2025/9/17 修正
伊織さんに聞いてみた。
・8代目ってどんな人?
そうですね、メリハリがよく付いている方かと。よく遊びよく鍛錬しよく寝ています。まあ遊び過ぎていますが。
それでも剣と生き残ることに関してはとても真面目な方ですよ。あの方、他人を助けるのにも自分が生き残るという前提があるほどですから。とにかく自分の命第一なんです。
あの方が自分の命を考えないときは、よほど大切なものを守る時なのでは?
注)煉獄さんの口調など頑張って考えましたが多分、煉獄さん好きな方にとっては受け入れられないかもしれません。私の力不足です。すいません
武蔵殿があそこまで焦っているのを見たのは初めてだった。
しかし、それ以上に足手纏いと思われてしまった事実が、重く肩にのしかかる。
確かに列車と同化した鬼の最後の足掻きによりかなり消耗してしまい、その後急襲してきた上弦の参と戦った時に軽傷とは言えない程に負傷した。
それでも共に戦えると思い昂ぶっていた己がいた。
だが現実は非情だ。
武蔵殿にも自分一人の方がいいと言われ俺は逃げに徹することになった。
彼女の決意を無駄にしない為にも、悔しさを無視し乗客の人々の救助へ向かう。
竈門少年を手早く拾い上げ、横転した列車の入り口を壊していると、竈門少年が何か切羽詰まった様子でこちらへ叫んできた。
「待ってください!煉獄さん、武蔵さんを…助けないと!」
「先に乗客の人々の救助をする!それに竈門少年では足手纏いだ!無論俺もだ!だが心配するな!武蔵殿は何があっても生き残ると豪語していたからな!今回もきっと…」
「違うんです!武蔵さんから
「何⁉︎」
竈門少年の言葉に、思わず手が止まってしまう。
嘘の匂い…ということは、どこかで嘘をついていた事がわかったのだろうか。
「武蔵さんが、生き残るって言ってた時に、嘘の匂いと、同時に強い決意の匂いがしたんです!きっと、武蔵さん…」
「むぅ…だが最優先させるべきは乗客の救助と君たちを場所に避難させる事だ!俺は武蔵殿を信じる!きっと俺が戻るまで耐えてくれるとな!
案ずるな!武蔵殿はきっと俺が助ける!教えてくれてありがとう竈門少年!」
そうと分かれば早く武蔵殿の助太刀に行かねば!
「竈門少年!匂いで乗客のいる場所を教えてくれ!君は動くと致命傷になるからな!
「は、はい!」
「うおお!まかセロォ!」
むむっ、思った以上に時間がかかってしまった。一番近場の村に避難は終わった。早く武蔵殿の所へ加勢に行かなければ。
「皆はここで待機だ!それと鎹鴉を二天屋敷と蝶屋敷へ飛ばしてくれ!宮本武蔵殿が危ういとな!では!炎の呼吸・壱ノ型『不知火』!」
全力で武蔵殿の元へ駆け、1分と経たずに武蔵殿のいた場所が見えてくる。
轟音が鳴り響いているということはまだ戦っているということ。
音の出所へ向かい、再度壱ノ形で加速する。すぐに武蔵殿を視界に捉えることができたが、扇を持つ鬼に攻撃をされかけていた。
「炎の呼吸・弐ノ型『昇り炎天』!」
武蔵殿と鬼の間に強引に割って入り上弦の弐の手首を斬り落とし、武蔵殿と共に最大限距離を取る。
「武蔵殿!生きているようで安心した!」
「むむっ!あの柱も帰ってきたぞ!これは殺すチャンスじゃないか!なあ猗窩座殿!さっきまで2対1は卑怯だからと攻撃を俺にだけ任せてたけど、これでようやく2対2で対等だね!頑張ろう!」
「黙れ」
「…っ!杏寿朗、なんで戻ってきたのよ…ゲホッ」
武蔵殿は明らかに重傷を負っている。血を吐き、右眼辺りに氷が付着し、武蔵殿の特徴でもある青い道着も赤く染みていた。左腕も少々変な歪み方をしているように見える。
「竈門少年がな!武蔵殿からの匂いがすると教えてもらった!だから戻ってきた!貴女を死なせるわけにはいかないからな!俺に愛を伝えておいて先に死ぬなど俺は許さん!」
そう伝えると余計に武蔵殿の顔が赤くなった。むう、余計体調を悪くしてしまったか?
「ふー。まあ来たのはしょうがないわ。どうせ戻ってくるでしょうね、とは思ってましたから。…せっかくいい雰囲気だけど、まずは目の前の鬼を滅殺しましょう。
そう告げられ、窮地にも関わらず、昂る己がいた。
あの宮本武蔵に、認めて貰えたと感じずにいられなかった。
「うむ!もちろんだ!武蔵殿は殺させはしない!貴女も守ってみせよう!」
「守るのは私だったはずなんだけどね…ゲホッ!がほっ…」
「む!大丈夫か!」
さっき血を吐いていて、また血を吐いた。内臓を痛めているのか?
「ゲホッゴホッ…大丈夫よ。…ふぅ。さて、一つ聞きます炎柱・煉獄杏寿郎。
私に命を預けることが出来ますか?」
「無論!元よりそのつもりだ!それに、だ。かの宮本武蔵と肩を並べて戦えるというのは素晴らしいことだ!特に俺は貴女を心の底から尊敬している!柱は皆を尊敬しているがその中で1、2を争うくらいにな!」
思ったことをそのまま伝えると余計に顔が赤くなる。む、やはり血鬼術をかけられている?
「それくらいにしておきなよぉ。その子、悶えて死んじゃうぜ?」
「杏寿朗、気が変わったか。鬼になる気になったか?ならその女など放っておいてこっちに来い」
「断る!それに俺は君たちが嫌いだからな!…さて少しは回復できたか?武蔵殿」
「ええ、ゲホッ。しのぶから貰った鎮痛剤が効き始めたからいけるわ。シノエに貰った
とっておき?シノエとは確か新たに柱になった少年の名だな。もう仲良くなったのか!
「鬼にならないならお前も殺す。柱を二人も葬ったならばあのお方も喜んでくださるだろう」
「さあさあ!いくぜ俺と猗窩座殿の息のあった攻撃!武蔵、君ももうちょっとは頑張ってくれよ!まだ見せてない型もあるだろう!型が4つなんて少なすぎるからね!もっと俺を楽しませてくれよ!」
「杏寿朗は上弦の弐ををお願い。私は参をやる」
「承った!」
「ありがと。あの鬼の出す冷気を吸わない事にだけ注意してね。…絶対に、死なないでね」
「承知した!俺は!俺の責務を全うするとしよう!では…参る!」
上弦の弐へ、一呼吸で距離を詰め、頸を狙うが…のらりくらりとよけられる。
「炎の呼吸・肆ノ型【盛炎のうねり】!」
「わあ!炎の呼吸の使い手は初めてだ!楽しませてくれよ!」
渦を巻くように剣撃を叩き込む。上弦の弐は少し驚いた表情を見せただけで氷のようなもので壁を作られた。
それを叩き割ると急に壁が瓦解し細やかな氷となった。
とっさに壱ノ型を真後ろに向けて使い、吸うのを回避する。
「まだまだいくよぉ!そーれ!血鬼術・粉吹雪!」
「炎の呼吸・伍ノ型【炎虎】!」
血の吹雪を繰り出してきたので、伍ノ型で相殺する。
「二天の呼吸・肆ノ型クズシ【阿修羅ノ舞・暴風】」
「お!すごいすごい!味方の邪魔をせずに、的確に俺の血鬼術だけを吹き飛ばしたね!いやー本当にすごい!」
押されかけたところで、武蔵殿が血鬼術を吹き飛ばし救ってくれた。
武蔵殿が此方にきたということは上弦の参は…。
もしや倒したのか!
「むー猗窩座殿は何してるんだい。もしや俺と共に戦ってくれるのかな。それとも、まだ武蔵が女だから戦いたくないって言ってるのかなぁ?おーい!猗窩座殿!」
「無駄よ。あいつ今頃夢見てるんじゃない?」
上弦の参をみると頸を斬られていたわけではなかった。
しかし、様子がおかしい。拳を振るってはいるが何もいないところに振っていて、一人で戦闘を起こしてる?みたいで、時々足がもつれている。
「むむっ、もしや毒かい?でも、普通の毒はあんな風にはならないと思うけどなぁ。どんな毒を使ったんだい?」
「教えるとでも思う?ゲホッ…はーぁ、こうしなきゃならない自分に腹がたつ。かっこよくお前ら全員の頸を斬れたらいいんだけどね」
「無理はするな武蔵殿!俺がきた時より傷が深くなってるのがわかるぞ!」
「むしろ良い方よ。あの鬼、なぜか私を本気で殺そうとしないのよね。ずっと避けてばーっかりで。ゴホッ…」
「あーあー…痛いよね、苦しいよね。俺の血鬼術で肺胞がそこそこ死んでるはずだから息をするのも辛いよね!血が肺に入ってゴロゴロしてる音がするよ。だから…俺が救済してあげるよ!」
「はっ、看取られるならお前じゃなくてお館様に頼むわ変態鬼が。誰がお前なんかに。
…杏寿朗、ちょっとだけ、1分だけ時間稼いでくれない?なんなら倒してくれてもいいんだけど」
「承知した!任されよ!」
武蔵殿がそういうからには一撃必殺の型があるのだろう。ならばそれを信じて時間を稼ぐだけ!
「じゃあ、任せたよ。杏寿朗」
武蔵殿が納刀し仁王立ちをしたのを見て上弦の弐に攻撃を仕掛ける。
まずは壱ノ型『不知火』で距離を詰めると同時に肆ノ型『盛炎のうねり』で追撃する。
「1分だね!ならその間に倒すよ!頑張るぞお!」
「させん!お前は俺が倒す!」
そう意気込んだものの、あと一歩が届かない。素の身体能力が柱の皆と比べても格段に上である事も起因しているだろうが、なによりも氷の粉を散布し、着実に動ける場所を無くしてくるのが厄介だった。
「なら…纏めて抉るだけ!炎の呼吸・奥義…」
「む?その気迫はちょっとまずいかも…。猗窩座殿ー!早くこっちを手伝ってくれよー!」
上弦の参は意識を取り戻しかけている。先にやらねばこちらがやられる。
「玖ノ型【煉獄】!」
「あーーもう!血鬼術・冬ざれ氷柱!」
灼熱の業火のように猛進し、上弦の弐に迫る。
氷柱が落ちてくるがそれを意に介さず、多少傷を負おうとも必ず斬る!
鬼は血鬼術で止まらなかったのが意外だったのか少し初動が遅れていた。
「破壊殺・乱式」
だが、届く直前に横から衝撃派が体を叩いた。
これは上弦の参か!くそ、あと僅か…だったのに。
「が…」
受け身が取れず背中から岩に激突してしまう。肺の中の空気が一気に出たような感覚になり、息が一瞬できなくなる。
「猗窩座殿!いいタイミングだったよ!ありがとー!危うく斬られるところだったぜ!」
「はぁ…くそ。変な毒だった」
「はぁ、はぁ…」
「宮本武蔵の方はどうしたんだい?」
「……」
武蔵殿の方になんとか首を回し見ると、仁王立ちしているのは変わりない。だが明らかに傷がより深くなっている。頭からも血を流し、生気が感じられない。まさか……
「貴様ぁ!」
「勘違いするな杏寿朗。俺は…」
「おいおい待ってくれよ!あの宮本武蔵を追い詰めてたのは俺の血鬼術だぜ!偶々猗窩座殿がトドメを刺しただけだよ!猗窩座殿の手柄みたいにするのはやめてくれよ!」
「トドメなど刺していない。そもそも俺は……」
怒りで体を無理やり起こそうとするも上手く動かない。
脚をやられたせいか。
だが!
「ものはついでだ!君に逃げられても困るし脚を凍らせておこうか!」
「やめろ。それでは意味がない」
「えー?意味って?」
「ぐぅ…!」
脚を無理やり動かそうとすると出血が酷くなる。
「だが…武蔵殿を殺した罪は!ここで償ってもらわなければ困る!」
そうだ、俺のせいで武蔵殿は死んでしまったも同然だ。だからこそ…
「何を言っている?弱いのが悪い。戦国の世から我ら鬼を脅かした一族と聞いているが…あれでは拍子抜けだ」
「あそこまでしたのは俺の血鬼術のお陰だけどね!ちょっとめんどくさかったけど本気の宮本武蔵は中々強かったよ!今まで戦った柱の中で一番だ!でも死んでしまったね!これは次の宮本武蔵に期待するしかないな!」
俺のことなど気にせず二匹の鬼は喋り続ける。二匹にとって俺はもうすでに脅威ではない、ということか。
それでも、ここで鬼を討ち取らねば…武蔵殿の家族に合わせる顔がないではないか!
「まあまあ猗窩座殿!喧嘩する前に先に柱は確実に殺しておこう!」
「それだけには賛成してやる。杏寿朗、これが最後だ。鬼になると言え。そうすればお前は生き残れ、剣技を極めれる」
上弦の参は再度俺に鬼になれと言ってくる。
だが答えなど決まっている。
「断る…!俺は、鬼にはならない!」
「そうか、ならば…死ね」
目の前まで上弦の参が迫ってくる、刀を振るおうとすると腕が凍った。上弦の弐の血鬼術か。万事休す…か。
「二天の呼吸・
その瞬間だ。急に鬼2匹が袈裟斬りにされた。頸は間一髪繋がり、切り落とすには至ってないが、それでも体を真っ二つに斬り裂いた。
「たっく…誰が死んでるって?死にかけに間違い無いけど。にしても…陸ノ型すら僅かに逸らされた。逆八文字にした後に頸をぶった斬る技なのに…。しかも、片腕がもう使い物にならないじゃないの。はーぁ、ほんとうに……。で、杏寿朗は…大丈夫そうね。よかった…」
「う、うむ!俺は良いが…武蔵殿はもう動いてはダメだ!」
それは死んだと思っていた武蔵殿だった。だが、どう見ても死にかけだった。
文字通り死ぬ気で鬼を斬ってくれたが、その鬼はもう回復しつつあるというのに。
「武蔵殿!早く逃げるんだ!」
「大丈夫よ。もうどちらにしろ終わりだから」
「それは?」
「刀に毒を仕込んどいたのと、そもそもの話、鬼どもはもう私たちに構ってる余裕なんてないわよ」
手の氷を砕いてくれて鬼が回復してるのに目もくれず武蔵殿が指したのは東の方角の空。そこには、僅かに陽の光が見えてきていた。
「わあやばいよ不味いよ!早く逃げなきゃ猗窩座殿!」
「黙れ!わかっている!」
鬼二匹は陽の光に当たらない場所へ焦って逃げ出した。鬼を狩れなかったのは非常に不本意だが…。
「ゲホッ……。クハッ、人間をなめるなよ、バケモノ。お前たちがどんなに強かろうが、
とても通る声で、大きな声で逃げてる鬼に聞こえるように、言い放つ。それと同時に夜が明ける。
「……」
「武蔵殿!」
武蔵殿が倒れたのもまた、同時だった。当たり前だ。あんな状態で立っていたことの方が奇跡だ。
「絶対に死なせはせん!待ってろ!すぐに蝶屋敷に連れて行くからな!」
最低限の止血を施し、背負って蝶屋敷へ向けて走った。
どうか生きてくれ!
大正コソコソ噂話
上弦の参に使った毒はダチュラという植物の花だよ。
ある火星に行く漫画を見てる方にとってはチョウセンアサガオの方が聞き覚えがあると思うよ。
本当は武蔵ちゃん死亡ルートをこの作者は最初に作ってたよ。
でも煉獄さんと関わらせたことで何とか強引に生き残れないかな、と模索してたよ。
リメイクするなら
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今ある話を直に修正していく
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新しく一から作り直す
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やる必要ない
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