もう少し上がればギアがハマるように調子をキープできそう。
「ごくろうだったな、
いや……
コンテナターミナルの一角で、一人の女性が目の前に現れた黒ずくめの男達を睨みつけていた。
❖
「 そろそろだね。準備はできてるかい 」
運転席の窓から空に登る月を見上げていた雲雀は、確認を取るように後部座席の二人に声をかける。
「えぇ、私はいつでも」
「あ、あぁ……オレも、まぁ」
一人の返答があまりよくないようだ。その声音からは少しの緊張、そして不安や戸惑いが感じ取れた。
「なぁ…ホントに大丈夫なのか?」
「 さあね 」
「さあねって…」
「 この事に関して、僕は既に道を示した。どの道を選ぶのか、生きるか死ぬかも、あとは彼女次第さ。君が気負うだけ無駄だよ 」
雲雀の言葉に男はもどかしさを感じているようで、苦虫を噛み潰したような顔をしている。
「 どんな結果になろうと、僕達が間に合えばいいだけの話さ。
それに、彼女には…死ぬわけにはいかない理由があるからね 」
❖
汽笛にかき消されながらもうっすらと聞こえた聞き慣れた音。彼の愛銃の火を吹く音色。それは命を運ぶ叫び声。
「10億円の入ったスーツケースは…ホテルのフロントに預けてあるわ…」
「そ、それを……奴らより先に取り戻してほしいの…」
「もう奴らに利用されるのは……ごめん、だから…」
「頼んだわよ……小さな探偵…さ………」
最後の力を振り絞るように少年を掴んでいた彼女の手が、パタリと、落ちた。
誰もがその命を諦めたその時。
「すみません!離れてください!」
失意に陥る少年を囲む警察官らを押しのけ、救急隊員が広田雅美…否、宮野明美のもとへ駆け寄った。
「…まだ息がある、早く担架を!」
救急隊員が振り向きそう声を上げると、もう一人の隊員が急ぎ担架を女性の横へと下ろした。隊員達は宮野明美を担架に乗せると救急車に運び込む。
「ぼ、ボクも行く!」
「コナン君!?」
そう言って救急車に乗り込もうとした少年を毛利小五郎が掴み上げ怒鳴りつける。
「何言ってんだボウズ!こんな時に。お遊びじゃないんだぞ!」
「わかってるよ!!」
毛利小五郎の言葉に重ねるように少年が叫んだ。
「ただ! 広田さんが心配なんだ!」
少年の言葉に唸り声をあげた毛利小五郎は、少し考えるようにしてから救急車に乗り込んだ隊員に話しかける。
「すみませんが、彼女がどこの病院に搬送されたかを後で教えてはくれませんか?彼女は私の所の依頼人でして」
「申し訳ありませんが、私共からはお答えしかねます。それでは急いでますので」
救急隊員は事務的な声でそういうと、引き離すように救急車のバックドアを閉めた。
救急車は彼らを置いてそのまま発進して行った。
【2】次の小説。BLEACHでの主人公(雲雀成り)の斬魄刀の名前アンケート。解号は「灯(とも)せ」。始解は二本一対のトンファーになる。
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紫炎雲 しえんぐも 今1
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紫炎(焔) むらさきほむら 1
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紫雲 むらくも(凍雲あり)4
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