けものフレンズ2after☆かばんRestart 作:土玉満
いきなりスタッフロールが流れる中、登場するのはキュルル、カラカル、サーバルトリオ。
やや離れた小高い丘の上から炎に焼かれながらも、身体についた炎を消そうと暴れまわる超進化セルリアンを見つめる。
「まさか……あんなのが相手だったなんて…」
と一歩を後退るキュルル。
「あ、あんなのに束になってかかったって勝てっこないわよ!」
とカラカルもまた焦りの声をあげる。
そうしているとサーバルちゃんの耳がピクンと動いてじーっと超進化セルリアンを見る。
「キュルルちゃん、カラカルッ!あそこ!!かばんちゃんが食べられてる!」
サーバルちゃんが指さした方向には身体を丸めた状態で超進化セルリアンに取り込まれているかばんさんの姿が見えた。
「……まさか…かばんさん、一人で戦ったの…?」
やや遠くに集まっているフレンズ達、炎に巻かれて傷ついている超進化セルリアンの様子からキュルルは状況を察した。
「ねえ、キュルルちゃん!カラカル!かばんちゃんを助けようよ!」
「まったく…ほんと世話が焼けるわね!」
「でも二人とも待って。むやみに突っ込んだって勝てる相手じゃない。」
駆けだそうとするサーバルカラカルを止めるキュルル。
キュルルは鉛筆を立てて両目で鉛筆の向こう側の超進化セルリアンを観察する。その両目のオッドアイにかすかな輝きが灯り…。
「ちょっと、こんな時に絵を描いてる場合じゃないわよ、キュルル。」
とカラカルがキュルルと超進化セルリアンを見比べるようにしながら焦っている。
「あった……!!」
それにかまわず、猛烈な勢いでスケッチブックに何かを描きはじめるキュルル。
最後に赤いクレヨンで一部に大きな丸をつける。
「サーバル!あそこにともえちゃんや博士達がいるから伝えて。あいつの『石』はここだよって!」
描き上げたスケッチの一枚を破りとりながらサーバルちゃんに渡すキュルル。それには超進化セルリアンが描かれていて、赤いクレヨンで『石』の場所に印がつけられている。
「うん!ありがとうキュルルちゃん!待っててね、かばんちゃん!」
スケッチを受け取って駆けだすサーバルちゃん。
「カラカルはサーバルを守ってあげて。焦ってるみたいだからフォローしてあげてね。」
「わかったわ。キュルル、あんたはちゃんと隠れてなさいよ。」
とサーバルちゃんを追って走りはじめるカラカル。
「二人とも、かばんさんをお願いね!」
とキュルルが言ったところでスタッフロールも終了してシーンが切れる。
の の の の の の の の の の の の の の
シーンはかわってともえちゃんのシーンに。
前回口元だけが映されたともえちゃんの唇が笑みの形にかわる。
「すごいや…かばんお姉ちゃん…」
「ど、どういうことですか。ともえちゃん?」
「がう?」
その物言いに?マークを浮かべるイエイヌちゃんとアムちゃん。
「かばんお姉ちゃんはまだあそこで戦ってるって事だよ。かばんお姉ちゃんこうしてるでしょ?」
言いつつ両手で口元を覆って見せるともえちゃん。確かに超進化セルリアンに取り込まれているかばんさんも同じ体勢をとっているのが見てとれる。
「確かに…」
「でもそれが何なのですか?」
博士助手もともえちゃんが何が言いたいのかわからずに同じように疑問の視線を向ける。
「あれね。雪崩とかに巻き込まれたときにほんの少しでも呼吸を確保するための技なの。」
「ともえちゃん、ほんとですか!?」
それが本当であればともえちゃんが言う通りだし、まだかばんさんを助け出す事だって出来るかもしれない。
「うん。昔のアタシ…ううん、もえちゃんが読んでた本に書いてあった事なの。だからかばんお姉ちゃんは帰ってくる為にわざと食べられたんだと思う。」
「かばんなら…」
「それくらいはやりそうですね。」
と博士助手が頷き徐々に空気が絶望から希望へと変わっていく。
「信じてくれたんだ。アタシ達がアイツを倒してくれるって…。」
ポツリと呟くともえちゃん。口元がニヤリと笑みを作ってから続ける。
「もー!かばんお姉ちゃんは本当しょうがないなー!」
それにイエイヌちゃんもかすかな笑みを浮かべる。
「本当、なんでときどき残念なんでしょうね。」
「でも。かばん。だいすき。たすける。」
とアムちゃんも力強く頷く。
三人で顔を見合わせてもう一度頷きあってから、ともえちゃんはかばんさんの鞄を降ろすと自分の帽子を脱いでその上に置く。そして代わりに二本羽根のかばんさんの帽子を被ってから…
「みんな聞いて!みんなでアイツを倒そう!!」
と集まったフレンズ達に振り返る。
「でも…」
「あんな大きな奴に勝てるのか…?」
「あんな怖いヤツ見た事ないよ…」
それに対して反応は鈍い。口々に不安をもらすフレンズ達。
「かばんお姉ちゃんは一人でアイツと戦ったよ!」
ともえちゃんの言葉にハッとする一期フレンズ達。
彼女達は、彼女がどれだけ怖がりなのかを知っていた。
それなのに、誰もが恐れる巨大なセルリアンにたった一人で戦った。
かばんさんを知るフレンズ達は歯を食いしばり顔を上げる。
「見てよ、アイツ。かなりのダメージを負ってる!かばんお姉ちゃんがあそこまで頑張ったの!だから…あと少し、みんなの力を貸して!」
もう一度集まったフレンズ達を見渡すともえちゃん。
「ふふ。いい大口ですわ。」
とカバさんが歩み出て来る。
「ウチの子に手ぇ出した以上はタダじゃあすまさん」
とライオンちゃんがやる気全開モードになってて
「あの頃から無茶するヤツだとは思ってたが…」
ふ、と笑いながら熊の手棒を担ぎ上げるヒグマ。
「友達を助けるのも…」
「「「「アイドルの仕事ー!」」」
とPPPの皆が気勢をあげてその姿にハァハァするマーゲイ。
そのやる気は他のフレンズ達にも伝播していく。
そして博士が立ち上がる。
「今ならあいつはダメージを負っているのです。ヤツを倒すチャンスは今しかないのです!」
「ここで逃げてもいずれ傷を回復したアイツに喰われるのがオチなのです。」
博士の言葉に助手も頷きを見せる。
「よしっ…!やろう!」「かばんさんに続くのだー!」
次々と気勢を上げ始めるフレンズ達。
そこに、ザンッと空から舞い降りるようにして二人のフレンズが着地する。
「サーバルちゃん!カラカルちゃん!」
と、ともえちゃんが新たにやってきた二人の名前を呼ぶ。
サーバルちゃんが挨拶もなしに持っていた絵をみんなに示して言う。
「みんな、これ見て!キュルルちゃんが描いてくれたの!あいつの『へし』はここだよ!」
それを覗き込むともえちゃん。納得の表情で頷いてみせた。
「アイツの『石』……これじゃあ分からないはずだよ。」
大王イカの身体と船の付け根部分、船のブリッジにあたる場所にまるで迷彩柄のようになって功名にカモフラージュされた『石』がそこに描かれていた。赤いクレヨンで丸印で印までつけてある。
そうこうしていると…
身体についた炎を消しながら超進化セルリアンがギロリ、とフレンズ達を睨みつける。
身体じゅう傷だらけでその傷から血が流れ落ちるかのようにセルリウムが零れている。
大王イカの足は殆どが千切れ、身体を支えるムカデの足も半分以上が折れたりひしゃげたりして役には立っていない。そしてその身体に生やしていた砲塔は全てが折れてしまっていた。
だが、その身体は少しずつ傷を再生しているのがわかる。
かろうじてぶら下がっているだけだった大王イカの足のうち一本が既に持ち上がって動き始めていた。
だがそのダメージは甚大。今なら超進化セルリアンは身動きすらまともに取れないだろう。
しかし、それでも身を守る術がなくなったわけではないのだ。
身体についた傷から流れ出るセルリウムがふわり、と空中に浮かぶとそれが小さな紙飛行機の形をとる。
それらはどんどん数を増やして超進化セルリアンを守るように周囲を漂いはじめる。
「まさか…アイツ、かばんの技を…!?」
と助手が驚愕の表情を浮かべる。
「あれじゃあ、鳥のフレンズ達で『石』に攻撃できないのです。まさか…アイツ、かばんの賢さまで奪っているのですか」
ぎりり、と悔しそうな表情の博士。超進化セルリアンがかばんさんの賢さまで奪っているのだとしたら、こちらの作戦を見抜かれてしまうかもしれない。
「だったら……だったらかばんお姉ちゃんでも思いつかない事をするまでだよ。」
ともえちゃんの言葉にその場の全員がともえちゃんに視線を向ける。そんな事が出来るのか、という疑念が半分。ともえちゃんならもしかしたら、という期待が半分の視線が集まる。
そんな中でともえちゃんは瞳を閉じて何事かを考えている様子。その脳裏に超進化セルリアンの『石』、取り込まれたかばんさん、集まってくれたフレンズ達といった光景がよぎっていく。
やがてともえちゃんは目を開けるとキッパリと言った。
「みんな!無茶しよう!一緒に悪い子になろう!」
それに一同、「「「「「え?」」」」とキョトンとした表情になってしまう。
「無茶しなきゃかばんお姉ちゃんでも思いつかないような事って出来ないよ。だから…お願い!アタシと一緒に無茶して!とことん無茶する悪い子になって!」
その言葉に一瞬目を丸くした後、誰かが「ぷっ」と吹きだして、そのまま笑いが伝播していく。
「もちろんだよ!」
「無茶して、か。気に入った!」
「任せなさい!」
「今日はアライさん、悪い子になっちゃうのだー!」
とそれぞれに頷いていくフレンズ達。
「それじゃあ作戦を説明するよ!」
とともえちゃんがかばんさんによく似た強い眼差しでみんなに言ったところで一度シーンが切れる。
の の の の の の の の の の の の の の
超進化セルリアンが身体についた火をすっかり消して、傷ついた身体をついに港湾施設跡から引っ張りだす。
満身創痍といった様子の超進化セルリアンであったが、その傷も少しずつ再生が始まっているようだ。
さらに悪い事には傷ついた傷口から流れ出るセルリウムが紙飛行機型やフレンズ型のセルリアン達を大量に生み出していく。
まずは取り巻きセルリアンを増やして傷の再生をはかる構えのようだ。
そして、その大王イカの頭部に取り込まれているかばんさんの表情が苦しそうに歪む。
残された時間も多くはない。
一方で、ともえちゃん、イエイヌちゃん、アムちゃん、博士助手、サーバルちゃん。カラカルを中心に円陣を組むようにして集まって作戦会議中のフレンズ達。
「本気なのですか?ともえ。」
と助手が呆れ半分といった表情を浮かべる。同じく呆れ半分ではあるけれど、博士は面白そうに笑いを零していた。
「でも、確かにこれはかばんでも思いつかなそうなのです。」
「それに無茶する、って言ってましたけどほんっとーーーに無茶ですね。」
とイエイヌちゃんも呆れ顔。アムちゃんもそれにうんうん頷いてる。
「危険ですから止めて下さい、って言いたいところですが…言っても聞かないのは知ってます。だから…やってやりましょう!」
「ともえ。いぬ。あむ。いっしょ。むちゃ。する。」
と決意に満ちた表情で頷くイエイヌちゃんとアムちゃん。
それにともえちゃんも満足そうに頷いて一つ、ふんす!と気合を入れる。
「ふっふっふー!今日はとことんまで悪い子になっちゃうんだから!」
カメラはともえちゃんを先頭に放射状に広がっているフレンズ達をとらえて引いていく。先頭がともえちゃん。二段目にイエイヌちゃん、アムちゃん。三段目に博士助手にサーバルちゃん&カラカル。そしてその後ろに続くたくさんのフレンズ達。
(ここで“ようこそジャパリパークへ”のBGMイントロが開始する演出をお願いします。)
「それじゃあ…悪い子作戦開始だよ!」
ともえちゃんが超進化セルリアンに向かって走り始めると同時、フレンズ達もBGMのうーがおー!に合わせて雄叫びをあげながら突撃を開始する。
「プロングホーンちゃん、チーターちゃん、先頭はよろしく!で、ロードランナーちゃんは二人のフォローしてあげてね。」
ともえちゃんの指示で一番槍で飛び出していくプロチーコンビ。
「あたしにはプロングホーン様がつけてくれたゴマって呼び名があるんだ。特別にゴマ様って呼んでくれていいんだぜ?」
「うん、ゴマちゃん、お願いね。」
「ゴマちゃ……まあいっか。しっかしお前、よくあたし達の事わかるなあ」
「あー……そっか。」
と何事か考えてるともえちゃん。初めて会ったフレンズの事も知っているのは頭の中に図鑑の知識があったからだが、その知識はどこから来たのか、とそんな考えがよぎる。
「おい、どうした?ビビってんのか?やめるんなら今のうちだぜ?」
とゴマちゃんが心配顔を浮かべてともえちゃんを覗き込む。
「違うよ。アタシがこうしてみんなと一緒に走れてるのも、みんなが何のフレンズちゃんなのか知ってるのも、もえちゃんがそうしたいって思ってくれてたおかげなんだなーって」
「ふうん?よくわかんないけどまあいいや!プロングホーン様ぁ!待ってくださーい!チーターも後ろ危ないったらー!」
と駆け去っていくゴマちゃん。
ともえちゃんはしばらくの間、服の胸の辺りを抑えるようにして「ありがとね。もえちゃん。」って呟いてから再び前を見据える。
「カラカルちゃん!みんなとちっちゃいセルリアンをお願い!戦いが得意じゃない子がはぐれないようにみんなで力をあわせて戦ってね!」
「わかったわ。任せなさい!サーバル。あんたも焦って飛び出すんじゃないわよ!」
と、カラカル率いるチームがともえちゃん達を追い抜きプロングホーン達の開けた穴を広げるようにフレンズ型セルリアンや紙飛行機型セルリアンを蹴散らしていく。
さらに…
「プレーリーさん、こんな感じで穴を掘って周りを補強するッスよぉ~。」
「こんな感じでありますね!」
とビーバー&プレーリーのこはんコンビが猛烈な勢いで穴を掘り即席運河を作り上げて
「海じゃなくたって戦えるんだからぁ!」
「さっきはよくもやってくれましたね!」
「みんなのチームプレイで倍返しなんだから!」
その運河に乗ってやってきたイルカ、アシカ、シャチの海獣トリオも参戦してフレンズ型セルリアン達を次々撃破していく。
次々と撃破されていくフレンズ型セルリアン達。
超進化セルリアンまでの道が開けるとともえちゃんは再び指示を出す。
「ヘラジカちゃん、ライオンちゃん、ヒグマちゃんにキンシコウちゃんリカオンちゃんは足を攻撃してアイツの動きを止めて。右側がたくさんダメージ受けてるからそっちを狙って!」
集まった中でも戦闘力が高いセルリアントリオにへいげんのリーダー達を投入する!
「任せろ!」
「ようやく出番かぁ…待ちくたびれたぞ!!」
「かばんのくれたチャンスだ。無駄にはしない!」
「そっちも頑張ってね。」
「オーダーキツイですけど了解ですー!」
飛び出したヘラジカライオンコンビにセルリアンハンタートリオが蹴散らされたフレンズ型セルリアンの間を縫って超進化セルリアンに肉薄、残ったムカデの足を次々破壊していく。
―ギョォオオォオオ
と悲鳴のような声をあげながらバランスを失って完全に動きを止める超進化セルリアン!
「よし!チャンスは今しかない!いくよ、イエイヌちゃん!アムちゃん!コノハちゃん博士!ミミちゃん助手!」
それぞれに力強く頷いて…まずは助手が野生解放!紙飛行機型セルリアンを蹴散らしながら空に道を作る。
「博士ッ!」
自分の役割を終えた助手が博士に振り返る。その道を通って所定の場所に移動する博士。
「じゃあ……アムちゃん。イエイヌちゃん。いくよ!!」
と、ともえちゃんがイエイヌちゃんにしがみついて、そのイエイヌちゃんはアムちゃんによって抱えあげられる。
「がう!やせいっ!かいほう!!」
ドンっと凄まじいオーラを解き放つアムちゃん。本当は博士にも助手にもかばんさんにも禁止されていた野生解放だ。
それでも…
「アム!むちゃする!」
瞳に炎を宿らせてともえちゃんがしがみついたイエイヌちゃんごと抱えあげる!
「ぐるぁあああああああああああああああああっ!!」
咆哮とともに空で待機中の博士へ向けてイエイヌちゃん達をぶん投げた!
凄まじい勢いで飛ぶともえちゃんとイエイヌちゃんは一気に高度を稼いで、超進化セルリアンの巨体よりも高く飛ぶ。
「次は任せるのです…!」
と博士が野生解放しつつ飛んできたイエイヌちゃんとともえちゃんをキャッチ。
勢いに押されながらもその身体をぐるぐると回してイエイヌちゃん達をスイング。再び勢いをつけてから…
「かばんを……かばんを頼んだのです!!」
と超進化セルリアンの『石』に向かって二人をぶん投げる!
『石』に向かってすっ飛んで行くイエイヌちゃんとともえちゃん。進路上の紙飛行機型セルリアンを次々撃破してなお勢いは止まらない。
しかし、それを迎撃しようと超進化セルリアンの残った大王イカの足が二人へ向けて振るわれる。
「うん、かばんお姉ちゃんならこのくらいは予想するよね…。でも、やるよ。イエイヌちゃん。」
「ほんとにやるんですね…。でも、ともえちゃんとなら出来る気がします。」
ともえちゃんの瞳にイエイヌちゃんの瞳と同じ色の炎が宿り、イエイヌちゃんの瞳にはともえちゃんの瞳と同じ色の炎がそれぞれ宿って
「野生!」
「解放ぉお!!」
4色の輝きを宿した炎が瞳に灯って野生解放したともえちゃんとイエイヌちゃん。
イエイヌちゃんとともえちゃんが足の裏をお互いあわせて、蹴り出す!
イエイヌちゃんは反動で後ろ側に、ともえちゃんは『石』に向かって速度をあげて大王イカの足をかわした!
そのまま単身『石』へ突撃するともえちゃん。
「ひっさぁああああああああつ!かばんキィイイイイイイイイイック!!」
1話で中型セルリアン相手に見せたかばんさんの飛び蹴りのように超進化セルリアンの『石』に蹴りを叩きこむともえちゃん。
―ズドォオオオオオオオン!
と凄まじい音が響く。続いて衝撃の波が周囲の空気を揺らした。
―ピシリ
と一瞬遅れて超進化セルリアンの『石』にヒビが入り……
―パッカァアアアアアアアアアアアアン!
と超進化セルリアンの身体が凄まじいサンドスターの輝きを放ちながら跡形もなく消し飛んだ!
本体を失った小型セルリアンやフレンズ型セルリアンもサンドスターへと還る。
そして取り込まれていた、かばんさんも空中へと放り出される。すっかり黒ジャケットも溶かされた状態のかばんさんは頭から地面へと落下しはじめて、その姿にフレンズ達も息を呑む。
このまま落ちれば間違いなく助からない。
同じく自分も空中を落ちながらともえちゃんは、すっとかばんさんの方を指さして
「サーバルちゃあああああああああああん!」
あらん限りの声で叫ぶともえちゃん!
(ここで1期動物解説BGMがイン。小さく1期1話しんざきおにいさんの解説も流れている。)
ピクン、と動く大きな耳、黄色の炎を宿した瞳。この為だけにずっと待っていたのは…サーバルちゃんだった!
「そう…。サーバルちゃんの特徴は…」
ともえちゃんの声がしんざきおにいさんの解説と被って
「「ジャンプ力ぅ…」」
その解説をバックにサーバルちゃんが凄まじい勢いで疾る!
「かばんお姉ちゃんを助けてくれるくらい……」
再びしんざきおにいさんの解説とともえちゃんの声が被って
「「ジャンプしてくれます…!」」
野生解放したサーバルちゃんが得意の大ジャンプで落下するかばんさんをキャッチ!
(で動物解説BGMが終了)
カメラはかばんさんをお姫様だっこ状態でキャッチしたサーバルちゃんの雄姿をしばらく映す。
落下するイエイヌちゃんはアムちゃんがキャッチ。
ともえちゃんは……
「おい、カッコよすぎじゃねーか!ずるいぞ!」
とゴマちゃんがキャッチ。それぞれに無事着地する。
(ここでBGMが“ボクのフレンド”アレンジBGMに。巻末にてBGMイメージを紹介させていただいています。)
着地したサーバルちゃんとかばんさんの周りに集まるみんな。
黒ジャケットはすっかり溶かされて髪も短くなってまるでかばんちゃんだった頃の姿に戻ってるかばんさん。
「ねえ!かばんちゃん!かばんちゃん!目を開けてよ!」
ってサーバルちゃんが必死にかばんさんに呼びかけるとその目が薄っすらっと開く。
「かばんちゃん!わたしの事わかる!?サーバルちゃんって呼んで!」
そこで視点はかばんさん視点に。
泣きそうな顔で必死に呼びかけるサーバルちゃんの顔が見える。
「……!………!……!?……!」
かばんさんからはその声が聞き取れていない。
「(前にもこんな事あったっけ…。あの時はサーバルちゃん何て言ってたかなあ…。で、ボク何て答えたんだっけ…)」
ゆっくりとかばんさんの手が伸ばされてサーバルちゃんのほっぺに優しく触れる。
「たべないでください…。」
とサーバルちゃんに笑いかけるかばんさん。
「たべ……食べるわけないよぉおおおおお!」
って大泣きしてかばんさんに抱き着くサーバルちゃん。
それを見てカバさんが両手で顔を覆うようにして貰い泣きして、ヘラジカが上を向いてもこぼれる涙を抑えきれず、アライさんがフェネックに抱き着いて大泣きしてて
他にも思わず貰い泣きしちゃうフレンズ達多数の中。
「今のはないよ、かばんお姉ちゃん…ほんと残念なんだから……もお!」
ってともえちゃんが二人に飛びつき
「もう!ほんとですよ、かばんお姉ちゃんはどうして最後にそうなんですか…!」
ってイエイヌちゃんも追加で飛びつき。
「モット、言ってヤッテ」
ってボスウォッチももちろん健在。
「かばん!おかえり!」
とアムちゃんが続いて飛びつくと……
「「「「うわわぁ!?」」」」
とその勢いと重みで潰されちゃうサーかばともイヌの4人。
倒れた状態で見つめあうサーバルちゃんとかばんさん。しばらくお互いに見つめあってから「「ぷっ」」と同時に吹きだす。
「「あはははははは」」
とお互いに笑いだしてもう泣いてるやら笑ってるやらよくわかんない状態に。
それがみんなに広がっていって泣いているのに笑っている、笑っているのに泣いているという不思議な光景に満たされてシーンが終了する。
―後編へ続く―
【妄想元ネタ紹介】
ぼくのフレンドアレンジBGM
https://www.nicovideo.jp/watch/sm30921940
ぼくのフレンドは名曲ですがこのアレンズも素晴らしいです。ピアノアレンジ、オルゴールアレンジ、さらにようこそジャパリパークへのアレンジもあって盛沢山の動画です。