魔王の妖精聖母は迷宮の奥底へ   作:迷走中

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TSロリ物に挑戦しました。


※ 先に同人エロRPG【妖精王女 ~白濁の泉に沈む】は、存在しません。
主人公の容姿の元ネタ。プレイ内容の元ネタなどはあります。
誤解を生む書き方をして、すみませんでした( ノ;_ _)ノ


プロローグ

神ヘスティアが、ソレに気づいたのは偶然が重なった結果だった。

 

アルバイト先の店長が風邪で仕事を休むことになり、人手が減り、その日共にシフトに入っていたアルバイトが腹痛で動けなくなり、ヘスティアが見かねて後片付けを「今日は僕に任せろ」と告げて一人で行った。

ヘスティアがアルバイト先の露店の片付けを終えた時には周りはすっかり暗くなっていた。

 

ヘスティアは、速く家に帰るために普段は使わない近道を使った。

そして、声が聞こえた。

 

「誰だい?」

 

ヘスティアは、立ち止まり周囲を見渡して、細い路地の暗がりから見える虹色に輝く何かを見つけ近づき、

 

「――ッ」

 

声にならない悲鳴をあげた。

そこに倒れていたのは、鎖で全身を拘束され、酷い暴行を受けたことが一目で分かる虹色の髪の幼いエルフの少女だった。

 

「し、しっかりしろ、君!!」

 

ヘスティアは慌てて少女に近づき、汚されきった少女を自分が汚れることを厭わず、しっかりと抱き締めると我慢していた涙が溢れ出た。

 

光を失った瞳、人形のように動かない少女、辛うじて呼吸をしている。

更に少女を抱き抱えて分かったことがあった。

 

「こ、この子……っ」

 

少女の腹部が萎んだ風船のようだったのだ。

処女神であるヘスティアの乏しい性知識でもそれの意味することは分かった。

周囲を見渡して、自分達以外に誰かいないか確認するが、誰もいない。いや、何もなかった。

 

「だっ、―――ッ」

 

咄嗟に助けを呼ぼうとして、ヘスティアは奥歯を噛み締めた。

この状況で人を呼べば、この子が晒し者になる。

ヘスティアは少女を抱き抱えて、その場から走り出した。

 

信頼できる神友の下へ。

 

 

▼△▼△

 

 

「終わったぞヘスティア」

「ミアハ、あの子の容態は?」

「命に別状はない。平均的なエルフの肉体に比べればかなり肉体が頑丈だ」

「そ、そうか」

 

神ミアハの言葉に、ヘスティアは安堵の息を漏らした。

 

「身体の傷の方は問題ない。だが、やはりあの少女は出産した形跡がある」

「―――ッ、そうかやっぱり」

「……赤ん坊は近くに居なかったのだな?」

「あ、あぁ、そのはずだ。薄暗かったけど。な、泣き声も聞こえなかった」

 

ヘスティアの言葉にミアハは念のためだと呟き、治療を手伝ってもらっていた眷属に声をかける。

 

「ナァーザ」

「はい」

「ヘスティアを着替えさせたら、確認に行ってくれ」

「分かりました」

「ヘスティアは案内を頼む。それと着替えを貸す。その格好では誤解を招く」

 

ミアハの言葉に、ヘスティアは自分の姿がかなり酷いことになっていることに気づいた。

 

「分かった。着替えありがとう。それと治療費用だけど」

「状況が状況だ。待つさ」

「ミアハ様」

「他人事ではない。治安のよい地区で発見されたのだ。何処からか彼女を運んで放置されたとしても、確実にギルドの案件だ。治安に関わっているガネーシャにも教えなければならない。第二の被害者が出る可能性がある」

 

眷属の責める声に、ミアハは冷静に答えた。

こうして、虹色の髪を持つエルフはヘスティアとミアハに救われた。

 

翌日、報告を聞いたガネーシャとガネーシャ・ファミリアの団長シャクティ・ヴァルマは事情を聞き、憤りを露にした。

 

そして、五日後。

 

「ここは?」

 

本来、この世界に存在しないはずの少女の肉体に宿った彼が目を覚ました。

 

 

 


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