霞「クズ」
「はいなんでしょう」
霞「撫でなさい」
「はい」ナデナデ
霞「………んんっ♪」
あの件から既に3日が経過した現在。今ではもはやあの頃の霞なんて存在しない。いや、なんかこう……うん。
霞「……クーズ」
「んだよ……」
霞「♪クーズ♪」
「はぁ……」
めちゃくちゃ甘えん坊になった。やっぱり甘えられる環境が今の今まで無かったってことなんだろう。にしてもだよ?たった3日だよ?それで俺の膝に座って頭撫でてを要求してくるんだよ?………最近の子は進んでるなぁ
鈴谷「…提督、早く書類を片してください」
「ウィッス」
ちなみに霞がこんな状態になってから鈴谷さんはイライラしていますね。あれですあれ、嫉妬ってやつです。あらあら、微笑ましいこと
『その中心点お主じゃぞ?』
(やめて現実を突きつけないで)
『まぁーよいわ……刺されるなよ』
(刺されそう)
「あ、そうだ、久しぶりに道場にでも行くか!」
っと、俺の気まぐれで道場に向かってる最中の事だった
「ぶべらぁ!?」
俺は!後ろから近づいてくる一人の艦娘に頭を殴られていた!!目を開けたら……
「んー☆何処ここ?」
なんとっ!見知らぬ部屋に手足を縛られていた!!
『何だこの急展開』
(そんは呑気なこと言ってないで励ます言葉とかないの?)
『頑張ってね☆』
(おうくそじじぃ。一旦表出ようか)
頭の中で何時ものように会話していると、目の前の扉がガチャりと開く。入ってきたのは少女。紫髪をツインテールに結んで、中学生みたいな制服着てる。いかにも駆逐艦ですよって感じ。なんか霞と同じ感じがする
???「気分はどうかしら?クソ提督?」
あ、同じ匂いじゃなくて同じだわwあ!この子って確か夕立に剣術かなんかを教える時に居たな!てかそう言えや霞もその場にいたよな…なんで俺名前忘れてたんだろ……あ!あれか!もう関わらないと思ってたから頭の中で抹消してたんだな!そうだそうに違いない!
『それはそれで失礼だな』
(確かにな!否定はしないぜ!!)
『お前のあだ名をこれから問題児に改名しようか』
(おいおい照れるなぁw元からだろ?)
『なんだ、自覚してたのかw』
(あたぼーのパプリカマンよw)
『なんだコイツ』
???「聞いてるの!?」
「あべし!!」
少女が持ってるなんか木の棒みたいなので殴られた。あー痛い……
『誰に会いたいの?』
(はっ倒すぞw)
っと、その前に話を聞くとこからだよな。
「で?なんの話ししてたの?」
???「っ!!この!!」
「なんで!?」
ただ何を話してたのか聞いただけなのに木の棒で頬をぶん殴られてしまっただ。わぁー凄い。口が切れて口の中鉄の味しかしねぇ……
「ぺっ!あー痛い」
口に溜まった血を吐き出す。まずなにに怒ってるのか検討がつかないですね。とりあえず
「確か……曙って名乗ってたよな。どしたん?そんな怒って」
曙「っ……と!とぼけないで!!」
「とぼける?一体なんの話しをしてるんだ?」
まじで会話が見えない。そもそも俺は練習を見に行ってからこいつとは一度も関わってない。怒ってる事がまじで不思議の不思議ちゃんだ。
曙「っ!霞に!何をしたの!?」
「あ………へ?」
そう言えや霞と曙はあの時俺のことを睨んでたな……そうか。お互い同じような性格だから意見が合いやすいのか。恐らく俺の悪口を言ってたのに、昨日か一昨日か分からないけど、霞が俺の所に行くようになったかなんだで心配してるのか…なんだ。良い奴じゃないか。まぁー俺にこんなことしてる時点で責任は後でおってもらうけど
(……あれ?今ひょっとして俺って刺されてる?)
『これから刺されるの間違いじゃないのか?』
(………これってフラグ回収……?)
『お疲れ様ぁ!☆』
こいつ本当に楽しそうだな。はっ倒したい☆ってそんなこと考えてる余裕なんてねぇーな…1つでも選択をミスればサンズの川じゃなかった、三途の川を渡らなきゃ行けねぇ。誰も地獄の業火に焼かれたくはないので俺はクールに逃げのドアを選ぶぜ!
「えーと……何もしてないぜ?」
曙「嘘よ!だったらなんで毎日クソ提督の部屋に向かってるの!?」
「いや、それは俺も知らない!マジで!えーと…ついこの間……っても3日前の話なんだけどな?」
俺は3日前に起きた出来事を曙に話した。叱ったことやら、俺が臭いセリフを言ったことも全部。いや正直なんで黒歴史まがいなことをわざわざ言わなきゃならないのかと頭を頭の中で抱えるが、みるみる唖然として行く曙の顔を見ていったらおもしれくてつい話しすぎちまったぜ
「…まっ!そんな所だなwだから別に俺は霞に対しては1ミリも手を挙げてない。もちろん、体にもだ。それが事実だよ」
曙「……う!嘘よ!そんなこと全部!!」
一瞬後ろに足が下がるが、それでも強い言葉を使ってこちらに向かって、木の棒を固く握りしめる
(あー…こりゃフルボッコされて死ぬパターンだな…)
『まぁーどんまい☆』
(出来れば刺されて死にたかったなw)
『それもそうじゃなwでも…ラッキーじゃないか』
(ラッキー?何がだよwたく…)
俺は静かに目を瞑った。殺させる事には変わりないんだ。ならばせめて目を瞑って、身を捧げようと
曙「っ!このっ!クソ提督!!」
そうして、恐らく曙が木の棒を上段に上げた時……だと思う。そんな時に
ガチャリ
そんな音が聞こえてきた。それと同時に木の棒がカランと落ちる音が聞こえた。何かと思い、俺は片目だけを開ける。その場にいたのは
霞「……てい……とく?」
唖然とした顔を浮かべた霞がこちらに目を向けていた。そんな霞に対して
「おーう…すんごい偶然…」
そんな声を上げたあと、聞こえた声は
霞「っ!?提督!!」
足早に俺の方に駆け寄ってきて、拘束された手をいつの間に取り出したのか分からない機銃みたいなのでといてくれる。
霞「大丈夫!?血!血が!痛いよね!?ねぇ!提督!」
「落ち着けって……別に死ぬ訳じゃ」
霞「バカ言わないでよ!提督が死んだら!私……私は!誰を信用すればいいのよ!」
「………」
霞「お願いだから!死なないで提督!嫌だよ……!もう…大切な人を……無くすのは…!嫌なのよ…!ねぇ……ていと……く?」
俺は霞の頭に手を乗せて、精一杯笑顔を向けて
「だから死なないってw……それに……言ったろ?お前やお前らは俺が守るって……こっちは命かけてんだ…そんな簡単に裏切やしねぇーよ…」ニコ
霞「ていと……く……♪」
そう言葉を発したあと、霞は静かに立ち上がると、先程の雰囲気から一転
霞「あんたが……やったの?」
曙「っ!?」
ドスの効いた声で、曙を睨みつける霞…あ、これはまずい
曙「あっ!あたしは!あんたのことを思って……」
霞「私の大切な人を傷つけておいてよくそんなこと言えるよね?」ジャキ
そう言って手に持ってる機銃を曙に向けた
曙「ま!待ってよ!」
霞「……あんたはもう……友達じゃない」
曙「まっ……まって」
そうして…撃たれる瞬間
「ぐっ!あぁぁっ!!」
霞「!?提督!?」
俺は、自分でも驚くようなスピードで動いたかと思うと、自然と曙を抱えながらスライディングしていた。もちろん、撃つ瞬間ということもあったのでノー被弾とは行かなかった……2発のうち1発が…俺の腹を貫いていた
「くはぁぁっ!いってぇぇ!!」
脇腹を抑えながらそんな事を叫ぶ…かぁーマジで痛てぇ!
曙「あ!あんた!?馬鹿なんじゃないの!?」
霞「提督!なんで庇ったの!?」
「約束……したからっ……うぐっ!」
霞「約束って!こいつは提督を!」
「だったら……引き金を引く時に……悲しい顔すんなよ……」
霞「!!」
俺は見た…曙を助ける際に、目元に涙を浮かべていた霞が…
「悲しむくらいなら…殺そうとするな……よ……おかげで腹に弾痕できるだろうが……」
霞「でも!そいつは提督を!!」
「それでも……ここの鎮守府の艦娘なんだ…俺ら提督ってのは……艦娘の面倒を見る義務ってのがある……だから……助ける」
曙「っっ……」
霞「だからって!」
「それに俺は言った…お前の…仲間……1人…救えなかったら……自害…するって……」
霞「!!!」
「だか……ら……破ら……ないっ……て……いった……ろ………」ドサ
目の前がぐわんぐわんする…体が寒い…最後に映ったのは…涙を流しながら俺を呼ぶ霞と、横で俺に笑顔なのか、それとも悲しみなのか、分からない笑顔を向け、涙を流してる曙が映っていた……そうして俺は……意識を手放した
「………どこだここ」
目が覚めると、そこは夕焼け空に近いような場所だった。足元には霧なのか、スモークなのか分からないふわふわとした物体が広がっていた
???「きたか……」
そう言い、こちらに振り返る男…白髪の髪に、左目に大きく出来てる傷跡、それを隠すように眼帯をしており、赤や青、黄色といった混合している目の中、白いコートに包まれて、横には何か缶バッチの様な物に、『元』という文字に金が入ったとても高そうなものを付けている
「…………誰?」
???「はっはw確かに自己紹介がまだだったねw私は
そう言って、彼は笑った………ん?待て?
「戦場で……散った?」
そのまんまの意味としたら、既に死んでいるということになる…いやでも目の前に確かにその男はいる……
王蛇「言葉通り、私は既に朽ちた身だよwこの体は死ぬ前に、神様という訳分からん男が復元した奴なんだと。正直さっぱりさw」
ごめん、俺もさっぱりだわ
王蛇「そんでもって俺は、ここで管理人をしているんだ……で、私の私情でお前を助けたということになるなw」
し、私情?
「それっていいのか?」
王蛇「ダメに決まってるだろw死ぬはずだった人間を感情論だけで助けるなどwましてや神に仕える身だw神に逆らうと同じだからなw」
ダメやん…
「でも…どうしてそこまで?はっきり言うが、俺とあんたに接点なんてない気がするんだが?」
王蛇「はっはっはwそうだねぇwでも…一つだけ共通点がある」
「何ですか?」
王蛇「我々が、軍人という事だよ」
そうか…戦場で朽ちたって言ってたもんな…
王蛇「この身を滅ぼしてまで守った大日本帝国……あーいや、日本…なのに、今の社会はどうだ?」
「それは…」
王蛇「やれ、上が不正してるだの。やれ、艦娘を駆使して自分だけ高笑いなど……ふざけるなっ」
「っっ……」
彼がそう言い放った瞬間、ピリピリとした風が頬を伝う…それだけでこの人がどれだけすご人なのか俺でもわかる…
王蛇「政治の問題はどうでもいい…問題は艦娘だ。私も提督をしていた。立場は違かったがね…今のように、人の姿をしてはいなかった…」
「軍艦……」
元の姿……軍艦での…司令官……っ
王蛇「その通りだ…気を抜けばすぐに命なんてこの世行きさ…なのに…今の軍人は腐っているっ。自分だけ安全地帯で、艦とは言え、女の子を酷使するっ!男として有るまじき行為!……しかし、私にはそれをどうにかするほどの力など元よりない……」
「………」
王蛇「でも、そこで君を見つけたんだ。艦娘を人間と同じように接し、軍人達に対して反発を起こす君を…」
「なるほどな…」
王蛇「今後、日本は確実に落ちる。深海棲艦という未知の化け物によってな……しかし、君なら、君のその力なら…この状況を覆せるかもしれない」
「俺の…力?」
王蛇「君も薄々気づいているだろう。急に体が軽くなったり、急に力がみなぎってきたり……それは、提督にとって必要不可欠の物なんだ」
「そ、そうなのか?」
王蛇「元々提督という物は戦闘しつつ部下に指令をする…言わば司令塔と役割だったのだよ。ひとつ違うのは、戦場に身を置くか置かないか…それだけの事…でも、提督には不思議な力が備わってる。昔、私達はそれを抗う力…またの名を『オーバーフロー』と…そう呼んでいた」
「オーバーフロー……」
王蛇「絶対的ピンチでも…それを使えこなせれば、チャンスに変わる。ある者は雷のようなジクザクとした歩行と、速度で相手を切り刻み、ある者は、屈強な赤い体で前線を切り開き、またある物は、聡明な策略で相手を騙し、気づかれるまま拠点を奪還した。そんな物が昔、6人いた。」
「なんか……すごい壮大ですね。」
王蛇「嘘だと思うだろう…しかしこれは全て事実…そして、不完全ではあるが…君はそれを使える…一点条件下でだが……」
「俺に……?」
王蛇「……だから、俺は、昔の力をお前に授ける事にしたんだ…お前ならきっと使いこなせる…」
そう言って、右胸についてる缶バッチをこちらに付けてきた
「これは……」
王蛇「餞別さwまだ第一歩を進んだに過ぎないw次会うときは…またお前がレベルアップした時さw」
そう言って、有無も言わさずに肩を押されると、ふわりと落ちる感じがした…否、落ちていた
「ほへ?」
王蛇「精々死ぬなよ……お前がこの日本を変えるんだ。俺の力は……速度だ」
そんな言葉を最後に、俺の視界はまっくらになる………
まだ6話なのにお気に入り登録が30超えそうな件について。
まぁーその分評価付けられてないんで。どっこいですw
それと、展開がよく分からんくなったけど、いい感じに出来たとは思ってる。オリジナル設定だし…ポッタイシ