それは今よりずっと小さい頃の記憶。
子供が遊ぶ場所なんて友達の家か公園か山しか無いような田舎に住んでたある雪の振り積もった頃。
公園で友達と雪合戦や雪だるま作りなどの雪遊びをしていて雪鬼ごっこで隠れる場所を探す為に茂みを掻き分けていた時にその子と出会った。
田舎と言えども珍しく青い着物を着た黒髪の女の子。少なくとも自分はそんな珍しい女の子をこの町で見た覚え無かった。
女の子は突然目の前に現れた自分に驚いてオロオロしている。
「遊ばないの?」と聞くとか細い声で「友達が居ないから」と答える。
「1人?」と聞くと小さく「うん」と肯定する。
『そっか。じゃあ一緒に俺らと遊ぼうよ。そしたら俺ら友達だし1人じゃないぜ。』
女の子は小さく驚き、続いて顔を赤くしてモジモジしたまま俯き小さく「うん」と答える。
それを焦れったく思いつつ女の子の手を引っ張り茂みから「ちょっとタイム〜」と言いながら出て女の子を新たに遊び仲間に加える。
それから女の子を交え、雪鬼ごっこなどの遊びに興じた。
それから場面は変わり雪が溶け始めた季節。父の仕事の都合で引っ越すことになり、生まれ育った地を離れる日。
女の子と二人っきりで会っていた。
『別れたくないよ…せっかく友達になってくれたのに』
『俺も嫌だよ…けど父さんの仕事だから仕方ないよ…子供の俺にはどうにもできない』
『…うん』
『だから約束しよ。いつか□□□□□って』
女の子は驚き、泣きながらも「うん!」と頷く。
そして懐から青い綺麗な石がはめられた首飾りを取り出し自分に手渡す。
『御守り。〇〇〇を守ってくれるようにって頑張って作ったの。〇〇〇が約束を守れるようにずっと持っていて。』
それを受け取り首に下げる。とても綺麗で身に付けていると離れていても女の子が傍に居てくれるような不思議な感じがしてくる。
ありがとうと告げると女の子ははにかんで笑って「どういたしまして!」と返した。
その時女の子が見せた笑顔はなぜだか鮮明に思い出せないながらもとても可愛いらしく、胸がドキドキした事は覚えている。
そんな幼い頃の思い出
◇◇◇
………わ。…い…わ。
…うーん、うるさいなぁ…。さみぃ…。
……んか、……かわ。
だからうるさいってば…。
「起きんか
「っいだあぁ!?なに!?何事!?」
冬の乾燥した空気にスパーンと小気味よい音が怒号と共に鳴り、脳天を衝撃が襲い朧気だった意識が一瞬で現実に引き戻される。
状況が分からないまま情報を得ようと目をあちこちに走らせると自分の右側に立つ存在に気付く。
そこにはおそらく自分の脳天を襲った衝撃の正体であろう出席簿を片手に引きつった笑みを浮かべる我らが鬼軍曹こと日本史担当且つ我らがクラスの担任の
「ホームルームが始まってるのに居眠りとはエラく度胸あるなぁ〜逢川?そんなにも先生の大切な話が聞きたくないかね?」
「い、いえ。滅相もございません…」
クスクスと周りが俺の失態を見て笑うのを尻目に「たっく、ちゃんと起きとけよ?」と言いながら教壇へ戻りホームルームを始める岸尾先生と静かに座る俺。
(にしてもエラく懐かしい夢を見た…気がするなぁ。たぶん。)
「えーと?なんか誰かさんのせいで出鼻をくじかれたが今日まず皆に良い知らせがある。なんとこのクラスに転校生が来るぞ。」
おー。クラスのあちこちから感嘆の声が聞こえる。かく言う俺もそれに釣られ感嘆の声が漏れ、興味が出てくる。
「センセーイ。転校生は女の子ですかー?それとも野郎っスかー?」
と男子の1人が手を上げて質問する。
「まぁ、すぐ分かる。って事で入ってきていいぞ」
先生がそう声を入口に声を掛けると「失礼します」と鈴の鳴るような綺麗な声と共にガラガラと音をたてて転校生が入ってくる。
色白の肌に整った顔立ち。自信を持った微笑みを浮かべ胸元くらいまである白髪をなびかせた綺麗な女の子。
学校の制服である黒いブレザーの内に学校指定のベージュのスクールセーターを着込み黒のミニスカートと黒のニーハイの間の絶対領域が眩しい。
そのまま黒板の前まで来て黒板に綺麗な字で自分の名前を書いて前に向き直る。
「
転校生は一体どんな子なんだろうね〜?(棒)