輝神機のヒーローアカデミア   作:自己顕示欲MAXマン

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サブタイトル味気ないので全部変更しました!今後はこんな感じでやっていきます。
タイトルもインパクトあるのに変えたいんですが、お気に入りが増えれば増えるほど変えにくいですね…。アイデア募集いたします^q^


小説を投稿するとUA(閲覧者?でいいのかな?)の動きが見れるんですが、私程度の小説だと3~4日経つと1時間に一人~二人くらいに落ち着き、一週間も経てば1日に二人読んでくれれば良いくらいになります。

ただ、そんな中でもお気に入りが増えていくというのはすごく嬉しいです。気づけば27人の方にお気に入り登録していただいています。
ありがとうございます。

更新ペースは遅いですが、少しでも感想や評価が増えるように続けていきたいなぁ…と、思っています。


7話・友情と不正と委員長とゴミ捨てと……

 ヒーロー基礎学はつつが無く終わった。

 俺自身も上を目指すために、クラスメイトの個性の分析をしたが…全体攻撃を持つ上鳴や轟とは恐ろしいほどに相性が悪い。遠距離の技も一つくらいは持ってたほうがいいな。

 八百万も様々なものを創造できることから、銃なんて作られたら骨が折れそうだ。この辺も、何か対策を考えておかないとな。

 

 「んふふ~。さっきはありがとね!輝君ってめちゃくちゃ強いんだね!」

 

 隣を見ると、女子用の制服がぴょんぴょんしながら浮かんでいる。あぁ、透か。

 

 「いやいや、最初の奇襲あってこそだ。尾白の動きを鈍らせることができたから被弾を抑えられたんだよ。それに、いつでもフォローに入れるように隠れてくれてただろ?心強かったよ」

 

 しかし、相手の顔が見えないっていうのは何とも不思議だな。今も顔を見てるつもりだが、あいつはどんな表情で俺を見てるのだろうか。…今更だが、怖がられてなければいいが。

 

 「顔の割にすごく謙虚なんだね!あらためて、これからよろしくね!」

 

 そう行って、制服の裾が俺の方へ伸びてくる。

 

 「一言余計だ。まぁ、よろしく頼む」

 

 そして、握手を交わす。…女性だから当たり前なんだが、華奢な手だな。

 

 「緑谷君帰ってきたー!!!」

 

 そして、先程の授業で俺以上に派手な破壊力を見せた緑谷が帰って来ると、教室中の生徒が緑谷へ集まり、わいのわいのと話し出す。

 ……緑谷出久。アイツの個性はあまりにも不安定だ。下手をすれば建物を破壊し、住民への二次災害へと繋がる恐れがある。今は怪我が治りきってなさそうだから見送るが、追々アドバイスくらいは言ってやろう。今話しかけに行ってる麗日が試験でお世話になったこともあるしな。

 

 「神機!!一緒に帰らねーか!?」

 

 唐突に声をかけてきたのは切島だった。リカバリーガールのおかげで傷は消えており、元気そうで何よりだ。

 

 「よくもまぁ、あそこまでボコスカ殴ってきた相手に帰ろうなんて言えるな」

 

 「それはそれ、これはこれだろ?…駄目か?」

 

 そう言いながら、両手を合わせて頭を下げる。やめろやめろ、一緒に帰るくらいしてやるから頭を上げろ。おい麗日「アレがカツアゲって言って…」って八百万に嘘教えるな。

 

 

 

 

 

 「いや~。神機ってマジで強かったんだな!入学初日で自信ありそうだったけど、あそこまでとは思ってなかったぜ!」

 

 切島と河川敷を二人で歩く。話す内容としては、基礎学の感想みたいなものだ。

 俺の躱し方や個性を使った攻め方、威圧感など感じたことを事細かに話してくれた。学校が始まって一週間も経っていないが、コイツが真っ直ぐで熱い男だということ位はすぐに分かった。

 

 「…あのよ、正直に言ってほしいんだ。神機から見て、俺はどうだったんだ?」

 

 「何がだ?」

 

 「俺は…男気ヒーロー【紅頼雄斗(クリムゾンライオット)】に憧れてヒーローを目指すようになったんだ。でも、肝心な時にはビビっちまう。今回もそうだ。お前の気迫に押されて、正直、逃げてぇ!って思っちまった」

 

 立ち止まり、ぽつりぽつりと話し始める。きっと、入学する際に自分に立てた誓いがあるんだろう。それを入学して数日の間に揺るがされる出来事があった。いや、俺のせいなんだけど。

 

 「あー、そんなに怖かったか?」

 

 「あぁ、めちゃくちゃ怖かった。中学時代に見たヴィランに引けを取らないくらいに…」

 

 そ…そこまで言うか…。いや、顔を隠して眼だけ出してたしそれが原因ということにしておこう。それよりも、俺が出来る事をしてやるべきだな。

 

 俺は河川敷を降り、少し広めの河原へ切島を手招きする。切島は何をするのかわからないのか、トボトボと俺の正面まで歩いてくる。

 

 「そんな暗い顔するな。恐怖を感じるっていうのは普通のことだ。それでも、お前は俺に対して手を出してきたじゃないか。最初から完璧に動ける奴なんて滅多にいない。大切なのは、何度でも挑戦することだ。例えそれが、痛みを伴うとしてもだ。」

 

 どこ目線なのかわからない俺の話を真剣に聞いてくれる。そんな切島が俺に対して疑問を投げかける。

 

 「痛みを伴うって…どういうことだ?」

 

 体験しなければ絶対に気づく事の無い感情。そして、条件によっては力にも憎しみにも変わる。

 

 「失う事だ。自信であったり、体や心の一部…人を救えなかった事、亡くしたこと。それでも、自分の叶えたい夢や理想、信念があるなら…躓いたとしても、転んだとしても前に進むしかないんだ。そういった人間が、ヒーローになれるんだと思っている」

 

 両親と兄の顔が浮かび、思わず拳に力が入る。そう、無くしてから気づく事が多すぎるんだ。だから俺はここまで強くなった。次に誰かを守る時、後悔しないために。

 

 「そうか。お前も【紅頼雄斗(クリムゾンライオット)】みたいに…男気に溢れてるんだな。………よかったら、今からちょっとだけ戦い方を教えてくれねぇか!?」

 

 まぁ、そのつもりでわざわざ河川敷降りたんだけどな。

 簡単に拳の出し方とか教えてやるよ。大振りすぎて見てられん。

 

 

 そして、俺と切島は河川敷が夕焼け色に染まるまで話したり、簡単に組み手なんかもした。…近所の人から喧嘩をしていると勘違いされ、ヒーローが駆けつける事態にもなったが…まぁ後々、笑い話になるだろう。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 翌日。

 校門前に集まるマスコミに「何でヴィランが雄英の制服を!?」等と言われながら登校した。

 

 「うぷぷぷ…くくくく…」

 

 そして、隣で見てた麗日は教室についてもずっとこの状態だ。…う~ん、長身で目つき悪いだけでこうまで言われるものか?

 

 「おはよう神機ちゃん。お茶子ちゃんは朝からご機嫌みたいね」

 

 「マスコミが光栄にも、俺の事をヴィランと勘違いしてからずっとこの状態だよ」

 

 俺の返答で思い出したのか、麗日が堪えきれずに吹き出す。

 

 「神機ちゃんは何かオーラを感じるから‥。常に気でも張ってるのかしら?」

 

 蛙吹はそう言いながら肩を揉みだす。…めちゃくちゃ上手いな。基本的に筋肉痛がデフォルトの体だから効く。

 

 「普段から警戒心は持ってるつもりだが…。もしかしたら、常時個性を発動してるのも関係してるのかもな。一定量なら発光しないから、トレーニングも兼ねて、バレないレベルで常に発動してるんだよ。」

 

 「そうなのね。熱心なのも良いけれど、体は労ったほうがいいわよ。ケロ…すっごく固いもの」

 

 「そんな言葉聞いちまうと…オイラのリトル峯田も固くなっちまうぜ…」

 

 余計な事を言った峰田実は、蛙吹に頭部をバシバシと叩かれながらも何処か嬉しげな表情である。

 と、ここで今までジトーっとやり取りを見ていた麗日がハッと何かに気付く。

 

 「神機君。もしかして私との組手の時、バレないように個性で強化してた?」

 

 「……………んなわけないだう」

 

 「噛んでるやんか!!ずるいずるいずるい!!」

 

 「おいお前ら、HR(ホームルーム)始めるから静かにしろ」

 

 麗日からの猛抗議は担任の相澤先生の登場により回避される。…後ろ向いてないで前向きなさい。話始まるから。

 戦闘訓練のVを見た感想として、爆豪と緑谷が注意をされる。そのついでに俺に対しても「お前もグレーゾーンだがな」と念押しされる。ボコボコに殴ってたの俺だけだもんな…。ついでに、昨日の河川敷の勘違い騒動についてもお小言をいただくが、コレは完全に無実でしょ。むしろ青春の1ページだろ。

 クラスの雰囲気が(ま~た神機が切島巻き込んでやらかしてんのか。)と、いった雰囲気になるが今回は無実だってマジで。そんな雰囲気などお構いなしに、担任の相澤先生が話しを続ける。

 

 「ふぅ。誰かさんのせいで話が長くなったが、ここからが本題だ。学級委員長を決めてもらう」

 

 

 『学校っぽいのきたあああああああああああああ!!!』

 

 

 う、うるせぇ!!何でみんなそんなに乗り気なんだよ!

 

 自己主張の強いやつから弱いやつまで、皆体を乗り出して立候補していく。俺は正直、誰でもいいので頬杖をついて座っているだけだ。結果的には投票で決めることになる。…つってもなぁ、一番それっぽい見た目なのは八百万と飯田なんだよなぁ。

 …ここは飯田に入れておくか。模範的な回答、行動力、信頼性もアイツなら問題なく築くことが出来るだろう。

 

 で、結果を見ると緑谷3票、八百万2票、俺に2票と…って、待て!誰だ俺に2票も入れたやつは!!

 

 「ケロ…神機ちゃんは顔は怖いし抜けてる所もあるけれど、いざという時の判断力と行動力は誰よりもあると思うの」

 

 「神機は男気があって熱いヤツだ!!ついて行きてぇ!って思えるからな!」

 

 も、求めてない…そもそも俺みたいなワンマンアーミーに多を牽引する力なんてあるわけ無いだろ。

 

 「八百万と輝が同票か。で、どうするんだ?」

 

 相澤先生の「早く決めろ」と言わんばかりの圧力がヒシヒシと伝わってくる。…つっても、俺の意思は決まってるしなぁ。

 

 「あ~、投票してくれた蛙吹と切島には悪いけど、俺は委員長なんてガラじゃないから辞退するわ。そもそも、冷静に考えてくれ。俺みたいな勢いだけの奴が委員長なんてやったら、相方の委員長の苦労が計り知れなくなるだろ?」

 

 『確かに…』

 

 何で全員納得してるんだ。…クッソ、麗日が机に突っ伏してるけど笑いを堪えてるのがバレバレだ。肩がガクガク震えてやがる…。

 

 「そういう訳で、緑谷と八百万に委員長を頑張っていただこうじゃありませんか。はい、拍手ー!」

 

 その場の流れで俺が拍手をすると、皆も拍手をする。ふぅ、ホント、ガラじゃないっての。

 

 

 

 

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 「神機君!お昼食べに行こ!聞きたいこともあるしね……」

 

 昼休みが始まると同時に、俺に問い正したい事があるのか麗日が声をかけてくる。残念だが、野暮用があって俺は後から合流させて貰う。

 

 「ケロケロ。野暮用って何かしら?」

 

 日直の仕事である黒板消しを行いながら、蛙吹も聞いてくる。

 

 「俺は奨学金制度だから、今後の確認とかその他の事で相澤先生に呼ばれてるんだよ」

 

 家庭環境がやや拗れてるってのもあるからなぁ。

 

 「そうなんだ。…じゃあ、逃げずに食堂に来るんだよ?個性常時使用で、過去の手合わせ中の不正が発覚した場合は………」

 

 「…場合は?」

 

 「じゃ!先にいってるね!!」

 

 言わねーのかよ!!気になるだろ!麗日は教室から出ていく緑谷と飯田に「私も行くー!」と手を振りながら出ていった。は~、別に黙ってたわけでもないが、後ろめたさも確かにあったし…今回は何か奢るくらいはしてやらないとな。

 

 ふと隣を見ると、昼休憩のゴミ捨てに行こうと蛙吹がゴミ袋を持ち上げる所だった。

 

 「あー、蛙吹。職員室に行くついでに俺が捨てといてやるから、お前も麗日達と飯行ってこいよ」

 

 そう言いながらゴミ袋を取ろうとすると、蛙吹が袋から手を離さずにジッと俺の顔を見ていた。

 …なんだよ。

 

 「コレは日直の仕事だし、神機ちゃんに悪いわ」

 

 「気にすんなって!ついでだついで。そんなに重い訳でもないし、方向が一緒だから俺が捨てた方が効率がいいだろ?」

 

 「でも、悪いわ」

 

 んあぁ?何で引いてくれないの?俺そんなに変なこと言ってるか?

 俺は冗談っぽく「じゃ、一緒に捨てに行くか?」と戯けて蛙吹に言葉を投げかけてみる。すると…

 

 「えぇ、一緒に行きましょう。」

 

 即答である。何処か嬉しげな蛙吹と共に職員室、ついでにゴミ捨て場まで一緒に行くことになった。ゴミ袋を持つと言っても頑なに譲ってくれなかったので、蛙吹の提案で袋を縛ってる部分を分けて一緒に持っていくことになった。え、なんかコレおかしくない?大丈夫?

 

 「ケロケロ。何もおかしい事なんて無いわ、神機ちゃん。」

 

 

 

 

 この時は俺と蛙吹もしらなかった。

 まさか、向かった職員室であんな奴らと鉢合わせるなんて…。




書いてて思ってるんですが、蛙吹の表現で「こちらをじーっと見ている」っていうの想像しやすいですよね。可愛い。

ちょっとアンケートありますんで、よければお願いします。

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