らしめたらどんな顔をするのでしょうか?

 あの、私たちの提督をコケにしてくれたおじいさんは。

―――とある重巡洋艦の手記より


永戦

 港は外側に対深海凄艦を想定したいくつかの防護装甲、それらに守られるように倉庫が立ち並んでいる。鎮守府は海に面した場所からは少し離れた位置にあるため、ここまで深海凄艦が攻めてきたとしても対応は十分に間に合う距離だろう。

 吹きすさぶ潮風が骨の節々を軋ませる。素のままでは、老いた目が遠くを見通すことすら難しい。だが、我ら人間は天敵との直接戦闘による職にはあぶれている。戦うのは我ら人間の乗った戦艦ではなく、自ら考え、行動が可能となった艦娘たち。目は必要ない。私はただ、頭脳となるだけでよいのだ。

 

「本日もまた澄み渡る快晴。絶好の出撃日和であると言えよう!」

 

 私の声が立ち並ぶ倉庫を通じて響き渡る。

 しかし、目の前に居る艦娘たちといえば那珂、川内、北上を除く駆逐艦たちは誰一人として私のことを歓迎するような態度では無いらしい。吹雪、雷、初春の三艦は吹雪以外で二度目の対面となるのだが、これでもかと乗せられた負の視線がこの身に突き刺さっている。

 私は意に介さず、ただ出撃を促した。

 

「これより近海への出撃を開始する」

 

 本当ならば任務係が用意した資料を元に作った深海棲艦討伐用の航路もある。しかし、この度に通るのはそれらを避ける様な道だ。那珂にはすでに伝えてあるが、あの不思議そうな表情は何だったのだろうか。

 それは、次の言葉を中断させられることで理解した。

 

「では、貴艦らの武運を祈って――」

「…あれ、提督さんも一緒に行くんじゃないの?」

「う、む?」

 

 一緒に、行く?

 確かに前提督は同じく彼女ら艦娘に乗って出撃していたようだが、艦娘は己の意志を持って判断、選択が可能な自立兵器の筈。そこに私が共に乗って行く必要は無い筈だが。

 

「提督さんが私に乗ってー、そのまま指揮を執ってくれるのが普通だよ?」

「だが、その間に私の成すべき仕事がある。貴艦の助けなくとも、既に資料は整っているため重巡洋艦の者に秘書を依頼するつもりだったのだが」

「ふぅーん。それが那珂の言ってた伏見さんの常識ってヤツ?」

「そうだ。人員が足りない場合は艦娘自身の判断によって出撃を行わなければならない。私が居なくなれば、実質鎮守府を取り仕切る者が消え整い始めた場が乱れる恐れがあるのでな」

 

 初めて言葉を交わすことになる川内からの疑問。それに答えてやれば、どうやらこの方式は知らなかったのか那珂を含めた全員が新しい物を見る様な視線になっているではないか。

 艦娘たちの自主性も縛るばかりでは士気に関係する、と言う事は重々承知している。だからこそ、未だ不安定なこの鎮守府から私が空けるわけにもいかないのであるが。

 

 考えが抜け出ないままにある中、私の耳に気だるげな声と共に一つの提案が舞い込んだ。

 

「じゃーまずは、前の提督がやってた事を体験してみたら? 新しい方法が気に喰わないって子もいるみたいだしさー? ねぇ、(らい)ちゃん」

(いかずち)よっ!」

 

 身を乗り出すように反発したのは小柄な茶髪の少女。快活そうな見た目とは裏腹に、此方を見つめる敵意に溢れた視線が年頃らしさを全て台無しにしている。

 対して、北上はひらひらと手を振るばかりであった。

 

「あーごめんそうだったねー、うん」

「重雷装巡洋艦北上、仲間との不和を生む発言は慎みたまえ」

「あ、はいはーい」

 

 その目を合わせて叱りつけようと、北上は一向にその態度を改めるつもりはない。

 艦娘は製造されたその時より性格が固定されているため、一度心に決めこんだ者へ考えを変えるよう強いても時間がかかるとの報告もある。ならばこのままで「北上」という艦娘を扱っていかなければならない。これも一つの試練とでも言うべきなのであろうか。

 だが頭ごなしに下の者の意見を却下してばかりでは過去の記録において数多に存在した「銃殺者」達と同じ末路を辿ることになる。何一つとして、失敗は許されんのだ。

 

「さて、いつまでも駄弁る暇もない。ここは北上の意見に賛成する形で出撃する事にしよう。以降の出撃に関しては此方の判断とする。異論はあるかね」

「ないよー」

「持ち合せてはおらぬ」

「では、いざ!」

 

 軍刀と共に右手を振り上げる。続いたのは那珂と川内、顔の辺りまで上げた北上と、突然の勢いについてこれなかったながらも手を上げた吹雪の四艦のみであるようだ。

 先ほどから初春は見定める様な視線を投げかけるばかりであり、雷は深海棲艦へ向けるべき殺気を此方へ叩きつけている。怨敵は深海棲艦であるだろうに、よもや人へ向けるとは……予想通り過ぎることもあるが、前提督の手腕を本気で疑うべきではないのか?

 では、と那珂へ声を掛けようとしたところで私の体は横に引っ張られていた。

 

「それじゃ、那珂ちゃん現場はいりまーす!」

「む、おぉ…!?」

 

 そして旗艦となる那珂が私の手を引き、海へ――!?

 いや、これが噂に聞く艦娘の……

 

 那珂の姿が光に包まれ、それは港の一角を覆い尽くした。那珂が向かった海面は大きく波打ち、桟橋近くの海水を溢れかえらせてはコンクリートで舗装された岸壁へ打ち付けては撒き散らした。

 提督――伏見丈夫は、その隣に居たからこそ目を見張り、その変化を視た。

 

 那珂の人の形は崩れていく。人の体は全体の皮が裏返り、細かな機械部品が敷き詰められた鉄の棒へ変化した。頭・足・体・そして艤装がそれらの上へと昇って行き、内側から迫り出した人の形を越えた量の鉄塊が艤装の周囲を肥大化させる。丁寧に折り目のついた紙が広げられていくように、彼女の体は日本の魂を受け継ぐ戦いの道具へと変貌を遂げる。

 

 信じられない、と言うのが最初の印象。

 美しい、と思ったのが私の本心。

 

 朽ち果てる人々の心とは裏腹に、変わらず大日本帝国の息吹を感じさせる艦隊決戦の意志。進めば掻き分けられる海の潮騒が織り込められし鼓動。最初の光は雷鳴の如き素早さにて切り替わる表れ。

 気付けば私は、艦橋の一室へ収められている。現代の計器類から比べれば古く、しかし生命を感じさせる計器の光。独りでに回る舵。高く、積み上げられた艦橋の高さは我々の歴史を詰め込んだかのごとく湾岸を見下ろしている。私もまた、初めて見る、ソレの名は

 

「艦娘の“戦艦形態”……」

 

 艦娘が人型・船型入り混じる深海棲艦へ対抗するために得た姿は二つ。

 人の形へ船の艤装を取りつけた「艤装形態」。

 船そのものとなり、大戦時以上の性能を誇る「戦艦形態」。

 この二つの形態を使い分けることが、戦闘を大きく左右するとも言われている。

 

 対し、深海棲艦が持つ姿もまた二つ。

 人の姿を模したおぞましくも妖艶なる「擬装形態」。

 軍艦の面影を残しながら禍々しい威圧を放つ「棲艦形態」。

 この二つの形態にて、当初の人類は数多の攻撃に翻弄された。

 

≪マイクチェック……感度良好っ! ひっさしぶりの軽巡那珂ちゃん進水だよー! さぁ提督さん、他の子たちにも≫

「う……うむ」

 

 那珂の通信系統が電力とも異なる未知の力によって通信管制を繋げる。

 そう。私はただ、ふるまえば良いのだ。この兵器共の手綱を握る提督として。

 

「川内、雷、吹雪は艤装形態にて軽巡洋艦那珂へ乗り込め。同じく棲艦形態の敵へ先制を取るため、北上及びに初春は戦艦形態となり旗艦・那珂へ随伴せよ。単縦陣にて出港する、遅れるな」

 

 とりあえずは全員が此方の命令通りに頷き、北上と初春が戦艦形態へと変化、那珂の両隣にある桟橋へ北上と初春が飛びこんだ先からは駆逐艦・軽巡洋艦一隻分の排水量が分かるほどに潮を撒く。重々しくも厳格なる姿を現した二艦は静かに那珂の横へ佇んだ。

 

「出港路良好、微速前進! 第一艦隊、出航!!」

 

 那珂に続き、無言で初春・北上と単縦陣にて波を掻き分け鉄の船が進み始める。全ての人の手が必要な計器は自動で光を放ち、スイッチが切り替わる。

 そうだ。これは彼女らにとっての常識であり、私の様なものがいることこそ異端。なにもかもが那珂という艦娘の意志によって搭乗員の仕事全てが行われる船の中で、遥かなる母なる海へと運ばれる私自身が、忘れることなど許されない第一歩を踏み出しているのだと確信した。

 

 

 

「……現在敵影無し」

 

 現在は海上、明け方より数時間後の一三○○。

 双眼鏡を構えて海の向こうを見つめるが、敵らしい影は見えない。

 再び那珂の通信管制を開く。

 

「本艦隊は東シナ海を経由し、パレンバンまで向かう。200キロ以上の航行となるだろう」

≪い、いきなり? 随分真っ直ぐ進むなぁって思ってたら……≫

「我々はパレンバンの油田跡にて“妖精”を捜索し、艦娘用資源としての確保を予定している。その後は遠征艦隊のルートに組み込み、安定した燃料の供給ラインを構築の予定である。無駄足になったとしても対潜水深海棲艦を考慮し、侵攻予測海峡に機雷をばら撒きながら帰還する」

≪ただの出撃では無い……ということかや?≫

 

 通信を通じて、二番目に続く初春の探るような声がある。

 これは出撃前に周辺海域の掃討としか言わなかったことへの疑いだろう。

 

「その通りだ、初春。過去にも出撃の際に廃鉱から妖精を見つけ、鋼材資源の確保という記録もある。そして貴艦ら艦娘の戦艦形態は人員を必要としない以上、格納庫は空く。パレンバンは大戦時において優秀な油田だったことから含め、諸君らの轟沈が無い限りは当面における燃料資源を入手可能な航海になるであろう。なお、無謀に敵の群れを探して突っ込む予定も無い。……その辺りを理解しているかね、軽巡洋艦・川内」

≪夜戦になったら突っ込もうかと思ってましたー。でも帰る頃には夜になってるよね?≫

 

 甲板からこちらを見上げながら言うのは川内。視線に期待を込められようと、如何に深海棲艦を一艦でも多く沈めなければならないのが世界情勢と言えど、現在の我々であるからこそしなければならん事もある。

 彼女にはこらえてもらうほかあるまい。

 

「……それはともかく、私が乗ってしまった以上、この初となる出撃を遠征にも近しい行為で終えるとなれば、真実を知らぬ艦娘が以降の我が指揮を疑うのは必須。だが出撃という事実の中で資源確保が付いてきたのならば“幸運”という言葉で片がつき、幸先のいい結果であるとも知らしめることが可能だ。無論、この事は後に私自ら公開する事項であるが、その時まで極秘とする。貴艦らの賢明な判断を期待しよう」

≪はーい≫

≪はいはい≫

 

 当の始めから騙しているのだから、ここで小さな嘘をつくことに問題は無い。少なくとも、先の発言でこれまで十分な燃料を補給できなかったのであろう川内の声色は上気している。

 我ら人間と、兵器である艦娘。あり方は違えど、人間に近しい感情を持つのであれば腹いっぱい食えることを喜ばない者はいない。これまで貧しい食生活であった者であればその喜びもひとしおであろう。隠し通す意味もない。

 

「いつ敵艦隊が現れるとも知れぬ。リンガの特徴でもあった周辺海域への襲撃が無いという実績に期待するしかないが、この世界はそう甘くもない。そもそも、対抗戦力と成りうる艦娘の補給ができないとあっては制海権を握ろうなどと夢のまた夢。だからこそ、この様な下地を積まねばならぬ。駆逐艦・雷、承服しかねるとは言うまいな」

≪分かってるわ、伏見さん。分かってるわよ……≫

 

 那珂の甲板で待機する雷の呟きが通信に乗って聞こえてくる。感情を押し殺す、なんとも不服そうな声色だ。それほどまでに我が指揮下に下るのが不満であるのか、はたまた敵である深海棲艦への攻撃的行動を制限された事が不服であるのか。

 ただ、此方に投げかける言葉全てに敵意が乗せられているのは間違いない。初春の反応はまだまだ私の事を伺いつつも見極めの段階に入っていると言ったところだ。吹雪は、もはや何も言うまい。

 

「……駆逐艦・吹雪。此方から敵影は観測されていないが、其方はどうかね」

≪……え? は、はいっ。左右共に敵影ありません!≫

「了解した。ソナーにも反応は無いが……軽巡洋艦・那珂!」

≪なぁにかなっ? 提督さん≫

「現在35ノットで航行中であるが…速力を上げろ(・・・・・・)。敵影は無くとも今回ばかりは急がねば、何かが起こるやもしれん」

≪フルスロットルまで行っちゃう? タービン破損の危険もあるけど≫

「いいや、軍艦ではなく艦娘としての通常航行速度だ。このような老体など気にするな」

≪那珂ちゃんりょーかい。川内に初春ちゃんもちゃんとついてきてね≫

「……っ」

 

 那珂の船体が揺れ、体に掛かる慣性が癒えない左手を襲う。

 艦娘は艤装形態・戦艦形態のどちらであっても性能が違う、と言う事は無い。ただ深海棲艦への形態対応によるものであり、資源を運べるか、はたまた人型として成せる仕事があるかによってしか違いは無く、性能と言う面では何一つ違いは見られないであろう。

 

 しかし、深海棲艦は既存の軍艦しか持ち得なかった頃の我々を圧倒する速力、砲撃力、堅牢な装甲にて人類を圧倒した。対して、錬度さえ積めればそれらを圧倒する事が可能な艦娘が、いつまでも原型となった艦の性能のまま甘えていたのだろうか? その答えは否であった。

 速力は元艦の2~3倍程度となり、特殊な艦娘用資材「鋼材」を用いる装甲は従来の装甲板より圧倒的な強度を誇る。砲撃の威力は中破させる事すら難しかった深海棲艦の駆逐艦を容易く轟沈・爆散させるほどにまで。

 私が本部で報告を見ている時は、本当にあの若かった頃から我々の扱う兵器が変質して行ったのだと実感したのを覚えている。だからこそ、この年になるまで、艦娘の前線を経験できなかったのは残念だと言ってもいい。

 

 どちらにせよ、航行速度が上がるのは今の私にとって喜ばしいことだ。

 何度も私の命を、私の命運だけ(・・)を救ってきたこの突如とした悪寒。これが私の身を急がせる。この後に待ち受ける残酷な運命よりは軽くも、しかし看過するにはあまりに忍びない危機が待ち受けているとこの身を急かすのだ。

 

「……まさか、な」

≪聞こえておるぞ、貴様。なんぞ、気になることでも?≫

「ただの悪寒だ。故に、急がせた。この判断に申すことでもあったか、駆逐艦・初春」

≪とくには、なにも≫

 

 まだまだ探りかねるように、初春の声が耳を打つ。これが艤装形態でいたならば、自前の扇子で口元を隠すことでもしていただろう。

 しかし、初春は前提督との接点も薄く、報告書にも名前があまり上げられていなかったが故にその真意を測りかねる。此方の技量を疑うような言動を見せては、この度の私の呟きへは反応する。駆逐艦・雷のような敵意こそ見えないものの、この初春が我が身に求める何たるかを理解するのは未だ難しい。

 何を目的とするか、艦娘全員のそれを理解せねば私の目的のために彼女らと「取るべき距離」を分かるのも到底不可能だ。決して踏み入れられず、かと言って極端にも遠ざからない心の距離。今のところ言葉を交わした艦娘の中では、初春は捕え所のない強敵と言ったところであろう。

 

 ただ、真なる敵が控えているからこその悪寒が止まらない。右手にある杖代わりの軍刀へ握る力を強め、この悪寒の正体を探るためにも、この航海の行方を知るためにも、私はただ、双眼鏡越しに陸地が見え始めた先を見つめ続けた。

 

 

 

 冷たい海の底。彼女らが現れることを予測できる者はいない。

 まるで木枯らしのように、己の脅威の訪れを知らしめては青々と茂る葉肉を萌ゆる枝ごと切り落とす。地に落ちた命はただ失われ、糧ともせずに木枯らしは世界を回る。

 故に気付く者などどこにもいない。

 木枯らしは何もかもを知っていた。風のうわさに聞けぬ場所は無く、世界を回る風は冷たい言葉を落とし往く。獣は風の運んだ血の匂いを嗅ぎ付ける。泡立て、冥い海の底より現れ出でしは我ら人類の敵。

 

 

 

 パレンバン、油田跡に私たちは来ている。那珂さんと一緒に港で待つ新しい提督……伏見(ふしみ)丈夫(ますらお)。彼は、今までの私たちの苦労や、私たちの司令官の全てを否定する災厄。少なくとも私はそう思った。

 私たちは何もかもが手探りで、古い断片的な情報から実際の出撃でマッピングをしながら周辺海域の資源を探していた。でも、そこにいた妖精さんは大抵が一回限りでしか採れないのだと言って消えていく。

 それでも、本部から備蓄が届かないからって新しい資源を見つけるたびに私たちは一緒に喜びあって、支え合って、この海域を何とか生き延びてきた。それでも仲間は何人も沈んでしまったけど、その分私たちは頑張っていた。……その筈だった。

 

 その司令官との頑張りは、この油田を見たら…全て馬鹿にされたんだと、否定されたんだと思ったの。だって、こんな……

 

「やっほー! 資源いっぱいじゃん! ねえ妖精ちゃん、ここってどれくらい採ってける? ……え? 私たちいっぱいに持ち帰っても十数年保つ!? やったぁバリバリ夜戦しほうだいじゃん!! 追撃し放題っ!! ……ん、どしたの雷。元気ないなぁ」

 

 上から覗きこんでくる川内さん。

 私たちの司令官が死んでも、そんなに悲まなかった人。

 だからこそ、私たちの頑張ってきたことを、司令官がやってきた功績を全て塗り潰す様なこの補給物資の山にどう感じているか聞きたくなった。

 

「川内さんはこれでいいの?」

「あちゃぁ、やっぱりまだ引きずってたかぁ。でもねぇ雷? どうせ私たちもずっと一緒にいれる訳じゃないよ。別れるのが早かったか、遅かったか、私たち艦娘にとってはそれだけでしょ?」

「それは…!」

 

 否定、できなかった。

 司令官は、人間で。私たちは艦娘。人間は成長して、変わって、老いて……。

 でも私たちは、鋼材が腐食して崩れ落ちるまではずっとこのまま。

 理解したくないのに、頭の中ではそれが当たり前だなんて言っている。そんな自分を解体してやりたくて仕方ないのに、司令官の笑顔が浮かんで…壊れそうになる。

 

「とにかく積んじゃおっか。妖精ちゃん、港の方までお願いねー」

 

 悩んでいる間に、川内さんはこの油田に居る妖精さんを誘導している。

 帰路につきながら、こっちに視線を投げていた。

 

「ほら、とにかく帰るよ。あっちが死ぬか、時間が解決するかは分かんないけどさぁ。私たちはあの伏見って提督さんが言うとおり兵器なんだから、深く考えたらそこで負けだよ」

「……そう、かもしれないわ。だけど、諦めたりなんて出来ない! 認めるなんて、私の感情が許さないの!」

「ふーん。そんなに思いつめるんなら、戦わなくてもいいんじゃん? 私たちの“作られた理由を理解したくないんなら、背きたいんなら戦わせない”って提督さんも言ってたし。それにさぁ、多分あれ、那珂からの受け売りだけど」

 

 川内さんはこっちを見つめて、言った。

 

「私たちを沈ませない照れ隠し、だってさ。あのお固い軍人頭だから、ぱっと見で女子供をストライクな私たちは覚悟が伴って無い限り、戦場に出したくないんじゃないかな」

 

 ………そういう、事なの?

 

 

 

「燃料資源は、言うまでもないようだな」

「大漁大漁~♪ この川内さまが見つけてきたんだから、これ以降はちょっとくらい融通聞かせてもらえるよね?」

「君にとっては残念かもしれぬが、乏しい鎮守府の現状を考えたまえ。君一人で世界が回っているわけではないのだ」

「そりゃそっか。まぁこんだけ取れれば満足って感じかな」

 

 港で無言の那珂と待つ事、およそ30分。

 地上をも艦娘の持つ性能を十全に発揮し、即時油田跡から帰還した川内の背後には大量の「燃料」と呼ばれる艦娘用資源が中空に浮いていた。どうやら、艦娘専用の艤装・補給物資・整備工場には我ら人間には見えない「妖精」という種族が今ここに存在しているらしい。

 任務係のように特殊な施行をされた者であれば見えることもあるが、基本的に人間の目には入らない。その艦娘以上に歴史が深く、不可思議な存在が我々に手を貸してくれている事を恐れるべきか、はたまた喜ぶべきかは軍の中でも意見が別れていた事を思い出す。

 

「しかしこの量は……北上・那珂・初春の三艦に収まるのかね」

「んー、ちょっと欲張ったからなぁ。雷を戦艦形態にしたら余った分は収まるかな。甲板に置いても良いって言うんなら別だけど」

「深海棲艦の砲撃で自爆する気でもないのであれば、それが賢明な判断だな。では聞いての通りだ駆逐艦・雷よ、戦艦形態にて三艦余剰分の燃料を収めておけ」

「……」

「どうした、返事が聞こえんぞ」

「分かったわ」

「…………」

 

 あまりにもぶっきらぼうな物言い。まだ慣れんうちはともかく、上官に値する私に対してこれでは他の場所では営倉行きは免れない。

 だがここは、既に廃棄が決定されている。実際は軍部に従わなくてもいい場所であるが、私が無理を通したことで此処の後任に収まった形だ。

 疑いをもたれない程度には、多少の軍規を残して行かなければならない。匙加減を間違えぬよう、心の内を悟られぬようにせねばならぬ、か。老い先短い身としては、未来を危惧せねばならぬと言う皮肉な話だ。

 

 だが、結局雷は命令通り戦艦形態へと変化し、その甲板に浮遊する燃料資源が移動して行く。余談ではあるが、ポルターガイストと呼ばれていた現象の正体は妖精ではないのかと疑わずにはいられない。

 

「ん、提督。積み込み終わりました」

「よし、現時刻を以って我々はパレンバンを出発し、我らの鎮守府へと帰還する。“行きはよいよい、帰りは怖い”が常であるため、深海棲艦の出現には重々注意されたし」

「了解でっす。そんじゃ帰ろっか! そろそろ夜だもんね~」

 

 川内の様子は朝と比べても、目に見えて上機嫌である。

 そもそも軽巡洋艦・川内の軍艦時代はその大半を夜戦による出撃で過ごしたという記録がある。それが、重巡洋艦と比べさほど夜戦能力もない彼女に夜戦という言葉を染み込ませる要因になったのやも知れん。それに意味が存在するかと問われれば、戦いの気兼ねがある分扱いやすいだけであると言えるのだが。

 

 しかし、やはり雷はこの私への敵意を深めたようだ。

 最近の若造では、調べなければ知る筈もない本部の情報。半世紀以上前の第2次世界大戦に関しての資料。かつてより継続して使われることになった各鎮守府の背景。本部より飛ばされた前提督では階級の問題もあって情報は引き出せなかったであろう。パレンバンの油田がリンガ泊地の主な補給源であったなどと。

 だからこそ、補給所を知らないが故に捜索に努力を積み重ね、前提督との思い出でもあったそれらをたった一つの情報で覆してしまった私を敵視する。しかし、理にかなっているからこそ命令から背く様な真似もしない。何かと、那珂と同じ価値観の川内を向かわせたのは正解だったようだ。

 

≪提督さん≫

「うむ、格納庫内の燃料はしっかり積まれているな」

≪こちら初春。問題はないぞ≫

≪私んとこもパンパンだよー≫

 

 問題は無い、とのこと。

 自分と気の抜ける北上の返答には注意を呼び掛けておくとして、とにかく今はすぐにでも帰らねばなるまい。なにより、この悪寒が何故か先ほどよりもずっと強まって来ているのだから。

 

 そして私は、まるで風邪にでもかかったかのような背筋の寒さが、決して間違いではない事を知った。行きはよいよい、帰りはこわい。我々の恐怖を体現したかのような深海棲艦が、この不安を嗅ぎつけない筈もなかったのだ。

 

 

 

 それは何よりも突然だった。

 深海棲艦、という言葉は何よりも奴らに相応しいと、改めて思い知った瞬間。

 暗くなった航路を、那珂に取り付けられていた望遠鏡を覗いていた時にようやく気付く。その先に待ち受けていた、海の底より発生していた不自然な8つの気泡に。

 

 あの大戦の頃より、艦娘たちが現れてから通信機能はリアルタイムで我らの言葉を通し、伝言よりも間違いなく正確に命令を伝えられるようになっている。だからこそ、私は叫んだ。

 

「敵艦見ユ! 敵は我らに向かうものの如し!」

≪えっ!? ……あ、今ソナーの範囲内に入ったよ! みんな、気をつけて回避行動!≫

「敵影を確認。どうやら偽装形態3、棲艦形態5の構成。駆逐艦・初春及びに吹雪は攻撃準備。川内は吹雪と距離をとって待機だ」

≪イヤッホー! マジで夜戦きたぁぁぁ!!≫

≪吹雪、行きます≫

 

 私の言葉に、吹雪と川内が那珂の甲板から降りて海面に立った。

 まだ命令の内に従ってくれているが、吹雪は既にその声からして震えている。

 厄介なことにならなければ良いが。

 

「北上、雷を隠しながら左舷の魚雷を放つ準備を。機は此方が判断する」

≪はいはーい、っと……よし、いつでも撃てますよー。雷もちゃんと守られててね≫

「初春も北上と同時に魚雷発射。目標は奥の棲艦形態の空母ヌ級だ」

≪よかろう、わらわの妙技とくと見届けよ≫

 

 敵は真っ直ぐに此方へ向かっている。

 そして、双眼鏡でも視認可能なほどに奴らはその姿を現した。

 

 船体から立ち上る赤いオーラは夕暮れのように夜の海を照らしている。生物が織り交ぜられたような、実際に破壊行動が可能な船首を持つのは駆逐艦イ級とハ級のおぞましき姿。これほど距離が離れていても、異様なまでに練られた殺気が私の肌を貫いてくる。

 徐々に両者の距離が詰められていく中、望遠鏡を覗きこんでいればその駆逐艦の黒い装甲甲板から二つの小さな影が下りたのを確認できた。その姿は、重巡洋艦・リ級と呼ばれる我らの天敵。駆逐艦の甲板から飛び降り、海に足を着けて立つ……瞬間(いま)だ。

 

「発射」

 

 無言で北上の左舷から魚雷が投下される。

 彼我の距離は宵闇で見えないが、あちらは「匂い」とやらで此方を。此方は赤いオーラの光であちらを観測している。だが、光っている分敵の行動が観測できるのは大きなメリットである。

 だからこそ、前提督の出撃記録の中でもずば抜けて運用回数が多かった北上が間違える筈もない。予想通り、四隻の駆逐棲艦は魚雷弾着によって着弾地点を一瞬浮き上がらせたかと思えば、そこから真っ二つに折れる様にして海の中へ沈んで行く。だが逆に言えばこちらの艦娘もああなる可能性はある。油断はならない。

 

「着弾観測。予定通り重巡リ級を擦りぬけ、駆逐4隻は轟沈。流石だ」

≪褒めるのもいいけどさぁ……≫

「分かっている。吹雪、川内は重巡リ級へ魚雷発射。機銃で牽制しつつ挟撃の形で逃げ場をなくせ。那珂は軽空母棲艦・ヌ級へ射程距離に入り次第砲撃を開始せよ」

 

 幸いにもヌ級はどちらも浮上途中で艦載機を飛ばしてきてはいない。少々焦る判断となったが、リ級を順調に撃破できれば棲艦形態と偽装形態にある2隻のヌ級を沈めてこの場を勝ちぬける事が可能だろう。

 

 そして吹雪、川内の両名が魚雷発射管から魚雷を落とし、リ級を挟むように海面を走りだした。まるで浅瀬を走っているかのような彼女たちは、しかし確実に我ら人間では立つ事も出来ない海面を蹴り、踏みながら海面を走破する。

 

 やはりというか、物量の身で我々を圧倒した深海棲艦のリ級二体は予想通りまとまって、単純に此方へ走って来ている。そこへ三角形を結ぶように発射された吹雪と川内の魚雷が襲いかかり、効果が薄いようにも見える機銃の衝撃がリ級の足を止め、魚雷を直撃させる。

 人の形をしたリ級は地雷を喰らった人間のように片足を吹き飛ばされ、そこを容赦なく主砲を押しあてられながら艦娘たちによって頭部を吹き飛ばされた。それでも、まだ動くのが深海棲艦の面倒な所。そうして川内は半ば作業的に、吹雪は妄執的なまでにリ級の体を破壊して行った。

 

 これでようやく敵はヌ級のみ。まだ浮上が終わったばかりのヌ級が艦載機を飛ばすのが早いか、はたまた――――

 

≪あ、あぁっ!≫

≪やっば! 提督さん、吹雪が艦載機の直撃食らった!≫

「なに?」

 

 改めて夜の中を望遠鏡で見れば、高角砲で艦載機を打ち落としながら中破状態にある吹雪を庇っている姿があった。しかし、川内の対空機銃はいくつか擦りぬけてしまっている。

 これが示すのつまり、ヌ級が明確な意思を持って艦載機を棲艦と偽装で混ぜて来ていると言う事。まさか、

 

「那珂、川内の上空へ対空砲撃開始せよ! 北上は右舷の魚雷をヌ級へ! 川内は艦載機の撃墜次第、此方へヌ級の照準が向いている間に接近し、主砲を放て。吹雪は同じタイミングで後退し那珂の影へ隠れていろ」

 

 那珂の砲台が高速で回り、川内の上空へ機銃による連続射撃を開始。それによって艦娘用に強化されている砲門のけたたましい音が夜の海を覆い尽くした。

 北上はまた、正確な狙いでヌ級へ魚雷を放つ。例によって人間の使うものより速度が大きく上昇した魚雷群は1分後に棲艦形態のヌ級へ到達し、5つもの着弾によって跡形もなくヌ級の船体を破壊する。

 あと、一艦。それさえ沈めれば――――――なに!?

 

「戻れと言ったのが聞こえなかったのか、吹雪!」

 

 川内よりも早く、艦載機の爆撃が終わらない内に吹雪がヌ級へ動いた。

 確かに川内と吹雪だけが艤装形態であり、彼女らが唯一のヌ級への攻撃手段である。しかし、吹雪の射程と敵艦載機では敵に利があり過ぎる。

 

≪沈める、沈めてやる…!≫

「川内、あの馬鹿者を援護しろ!」

≪そうは言ったって……ああもう! 那珂、ちゃんと当ててる!?≫

≪当ててるけど、相手も逃げるんだから……よし、墜とした!≫

≪よっし川内、いっきまーす!!≫

 

 そうこうしている間に、吹雪の元には既にヌ級の艦載機群が向かってしまった。

 川内が追い縋るが、奴らのスペック上の航行速度はそれほど変わりない。そして川内が援護するには理不尽なまでに距離も空いていて、吹雪の装甲が艦載機の攻撃に耐えきれる訳でもない。

 来るべくして、その瞬間は訪れてしまった。

 

 吹雪がギリギリ射程圏内に入った瞬間、両手で12.7cm砲の艤装を構えながら砲撃を開始。魚雷発射管も同時に開かれ、碌に狙いが付けられないままヌ級方面へとむかう。だが、吹雪の上空には18にも連なる艦載機群。

 ヌ級が吹雪の砲撃で轟沈するのと同時、艦載機群は吹雪へ攻撃を浴びせて消滅する。残った弾丸は消えることなく、彼女の体へ吸い込まれるように向かっていき―――

 

 着弾、その度に幾度か体を震わせて、彼女は崩れ落ちかけた。

 その手を追いついた川内が掴み、海へ沈む前に引き上げる。だが彼女の意識は既に無い。沈むまでとは行かなくとも、「大破」と称される状態であるのは誰の目から見ても明らかであった。

 

≪……こちら川内。吹雪を確保したから、引航するね≫

「吹雪は戻り次第、まだ寝かせる場所のある雷の格納庫へ。そこで妖精に診させておくといい。何者にもなりうるのが妖精の本分だった筈」

≪ドックの妖精さんより効果は低いけど、そっか。そう言う方法もあったんだ……≫

≪危うく、また仲間が沈むところじゃったのう……貴様。いや、提督殿。まだ錬度の足りておらぬこの艦隊でよくぞここまで≫

「世辞はいらん。危うく一隻が沈みかけた私の手腕などこの情勢では何の意味もない」

 

 …不味い。中途半端になったからこそ、初春の「見極め」は距離を近くしても良いと言う判断につかせてしまったようだ。那珂と違い、実力で認めてきたからには命令には従う程度なのだろうが、距離をこのまま縮めさせてしまう危険もある。

 それもあるが、吹雪を完全に卸しきれなかった事が悔やまれる。思えば、最初から指揮に従っているようで、いざとなれば独断をしようとするのは感情に任せた命令違反者の常套手段だ。最後の最後で、雷を吹雪のストッパーとして配備しておく方が良かったのかもしれん。

 

「……あの、馬鹿者め。私の指揮に従わないとは何事だ」

 

 艦橋の椅子に座りこみ、頭を抱え込む。

 どうにも前線を離れていた時期が多過ぎたせいか、艦娘と言う物を初めて指揮下にもったからか。いや、恐らくその両方が原因で私自身の能力も大きく減衰している。川内も同じく艦載機に晒されていたこともあって小破状態にあるが、中破に陥った吹雪を大破にまで貶めたのは明確な此方の判断ミスなのは間違いない。

 ……なんにせよ、現状は危機を乗り切った形になる。座ったまま、次の指示を出すことにした。

 

「とにかく、この鎮守府との距離が50キロもない海域で深海棲艦と一度遭遇した以上、二度目の出現は恐らくないであろう。海底も深海棲艦が出現しない一定の高さに入った。後は吹雪の無事を祈りつつ、帰還するぞ」

≪了解。……それにしても、やっぱ駆逐艦ってアレだね。私には理解できないかなぁ≫

≪提督さん、この位の想定外はいつもの事だから大丈夫だって。那珂ちゃんも、遠征中にあの子以上に傷ついた事はあったけど皆が引き上げてくれたから沈む事は無かったよ?≫

「そうか、そうだな」

 

 嗚呼、いかんな。

 艦娘たちを一隻たりとも沈ませないことも私の目的とはいえ、少々それに思考が傾き過ぎていた。

 

「では吹雪は妖精に一任する。また、我々は幸いにも燃料を運ぶ戦艦形態は無傷でくぐりぬける事ができた。艤装形態の艦娘は傷を負ったが、傷は浅い」

 

 現状を確認するように報告する。

 分かっている。これは私の自己満足だ。

 

「付き合わせた手前、私は貴艦らの無事を嬉しく思う。だがこれより先の出撃は前提督が戦艦達に経験させたもののように、今回より熾烈な物となることは必須。よって私は、己が下した指揮によって存分に君たちの力を使わせてもらう。仲間を見捨てる命令があったとして、それにすら従いたまえ。それが貴艦ら兵器が我々人間に示すべき義務である」

 

 故に、その真意の一端を覗かせよう。彼女ら艦娘にも真実を知る権利はあるのだから。

 

 

 

 それから、夜も更けた頃。ようやく私たちは鎮守府に戻ってくる事ができた。

 およそ一日を掛けたこの出撃は、やはり艦娘たちの判断であっても十分に対応可能なものだった。しかし、艦娘が気付かなかった点があったのも事実。これより先は私が旗艦に搭乗した出撃と、搭乗しない出撃を分けて行くことになるであろう。

 

 そんな、未来の事ばかりを考えていたからなのであろうか。

 いいや、私は目の前の光景に一瞬でも逃避したくなってしまったのだろう。

 こうも厄介事ばかりが起こると言う事は、私の決断した年は厄年であったと証明するようなものだ。……いいや、いい加減に目の前の現実を見つめなければなるまい。

 

 

 赤々と燃え盛る深海棲艦の残骸、かつて整えられていた桟橋は幾つも破壊され、港の形は無残な瓦礫へと成り果てている。応戦するのは数多の艦娘、侵攻するのはおよそ20以上の敵影。

 重厚な護衛艦隊として任務係に発表しておいたのが功を奏したのか、私の考え組んだ第2艦隊が主となって奴らの侵攻を食い止めている。だが、圧倒的な数に加えて3隻の空母系、7隻の戦艦系が圧倒的な火力と制圧力で艦娘たちの反撃を許さない。

 

 嗚呼。鎮守府の港は戦火に包まれているらしい。

 




今回の縛り内容公開

 難易度:高
・妖精は人間に見えず、艦娘用資源は過去に一度発掘された場所でなければ入手不可。
  よって、本部からの資源備蓄(5分で5ずつ)は無い。

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