ジン成り代わりに助勢した者   作:白炉丸

1 / 19
転生前
東雲 0.5


俺は所謂転生者ってやつだ。前世の記憶を持って生まれた。

俺がこの世界に生まれる前に どこかの漫画であったような神社で金髪赤目、爺口調のガキに会って話したことは割愛する。

 

 

俺は“俺”として生まれてすぐに前世の記憶を思い出した

 

母親は俺を産んだ後すぐに死んだ。まだ目を開くことのできなかった俺は 母の姿を見ることが叶わなかった。

父親は俺が1歳頃の時に死んだ。 父は黒服の男達に殺された。父を殺した男の1人に俺は見つかった。男はイラつきながら、父を殺した物と同じ物を俺に向け、放った。

 

遊びで撃ったんだろう。俺は燃えるような痛みを右脚に感じた。

 

奴は不思議に思っただろう。俺自身もそうだった。

 

いつもは腹が空いただけで、声を発している俺でさえ煩いと感じる喚き声を、その時の俺は一切発しなかったのだ。

 

奴はもう一発、俺に向けて弾丸を放った。 今度は左脚だった。

それでも声を発さないまま奴を見つめる俺を、何を思ったのか、もう1人の黒服が抱え上げ、そのまま連れていかれた。

 

 

 

 

 

 

 

あの時、わざとにでも声を上げていれば、俺の人生は今とは違っていたんだろうか。

 

 

 

 

 

俺は後遺症もなく生き延びた。連れて行かれた先は、とある組織の教育施設。表向きは孤児院をやっていた。俺はそこで数年間生活した。

 

ある日、俺は院長に呼び出された。そこに向かうと、1人の黒服の男がいた。少し話をした後、俺はその男に連れられ施設を出た。

 

 

 

 

 

 

 

その時から、俺の地獄のような日々が始まった。

 

 

 

返答は「はい」か「YES」しか口にしてはいけない。必要以上に言葉を発したら暴行を受ける

 

口に入れるもの殆どに毒が入っているのは当たり前。徐々に毒の強さは増していく。食事を拒否すれば暴行を受け、無理矢理口に入れられる

 

銃の分解から組み立てを制限時間内に行わなければ暴行を受ける

 

毒の所為で体調が悪い中、俺を連れ出した男に死ぬ寸前まで攻撃される。死にたくなかったらかかって来いと言われた。逃げたら暴行を受ける

 

 

 

そんなことを続けていたら、いつのまにか 俺の中にもう1つの人格が発現していた。そいつが俺のことを認知することはなかった。

俺はと言うと、肉体から精神が解離したようで、俺の意思関係なしに動くそいつを 手の届かない距離から見ているだけとなった。

 

 

 

 

 

数年後、組織で動き出したそいつが、組織のボスにコードネームを与えられたことで気づいた

 

 

 

「 俺・・・・“ジン”だったのか!! 」と、、

 

 

「 というか名探偵の世界かよ! あのガキ最初に言っとけや! これ完全に人生の選択ミスってるだろーが!! 」

 

 

いくらそう言ったとしても、俺の声は誰にも届かない

 

 

「 あ゛ー。そうだった。俺 父親に“じん”って呼ばれてたは。父親は“くろさわ”さんって呼ばれてたな…今思い出した。

それに俺 銀髪緑目だ。“俺”を“アニキ”と呼ぶガタイのいいやつも、“ピスコ”って名のやつも居たは・・・いや 気づけよ俺! 漫画繰り返し読んでただろうが! 」

 

誰かが意図的にそれを思い出させないようにしていたような気がし、俺は精神だけのくせして寒気を感じた。

 

 

 

 

自身がジンだと気づいた後も、俺に体の主導権が戻ることはなく、いくら周りに呼びかけても、誰も俺の声に反応することはなかった。

俺ではなく“俺”が、組織のジンとして ジン生を歩んでいった。

俺はただ見てるだけ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ見てるだけの、生きているとは言えない生活を続けていくと、原作や映画に登場したネームドの話を耳にしたり、見かけることも多くなっていった。( マティーニは俺の居ないところで作ってくれ… )

 

 

 

原作軸に近づくと犯罪率がうなぎのぼりになっていったのは引いた。(テレビからの情報)漫画で読んだことのある事件、例えば マンションや観覧車の爆発なども耳にした。

 

 

原作軸に近づくにつれ、俺の体(精神体)が幽霊のようになっていった。

行動できる範囲はジンを基点として十数メートルだが、ジンの視点とは全く別の場所を見ることも、宙に浮かぶことも、物体をすり抜けることもできた。理由はわからん。

そんな俺を見ることができる人間は殆どおらず、たまーに動物が俺のことを目で追っているのを目にしたり、7徹のバーボンや 殺しで精神が昂ぶっている時のスコッチ(初めのみ)には たまに目を凝らすように 睨まれ、ライは1人でいる時に俺が近づくと、寒気でもしたのか 腕をさすっていたな。(閑話)

 

 

殺しと言えば、あの地獄の記憶プラスジンに付き(憑き)っぱなしだった事によって、もうSAN値減少することはなくなった。というか、地獄にいた時にもう俺は様々な殺しをやったしな。拷問の訓練は…っとヤバイ、思い出したら死ねる…。

 

 

 

そんなこんなで名探偵に「 あばよ 」して 原作軸突入してからのループは俺の精神を今まで以上に鍛えられた。

 

 

 

 

1年を20回以上繰り返し、ようやく行われた黒の組織壊滅作戦によって、組織は甚大な被害を受けた。

 

最後に残ったのは、ジンとラムとあの方ことボス。

ウォッカ達は警察組織に捕らえられ、ベルモットはいつのまにか名探偵達と手を組んでいた。彼女はすでに組織を裏切っていた。

 

 

ジン達は追い詰められた。

そして、ジンとして組織に忠誠を(強制的にだが)誓っていた“俺”は、ボスとラムに捨て駒として、最後の命令を下された。彼らの逃げる時間を稼ぐために囮になれと。もう逃げることなどできないとわかっているはずだろうに。

 

 

 

だが、地獄の記憶を持っていない“俺”が彼らに恐怖で従っているわけもなく

 

 

 

 

 

組織の処刑人が・・・飼い主に牙を剥いた。

 

 

 

 

 

 

ジンが放った銃弾は、逃亡によって精神をすり減らしていた彼らをいとも簡単に貫き、動きを封じた

 

 

 

 

その銃声を聞きつけ、バーボン、赤井秀一、名探偵が突入してきた。

 

彼らが見たものは、銃を構えているジンと 倒れている2人。倒れている者達は、前情報でラムとボスだということがわかった。

 

3人は、ジンが何故組織にいるのか、その理由をベルモットから聞いていた。だが、犯罪者であることは確か。取り押さえようと、ジンの背に向けて銃を構える。

 

銃を向けられたジンは、ラム達から視線を逸らし、バーボン達を見た。バーボン達は、見た事のない感情を写したジンの目に動揺してしまい、その隙を突かれてしまった。

 

ジンが口を開き、言葉を発しようとした時、「死になさい!ジン!」と、ラムが声をあげ、血に濡れた手で 何かのスイッチを押した瞬間、なんと、ジンの体が爆発した

 

その爆発はそれ程威力がなかった。ジン体で爆風が遮られたのもあり、バーボン達がダメージを負うことはなかった。せいぜい飛び散った血飛沫が付着する程度。

 

ジンは、人型を保ったまま床に倒れこんだ。ジンを中心にした血溜まりはすぐに出来上がった。

 

 

 

倒れたジン、動けないラムとボス。

 

バーボン達はその状況を確認し、すぐさま医療チームを呼んだ。

 

 

 

こうして、最後は呆気なく、黒の組織は事実上壊滅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジンとしての“俺”は、あの後、命を落とした

 

“俺”が死ぬ前に得た情報だが、俺と“俺”の肉体…心臓には、遠隔操作タイプの爆弾が仕込まれていたそうだ。

仕込まれたのは、まだ俺だった時だろう。“俺”の時は“俺”が寝ていても 俺が外を見ることはできていたからな。

 

 

まあ、その爆弾のスイッチを死にかけのラムに押され、そのままボンッとなったわけだか・・・・呆気ねぇな…

 

 

 

 

 

 

 

+++++++++++++++

 

 

 

 

 

いつのまにか俺は、見たことがある気がする神社の前に立っていた。

 

 

は?

 

 

目の前に建っている神社はそれほど大きくはなく、俺が立っている場所の左右には、俺より頭1つ高い石灯籠(いしとうろう)が置かれていた。

 

 

辺りを見渡してみると 多くの木が生えており、石階段が下の方に続いていた。

 

 

( この場所・・・どこかで… )

 

 

そう考えていると、神社の方からロリ声が聞こえてきた

 

「時の先読みをしたが ロリ声はないじゃろ。せめて幼い声とかにしとくれんかの」

 

声の元をたどり、神社の方に目をやると、金髪赤目のガキが賽銭箱の上に座っていた

 

「時系列がおかしくなっとるが、だんだん言われようがひどくなっていっとるのじゃ…。まあ、おぬしに言っても理解できんと思うが…」

 

よくわからない事を言っているガキに向かって俺は強い口調で言い放った

 

「 そこから降りろ、ガキ。 バチが当たるぞ 」

 

俺のその言葉に金髪のガキは目を軽く見開き、パチパチと瞬きをした。そしてすぐに 口角を上げながら賽銭箱から飛び降り、口を開いた

 

「すまんかった。そうじゃの、普通は罰当たりと言われる行為じゃったな」

 

 

「 ・・・テメェ…一体何もんだ? ただのガキじゃねぇよな 」

 

目の前の存在から、何か底知れぬ気持ち悪さを感じ、懐のベレッタM1934()に手を伸ばしながら問うた

 

 

「そう警戒するな。おぬしと会うのはこれで2度目じゃったな。

本当ならおぬしと談話でもしたかったのじゃが 今おぬしに割く時間がないんでの、少し早口で説明することになるが・・・おぬしにはまたジン生を送ってもらう。調整を入れたからの 今度はおぬしの意思で動けるじゃろう。ボソ まあ動けるように調整しただけじゃから 組織のジンになることは決定事項じゃが…。 それでじゃがその世界にもう1人転生者が入る事になっての。その転生者はおぬしと同根じゃったが、変質してしもうての。経験した事も違うから気が合うかはわからんが、まあ大丈夫じゃろう、大丈夫にしとくのじゃ。今回はそやつの生まれをおぬしと同じ場所同じ時間に設定しとくでの 2人で頑張って生きとくれ。片方でも死んだら世界が崩壊するんできおつけるんじゃぞ。あとこれからそやつと合わせるから少し待っといてくれ」

 

 

早口でそう言われた俺は少し引いてしまい、銃を向ける事が叶わなかった

 

話終えたガキが指を鳴らした。するとその音に反応したかのように、俺の足下から出てきた黒い液体が 一瞬にして俺の全身を包み込み、俺は目の前が真っ暗になった。

 

 

 

 

 

 

 

銀髪の男を包んだ液体が 地面に吸い込まれるようにして消えたのを確認し、金髪の子供が口を開く

 

 

 

「賽銭箱の上に乗ったのを初めて怒られたのじゃ」

 

ジーンと変なところに感動を感じながら、次の事を考える

 

「さて、さっさとあやつを連れてくるかの。 連れてくる時にここから一旦出なくてはいかんのがめんどくさいの」

 

 

そう言ったのち、金髪の子供は指を鳴らす。すると、その子供は一瞬でその場から姿を消した。

【2】次の小説。BLEACHでの主人公(雲雀成り)の斬魄刀の名前アンケート。解号は「灯(とも)せ」。始解は二本一対のトンファーになる。

  • 紫炎雲 しえんぐも 今1
  • 紫炎(焔) むらさきほむら 1
  • 紫雲 むらくも(凍雲あり)4
  • その他。活動報告のコメントにお願いします
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。