輝神機のヒーローアカデミア   作:自己顕示欲MAXマン

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4話・俺のヒーローアカデミア、開幕!

 無事に右手の火傷を治療してもらい、親方との待ち合わせ場所に向かう。リカバリーガールのキスの感触が手の甲に残っており、なんとも言えない気分ではある…が、一瞬でここまで治療できるのはまるで魔法のようだ。

 

 「親方。おまたせしました」

 

 「おっ、お疲れさん。手応えはどうだったんだ?」

 

 親方は運転席でに座り、ラジオから流れる緩やかなBGMに合わせてリズムを取っていた動きを止めて、俺に右手を上げる。俺は開いている車の窓から挨拶を返し、車内には入らず立ったまま会話を続ける。

 

 「合格してるとは思います。これで落ちてたら(ヴィラン)にでも転職しますよ」

 

 「やめろやめろ、冗談でもそういう事言うな。転職するなら俺の所へ来い。」

 

 俺の軽口に、少し真面目な雰囲気を醸しながら肩を抱き笑顔で答えてくれる。助手席にかばんはあるが、麗日がいないってことはどこかに行ってるんですか?

 

 「そうなんだ。車にかばんを置いたと思ったら『少し待っとってな!』って…慌ただしく学校に戻っていったよ。忘れ物でもあるのかもしれないな」

 

 忘れ物って…まぁ、じきに帰ってくるだろう。そう思いながら親方に今回の実技試験の感想を話していると、走ってくる麗日が視界の端に入った。表情はどこか嬉しそうに見える。

 

 「ごめん!待たせてしまった!!」

 

 「大して待ってないから大丈夫だ。で、何の用だったんだ?」

 

 俺の問いかけに対して「ん~、内緒!」と、秘密を隠す子供のような笑みを浮かべる。まぁ、本人が内緒というのなら詮索はしないでおこう。そう思いながら、車の後部座席に座る。麗日は助手席だ。

 帰りの道中では、疲れて眠る麗日の寝息と、ラジオから流れる穏やかな音色だけが聞こえていた。

 

 

 

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 結論から言えば、俺は雄英に合格していた。

 数日経ってから雄英高校から封筒が届き、それを開けるとプロジェクターが入っていた。送付されているプリントを確認しながら起動すると、大柄なアメリカンタッチの筋肉ムキムキマンが映し出される。

 

 『HAHAHAHA!始めましてだね、輝少年!』

 

 オールマイトだと?さすがの俺でも知っている。生きる英雄と言われている絶対的なヒーロー。

 

 『きっと驚いていることだと思う。なぜ私が…だって?理由は、今年から私も雄英高校の教師として務めることになったからだ!』

 

 英雄が教師?普通のヒーローが二足の草鞋で教鞭をとるのはわかる。しかし、日に数十件と問題を解決する敵の抑止力が教師をする意味は?

 きっと一般の生徒なら両手を上げて喜ぶ場面なのだろう。しかし、オールマイトを凄いとは認識しているが憧れとして見ていない俺からすれば、その不自然さがやけに気にかかる。

 俺が思考を初めていると、画面内のオールマイトが『え?巻きで?OKOK』と答え、コホンと一つ咳払いをする。

 

 『筆記は85点。実技は(ヴィラン)ポイントが32機撃破の44P!』

 

 平均点を言ってくれないから高いのか低いのかわからん。しかし、1Pと2Pを狩り、3Pを1機も倒してないことから考えるとあまり高くないのかもしれない。100点満点形式だと落ちてるな、これ。

 

 『そして、我々雄英の入試は(ヴィラン)Pだけではなく、救助活動Pと言うものが審査制で存在する。輝少年!君は少女を守り、それだけではなく!誰も立ち向かわなかった0Pの仮想敵に立ち向かった!我々ヒーローは、どんなに強大な敵にも立ち向かわなくてはならない場面がある。それこそがヒーローとしても大切なことだ。救助活動ポイント60点!!合計で104点!!文句なしの合格点だ!!』

 

 実技試験100点満点形式じゃないのかよ…。国家試験みたいになってるし、ポイントの入り方がクイズ番組の最後みたいになってるじゃねぇか。

 

 『輝少年、来いよ!君のヒーローアカデミアが待っているぞ!』

 

 その一言を聞いて、実感という名の震えがゾクゾクと背筋を駆け上がっていく。やっと、スタートラインに立った気分である。いや、まだまだなのかもしれない。ただ一言、俺の口をついて出た言葉は期待と歓喜に色づいていただろう。

 

 

 「輝神機(おれ)のヒーローアカデミア……か」

 

 

 

 

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 親戚の家から雄英のある県内へと引っ越しをした。奨学金で。

 雄英高校ともなると、ヒーローの金の卵と評価される。そうなると、なおさら申請が通りやすかったのかもしれない。

 麗日も無事に合格しており、親方から「お茶子が心配だから隣で部屋借りてくれないか?」と言われたが「アイツの生活音を俺が聞くことになるかもしれませんが、いいんですか?」と聞くと、速攻で胸ぐらを掴まれ「大変申し訳無いが、今の話は無かったことにしよう」と言われる。丁寧な言葉づかいと態度が合っていない…。

 

 「流石、雄英高校だ。どんな体でも問題なしってか」

 

 あまりにも大きな扉に『1-A』と書かれている。教室へ入ると2~3人が教室内にいるだけだった。流石に早すぎたか。自身の席を探していると、説明会の時に思惑通りに0P敵の質問をしてくれた眉クイックが話しかけてきた。

 

 「ボ…俺は私立聡明中学出身の飯田天哉だ」

 

 「おぉ、丁寧な自己紹介だな。嫌いじゃないぜ。俺は輝神機だ。…髪型がやや被ってるな。俺みたいにオールバックにはしないでくれよ」

 

 と、冗談めかして言うと「安心してくれたまえ!ボ…俺はオールバックにはしない」と真面目に答える。さっきからボッボッ言ってるけど何か爆発すんのか?

 

 「俺は尾白猿夫。よろしく」

 

 「俺ぁ切島鋭児郎ってんだ!仲良くしようぜ!」

 

 あぁ、よろしくな。と、返事を返した所で気になったため尾白に質問を投げかける。

 

 「お前、もしかして武術の心得があるのか?」

 

 「えっ、なんでわかったんだ!?」

 

 尾白は驚いたように目を見開く。武術や武道を嗜んでいる人間は自ずと立ち振舞に癖が出る。まぁ、結局は勘なんだがな。

 

 「それでも、わかるって事は輝もかなりのやり手ってことになるじゃないか。時間ある時、手合わせとかお願いしてもいいか?」

 

 「望むところだ。楽しみにしてるぜ」

 

 そういったやり取りを続けていく内に一人、また一人と登校して来る。そんな中、知っている顔が挨拶をしてきた。

 

 「ケロケロ…神機ちゃんも無事に合格していたのね。改めて自己紹介するわね。蛙吹梅雨よ。梅雨ちゃんと呼んで」

 

 「蛙吹だな。輝神機だ、よろしく頼む。…悪いが、女子を名前で呼ぶのには抵抗があるんでな。……まぁ、親しくなっていく内に自然と呼べるようになるだろうから、今は勘弁してくれ」

 

 

 バァン!!

 

 

 自己紹介で盛り上がっているところに、見覚えのある爆発頭が教室へ入ってくる。そして、鞄を机の横に放り投げ、椅子に座ってから机の上に両足を乗せる。おいおい…マジでコイツ受かってんのかよ。

 すかさず飯田がその行為に物申すも、聞く耳持たずに暴言を吐く。和気あいあいと自己紹介をしていたムードから一変してクラス内の雰囲気が微妙なものになる。

 その時、二人の男女が教室に入ってきた。一人は麗日で、もう一人は変な声を出していた緑縮れ毛だった。

 

 「凄いパンチだったもんね!受かって当然だよ!!」

 

 「いや!あの…本っ当あなたのおかげというか……なんというか」

 

 麗日の高いテンションとは裏腹に、耳まで真っ赤にしながら顔を抑えて話す。試験中に知り合った友達って感じか?

 

 「あ、神機君おはよう!そうそう、緑谷君って言うんよ!この目つき悪い人は輝神機君。いい人やから怖がらなくてもええよ!」

 

 「あ、よ、よろしくおねがいします」

 

 「目付きが悪いは余計だ。まぁ、紛れもない事実なんだがな。よろしくな」

 

 そう言いながら右手を前に出し、握手の合図をすると、緑谷もそれに答えてくれる。受け答えを見ていると、オドオドとしており、どこか頼りなさを感じる。しかし、手を握ればわかる。小柄ながらもそれなりに鍛えている。

 

 「お友達ごっこしたいなら他所へ行け」

 

 麗日達の後ろから声がかかる。

 目をやると、寝袋に包まったまま携帯ゼリーを一瞬で飲み干す変人がいた。そいつは寝袋を脱ぎながら立ち上がると、黒い衣装にやたらグルグル巻きになっているマフラー姿であることがわかった。

 

 「ハイ、静かになるまでに8秒かかりました。時間は有限。君たちは合理性にかけるね」

 

 合理性を唱えるなら、寝袋で移動しないほうが合理的だろう。印象づけるための演出にしか感じれないぞ…。

 そいつは「担任の相澤消太だ」と自己紹介を終えると、体操服を取り出し、すぐにグラウンドに出ろと言う。どうやら、既に雄英高校の洗礼というものは始まっているらしい…。

 

 

 俺は体操服に着替え「体操服のデザイン、UAなんだな…」などと考えながら、グラウンドに向かうのだった。




今回は短いですがここまでで。
纏めて書き終わってからアップしてもいいんですが、今はモチベに身を任せる感じで行きます。

あくまで趣味なので、続けていけるように好きにやらせていただきます。ので、ご容赦ください。
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