くーさんこと露草です。
色々と遅れました(笑)
姪セクの方と被ってると個人的に面倒な部分があるので、こちらは21時30分投稿固定とさせていただきます。
また、今回からあとがきは原作みたいにキャラプロやミニ会話に使わせていただきます。
では2話です。
※文の口調を変更しました。
ある日の放課後。
部室にいたのは、文と京夜、そして紫音の3人だけだった。
「今日は誰も来ませんね」
「そうだね」
2人の会話に、文も本を読みながら答える。
「お姉ちゃんとメグお姉ちゃんは用事で先に帰るって。バーンシュタインさんはさっき運動部の子に呼ばれてたよ」
「ふーん」
「いや、ふーんって」
京夜にしては珍しい塩対応に、思わず顔をあげる。
そこで京夜が自分の方を見てないことに気づく。
何か疎外感を感じ、視線の先ーーパソコンを覗き込む。
「チェス‥‥だよね?」
京夜が頷く。
そういえば紫音はゲーム好きだった。
それも文と京夜がやっているソーシャルゲームみたいなものではなく、古典ゲーム。
そのうちの1つ、と言っていいのかわからないがそれがチェスだった。
「誰かと対戦してるんですか?」
京夜が尋ねると、文も気付く。
紫音がマウスに触れてないのに駒が動いていた。
相手の名前を見るに外人さんだろうか。
「うん、そう」
「珍しいですねー」
「1ヶ月振り」
紫音の悪い癖が出た、と文は思った。
頭のいい紫音の話し方は独特で、階段を一歩も二歩もはずしたような会話の仕方をする。
今のは『NPCではなく人間と対局するのは1ヶ月振り』という意味だ。
姉の幼馴染としてそこそこの付き合いがある文だが、紫音のこの話し方はあまり好きじゃなかったりする。
少し経って京夜も意味が分かったのか苦笑する。
「相手ってどんな人なんですか?」
京夜は紫音に尋ねるが、興味を失った文は再度本を手に取る。
「全米チェスチャンピオン」
「「‥‥はい?」」
が、その手は止まった。
今度は京夜も意味がわからなかったのかフリーズする。
文が何とか口を開く。
「えっと皇さん‥‥マジで?」
おおよそ先輩に対しての言葉遣いではないのはご愛嬌にして欲しい。
「あ、違った。この間全米チャンピオンと世界統一王者戦で勝ったから。ええと‥‥暫定的な称号だけど"世界最強"かな?」
「世界最強て‥‥」
驚き過ぎて呆然と呟く文。
京夜も口をあんぐりと開けている。
「そんな人と戦えるって、紫音さんってもしかしてすごい人何ですか?」
「いや申し込んできたのは彼の方」
「あ‥‥」
画面をよく見ていた文が気付く。
相手の名前の横にはチャレンジャー‥‥つまり紫音に挑戦してきたのは相手の方だった。
「約束だったから」
「約束ってチャンピオンの方と‥‥?」
「随分前になるけどね。世界王者になったら稽古をつけるなんて約束してしまってね」
「いや、チャンピオンに稽古て」
「若気の至りだね。確かあれは8歳の時だ」
「「ええっ!?」」
京夜と交互に合いの手を入れ最後は一緒に驚いた。
もう何も言えない2人を他所に対局は進む。
素人目に見ても頂上決戦と言っていいような白熱の戦いは突如終わる。
「‥‥チェックメイト」
紫音の呟きの後、画面にYOU WINの文字が表示される。
更にはチャットだろうか、相手から英文のメッセージが送られてくる。
知っている英語だけでも紫音を褒め称えているのがわかった。
「さて‥‥」
紫音が回転椅子をくるりと回し、文と京夜の方を向く。
「彼が再戦を希望しているけど‥‥キミたちもやってみるかい?」
「「無理だよ(です)!」」
2人同時に叫ぶ。
そしてお互いの顔を合わせる。
「四ノ宮さん!先輩なんだからやってよ!?」
「無茶言わないでよ!文こそ成績いいんじゃないの!?」
「多少成績いいぐらいで世界最強に勝てるわけないでしょ!?」
醜い押し付け合いをする2人に紫音が一冊の本を差し出す。
「いい教本がある。この際ルールを覚えてみたらどうだろう」
そう言って渡したのは‥‥『誰でも簡単!チェス入門』。
ようやく2人とも気付く。
「‥‥もしかして紫音さん」
「‥‥からかったな」
2人の恨みの視線をクールに流し、紫音は微笑む。
「さあね」
さて、いつからからかわれていたのかやら。
★天使 文【Fumi Amatsuka】
中等部1年2組所属。
天使家の末っ子で聖羅とは双子。
髪は茶色だが光を当てると桃色が透ける。男子にしては長め。
瞳も茶色(真央のDNA強し)。
身長は背の順で一番前にくるぐらい。
成績優秀だが、『社会に馴れ合いたくねー』という考えから先輩や教師に対しても敬語は使わない。
特技は料理。
森さんは母親派。