けものフレンズ2after☆かばんRestart   作:土玉満

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これまでのあらすじ

 一時的にセルリアンに取り込まれてしまったともえちゃんはまだヒトが退去する前のジャパリパークの夢を見る。
 そこで自分はとおさかもえ、と呼ばれており病気治療の為にサンドスターポッドへ入れられた事を知る。
 夢で様々な真実を知ったともえちゃん達。
 間もなく目を覚まそうとしていた。




第10話『迫りくる災厄』

 アバンはセピア調の回想シーンから開始。

 まだかばんちゃんだった頃のかばんさんが海岸にたどり着く。

 そばには船モードのジャパリバス。長い旅を続けてきたのかところどころ破損が目立つ。

 海岸でかばんちゃんと向き合うのは一匹の猫科の動物。サーバルキャットだ。

 サーバルキャットはしばらくの間かばんちゃんをじーっと見ているが、やがてくるりと背を向けてどこかへと駆け去っていく。

 それをオロオロと見守るアライさん。

 その肩をポム、として首を横に振るフェネック。

 かばんちゃんもサーバルキャットの去った方向に手を伸ばすけれども…その手は空を掴む。

 

 そして、少しだけ時が流れて、カバさんと海の外で見つけてきた技の特訓をしたり、図書館に入り浸って色んな本を読み漁ったりして過ごすかばんちゃん。

 博士助手やたくさんのフレンズ達と協力してジャパリパンやジャパリソーダやジャパリチップスなんかの新作ジャパリフードを作ったりするかばんちゃん。

 壊れて動けなくなったラッキービーストを修理したり、その際に各配属ちほーに合わせたバージョンにしたり、修理しきれなかったラッキービーストのコアを保管したりするかばんちゃん。

 

 そうして過ごすうちにかばんさんへと成長していくかばんちゃん。

 

 そんな彼女はある日のジャングルちほーで再びサーバルちゃんに出会う。

 

「サーバルちゃ…!」

 

 夢の中のかばんさんはサーバルちゃんに手を伸ばすけれど、その手は届く事はなくて…

 

「サーバルちゃん!」

 

 って呼んでも振り返る事なく遠くへ歩いていくサーバルちゃん。

 そこで目が覚めるかばんさん。

 目が覚めればそこはいつもの天井。もちろんサーバルちゃんがいるわけはない。

 そして、自分の頬が濡れている事に気づくかばんさん。自分の瞳から涙が流れていた事に気が付く。

 

「おかしいな…。早起きしたからかな…。」

 

 その涙の跡を拭いながら起き上がろうとした瞬間……

 

「いや、おそようだよ?かばんお姉ちゃん。」

「ちなみにもうお昼の時間です。」

「かばんー。ごはんー。」

 

 ひょこり、とアップで顔を覗かせるともイヌアムの三人。

 

「え?あれ?ともえちゃん!イエイヌさん!起きたの!?夢じゃないよね!?」

「うん、心配かけてごめn…」

 

 ともえちゃんの言葉が終わるよりも早くガバリとイエイヌちゃんもまとめて抱きしめるかばんさん。

 

「よかったぁ…ほんとによかったぁ…」

 

 とかばんさんが今度は嬉しさに涙をこぼしたところでOP開始。

(OPイメージは巻末にて紹介させていただいてます。)

 

 

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(絵柄を3頭身デフォルメ絵にかえて描写しておいて下さい。)

 3頭身デフォルメキャラ絵で、かばんさん&アムちゃんが8話後倒れたともえちゃんとイエイヌちゃんをベットに寝かせる。

 →心配そうなアムちゃんをかばんさんがよしよしして慰める→二人ともいつの間にかベットサイドで寝落ち→ともえちゃん&イエイヌちゃん起きる。

 →かばんさん&アムちゃんが側で寝落ちしてるのを見てベットに寝かせる→アムちゃん先に目を覚ましてともえちゃん達に抱き着き大喜びする→ともイヌアムの三人で寝てるかばんさんの寝顔鑑賞会。

 →で、アバンのシーンに繋がる、という流れを見せてから…。

 

「そっか…。ともえちゃんもイエイヌさんも同じ夢を見たんだね。ただの夢というわけでもないんだと思う。」

 

 食後のお茶を飲みながら、ともえちゃんとイエイヌちゃんが見た夢の話を聞いたかばんさん。

 

「わたしもまだ頭の中がぐるぐるしています…。わたしがフレンズになった時はこのおうちの前で、ここを守ってヒトの帰りを待つのが使命なんだってそれだけを覚えてて…」

「うん、そしてイエイヌさんが待ってたヒトってもえちゃん…。つまりともえちゃんだったんだね。」

 

 イエイヌちゃんの言葉に頷くかばんさん。

 

「アタシもね…。アタシがもえだって言われてもなんだか実感が湧かないんだ…。けど、そうなんだなーっていう気はしてるの。」

 

 とうつ向いている状態のともえちゃん。

 

「イエイヌさんもともえちゃんも記憶があるってわけじゃないから、実感がないのも仕方ないかもしれないね。」

 

 夢とはいえそれが関係ないとは思えない。けれどそれを事実として受け止めるのかどうか。きっと胸中は複雑なのだろうとかばんさんは二人を見守る。

 

「でもね………でも……」

 

 まだ俯いたままのともえちゃん。意を決してバッと顔を上げた時、その目はキラキラ☆マークで輝いていた。

 

「イエイヌちゃんすごいよ!頑張ったね!」

 

 その言葉を聞いて見守るかばんさんも、ふふ、と嬉しそうな笑みを漏らす。

 

「うん。そうだよね。すっごい長い間一人でお留守番頑張ってたの、私も知ってるよ。偉かったね。」

「アタシに記憶があるわけじゃないけど、それでも待っててくれたんだー!って思っただけですっごい嬉しいよ!ありがとうイエイヌちゃん!」

 

 とイエイヌちゃんに抱き着くともえちゃん。

 

「はい…はいっ!ともえちゃん、かばんさん!わたし頑張りましたっ…」

 

 イエイヌちゃんも最初驚いていたけれど何を言われたのか、理解していくと涙をにじませていく。

 そして、そこにアムちゃんが嬉しそうに二人の頭の上にのっすんとあごを乗っけるようにする。

 

「もえ、いぬ、よかった。」

 

 と三人でお団子みたいになって抱き合う。

 その姿にかばんさんも思わず目頭が熱くなってしまう。

 

「うん、三人ともよかったね。」

 

(かばんさんの言葉の後に一瞬だけともえちゃんがかばんちゃんに、イエイヌちゃんがサーバルちゃんに、アムちゃんが青ラッキーさんに入れ替わった絵を描写しておいてください。もう一度かばんさんがふふと笑って)

 

「ところで、ともえちゃんの事はこれからはもえちゃん、って呼んだ方がいいかな?」

 

 そのかばんさんの提案にともえちゃんはしばらく考え込む。

 

「うーん、ともえ、がいいかなあ。どっちで呼ばれてもアタシだし、ともえってかばんお姉ちゃんがつけてくれた名前だし。あと何だろう…。うん…、なんかアタシがもえちゃんって呼ばれるのは何か違うような…?上手く言えないんだけどそんな気がする。」

 

 ともえちゃんの言葉にみんなが頷いてみせる。

 

「はい。じゃあこれからも、ともえちゃん、ですね。」

「ともえー。」

 

 とイエイヌちゃんとアムちゃんがともえちゃんの名前を呼ぶ。おや?という表情で一度アムちゃんを見るみんな。

 不思議そうに、どうかした?とばかりに見つめ返してくるアムちゃん。

 

「そっか。アムちゃんはともえちゃんがもえちゃんだったって知ってたんだね。」

 

 かばんさんの言葉にしばらくの間アムちゃんは考え込むようにする。

 

「ともえ、いぬ。ずっと、だいすき。かばんも、だいすき。」

 

 言って何か変?とでも言いたげにもう一度小首を傾げる。

 

「アムちゃんは夢でみたよりずっとおっきくなるくらい長い間一人でずっと待ってたんですね。…アムちゃん偉いですよ!」

 

 って今度はイエイヌちゃんがアムちゃんをギューしちゃう。

 

「あむ。いぬ、ともえ、また、あえた。かばん、あえた。あむ。しあわせ」

 

 とアムちゃんもイエイヌちゃんにすりすり。そんな二人をかばんさんとともえちゃんがほっこりと眺めている。

 

「あとですね。わたし、気になってました。」

 

 と、イエイヌちゃんが挙手。

 

「かばんさんっ!」

 

 ずずいとかばんさんに距離を詰めるイエイヌちゃん。

 どうしたんだろう、と小首を傾げるかばんさん。

 

「わたしだけイエイヌ“さん”なのちょっと寂しいです!」

 

 そんなイエイヌちゃんの指摘に、かばんさんも思わず笑顔がこぼれる。

 

「そういえばそうだね。じゃあ…。イエイヌちゃん、でいいかな?」

「お、おぉう。なんというかこの辺がムズムズする不思議な感じがします。」

 

 いざそう呼ばれてみたら照れ照れのイエイヌちゃん。

 

「わかるよ。アタシもイエイヌちゃんがともえちゃんって呼んでくれた時そんな感じだったし。」

 

 うんうん頷くともえちゃん。

 

「ふふ、ところでイエイヌちゃんは私の事はかばんさん、のままなの?」

 

 と少しいたずらっぽい笑みを浮かべてイエイヌちゃんに顔を近づけるかばんさん。思わぬ反撃だった。

 

「あ…ええ!?そういえばそうですよね!?でも…なんてよんだら…。」

 

 そんな意外な反撃に戸惑うイエイヌちゃん。必死に頭を回転させて何とか答えを導き出そうとしている。

 かばんさんはかばんさんなんでそれ以外の呼び方なんて全く思いつかない。

 

「じゃあ、かばんお姉ちゃんって呼んでみる?アタシとお揃いだしっ!」

「それです!」

 

 ともえちゃんの助け船に一も二もなく飛びつくイエイヌちゃん。

 その姿にかばんさんの笑みは深くなる。

 

「じゃあ呼び方、練習してみようか?」

 

 自分で言った以上逃げ道を塞がれた格好のイエイヌちゃん。

 しばらくもじもじした後、顔を真っ赤にして目を伏せつつ……

 

「はい…。あの……その………。か、かばんお姉ちゃん…!」

 

 と、ようやくそれだけ絞り出すようにして呼んでみる。

 その姿に、ズキュゥウウン!って何やらショックを受けた様子のかばんさん。後ろを向いてプルプル。

 

「わかる!わかるよ!かばんお姉ちゃん!なんていうかイエイヌちゃんの可愛さが留まるところを知らないよね!」

 

 ともえちゃんの言葉に後ろを向いて口元を抑えたままコクコク何度も頷くかばんさん。

 

「もうー!ともえちゃんもかばんお姉ちゃんもなんですかー!」

 

 とぷんすこするイエイヌちゃん。最早自然にかばんお姉ちゃん呼びになっているのだがそこには気づいてない様子だ。

 

「いぬー。かわいいー」

 

 ってアムちゃんがイエイヌちゃんにのっすんと乗っかるようにする。

 

「もうっ!アムちゃんまでー!?」

 

 ってイエイヌちゃんが言ってシーン終了。

 

 

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「それにしてもさっきの話で気になる事があったんだけど…」

「うん。進化の輝きってヤツだよね?」

 

 とかばんさんの言葉に頷くともえちゃん。

 

「あの時、ともえちゃんは短い時間だけどセルリアンに食べられてた…。その後しばらく眠って目を覚まさなかったって事は少しだけどサンドスターを食べられてるかもしれない…」

 

 うーん、と考えこむかばんさん。

 

「それにイエイヌちゃんがあのセルリアンをやっつけてくれたと思ったんだけど、その欠片が逃げてくのを見たんだよ。」

 

 かばんさんのその言葉にともえちゃんも頷き…。

 

「なんていうか、遠くの方からイヤな感じがするの。上手く言えないんだけど…」

「もしかしたら、セルリアンに食べられたともえちゃんのサンドスターがまだともえちゃんと繋がりが残っててそれを感じ取ってる、ってことなのかなあ…」

 

 ともえちゃんの言葉に再び考え込むかばんさん。それにイエイヌちゃんが心配そうに挙手する。

 

「あのあの、かばんお姉ちゃん。それってともえちゃんは大丈夫なんでしょうか?」

「あ、それは平気だよ。食べられたって言っても、ともえちゃん自身にとっては髪とか爪とかそういうところを食べられたようなものだと思う。だから今はもうすっかり元通りになってるよ。ね?ラッキーさん。」

「ともえノ、サンドスター残量。ホボ満タンダヨ。」

「そっかあ。よかったです…」

 

 ほっと胸を撫でおろすイエイヌちゃん。

 

「すぐにイエイヌちゃんが助けてくれたおかげだよ。もっと長い時間食べられてたらもっと大変な事になってたかもしれない。」

「あれって野生解放っていうんだよね?イエイヌちゃんカッコよかったよー。」

 

 あれ、というのは不定形のスライムと対峙した時に見せた瞳に炎を宿した状態の事を言っているのだろう。

 

「うん、偉かったんだけど、やっぱりイエイヌちゃんの身体には負担がかかりすぎるみたいだから出来たらもう使って欲しくないな。やっぱり心配だし。」

 

 そうして心配そうな表情で顔を曇らせるかばんさんを安心させるようにイエイヌちゃんは笑顔で頷いてみせる。

 

「わかりました。なるべく使わないようにしますね。」

「いぬー。」

 

 アムちゃんも心配したよーとばかりにイエイヌちゃんの肩にあご乗っけてのっすん。それを腕を回してイエイヌちゃんがなでなで。

 そんな仲のいい二人の様子に思わずかばんさんにも笑みがこぼれる。しかし、今は他に考えるべき事がある。思考を切り替えるかばんさん。

 

「進化の輝きを食べたセルリアンかあ…。これは調査した方がいいかもしれない。みんな手伝ってくれる?」

 

 みんなに順番に視線を向けるかばんさん。

 

「もちろん!」

「お任せください!」

「がう!」

「マカセテ。」

 

 ともえちゃん、イエイヌちゃん、アムちゃん、そしてボスウォッチからも力強い答えが返って来たところで再びシーンが変わる。

 

 

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 ジャパリバスで再び海岸へとやってきたかばんさん達。

 

「やっぱり、こっちの方からどんどんイヤな感じが強くなってる。」

 

 とともえちゃんが周りを見渡す。海はいつも通り過ぎるくらいにいつも通りだった。

 

「うん…。なんていうか海が静か過ぎる感じがする。」

 

 とかばんさんも周囲を見渡しながら言う。そこにはいつもは感じられる海の生き物たちの息吹が感じられなかったのだ。

 まるで何かから隠れて息を潜めているようにも思える。

 そこでアムちゃんがピクン、と反応する。

 

「あ、かばんさん!」

 

 その方向から現れたのは慌てた様子のイルカちゃんだった。その後ろにはアシカさんに抱えられたシャチちゃんが続く。

 

「かばんさん!みんな!助けて!」

 

 そのままかばんさんに縋りつくイルカちゃん。ただごとではないようだ。

 

「うん、落ち着いて。三人とも平気?」

 

 とイルカちゃんに怪我がないか確認するかばんさん。

 

「かばんお姉ちゃん。シャチちゃんとアシカちゃんも怪我はないみたい。」

 

 同じくシャチちゃんとアシカさんに怪我がないか確認するともえちゃん。どうやら二人にも怪我はないようで一同ほっと一息だ。

 

「それで何があったか教えてくれる?」

 

 海獣トリオが落ち着くのを待ってから訊ねるかばんさん。

 

「あのね、最近は海にセルリアンが出る事もなくなってすっごい平和だったの。」

「小型のセルリアンすらいなくなって暮らしやすくなってたのですが…」

 

 とイルカちゃんとアシカさんがシャチちゃんを振り返る。彼女だけはまだ真っ青になって震えていた。イエイヌちゃんとともえちゃんが背中撫でたりして落ち着けている。

 

「あれは怖いよ……絶対無理。」

 

 とまだ震えてるシャチちゃん。

 

「ついさっき、でっかいセルリアンが私たちの住処の近くに現れてね。シャチちゃんが戦おうとしてくれたんだけど…」

「こうなってしまったので慌てて逃げてきたというわけなんです。」

 

 アシカさんの視線の先ではまだ落ち着かずに震えているシャチちゃんがいた。

 

「シャチちゃんってこの前海に出たすっごいおっきいセルリアンにも立ち向かってたのに…」

 

 シャチちゃんがこんなになってしまった事に驚きを隠せないともえちゃん。それはシャチちゃんが相対したのは前に海に現れた超巨大セルリアン以上の強敵だった可能性が高い。

 心当たりは一つしかなかった。

 

「アイツね。前のヤツよりもおっきくて、何ていうかすっごい怖かった…!アイツは無理だよ。勝てるわけない。」

 

 シャチちゃんは生まれは遅いものの、パワーでは海のフレンズ達の中でも優れているし、セルリアンとの戦いも得意な方だ。

 そのシャチちゃんにここまで言わせる相手というのはどれだけのものなのだろうか。ともえちゃん達に戦慄が走る。

 

「進化の輝きを手に入れたセルリアンが進化しているってことかな…」

 

 と考えこむかばんさん。そこで9話カコ博士の話が回想シーンで挟まる。

 

『セルリアンが進化なんてしたらどうなるのか見当もつかない。もしかしたらパークどころか…』

 

「世界の危機…」

 

 回想のカコ博士の言葉を引き継ぐようにポツリとかばんさんが呟く。

 

「前みたいに皆で力を合わせたら倒せるんじゃないかな。」

 

 ともえちゃんの言葉にイエイヌちゃんとアムちゃんがうんうん、と頷く。

 かばんさんだけはすぐに頷く事が出来ずにいたが他に手がないのも事実だ。

 

「そうだね。博士達にも報せて協力をお願いしよう。」

 

 手近なラッキービーストに手紙を走り書きして手渡す。手紙を持ったラッキービーストはすぐに飛び跳ねて去っていく。

 そうしていると、かばんさんの付けているボスウォッチがピコンピコンと点滅する。

 

「かばん、他のラッキービーストにも通信してるヨ。」

「うん、ありがとう。ラッキーさん。」

 

 すると、ボスウォッチから……。

 

『あれー?今かばんちゃんの声がしたよー?』

 

 とサーバルちゃんの声がする。

 

『このラッキーさんからだね。』

 

 と続いて聞こえるのはキュルルの声だった。

 

「キュルルちゃんと一緒のラッキーさんにも通信してたんだ。」

「ソウダヨ。」

 

 正直今回は今まで経験した中でも最大級の敵になるかもしれない。そう予感していたかばんさん。

 パーク中から集められるだけのフレンズを集めたとしてもそれでも勝てるかどうか…。

 そんなかばんさんの不安をよそに今度はボスウォッチから通信でカラカルの声が響く。

 

『話はだいたいラッキーさんから聞いたわよ。いま、ちょうどそっちに向かってるから。今度は私たちにも手伝わせなさいよね。』

「うん、三人ともありがとう。……ねえ。サーバルちゃん。」

『なになに?どうしたの?かばんちゃん。』

 

(しばらく言葉を探すようにかばんさんの口がパクパクしてから)

 

「………なんでもない。無理しないでね。」

 

 と、ようやくそれだけを絞り出す。

 

『それはこっちのセリフよー!』

『かばんさん、ボク達もすぐに行くから待ってて。』

 

 カラカルの声にそれもそうか、と苦笑が漏れるかばんさん。キュルルの声を最後に通信が切れる。

 

「今度は守るよ。サーバルちゃん…」

 

 ポツリ、と呟き遠くの海へ目をやるかばんさん。

 

「えー。そのくらい言ってあげたらよかったのに。サーバルちゃん喜ぶよ。」

 

 ってともえちゃんがかばんさんの視界に割り込むようにひょこりと顔を出して。

 

「うぇ!?き、聞こえてた!?」

「聞こえてたー」

 

 ってイタズラっぽい笑みのともえちゃん。かばんさんは両手で顔を覆って無事真っ赤になる。

 

「それにわたし達だって一緒ですからね。」

「がうがう。」

 

 とイエイヌちゃんとアムちゃんも顔をだす。

 

「うーん、サーバルちゃんなら、私もかばんちゃんを守るからねーって言いそうかな?」

「あ、言いそうですね」

 

 ってともえちゃんの言葉に頷くイエイヌちゃん。

 

「アタシ達もおんなじ。かばんお姉ちゃんがアタシ達を守ろうとしてくれるならアタシ達がかばんお姉ちゃんを守るんだから」

 

 とどや顔のともえちゃん。イエイヌちゃんとアムちゃんもうんうん頷いてる。

 

「うん、三人ともありがとう。」

 

 とかばんさんが三人まとめてギュっと抱きしめる。

 不安は拭えない。それでもそう言ってくれる事がとても嬉しいかばんさんだった。

 

 

の  の  の  の  の  の  の  の  の  の  の  の  の  の

 

 

「ともかく、みんなが集まってくれたら作戦を考えよう。イルカさん達はどこか安全なところに隠れてて」

「分かった。とりあえずステージ跡は隠れるところも多いから三人でそこにいるね。かばんさん達も気をつけてね。」

 

 と海獣トリオが去っていったあと、どうにも不安が拭い切れない様子のかばんさん。

 何かを見落としてるんじゃないか。

 その考えが頭から離れない。

 

「…相手が進化するセルリアンだとして相手は次はどうしたいかな…。」

 

 思考を巡らせ続けるかばんさん。その考えに至った時、ハッと気づいた事がある。

 だが、それに気づくのは一歩だけ遅かったかもしれない。

 何故なら、遠くの沖合の海面が不自然に盛り上がり、ザッパアアアン!と異形の超巨大セルリアンが姿を現わしていたからだ。

 

「な、なにあれ…」

 

 とまだ距離があるにも関わらず、その威容にともえちゃんが言葉を失う。

 舳先が折れて半壊したように見える船型セルリアンの上部に巨大な大王イカが巻き付いているような外見の超巨大セルリアンがそこにいた。

 まるで巨大なイカが船を食べているようにも見える。

 かばんさんもイエイヌちゃんもアムちゃんも以前とは比べ物にならない姿になった超巨大船型セルリアンの姿に呆然としてしまう…。

 かつての姿よりもさらに大きく、そして歪な姿に誰もが顔を青ざめさせた。

 しかし、呆けている暇などない。それに気が付いたかばんさんがいち早く我に返る。

 

「みんな、バスに乗って!多分アイツ、またともえちゃんを狙ってる!」

 

 その言葉にようやく我に返るともイヌアムの三人。みんながバスに乗ったのを確認してからアクセルを思いっきりベタ踏みするかばんさん。

 

「マニュアルドライビングモード。リミッター解除。かばん、スピード出せるヨ。」

 

 かばんさん達を乗せたジャパリバスはタイヤを軋ませながら急発進。

 

「なんでアイツはまたアタシを狙ってるの!?」

 

 と後部座席から運転席側に身を乗り出すともえちゃん。

 

「アイツが手に入れた進化の輝きって完全じゃないんだと思う。だったら完全にしたいはずだよね…。つまり」

「またアタシを食べたら今度こそ…」

「うん。だから今は逃げた方がいい。」

 

 ジャパリバスは海岸を離れていくがそれで安心できる相手ではないだろう。

 

「それにね、アイツの怖いところは……あの外見もそうなんだ。」

 

 とかばんさんがジャパリバスを運転しながら言う。

 

「見た目が怖いのがそんなにダメなんですか?」

「がう??」

 

 とイエイヌちゃんとアムちゃんはピンとこないようで揃って?マークを浮かべている。

 

「うん。アイツの外見。まるで大きなイカが船を食べてるように見えるでしょ。あれじゃあどうしたって自分が食べられるって想像しちゃうよ。」

 

 それは生物なら誰でも持つ根源的な恐怖を呼び起こさせる見た目であった。

 今のように距離があるうちならまだいい。けれど……。

 

「たしかに…あれに近づくって思っただけでも怖いです…」

「がう……」

 

 と振り返ってこちらに向かってくるその姿を確認するイエイヌちゃんとアムちゃん。揃って顔を青くしてしまう。

 

「あれじゃあシャチちゃんが怖がっても無理ないよ。ただ戦っても勝てない…。何か作戦を考えないと…」

 

 と、かばんさんが焦りを滲ませて言う。

 きっと進化の輝きで進化したうちの一つがこの見た目の外見なのだろう。

 たくさんのフレンズに追い詰められた経験から得た能力なのかもしれない。

 見ただけで戦意を挫く威容は想像以上に厄介だった。

 あっという間に海岸へとたどり着いた超巨大セルリアン。以前ならば陸に逃げたともえちゃん達の乗るジャパリバスを追う事は出来なかっただろう。

 しかし。

 超巨大セルリアンは船底部分にムカデのような足を生やして上陸してくる。

 そのままシャカシャカとムカデのような足を動かしてジャパリバスを追いかける超巨大セルリアンあらため超進化セルリアン。

 

「アイツ…やっぱり進化してる…!陸を走る事まで出来るなんて!」

 

 ともえちゃんもその姿に焦りを濃くしていく。そしてそれだけではなかった。

 

「かばんお姉ちゃん、アイツ、どんどんスピードを上げています!」

 

 と後ろを確認しているイエイヌちゃんが警告の声をあげる。陸上で活動できるようになっただけでも脅威なのに今まさにジャパリバスに追いつこうとしていた。

 それはそれだけのスピードを出せる能力を持ち合わせているという事だ。

 

「どこかで時間を稼がないといずれ追いつかれる…。ラッキーさん、この近くに何かないかな?」

 

 かばんさんの言葉にボスウォッチが明滅して「ケンサクチュウ、ケンサクチュウ…。」と検索に入る。

 程なくして…。

 

「コノ先ニ以前シャチが住んでタ港湾施設があるヨ。」

 

 ジャパリバスのナビゲート画面に港湾施設のデータを映すラッキーさんとチラリとそれを確認するかばんさん。

 

「水門にシャッターに防潮堤と非常口……ここなら時間を稼げるかも…」

 

 ナビゲート画面に示された内容には、後ろから追いすがる超進化セルリアンを足止めできるだけの設備があるように思えた。

 

「みんな、飛ばすからしっかり掴まっててね!」

 

 みんなが座席にしっかりと掴まったのを確認してから、ジャパリバスのギヤを入れ替えてハンドルを切りタイヤを横滑りさせるかばんさん。

 ジャパリバスを港湾施設跡へと向ける。

 そのジャパリバスへとジリジリと距離を詰めていく超進化セルリアン。

 木々や岩などの障害物を物ともせずに蹴散らし確実にともえちゃんへと迫っていく。

 

「時間を稼いで、みんなが来てくれて…それでアイツを倒せるの…!?」

 

 パークの…、いや世界の危機がかばんさん達に迫る!

 ってシーンでEDイントロ開始。

(エンディングイメージは巻末にて紹介させていただいています。)

(今回のEDで歩くのはかばんちゃんが一人。後ろの背景がカバさんと技の特訓したり、図書館で本読んでて博士助手がかばんちゃんを挟みこむようにしてくっついてたりする絵が流れていく。そして、新作ジャパリフードをみんなで作ったりして少しずつ笑顔を取り戻していく様子が背景に流れていって、かばんちゃんがかばんさんの姿になって画面左側に歩いていく。と後ろからともえちゃん、イエイヌちゃん、アムちゃん、博士、助手と沢山のフレンズ達がくっついて画面左側にあるいていく感じの特殊EDでお願いします)

 

 

けものフレンズ2after☆かばんRestart 第10話『迫りくる災厄』

―おしまい―




次回予告

超進化セルリアンが迫る。
その威容。その巨体。その能力に立ち向かう術はあるのか。
超進化セルリアンを相手にかばんさんは一つの決断を下す。
けものフレンズ2after☆かばんRestart 第11話『ヒトの叡智』
ご期待下さい!



妄想元ネタ紹介

けものフレンズRオープニングイメージ
https://www.nicovideo.jp/watch/sm34990561
明るい歌と愛情溢れるイラストが素晴らしいオープニングイメージです。個人的にはこっちも大好き。


けものフレンズRエンディングイメージ
https://www.nicovideo.jp/watch/sm34929655
エンディングの歌詞も素晴らしいですが背景や絵もいいんですよね。かばんちゃんがかばんさんになるまでの間の話を特殊エンディングでやってみたいなーと思ったりしてます。

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