大空は夜空を求めて繰り返す   作:秩序の夜空

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十年後、来る

 

バズーカに当たり、意識が飛んでいたが直ぐに目を覚ますと、目の前が真っ暗だった。それに息苦しくて、前に手を出すと、壁のようなものがあり、それを押し出すと、それが取れた。

 

すると青空が見えた。起き上がって、そこから出ると自分は棺桶の中にいたことに気付いた。一瞬だけ驚いたけど、もしも自分がマフィアのボスになっていたら、きっと死んでるんだろうな、と思った。

 

おそらくバズーカの正体は十年バズーカで、それは何者かの意図で使われたのだろう。ランボがこんなことするはずはないしな。

 

よく見たら、棺桶に俺の名前が書いてあった。なんてこった、やっぱりマフィアのボスは短命だな、と思いながらも、あまりショックは受けていない。

 

何となく超直感分かっていたことだからな。

 

そう思っていたら、ガサガサと森の茂みが揺れる音が聞こえた。俺は即座に持っていた荷物からXグローブと死ぬ気丸を取り出して、飲み込む。

 

瞬時に超死ぬ気モードになると、両手の炎を噴出させて近寄った。そこには成長した姿の獄寺君がいた。

 

「貴方は……そのお姿は……そうか、十年バズーカで」

 

「獄寺君、だな?」

 

俺は年のために周りに警戒しながら、超直感で獄寺君だということを確認した後、側に行く。獄寺君は昔よりも落ち着きがあって、頼りになりそうな雰囲気があった。

 

そりゃ、十年も経って駄犬のままじゃ、こっちも困るけど……彼はとても悲しそうな目をしていた。俺の死と関係しているんだろうな。

 

俺のせいでこんな顔をさせていることに、罪悪感を覚えながら、とりあえず話を聞くことにした。

 

「すまないが、手短に聞きたい。どうして十年後の俺は棺桶で眠っていた?」

 

「十代目はミルフィオーレファミリーというボンゴレファミリーと敵対する組織によって、公開銃殺されました」

 

「そうか」

 

ミルフィオーレファミリー、牛乳とハチミツを混ぜた飲み物みたいな名前だな。そう思いつつ、獄寺君の悲壮感にまみれた顔をしながら、俺の肩を掴んだ。

 

「十代目、過去に戻ったら、入江正一という男を消してください」

 

「入江正一がミルフィオーレのボスか?」

 

「説明している時間はありませんが、ミルフィオーレのナンバー2です。十代目を殺した張本人です」

 

「分かった、殺すかは別として、お前の言葉……しっかり受け取った。だが、どうやら消えるのは俺ではないらしい」

 

「え、それはどういう……」

 

獄寺君からの情報を聞き終えた後、俺はなんとなく自分が消えるのではなく、獄寺君が消えるのではないかと直感した。

 

そしたら、獄寺君が煙に包まれた。すると、そこから俺の知る獄寺君が出てきた。

 

「あれ、十代目!? ここは……?」

 

「ああ、ここは十年後の世界だ。お前も十年バズーカによって、未来に飛ばされたようだな」

 

獄寺君は俺が超死ぬ気モードになっていることに驚いていたが、俺はとりあえず状況を軽く説明した。それを納得した彼は落ち着きを取り戻した。

 

「なるほど、そうでしたか。……オレの馬鹿野郎が!! 十代目を守れず、殺されるなんて右腕失格だ!」

 

そう言うと、彼は自分の頬を全力で殴っていた。そんな自傷を見逃すはずもなく、俺は獄寺君の拳を受け止めた。彼は驚いたような目をしていたが、諭すように優しく語りかけた。

 

「獄寺君、落ち着け。俺はお前にここまで想われていて、幸せだったよ。それに最終的に未来の俺が招いた死だ。今は自分を責める時ではない。目の前の状況を打破することを考えろ」

 

「十代目……」

 

俺の言葉に獄寺君の瞳に力が戻ってきた。そして切り替えるように自分の頬を叩いて、気合いをいれていた。そこでようやく、ハッとした様子だった。

 

「十代目はここに来てどのくらい経ちましたか?」

 

「十分はとっくに越えている。だが」

 

「元の時代に戻られていない……。異常事態が起きていると見て良いですね」

 

そうバズーカの効果はとっくに切れているのに、俺は元の時代に戻れていない。その原因は故障しているか、または第三者の力による影響を受けていると見ていい。

 

そして木の上から見知らぬ気配がするな。俺たちの事情を知っている者かもしれないが、ここは様子見として獄寺君にダイナマイトを投げさせよう。

 

「獄寺君、あの木の場所にダイナマイトを投げてくれないか? 威嚇程度にな」

 

「え? は、はい任せてください!! ……食らいやがれ、二倍ボム!!」

 

彼は俺に頼られたことが嬉しいのか、尻尾があるとすれば千切れる勢いで振っているであろうテンションが上がった表情で、両手のダイナマイトを俺が指示をした木に投げた。

 

ドガァン! という耳を塞ぎたくなるような大きな爆発音と共に煙がある。そこから藍色の炎が噴き出してきた。

 

俺のとは違う色の死ぬ気の炎だった。

 

そしてそれを出している正体はローブを着た人物、ローブ越しだがフォルムが柔らかいから恐らく女性だろうな。

 

「ボンゴレの日本支部を見に来てみれば、何故貴様らごんな姿になっている?」

 

「何者だ、テメェ……」

 

「……」

 

やっと平和な日常が戻ったかと思えば、また争いの世界に身を投じなくてはいけないのか、と思わず眉にシワを寄せてしまう。

 

それにしても、俺は目の前にいる女性に見覚えがあった。あのゴーグル越しから見える痕……確かリボーンと同じおしゃぶりを持っていた赤ん坊の女の子……確か名前は。

 

「ラルミルチ、なの?」

 

「……オレの名前を知っているのか?」

 

「だってリング争奪戦で修行している時、様子を見に来ていたよね?」

 

「……そんな昔の話、覚えているはずがないだろ」

 

俺が超死ぬ気モードを解くと、彼女も戦意を無くして武器を下ろしてくれた。獄寺君も俺が警戒を解いたので、同じく戦闘態勢を解いた。

 

それにしても、ラルミルチは赤ん坊だったはずなのに、物凄く美人になったな。スタイルも抜群で、本当ならお嫁さんにしたいくらいなんだけど。

 

「……何をジロジロ見ている」

 

「あ、いや……ラルってこんなに美人だったんだなぁ、て。あとお嫁さんにしたいなぁ、てね」

 

「なっ!? 馬鹿者!! こんな状況でそんなことを言うな!!」

 

俺が素直にそう言うと、ラルは顔を少し赤くしながら、俺の背中を全力で叩いた。バシーン! といい音が鳴った。これは多分、背中が紅葉形に赤くなっているだろうな、と思った。

 

それから俺たちはラルに十年バズーカにより飛ばされてきたことを話した。そしてラルからはミルフィオーレファミリーにより、世界が支配されているということ、守護者がバラバラになっていることを知った。

 

「仕方ない。この森から日本のボンゴレアジトからは、まだ遠い。今日はここで野宿をするぞ」

 

ラルも予想外な出来事だったようで、今日は日も暮れているということで、この森で野宿をすることになった。まずは食材を探すために、ラルは川へ、俺と獄寺君は森に食料を探しに行った。

 

森が広かったので途中で獄寺君と二手に別れることにした。その途中で背後から人の気配がして、振り向くと、そこには神織の姿があった。

 

「神織?」

 

「綱吉……さっきぶりだね」

 

神織は相変わらず無表情のままで、俺に近寄り抱きついてきた。それにも、なんか慣れちゃって、特に思うことはない。

 

それをしばらくしたら、神織は俺から離れた。そして懐を探ると、不思議な匣二つとリングを取り出した。

 

「これを貴方に預けておく。必ず使う時が来るから、それは誰にも見せないで」

 

「えっと、分かったよ。神織、俺たちと来ないの?」

 

神織のことが何故か無性に心配になり、そう問いかけると初めて神織はくすり、笑った。そして優しげな笑顔のまま、俺に再びキスをした。

 

「綱吉のところには行けないけど、私と貴方はいつでも繋がっている。それを忘れないで」

 

そう言い終わると、また幽霊のように姿が薄くなり、そして消えてしまった。俺は別れの言葉も言えずに立ち尽くすと、このままいても仕方ないと思い、動き出した。

 

超直感で食えそうな木の実やキノコを取ってきて、合流地点に戻った。だけどまだ二人とも戻ってきて無かったので、俺は先ほど受け取ったリングと匣を眺めていた。

 

リングはボンゴレリングみたいな形をしていて、星の模様みたいなのが入っていた。一応首にはリングが下がっていて、指が空いているから、はめてみた。

 

すると炎が灯った。死ぬ気モード以外で炎を見るのは初めてだったから 、少しだけ動揺したけど、直ぐに落ち着いて、眺めた。

 

橙色と青色が混ざったような炎で、不思議な感覚だった。何となく、匣に空いている穴に炎を注入してみた。すると、匣が開いて、そこに俺は飲み込まれた。

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