輝神機のヒーローアカデミア   作:自己顕示欲MAXマン

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お気に入り50件超えました。ありがとうございます!
これからも増え続ける限りは頑張っていきます。今回はちょっと急ぎ足だったなぁ…。
楽しんでいただければいいのですが…。

8話の誤字報告ありがとうございます!もうホントアホみたいなミスでした…
感想・評価よろしくお願いいたします。
第三者目線の書き方は慣れないです。拙くて申し訳ない。


11話・オレ様とかしこいヴィラン

 

 「死柄木弔、作戦は失敗です!今すぐにでも撤退するべきです!」

 

 『俺に指図するな!ここまで邪魔されて何もせずに帰れるわけ無いだろ!!」

 

 黒霧の忠告を腹立たしげに一蹴する死柄木。その姿は、物事が思い通りにいかず癇癪を起こす子供そのものだ。首を両手でガリガリと掻き毟りながらも、眼光は暗く深く、輝神機を見据える。対オールマイトの兵器をヒーローにもなっていない学生に無力化された。その事実が輝神機は絶対に始末しなければならない存在へと昇華されている。

 

 「お前ら!最後までちゃんと働け。」

 

 イレイザーヘッドが仕留め損なっていた5名のヴィランが構えを取る。相手の戦力は死柄木弔に黒霧、そして寄せ集めではあるがヴィランが5人。対するヒーロー側はつい最近まで中学生だった男女が4人。その情報だけを見れば圧倒的な不利に変わりはない。

 

 「あの五人のヴィランは私一人でやる。だから、三人で神機君を守って欲しい。」

 

 しかし、その4人の中から麗日お茶子が先陣を切らんと一歩前へと踏み出す。

 

 「そんな!無茶だよ麗日さん!相手の個性もわかってないのに、一人で戦うなんて!」

 

 それを止める緑谷。当たり前の話である。誰が考えても自分達よりも容赦のない相手を一人で相手するなんて…最悪の事態が起きたっておかしくないのだから。

 それでも麗日は引く気配を見せない。むしろ、集中力を増しているようにすら感じる。ゆっくりと呼吸し、顔は動かさずに眼球のみで周りを確認し、分析する。相手の立ち方、雰囲気、癖、地形に至るまで、全てを判断材料とし勝率を上げる全てに費やす。彼女の中で勝負はすでに始まっているのだ。

 

 「麗日」

 

 ピクリと麗日の肩が跳ねる。輝神機がうつ伏せで倒れたまま、小さく声をかける。普段の力強く、快活な声ではなく、今までに聞いたこともないほど小さな声だ。

 

 「頼りない師匠で申し訳ない…。」

 

 「そんなことない!!!」

 

 全てを言い切る前に否定する。雄英高校を受けるために、対人戦を少しでも知っておきたかった。たまたま自分の親の会社にアルバイトで来た神機に教えてもらおうと思った。最初は好奇心だった。

 神機も乗り気じゃなく、初めの頃は本当に『見て、勝手にしとけ』と言わんばかりの態度だった。でも、段々と惹かれていったのだ。誰に言われるわけでもなく、直向きに努力する姿に。いつも、いつでも自分に厳しく、正しく在ろうとする志に…。気づいたら、自分から近づこうとしていた。その動きは何なのか、どういった意味があるのか。何を目指しているのか、どうして目指すのか。気づけば麗日にとって、輝神機は同級生と言うには大きくなりすぎた存在だった。中学生活の半分以上で顔を合わせ、お互いに組手とはいえ拳を交えた。男女の友人と言うには絆が出来上がっている。師弟関係なのだ。

 

 故に麗日はここで引くわけにいかない。

 これは、言わば師匠に格好いい所を見せる絶好のチャンスなのだ。

 今までの努力を、あなたの教えてくれた戦うための技術や理論は間違いではないのだと。恩返しなんだと。

 

 「神機君、心配しなくてええよ。絶対に負けへん。教えて貰ったこと全てで、私が守るから。教えてもらったからこそ、守れるヒーローに近づいてるってことを!!」

 

 言うやいなや、緑谷達の返事も待たずに5人のヴィランへと突貫する。

 

 「可愛い女の子が一人で突っ込んできたぜ?」

 

 「キキキキ!連れ帰って、嬲るのが今から楽しみだぜ!!」

 

 二人のヴィランが遠距離から攻撃を放つ。一人は指から骨を射出した弾丸を。もう一人は手の平に火の玉を作り、それを振りかぶって投げる。

 

 「危ない!!麗日さん!!」

 

 緑谷が悲鳴のように声を出す。しかし、その声は信じられないものを見たように息を飲む音へと変わる。

 

 指から射出された骨は速度以上に小ささから視認しにくい。だが、麗日は飛んでくる位置がわかっているのかように体を左右へと動かし避けていく。火の玉に至っては、速度がなく山なりの攻撃のため、骨の弾丸を避ける際に火の玉とは逆へ動くだけだ。

 麗日は神機から教えられたことを忠実にこなしている。戦いが始まる前から分析を行い、始まってからも相手の個性がわかれば瞬時に対策を考え、即実行へ移す。

 

 「敵を知り、己を知れば、100戦危うからず」

 

 指から射出するということは肩を動かす予備動作があるということ。後はその射線上からズレるだけでいい。撃った瞬間は少しのズレでも、距離を進む毎にそのズレは大きくなる。的を絞らせず、細かく動き続ければ当たることは早々ない。

 

 「なんで当たらねぇんだあああ!!お前!もっと数投げれねえのか!!」

 

 「うるせえええ!」

 

 当てれないことに苛立つヴィラン。そこに、待機していた三人の内、二人が麗日へ迫る。

 一人はムチのように両指を長くしならせ、もう一人は額に大きな角を生やす。

 

 「ワォ!積極的!!」

 

 麗日が感心したように声を上げる。

 ムチのヴィランが大きく腕を振り上げ、叩き下ろすように全ての指を振り下ろす。十本のムチが麗日へと振り下ろされるが、麗日の表情は少しも曇らない。

 最小限の動き、そして、最小限の触れる動作で指の隙間を大きく作り躱す。躱されたことに驚くムチの男。しかし、角を生やした男はそんな事お構いなしに全力の突きを放つ。

 

 「…麗日ってあんなに強かったのかよ緑谷ぁ!?」

 

 「ぼ、僕だって知らないよ!飯田君との対決の時は何も出来てなかったはずだけど…」

 

 峰田と緑谷は目の前で起こった状況にただただ驚く事しか出来ない。角のヴィランの一撃をヒラリと躱し、顎に打ち上げの掌底。ムチのヴィランが指を引く前に触れることにより重力を無くし、そのまま指を掴み大きく振り上げ、地面へ叩きつける。普段の彼女からは考えられないような荒々しい攻撃に、別人が戦っているのではないかと錯覚する。

 

 しかし、紛れもなく麗日お茶子が戦っている。

 普段のまん丸でニコニコしている目を、まるで師匠と同じ様にギラギラと輝かせながら、守るために戦っているのだ。

 

 「緑谷ちゃん。見とれてる場合じゃないわ。私達も、相澤先生を回収する方法を考えないと」

 

 「いや、もう麗日一人でいいんじゃないのか?」

 

 峰田の一言に一瞬納得しそうにもなるがそういうわけにはいかない。彼女は気を引くためにワザと一人で戦うことを選んだのだ。なら、自分達も出来ることをしなければならない。

 しかし、実際の所は輝神機を守ることで精一杯である。

 

 輝神機を囲むように全方位を警戒しているからこそ、死柄木は攻めてこないがそれも時間の問題である。今の死柄木は冷静さを失っている。輝に執着しすぎているのだ。この場面であれば、麗日を狙えば有利に立てる。しかし、先程から死柄木の怨念のような視線はこちらに注がれたままだ。

 

 (でも、ヴィランが侵入してからもう随分と時間が立つ。そろそろヒーローが到着してもいいはずだ)

 

 麗日と合流した際に、飯田天哉がヒーローを呼ぶ為に脱出したと聞いた。あれからもう10分以上は立つ。他の生徒もそろそろ合流してもいい頃だ。

 

 そして、緑谷の予想は的中する。

 

 「大丈夫か緑谷!」

 

 切島、爆豪、轟が死柄木と相対するように並ぶ。この瞬間、死柄木の思考は急速に冷めていく。

 

 「あ~…本当に約立たずばっかりだ。生徒を殺すことも満足にできないのか…」

 

 そうして苛立ってる間にも、足元に男が一人吹き飛ばされ地面を転がる。隣をチラリと見れば麗日が全てのヴィランを倒しきり、構えを解かぬままギロリとこちらを睨んでいた。

 

 「黒霧、帰るぞ」

 

 「死柄木弔、どうやら遅すぎたようです」

 

 黒霧の言うことが初めは理解できなかったが、周りを見渡して納得した。地面に倒れていたイレイザーヘッドがいないのだ。その代わり、輝神機の隣にイレイザーヘッドを抱えた蛙吹梅雨の姿があった。麗日がヴィランを吹き飛ばし、視線を取られた一瞬…舌を伸ばし回収したのだ。救援に来た爆豪、切島、轟に隠れるように。イレイザーヘッドの視線がは黒霧へと注がれている。

 そして、不運というものは続くものだ。

 

 「私が来た!!」

 

 轟音。そして、凄まじい勢いで地面へと着地する巨漢。オールマイトが到着した。

 

 「お…オールマイトォ!!!」

 

 残ったヴィランは二人。対オールマイトの兵器は今もクネクネと動くことしかできない。

 勝った!その場にいた誰もがそう思った。

 

 しかし、運とは平等である。それはヒーローでもヴィランでも同じこと。運の女神はコロコロと微笑む対象を変えるのだ。善であれ、悪であれ。

 

 

 『ザー、ガガガッ。…コイツぁオレ様の出番だなぁ!ツケにしても高いぜぇ!』

 

 「だれをなぐればいいの?」

 

 

 オールマイトの到着を分かっていたかのように、死柄木と黒霧の影から人が現れる。

 どうやら、奥の手を隠していたのは相手も同じようだった。または悪運が勝ったのか。

 

 一人は黒のライダースーツを着ており、ヘルメットを被っている。身長は死柄木よりも少し低い程だろうか。変成器が内蔵されているのか、機械的な雑音が時折混じり、声も機械的である。

 そしてもう一人はピンクのパーカー姿である。小柄な体躯。パーカーフードで顔を隠しているが、靴を履いておらず素足である。

 

 「申し訳ありませんが、撤退の援護だけしていただけますか?」

 

 『ガガーッ、んっだよそれ!!折角助けに来たってぇのによ!』

 

 「大丈夫だ。一人も逃がす気はないぞ!!」

 

 ヘルメットのヴィランにオールマイトが目にも留まらぬ速さで肉薄する。そして、いつもの様に強靭な肉体から拳を放つ。

 

 『オイオイ…コッチはもう撤退の話ししてるんだからよォ…。ガガッ、その気にさせようとすんじゃねぇよ』

 

 「…そんなバカな」

 

 機械音で話すソイツは、受けた際に体が数メートルほど後退したがそれでも両手で受け止めた。受け止めた際の風圧で黒霧は後方へと飛ばされていた。

 ならば!と、オールマイトが目にも留まらぬ速度で連打を繰り出す。しかし、それを捌いていく。ヘルメットとスーツとの継ぎ目である首元からは赤いオーラが放出されている。その放出量がみるみる増えていくほどに、捌いていく動きが鋭く、そして余裕を持ったものになっていく。だが、それでも伝説と言われるオールマイトの攻撃が優勢になっていく。捌ききれずに数発受けてはその度に手が弾かれる。

 

 『イテテテ!さっすがにきっちぃなぁ!ザザッ、おいバカ牛!さっさと一発入れろやぁ!!』

 

 「バカじゃないっ!モーはかしこい!!モーはつよい!!!」

 

 連打を繰り出すオールマイトの横から、舌っ足らずで小柄な体が潜り込んでくる。バカ正直にピッチャーのように大きく振りかぶるさまは「私は殴るの素人です」と言わんばかりのポージングである。

 正面のヴィランへの攻撃をやめること無く、このテレフォンパンチを捌かなければならない。対策は昔からできている。あの少年と似た技だが、初めたのは私が先だと言っておこう。

 

 「Oklahoma SMASH!!」

 

 オールマイトが連打から急速回転へと変わる。ヘルメットのヴィランは風圧に弾かれ死柄木の横へと着地する。パーカーのヴィランを見れば、風圧を意にも介さず突貫してくる。

 そして、パーカーフードを突き破るように二本の大きな突起物が出てくる。それは正しく、角である。風圧を物ともせず、最初の大きく振りかぶった体勢のまま、その拳を地面へと叩きつける。

 

 「モーの、だいじしん!!」

 

 舌っ足らずな言葉とは裏腹に、地面が割れ、床材をちゃぶ台返しかの如く巻き上げる。

 オールマイトは瞬時に自身の後方に居る生徒たちを守るために動く。それと同時に、他のヒーローたちも到着したのかセメントスの個性により壁が生成され、生徒たちを庇うように壁を作成する。

 

 「飯田天哉!只今戻りました!!」

 

 飯田のよく通る大声に紛れて、銃声が一つ響く。ヒーローによる狙撃が死柄木の脳天へ目掛けて放たれていた。

 

 『ザザザッ‥あっぶねぇなぁ。雇い主殺されたらオレ様達はどうすればいいんだっての。さっさと帰ろうぜ。それとも、特別手当出してくれんのか?』

 

 「言われなくても、もう撤退してますよ」

 

 その弾丸も届かない。ヘルメットのヴィランが弾丸を素手で掴んでいた。

 そして作り出した床材の壁と土煙を影にして、みるみるうちに黒霧の個性でヴィラン達の姿が消えていく。

 

 「今回は失敗だった。だが、オールマイト同様に厄介な個性も分かった。次は殺す…ッ!」

 

 『ザーッ、じゃあな!なかなかいいパンチだったぜ!!』

 

 「パーカー…穴あいた。モー、しょっく」

 

 死柄木は忌々しげに、ヘルメットのヴィランは清々しく、パーカーのヴィランは角があった部分に出来た穴を手で穿りながら俯いて、三者三様の感想を述べながら消えていった。




神機君はめぐみん状態なんで…

アホキャラってなんであんなに可愛いんでしょうね?
アホと怪力はワンセット!

フォントの変更と特殊タグについて。『表現としてありなのかなしなのか』

  • フォントと特殊タグはあってもいい
  • フォントと特殊タグは無いほうがいい
  • ぶっちゃけどっちでもいい。
  • むしろもっと使って欲しい。
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