けものフレンズ2after☆かばんRestart 作:土玉満
名前:かばんさん
けものフレンズにおいて主人公を務め、けものフレンズ2では成長した姿で登場したヒトのフレンズ。
黒いジャケットを身にまとい、研究仲間のアフリカオオコノハズクの博士とワシミミズクの助手とサンドスターやセルリウム、ビーストなどについて研究していた。
本作ではその後、活動を続ける海底火山に対処する為活動しているようだが、果たして…。
第1話 『ともえ』
暗い廃墟の中から響くガチャガチャと何かを弄る音。そこはかつてキュルルが眠っていた謎の施設だった。
(場面を背景にスタッフロールが現れては消えていく)
左腕につけたボスウォッチが懐中電灯のように光っている中、何かの作業をしているのはかばんさんである。
「ラッキーさん、これでどうかな?」
「使えるパーツ、沢山アッタネ。コレナラいけるカモ。」
「まだ奥の方に使えそうな部品が残ってそうだから少し見てみようか。」
「沢山アッタ方がイイカラネ。」
腕につけたボスウォッチから発せられる機械音声と会話しながらかばんさんは暗い廃墟を単身奥へと歩みを進める。
やがて何かの大きな機械の前にたどり着く。
「大きいね。これは何かな?」
「データベースには該当ナイネ。」
機械の手がかりを求めて光をあちこち照らしてみるかばんさん。
やがて何か文字のようなものが描かれた場所を見つけるも、かすれていてよく読めない。
手書きで書いたらしい文字はかろうじて読める部分が残っていて、そこには『to Moe』と書かれていた。
「と・もえ?」
それをかばんさんが読み上げた瞬間に機械がビー!と音を立てて稼働する。
『パスコード、オンセイ、ニュウリョクカクニン。ニュウリョクシャ、ザンテイパークガイド〝カバン”。カクセイプロセス、カイシ』(この機械音声はラッキーさんとは別な声でお願いします)
大きく飛び退って身構えるかばんさん。緊張が走る。
そして機械がブシュー!と音を立てて開くと、キラキラと光るサンドスターの輝きが漏れてきてその中には一人の女の子がスヤスヤと寝息を立てながら眠っていた。
慎重に近づくかばんさん。どんな危険があるかわからない。何が起きても驚くまい、と心の準備をして慎重に女の子に近づいていく。
すると、女の子の口から…
「むにゃむにゃ……もう食べられないよぉー…」
という寝言が聞こえてきて緊張が抜けて脱力しちゃうかばんさん。
そこにボスウォッチが
「かばん。この子モ、ヒトダヨ。」
と語り掛ける。
少しの驚きの表情を浮かべるかばんさん。それもそのはず、このジャパリパークはヒトが去って久しく今は動物達が変化したアニマルガール、フレンズ達が暮らす土地となっていたからだ。
かばん自身も自分以外のヒトと出会うのはこれが二度目の経験だ。
「ねえ、キミ、起きられる?」
そっと女の子の肩をゆすると、女の子の目がゆっくりと開いて…パチリ、と目が覚めた様子。
んーっ!と大きく伸びをする女の子。
やがて女の子はその様子を見守るかばんさんの存在に気が付く。
「あっ、ご、ごめんなさい。人がいるだなんて気づかなくて…おはようございます。」
ときちんと挨拶する。
「ううん、こちらこそ急に起こしてごめんね。私の名前はかばん。キミの名前を聞いてもいいかな?」
自身の胸に手をあてて、極力ゆっくりと語り掛けるかばんさん。きちんと膝を折って女の子に視線をあわせて優しく微笑みかける。
「名前…えーっと…あれ?あれれ?どうしよう!?アタシ何も思い出せないよ!?」
と、女の子は慌てはじめる。
「大丈夫だよ。落ち着いてね。平気だからね。」
女の子の反応を待ってからゆっくりと語り掛けるかばんさん。
その様子に女の子も段々と落ち着きを取り戻していく。
「うん。ええっと、お姉さんはかばんお姉さんって言うんだっけ?かばんってコレの事?」と自分の後ろにあった肩掛けカバンを差し出してみる。
「うん、そうだよ。ほら、私のは背中のかばん。この名前はね。私の大切な友達がつけてくれた名前なんだ。」
「へえー。ステキな名前だね。」
「うん、ありがとう。」
そして二人は微笑みあう。
「ねえ?キミのかばんの中には何か入ってるのかな?キミが誰なのかわかる手がかりがあるかもしれないよ?」とたずねるかばんさん。
「あ、ちょっと待ってね。えーっとこれって…フレンズ図鑑…?」
女の子が自身の肩掛け鞄から中身を取り出すとそこにはリングファイル式の古ぼけた図鑑が一冊と筆記用具が入っていた。
「ねえ、その図鑑に書いてあるのキミの名前じゃないかな?」
とカメラがそこに移って表紙の下の方に『と もえ』と掠れた文字が書かれた部分を映し出す。
「ともえちゃん、でいいのかな。」
「うん…。そう…なのかなあ?」
「キミの入っていたこのカプセルみたいなのの外にも、『ともえ』って読める文字が書かれてたから多分そうだと思うよ。」
「そっか。かばんお姉さんが言うんだしそうだよね。」
うん、と頷く女の子。
「じゃあ、アタシはともえ。かばんお姉さんあらためてはじめまして。」
「はい、はじめまして。ともえちゃんの名前もステキだよ。」
「うん!ありがとう!」
そして二人はお互いにふふ、と笑みを漏らす。
「じゃあ、一緒に外へ行こうか。ともえちゃん、歩ける?」
「うん、大丈夫!」
「暗いから足元に気を付けてね。」
そして二人は手を繋いで外へと向かう。
「この先はちょっと眩しいと思うから気をつけてね?」
と前置きしてから扉を開けるかばんさん。
外の眩しい光が溢れだしてきてホワイトアウト。
それに目が慣れるかのように像を結ぶ大自然の風景。
それに合わせて、けものフレンズRのロゴがドーン!
カメラはかばんさんとともえちゃんに戻って、かばんさんが言う
「ようこそ、ジャパリパークへ」
の の の の の の の の の の の の の の
場面がかわって、パンのロバ屋さんへ。
「なにこれすごくおいひい!」
目に☆を宿らせながらジャパリフードをもしゃもしゃするともえちゃん。
「お口にあったようで何よりです。」
と微笑むのはパンのロバ屋でジャパリまんやジャパリパンなどのジャパリフードを配っているフレンズのロバだ。
「実は前は食べ物といったらジャパリまんが殆どだったんですけど、かばんさんが色々作ってくれてボス達が届けてくれるようになって、フレンズ達にも大人気なんですよー」
「もぐもぐゴクン。ふぇえ…やっぱりかばんお姉さんってスゴイんだねー。」
「あはは。私だけが凄いわけじゃないよ。これを作る時も色んなフレンズさん達が協力してくれたんだ。それにラッキーさん達がいなかったらみんなの分も作れなかったろうし。」
とは言いつつも、ともえちゃんが美味しそうに食べる様子をかばんさんは嬉しそうに眺めている。
「ところでロバさん。最近この辺りのセルリアンはどう?」
「うーん、相変わらず『イシナシ』の弱めのヤツが多いですけど数は増えてるって聞きますね。」
「そっか…。やっぱり例のセルリウムの影響が内陸部にも少しずつ現れてるのかな…。」
と考えこむかばんさん。
「サーバルちゃんやカラカルちゃんが旅に出たけどセルリアンハンターさん達が見回りに来てくれるんで食べられる子はいないですね。」
「それならまずはいいんだけど、ロバさんも気を付けてね。」
「はい。これでも身体が頑丈なのが取り得ですから。」
と言ってる後ろからともえちゃんが目を☆にして両手をわきわきしながら迫ってきてる。
「ところでロバちゃん!撫でさせてもらってもいい!?」
「はい、別にかまわなふわぁあああ!?」
許可が出るか出ないかといったあたりでロバをモフるともえちゃん。思わずロバの口から変な声が漏れる。
「お、おおー…これがロバちゃんのモフりごこち…。案外固いけどしっとりとして…」
とモフモフを堪能するともえちゃん。
「あんまりフレンズさん達が嫌がる事はしちゃダメだよ?」
とかばんさんが軽く窘めてみるが
「別にイヤというわけではないのですが何だかくすぐったくてぇ!?」
相変わらずモフられるロバ。そんなともえちゃんとロバの様子に問題はないかと思ったかばんさんは一人思案に暮れる。
「ねえ、ラッキーさん。ともえちゃんが安全に暮らせそうな場所ってこの辺りにあるかな?」
と自身の腕に着けたボスウォッチにたずねると
「ケンサクチュウ、ケンサクチュウ」
と明滅した後に
「居住区ハどうカナ?」
と提案してくる。
「居住区か…。うん、取り敢えず暮らす場所にはいいかも。じゃあ、ともえちゃんを居住区に送るから戻るの遅れるって手紙を博士達に送っておかないとね。」
と近くにいた青いラッキービーストにささっと手紙を書いて渡すかばんさん。
手紙を受け取った青いラッキービーストが早速ピョインピョインと跳ねながら手紙を運ぼうとしたところを、ひょい、とともえちゃんが持ち上げちゃう。
「ほうほう、これがラッキーちゃんかあ。見た目よりも固い?」
と早速そのラッキービーストをモフってるともえちゃん。
「アワワワワワ。」
そのラッキービーストはされるがままだ。
「ともえちゃん。ラッキーさんのお仕事邪魔しちゃダメだよ。」
「はぁーい。ごめんね?ラッキーちゃん」
そっとモフってたラッキービーストを地面に降ろして解放するともえちゃん。
(一方解放されたロバは後ろの方で上気した顔ではふーってなってるところを小さく描写しといて下さい)
「じゃあ、私たちは行くね。ごちそうさま。セルリアンには気をつけてね。」
「またね、ロバちゃん!ごはんありがとー!」
ハッと我に返ったロバが
「あ、はい。かばんさんもともえちゃんもまた来て下さいね。」
とほっぺ染まったままお見送りしてくれてシーン終了。
の の の の の の の の の の の の の の
場面はかわってどこかの森の中。かばんさんとともえちゃんの二人は手近な倒木に腰かけている。
「今日はここまでかな。ともえちゃんも沢山歩いて疲れたんじゃない?」
「全然へいきだよ!」
むんっと元気のポーズなともえちゃん。
「あはは、でも夜の移動は危ないからね。今日はここで…」
「キャンプだね!?」
勢いこんで言うともえちゃんの目が☆マークになっている。
そして二人はテキパキと野営準備を進める。
二人分の寝床を枯れ草を使ってササっと作り上げる。
意外にもともえちゃんは淀みなく作業を進めてくれて思っていた以上に早く作業が進む。
「あとは火かなー?」
ふんふんふーん、と鼻歌まじりのともえちゃん。
枯れ草を寄り合わせて作った紐に弓型にしなった枝をとりつけて…
「すぅー……うおりゃあああああああああああ!」
一度大きく息を吸うともえちゃん。そのまま気合を入れて弓切り式着火をはじめる。
その様子にかばんさんも目を丸くしてる。
やがて火種が出来て、火おこしに成功するとドヤ顔のともえちゃん。
「すごいね。こうやって火おこし出来るなんて初めてみたよ。」
「へへー。これはダラダラやらずに一気にやっちゃうのがコツなんだよー?」
「もしかしたら、ともえちゃんはそういうのが得意なのかもしれないね。」
すっかりドヤ顔で得意満面のともえちゃんにかばんさんは微笑みながらも、胸中で「不思議な子だなあ…」と呟くのであった。
の の の の の の の の の の の の の の
そしてすっかり日も暮れて夜。二人は焚き火を囲んで談笑する。
「そういえば、かばんお姉さんはアタシのいた場所で何してたの?もしかしてアタシを探しに来てくれたとか?」
「あ、ごめんね?そういうわけじゃないんだ。実はね…」
(ここで場面転換して、背景がセピア調の回想シーンへ。)
回想シーンはけものフレンズ2のかばんさんラストシーンから開始される。
強がって博士助手に背中を向けたかばんさん。
しばらくの後、振り返る。
「それより、博士と助手にはまた手伝って欲しい事があるんだ。」
その顔は何かが吹っ切れたよう。
(博士と助手が一度顔を見合わせてから嬉しそうに笑うところを描写してください。)
「まだ色々終わってないからね。海底火山は活動を続けてるしセルリウムだって吹き出し続けてるかもしれない。私たちが何とかしないとね」
博士と助手は顔を見合わせてそれから
「やはりかばんはそういう顔してた方がかばんらしいのです。」
「前のかばんも好きだけど今のかばんも好きなのです。」
と笑みを見せる。
「で、キュルル達にはこのことは伝えなくてもいいのですか?」
「うん。せっかくの新しい門出に水を差す事もないよ。それにこれは私たちの仕事だからね。」
「確かに、他のフレンズ達はポンコツばかりで任せられそうにないのです。」
うん、と頷きあう三人。その表情にはそれぞれに決意が見られる。
かばんさん、博士、助手の三人は手を重ね合って
「我々は?」
とかばんさんが尋ねると
「「「かしこいのでー!」」」
と三人の声がそろって三つの拳が空に突き上げられる。
の の の の の の の の の の の の の の
「ってわけで、あそこには使えそうな機械の部品を探しにきてたんだ。」
「ふぅん…。ねえ、かばんお姉さん、アタシにも何か手伝える事ってない?」
「うん、それは嬉しいな。」
とニコリと笑うかばんさんであったが、直後、ハッと何かに気づいたように遠くの闇を睨みつけるように視線を走らせる。
「かばんお姉さん…?」
とともえちゃんが不安そうに尋ねると同時…。
「危険。危険。かばん。ともえ。セルリアンが、近くニいるヨ。」
とボスウォッチが警告の声を発する。
「火に引き寄せられたかな?」
落ち着いて自分の着ていたジャケットを脱いでともえちゃんに頭から被せるかばんさん。
そのまま手近な茂みへ連れていくと茂みの中へ隠す。
(ここでセルリアン戦BGMがかかる感じでお願いします。)
「いい?ともえちゃん。ここに隠れて動いちゃダメだよ。」
「かばんお姉さんは?」
その言葉に焚き火から一本松明を取り出して、焚き火を足で砂かけて消した後にかばんさんは答える。
「大丈夫。任せて。」
と言ったところでどかーん!と木々を吹き飛ばしながら中型セルリアンが現れる。
「大きいね。『石持ち』かな?」
「タブンネ」
冷静に現れた中型セルリアンを観察するかばんさん。
松明を振りながら走りともえちゃんから引き離していく。
途中繰り出される攻撃を飛び退ったり転がったりしてかわしながら距離をとっていく。
十分引き離したところで、松明を地面に放って囮にしつつキノヴォリで樹上に身を隠すかばんさん。
しばらくの間セルリアンは辺りを見まわしているけれど、ふと何かに気づいたようにともえちゃんの隠れた茂みに視線を向ける。
「なんで…。気づくはずないのに…。」
ゆっくりと…だけど確実にともえちゃんの方に真っ直ぐ近づいていくセルリアン。
「そうじゃない!ともえちゃんを守らないと…!」
鞄の中からロープを取り出して枝の間をジャンプで渡るかばんさん。
(ジャンプ時の掛け声は「みゃ!」でお願いします)
セルリアンの進路上直下の枝にロープを結んで再び少し後戻り。
「よし。『石』の場所はバッチリ。ラッキーさん。これでいけるかな?」
「イケる。ケド、オススメしないヨ。怪我シチャウ。」
「でもともえちゃんを見捨てられないでしょ?」
「ウン。だから。しくじらナイデ。」
「わかってるよ。」
セルリアンがちょうどロープを結んだ真下に来た時に
「うー、みゃみゃみゃみゃー!!」
かばんさんが振り子の要領のターザンロープで勢いをつけてセルリアンに突撃!
コアの『石』に全体重と重力加速を乗せた飛び蹴りをぶちかます!
―パッカーン!
『石』にヒビが入って、直後かばんさんの飛び蹴りを受けたセルリアンはサンドスターへと還る。
地面をごろごろと転がって着地の勢いを落とすかばんさん。
「かばんお姉ちゃん大丈夫!?」
慌てて茂みから飛び出すともえちゃん。
「あはは、平気平気。少し無茶しちゃったかな?あたたた…」
と飛び蹴りぶちかました右足を抑えるかばんさん。
そこに…
―ガサリ
と音がして茂みをかき分けるようにして現れるのは…
「二体目はまずいなあ……」
「アワワワワワ。」
かばんさんの頬を一筋の汗が伝う。その視線の先には二体目の中型セルリアンが姿をあらわしていた…。
痛む右足を引きずりそれでも立ち上がって背中にともえちゃんを庇うかばんさん。
「ともえちゃん、逃げて!早く!」
「でもかばんお姉ちゃんが…!?」
二体目のセルリアンが二人に向けて脚を振り上げて…………
パッカァアアアアアアアアン!
と何者かがセルリアンを砕いた。
へ?と呆けた顔で夜の闇に舞うサンドスターの輝きを見やるかばんさんとともえちゃん。
ザッ、と着地する一人のフレンズ。
銀色の毛並みに左右で色の違う瞳が闇の中で輝く。
そのフレンズの名はイエイヌちゃん。
ゆっくりと立ち上がったイエイヌちゃんの視線がともえちゃんの視線とあったところで…
けものフレンズRのオープニングテーマが流れてスタッフロールが開始される!
けものフレンズ2after☆かばんRestart 第1話『ともえ』
―おしまい―
次回予告
夜の闇の中、セルリアンに襲われたかばんさんとともえちゃんを助けたのはイエイヌちゃんであった。
二人は怪我したかばんさんを治療する為にイエイヌの暮らす居住区へと向かうのだった。
次回、けものフレンズ2after☆かばんRestart第2話『イエイヌ』
お楽しみに!
妄想ネタ元紹介
以下の動画などから着想や妄想を広げさせていただきました。
けものフレンズRオープニングテーマ
https://www.nicovideo.jp/watch/sm34990561
セルリアン戦BGM
https://www.nicovideo.jp/watch/sm34896967