あ、本編どうぞ
鈴谷「てい……とく…」
あれから数時間、提督は未だに意識を戻していない。ここは病室、そばに居るのは夕立や天龍、時雨といった剣術でお世話になった3人。そして、半分秘書である鈴谷。最近よく出入りするようになった江風と山風、そして、霞と曙であった。曙は深く反省してるのか、ずーっと下を向いたままだった
時雨「なんか……言ったらどうなんだい?」
少しキツめの口調で曙に言う時雨。無理はない。この状況にしたのは間違えもなく曙だ。その事を充分に理解してる曙は握りこぶしを作って、その拳の上には数滴の涙が零れ落ちる。
天龍「…泣いたって意味なんかねぇーぞ」
天龍は駆逐艦にあまり強く言えない性格なので、優しめに言うが、怒りが隠せてるわけではない。あまり怒らない夕立でさえ
夕立「提督さんに何してるっぽい?」
元々数日前までは普通の女の子ぽかった夕立は、少し背が伸び、胸も膨らんでおり、長い金髪の先端は紅くなっていた。後に妖精がこう言葉を漏らす
「改二ズラー」
霞「曙を……責めないでください…わ、私にも非があるから…」
曙の気持ちをちゃんと理解してなかった霞のせめてもの罪滅ぼしなのだろうと。この時の霞は、曙が解体と命令されたら、自分もするつもりでいた。そんな時だった
「んっ……んんっ……」
「「「「!!」」」」
「ふわぁぁっ……んんっ?あれ?ってあのクソじじぃっ!!」
「「「「!?」」」」
「くっそ!言いたいことだけ言って突き落としやがって!次会ったら千切りピーマンにしてやるぞゴラァァ!ってあら?なんでこんなに集まってるの?」
夕立「て……」
「へ?」
夕立「提督ぅぅぅぅ!!」ダキ
「うぼわ!!な、何!?」
いきなり抱きつかれてびっくりしたんだけど……な、何ですか?
時雨「心配……したんだよ?……提督……良かった…本当に……良かった…!」ギュ
時雨が俺の左手に手を合わせると、そのままぎゅっと握り始めた……あー、そう言えや俺死にかけてたな…文字通り三途の川渡りかけてたしな…
山風「パパ……パパァァ!」ダキ
夕立が前にいるか知らんけど後ろから抱きついてきた山風…やめろ。なにがとは言わんが当たってるぞ!なんて今の雰囲気で言えるほど俺はKYじゃないのでされるがままにしておこう…
江風「良かっ……た……本当に……良かった……!」
ポロポロと涙を流してくれる江風…相当心配かけたんだろうな……となると……
鈴谷「でいどぐぅぅ!!無事で良がっだよぉぉぉぉ!!」
涙を滝のように流しながら肩にスリスリしてくる鈴谷…この際何も言わないでおこう。決してこの状態でお前の泣き顔ブッサイクだなぁwなんて言ったら命がまためされる。
天龍「くそ……あんま心配かけんじゃねぇーよ……たくよ……」
そう言いながら目元を隠してる天龍。お前そういう所ほんと可愛いよな。なんて口が裂けても言えない。言ったらまたあのダンディーでハードボイルドなイケイケなおっさんに助けられてしまう。しかし、霞や曙からは嬉しさよりも罪悪感の方が多いいだろう。よし。この提督さんにおまかせあれ!
「さてっと…まだ所々痛むが…心配をかけたな。すまんな」
そう言うと、みんな安心した顔になる…しかしここで際も真面目な鈴谷が話を持ち出してきた。お前さっきまでめちゃくちゃ泣いてたやん。いつキリッとした
鈴谷「……それで提督。この2人は…」
「「っ…」」ピクッ
「うん?……うん。そうだね……それじゃー……伝えるよ」
俺は2人に向き直って、言葉を発する。
「それじゃー…まず、霞から」
霞「っ……は……い……」
相当震えてますね。俺が一体何を命令すると思ってるんだ…まぁー俺はナニを命令した
『だまれ童貞』
(はぁぁっ!?どどど童貞ちゃうし!ただその……大人の階段登ってねぇーだけだし!)
『人はそれを童貞と呼ぶ』
(っっ!!?いいもんいいもん!そんなのなくなって人生楽しいもん!)
『本音は?』
(こんちくしょう羨ましいなコノヤロウ。爆発させっぞ)
『素直でよろしい』
っと…またバカみたいな会話に花を咲かせてしまった…てか俺があっちに飛ばされてる時こいつ全然喋んなかったな…まぁーいいか
「……俺の言う事を1回だけ拒否権なしで何でも言う事を聞くこと。それだけでいいやw」
霞「ふにゃっ!?///」
なんだいその反応は。まるで俺が変なこと言ったみたいじゃないか。ん?なしてみんなそんなに俺を見るの?へ?俺本当になにかおかしなこと言いました?なんで無言で見てるの?普通に怖いんだけど…
「……異論はないな?w」
霞「は……はひっ…///」
「よろしいw」
何故か下を向いて耳を真っ赤にしてる霞。何を想像しているのだろうか…別によくあるエロ同人みたいな事はしないさ。きっとおそらく。
『する気だろお主』
(ぶっちゃけ肩たたきとか、飯作るとか、そういう系しか考えてなかった)
『変な所で欲がないのなお主…』
(命令してまでシたいとは思わないしな。だいたいそれをしちまったら前任の同じ事してる様なものだ。)
『……ふっwそうかいw』
「んじゃー次、曙な」
っと、そう言うと曙が下げていた頭を思いっきり上げる。ふむ。しっかり自分が何をしたのか、どれぐらいの事をしたのかってのは分かってるらしい。それに反省の色も見える…もう何言われてもそれを受け入れると顔が語ってる……なーんかなぁ……これで罰出すとか俺罪悪感しかないんだけど……いや!心を鬼にするんだ!よし!
「曙…自分が何をしたか…分かってるかい?」
曙「っっ!……はい…わかってます……」
「それならもちろん…どんな罰も受け入れるね?」
そう言うと、曙の顔が真っ青になった。やめて!そんな顔しないで!別にとんでもない罰とか出さないから!
曙「………は……い…っ……どんな……罰でも……受け入れます…」
っと、覚悟を決めた顔と、涙ぐんだ瞳。……俺完全悪じゃん
『実際、傍から見たら小さい子を脅してる変質者にしか見えないぞ』
(余計な事言うなジジィッ!その光景が頭の中に流れてきて心折れそうになったわ!)
『実際…ほかの面々は優しく見守っておる。自分が思った事をそのまま述べるのが吉じゃな』
(……んなもん、言われなくても分かってるよ)
俺は深くため息をついて、曙の目をじっくり見すえる。俺の場合、数秒程度だと思うが、曙にとってその時間はあまりにも長い時間なんだろうな。俺だってわかる。小学生の頃、万引きして捕まった時、親の説教してる時に目を見られた時、本当に長い時間だと思ったから
「…曙、辛かったか?」
曙「はっ………へ?」
何故か素っ頓狂な声が聞こえた。あれ?何故だ?
曙「えっ……え?」キョロキョロ
曙が周りを確認するようにしてるので、俺も周りを確認してみる。鈴谷は口元に手を当ててクスクス笑ってるし、時雨、夕立、江風や山風は何故かニコニコしてて、天龍はニカッと笑っていた。霞に関しては胸に手を当ててニコニコ笑ってた。なんだコイツら。気持ち悪
『おい、気持ち悪いとか思うなよw』
(いやだって何この状況。気持ち悪いやん)
『それだけお前の返答が意味不明ってことじゃなw』
(酷い…)
っと…今は曙の件だな
「で…だ。辛かったのか?」
曙「えっ……えと……」
「………別に怒ってなんかないよw曙は確かに上司である俺を殴って…殺そうとした。」
曙「っ!」
「…でも、ちゃんと理由があるんだろ?」
曙「!!」
「……話してくれないかな?俺さ、要領わりぃーから話してくれなきゃ分からないんだよw……だからさ、曙がなんでそうしたかったか…そうしなきゃ行けなかったのか…話してくれないかな?それを聞いた上で…ちゃんとした対応をするからさw」
そう言うと、曙がパァァっと風にも当たったかのような晴れた顔になったかと思うと、ゆっくりと言葉を紡いでいった
曙「……私…さ…怖かったのよ…一部のみんなが…あんたに…ついて行くのがさ…」
「……」
曙「提督なんて生き物は…自分中心的で…欲望的で…頑固で…なんでも自分が優先に考えてて…そんな人間に…私の仲間が…友達が…親友が……ついて行って……いつ壊されるんじゃないかって…いつ殺されるんじゃないかって……いつ……捨てられるんじゃないかって……怖くて…恐くて……」
「………」
曙「それで……私が助けなきゃって…みんなあいつに騙されてるんだって……だから代わりに私がみんなを救おうって……でも……違った」
「…」
曙「あの時…霞に銃口を向けられて分かった……理解しようとしてなかったのは私なんだって……今までがそうだったように…今回の提督もって…勝手に決めつけて…勝手に暴走して……それで……」
「………もういい」ギュッ
曙「………ふぇ?」
俺は優しく、それでも強く抱きしめて、曙の頭を撫でていく。
「もういいんだ…もう分かった……確かに…俺も曙に余り関わらなったのも悪かった…俺の悪い癖だ。相手から接してこなければ、接さない…今回それが、曙の不安を爆発させてしまった……本当にすまない…」ギュッ
曙「……ちがう……よ……全部私が……私がいけなくて…全部私が…「ならさ!」……え?」
「この件はお互いに半分こにしようぜ!w」
曙「っ!!」
「俺が曙にもっとコンタクトを取らなかったのが悪かった。そして曙は、決めつけて行動してしまった…形は違えど、お互い、相手のことを知ろうとしなかった。なら半分こにして、それを解消してけばいいんだよw」
曙「……私を……許してくれるの?」
「許すも何も、俺は最初っから曙に対して怒ってはいないよ。曙はあの手しか思いつかなかった…みんなを守るためにはね…でもね、それをするだけで曙は立派なんだ」
曙「私が……立派……?」
「あぁw俺なんて見てみろ。ろくに何も考えないで行き当たりばったりで行動して、んで、異常事態になったらその場で考える…曙は今後の皆の未来も考えて実行した。それは、誰もできるとは思うが…実はそうではない。曙のが皆を本当に思っているからこそ出来た…曙にしか出来ない強さなんだ」
曙「!!」
「……だから…本当にすまない…俺は曙の事を何も知らなかった…曙はみんなの事を思って行動してくれたのに…俺は曙の事を思って行動しようとも思ってなかった。それは皆にも言える事だ。事件が起きてから俺は動いた…それじゃダメなんだって曙のおかげで気づけた。本当に…ありがとな」ナデナデ
俺は抱きしめながら、頭を撫でる。ぶっちゃけ提督嫌い人間にこんな事したらんなもんDOTAMAがポーンっ!って行くと思うが、そうなったら…まぁードンマイだ
曙「…私…あんたを殺そうとしたのよ…?」
「それが、曙が考えた最善の策だったんだろ?…良く考えたね」ナデナデ
曙「みんなに…迷惑……かけたんだよ?」
「それはこれから返していけばいいんだよw迷惑をかけたらそれ以上の働きを示す。ここではそうなのだろう?w」ナデナデ
曙「………わ……たし……は……」ギュッ
「……もう、一人で抱え込まなくていいんだよ」ナデナデ
曙「!!」
「ここにいる艦娘の悪い癖だ。なんでも1人で抱え込む癖がある。そうならない為の仲間、提督なのにな…まぁーその提督が1番そういう原因にさせたんだけどよ……俺もあまり人の事は言えねぇーけどよ…………信じろとまでは言わねぇーよ…ただ……相談には乗れるからよ…1人であんまり抱え込むなよ」
曙「っ!」
「俺がここの提督になったからには、ここにいる皆の命を守る義務ってのがある。一人もかけさせやしない。曙、お前もその中にちゃんと含まれてるんだからな?」
曙「っ!!」
「あまりかかろうとしなかったけど……過去は変えられなくても…未来は…変えられるだろ?だから…さ、俺に最後のチャンスをくれないかな?曙と仲良くなれるチャンスを…さw」
曙「……さいっ」ムギュッ
「おわっちょっ……急になんだよ?」
曙「責任……ちゃんととりなさいよ?///」ムギュッ
「……あぁw絶対に守る。それじゃー曙。お前に罰を言い渡す」
曙「……うん」
「一週間、俺の秘書として任務をまっとうしてくれ。……できるかな?w」
曙「………♪…任せなさい!あんたが口だけじゃない人間だと!私に証明しなさい!」
「……ふっwお手柔らかに頼むよw曙」
曙「覚悟してなさいよ!……クソ提督♪」
2度目になるけど…本当にお待たせしましたァァっ!約2ヶ月投稿しないとかあほんだらの極みでごわす!!…はい。てことでこれからはこういう感じの更新ペースですよっと。あ、文章が駄文極まりないって?しょうがにゃいにゃー。駄文極まりないってタグつけるかぁ?………付けないけど
とりま本当にお待たせしました。ゆるちてね。てへっ☆
あ、今のセリフで殺されそう。逃げよっ