けものフレンズ2after☆かばんRestart   作:土玉満

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これまでのあらすじ

 海底火山から生み出されるセルリウムを何とかする為に活動していたかばんさん。
 その道中で不思議な少女、ともえちゃんと出会う。
 二人でイエイヌちゃんのおうちで居候する事になり、色々あって元ビーストであるアムちゃんまで一緒に暮らす事に。
 研究仲間の博士や助手たちをはじめ沢山のフレンズの協力を得て海底火山にフィルターを張る事に成功したかばんさん達。
 襲い掛かってきた超巨大船型セルリアンもみんなで力を合わせて撃退してついに平和な日常がやって来るのだった。




第8話『たからもの』

けものフレンズ2after☆かばんRestart 第8話『たからもの』

 

 

 アバンはともえちゃんのモノローグから入る。

 

 海底火山にフィルターを張ってから、海は平和そのものみたい。

 セルリアンは小型のやつもめっきり減ったみたいだし、陸の方でもセルリアンは今までより減ってるって。

 あの後、コノハちゃん博士とミミちゃん助手は一度図書館に戻ってったの。今度料理を作りに来いって言われたんだー。

 コノハちゃん博士達らしいよね!みんなで遊びにいきたいなー。

 あとね。キュルルちゃんにもお手紙でもう安全な事は報せたみたい。お礼にもらった手紙にはアタシ達の絵が入ってたんだ!

 アタシとかばんお姉ちゃん、イエイヌちゃんにアムちゃんまで描かれてるステキなやつ!

 キュルルちゃんはアムちゃんと会った事ないよねって思ってたら、お手紙で報せてたみたい。

 以前、ビーストって呼ばれてた頃にキュルルちゃんとあってて今はアムちゃんになってる事をすっごい喜んでた。

 かばんお姉ちゃんやフレンズちゃん達が頑張ったおかげでパークは平和になったんだけどアタシには一つだけ不安な事が残ってるんだ。

 

 それは……

 

 

 というところでモノローグが終わってOPが開始する。

 (OPイメージは巻末にて紹介させていただいてます。)

 

 

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 場面はいつものイエイヌちゃんのおうちから開始。

 キュルルから新たに贈られた絵を飾ってそれを嬉しそうに眺めるイエイヌちゃん。

 (いつもの日常BGMがかかる感じでお願いします。BGMイメージは巻末にて紹介させていただいてます。)

 テーブルにはイエイヌちゃん&ともえちゃん作の朝ごはんが並んでて、アムちゃんがよだれダラーってなっててお預け状態だ。

 ともえちゃんとイエイヌちゃんがテーブルに4人分の朝ご飯を並べた頃に…

 

「ふぁああ……おはやぅう…」

 

 と相変わらず朝は残念なかばんさんが起き出してくる。そんなかばんさんに駆け寄るともえちゃん。「もー。」とか言いつつも手早く服だけでも直してくれる。

 そしてみんなで朝ごはん。

 アムちゃんは怒涛の勢いで朝ごはんを食べて口元が汚れてイエイヌちゃんに拭ってもらっている。

 で、かばんさんはイエイヌちゃんに淹れてもらったお茶を飲んでようやく目が冴えてくる。

 そして、その頃には朝ごはんを手早く食べ終わったともえちゃんがかばんさんの髪を梳かしたりしていつもの朝の風景といった感じ。

 でもって、朝ごはんの後は食後のお茶の時間である。

 イエイヌちゃんが毎日ちょっとずつブレンドを変えてくれる茶葉で淹れたお茶をみんなで飲む。

 砂糖の数までバッチリ把握しているイエイヌちゃん。

 かばんさんは砂糖なし。ともえちゃんは砂糖一つ。アムちゃんはちょっと多めで砂糖三つだ。

 丁寧に淹れたお茶にササっと砂糖を淹れてティースプーンでかき混ぜる。

 

「……」

 

 と、アムちゃんだけが自分の分のティーカップを見ている。

 続けて砂糖壺を見つめて、次にイエイヌちゃんの顔を見る。

 で、尻尾をタシンタシン、としながら何度も砂糖壺とイエイヌちゃんを交互に見比べるアムちゃん。

 その場にいる全員が言葉はなくともアムちゃんが何が言いたいのか理解していた。

 

 ねえ、もっとお砂糖いれないの?ねえ?

 

 くっ、と何かに耐えている表情のイエイヌちゃん。ぷるぷる、と震える手で砂糖壺に蓋をする。

 するとアムちゃんの表情が明らかに落胆の表情になる。

 それにイエイヌちゃんはくぅ!?と謎の鳴き声をあげながら電光石火の早業で砂糖壺からもう一つお砂糖を追加した。おまけでもう一つ。合計お砂糖5つである。

 パッと表情を輝かせるアムちゃん。イエイヌちゃんにめっちゃすりすりしていた。

 それをほっこりとした表情で見守るかばんさんとともえちゃん。

 

「ななななんですか。お湯に葉っぱ入れたヤツはそれぞれに美味しくいただければいいんです。うん。そうなんです。」

 

 と真っ赤な表情でぷいっとそっぽ向くイエイヌちゃん。

 それにかばんさんとともえちゃんは顔を見合わせて微笑みあうのだった。

 

 食後のティータイムの後はともえちゃんがかばんさんの髪を梳かして整えてくれる。いつもの日課、いつもの日常といった穏やかな時間が流れる。

 かばんさんの髪を梳かし終わったともえちゃん。ふ、とその表情がふ、と暗く曇る。

 

「うん?最近元気ないときあるよね?何か心配ごと?」

 

 ってかばんさんがたずねると…。すると、ともえちゃんはしばらく口を開くかどうするか迷ってから…。

 

「そうだよね。なんかこういうのはアタシらしくない気がする。」

 

 うん、と頷いてかばんさんの前に回ってじーっとその顔を覗き込むともえちゃん。顔が近い。

 

「ど、どうしたのかな?」

 

 と目の前にともえちゃんの顔があってタジタジのかばんさん。

 

「あのね。かばんお姉ちゃんはこの先どうするのかな?って」

 

 その言葉に場の空気が張り詰めたものに変わる。イエイヌちゃんも気づいたかのように後片付けをしてる手を止めてしまっていた。

 

「そういえばそうだよね。海底火山の件は落ち着いたみたいだし私も自分の研究所に戻るべきなのかなあとは思わなくもないんだけど…」

 

 そう。かばんさんは海底火山から吹き出るセルリウムを何とかする為にイエイヌちゃんの家に居候していたのだ。それが片付いてしまったら……。

 

「で、出来たらここにずっといて欲しいです!」

 

 慌てたようにイエイヌちゃんが割って入って、アムちゃんもかばんさんを逃がさないぞとばかりに後ろからのっすんと顎を肩にのっける。

 

「待って待って、実は次の研究ってとりあえず、ともえちゃんの事にしようかなって思ってたんだ。」

 

 みんなが慌ててるのを見て、かばんさんは手をふりふりしながら続ける。

 

「アタシの?どういうこと?」

 

 とみんなで?マークを浮かべるともイヌアム。それに頷いてから語り掛けるかばんさん。

 

「あのね。ともえちゃんってセルリアンに狙われやすい体質なんじゃないかなって思うんだ。この前の海の時もそうだったし、初めてキャンプした時もそうだったし。」

「そういえばそうだね。なんでなんだろうね」

「原因はわからないけど、今後もセルリアンに狙われやすいようだといくらイエイヌさんとアムちゃんが側にいても大変でしょ。だからそれを何とかできないかなーって考えてたんだ。」

「じゃ、じゃあ…」

 

 と期待に満ちた目でかばんさんを見るイエイヌちゃん。ともえちゃんもアムちゃんも同じように期待を膨らませてかばんさんを見る。

 

「もうしばらくはお世話になってもいいかな?」

 

 その言葉にイエイヌちゃんは満面の笑みで「もちろんですよ!」とかばんさんに飛びつく。その尻尾がちぎれんばかりに振られていた。

 ともえちゃんがセルリアンに狙われやすい体質かもしれない、という事は一大事ではあるが今はかばんさんがどこかに行かない、というのが堪らなく嬉しいのだ。

 

「そっかー。なんか安心しちゃったよ。」

「ほんとは私自身、ともえちゃんやイエイヌさんやアムちゃんと一緒にいたいっていうのもあるんだけどね。」

 

 ホッと胸を撫でおろすともえちゃんにかばんさんはイタズラっぽくてへっと小さく舌を出して見せる。

 

「アタシもかばんお姉ちゃんとイエイヌちゃんとアムちゃんと一緒がいいから嬉しい!」

 

 ってともえちゃんもかばんさんに飛びついてみんなに抱き着かれた状態のかばんさん。ハーレム状態だった。

 しばらくみんなでかばんさんにすりすり甘えてかばんさんも順番に皆を撫でてあげて幸せなひと時が過ぎる。

 ようやく満足したのか身体を離したイエイヌちゃん。ぽむ、と思いついたように手を合わせる。

 

「あの、みんなに私の宝物を見て欲しいんですけど、いいですか?」

「なになに、どんなの?」

 

 と興味津々な様子のともえちゃん。そんなともえちゃんにイエイヌちゃんは金庫を開けて中のお手紙や絵を持って来る。

 

「もしかしてこれってヒトが残したものなのかな…。」

 

 テーブルに広げられた手紙や絵をこちらも興味深そうに眺めるかばんさん。こちらはヒトの遺物として学術的な興味をそそられているようだ。

 アムちゃんはアムちゃんでクンクンと匂いを嗅いで興味を示している。

 

「それにこの絵ってキュルルちゃんが描いたものに似てるね。一緒に描かれているのはこれもヒトかなあ…」

 

 中でもかばんさんが一番興味を惹かれるのは絵であった。それはパークガイドらしき女性や飼育員らしき女性、サーバル、カラカル、イエイヌにヒトの子供たちが描かれた絵であった。

 

「随分昔、パークにまだヒトがいた頃のものだと思うんです。これを見てるときっといつか、このおうちにこのヒト達が戻ってきてくれるってそんな気がするんです。」

 

 とイエイヌちゃんがそっと絵と手紙を撫でる。

 

「うん、ステキな宝物だね。」

「がうがう。」

 

 かばんさんの言葉に頷くアムちゃん。そんな二人にイエイヌちゃんも嬉しそうな笑顔を見せる。

 

「そうだ。この絵、キュルルちゃんから貰ったやつと一緒に飾っておこうよ!」

 

 とともえちゃんが提案して、それにみんなナイスアイデア、とばかりに顔を輝かせる。

 二つの絵が額に入れられて並んで飾られてるシーンが描写されてシーン終了。

 

 

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 シーンが変わってジャパリバスが停車している場面を映す。その停車場所はかつてキュルルとともえちゃんが眠っていた施設だ。

 暗い中でかばんさんの持つボスウォッチが懐中電灯代わりに光を発して辺りを照らしながら進んでいく。

 暗闇の中でイエイヌちゃんのオッドアイが光を反射して光って見える。

 

「そういえば、イエイヌちゃんの目って左右で色が違ってキレイだよね。」

「ともえさんの目も左右でちょっとだけ色が違いますよね。」

「そういえばそうだね。じゃあアタシとイエイヌちゃんお揃いだね。」

 

 そのともえの言葉にほわわーんと蕩けて嬉しそうなイエイヌちゃん。

 

「ともえさんとお揃い…」

 

 と惚けているところに…。

 

「もえ?」

 

 自分は?と言いたげなアムちゃんが自分を指さしてたりしている。

 

「アムちゃんはふかふかの毛並みがイエイヌちゃんとお揃いで大好きだよー!」

 

 そんなアムちゃんも含めて二人まとめてギューしてダブルモフモフのともえちゃん。アムちゃんも「がうー♪」と嬉しそうにモフられるのだった。

 

「みんな、仲良しなのもいいけど暗いから転ばないように気をつけようね。」

「はーいっ!」

 

 かばんさんもそんな賑やかなみんなに合わせてゆっくりと歩いていく。道中は薄暗いけれどなんとも明るい一行だった。

 今日、ここへやってきたのは他でもない、ともえちゃんの為であった。彼女がセルリアンに狙われやすい原因を探る為に再びここを訪れたのだ。

 そしてたどり着いたのはともえちゃんが眠っていた機械の前だ。

 あの日、ともえちゃんが目覚めた時のまま機械は沈黙しており、開いた蓋のようなものの中にはキラキラと光るキューブ状の何かが敷き詰められていた。

 

「これってサンドスター…?ちょっと違う気もするけどサンドスターにそっくり…。」

 

 機械の中に敷き詰められた光っているキューブ状の何かを手にとって調べるかばんさん。

 

「カバン。この機械にハ、ボクじゃアクセスできないヨ。」

 

 そうして思い出すのは初めてともえちゃんと出会った時の事。確かに機械が自分の名前を呼んだのだ。

 〝暫定パークガイド、かばん″と。

 そこから一体何が考えられる?

 しばらくの間真剣な表情で考え込むかばんさん。

 ふ、と気が付くと横にともえちゃんがしゃがみこんでかばんさんの横顔を眺めていた。

 

「ん?どうしたの?」

 

 それに気が付いたかばんさん。ともえちゃんに笑いかける。

 

「ん?かばんお姉ちゃんが何か考えてる時の顔ってかっこよくて好きだなーって」

「あはは、ありがとう。私もともえちゃんの元気なとこ見てるとこっちも元気になれるから大好きだよ。」

 

 言って二人してでへへー、とてれてれし合う。

 

「ちょっと判ったかもしれない事があるし一度戻ろうか。」

 

 ってかばんさんが言ったところでシーンがかわる。

 

 

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 シーンはかわって暗い中、何かの息遣いのようなゴボゴボという音が響く。

 視点はその何かのもの。

 モノクロの世界の中、木々や岩を避けて進んでいく何か。

 モノクロの世界の中で小さく虹色に輝く光点がいくつも見える。

 しかし、その小さな輝きよりも大きな輝きを持った光点が近くに二つ。

 さらに、その大きめの二つの光点に近づいていくひと際大きな輝きをもった桁外れの光点が一つ。

 

 モノクロの視界を持つ何者かは手近にある大きめの二つの光点の方へと向かっていく。

 そして、ざぁっとモノクロの視界が晴れて通常の視点へと戻る演出が入る。

 小さく輝いている光点はフレンズ達。ひと際大きく輝いていたのはジャパリバスで移動中のともえちゃん。

 そして、モノクロの視界を持つ何者かが向かった先にある二つの光点は…イエイヌちゃんのおうちに飾られた二枚の絵であった。

 

 

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 施設での調査を一旦終えたかばんさん達。ジャパリバスで家路へついている。

 ジャパリバスの運転席でかばんさんが口を開いて調査結果の説明を始める。

 

「まだ仮説って段階だけど、ともえちゃんがセルリアンに狙われやすい理由に説明がつけられそうなんだ。」

「へー。アタシにはさっぱりだよ。アタシの事なのに。」

 

 と後部座席から運転席に身を乗り出すようにしているともえちゃん。かばんさんの話に聞き入っている。

 

「まず、ともえちゃんって身体の中に持っているサンドスターが普通のフレンズさんより多いんじゃないかな。」

「どうしてともえさんだけがそうなってるんですか?」

 

 ひょこり、とともえちゃんの上にのっかるようにイエイヌちゃんも運転席側に顔を覗かせる。

 

「うん。さっきの機械の中にはサンドスターによく似た何かがいっぱいだったんだ。その中で長い間眠っていたともえちゃんの身体の中には沢山のサンドスターが貯まったんじゃないかなーって考えたんだ。」

「さんど?すたー?」

 

 ってアムちゃんがイエイヌちゃんの上に乗っかるように顔を出す。

 三人でお団子みたいになっているともイヌアム。かばんさんの解説に聞き入る。

 

「サンドスターっていうのは動物をフレンズさんにしたりフレンズさんが身体を動かすのに必要なんだ。」

「はいはい!じゃあそれが沢山あるとどうしてセルリアンに狙われやすくなるの?」

 

 とともえちゃんが挙手するように訊く。

 

「えっとね、セルリアンに食べられたフレンズさんは元の動物に戻っちゃうんだ。それってセルリアンがフレンズさんの身体の中にあるサンドスターを食べちゃうからだと思うんだけど…。」

「つまり、セルリアンにとってはともえさんは沢山ご飯をもったフレンズに見えてる、って事ですか。」

 

 その解説にイエイヌちゃんは驚きを隠せない声で自分の予想を告げてみる。

 

「うんうん、イエイヌさんよくできました。」

 

 かばんさんも同じ考えなのだろう。イエイヌちゃんの言葉に頷いてみせた。

 

「それにね。フレンズさんにも私たちにもサンドスターって色んな影響を与えるものなんだ。だからアムちゃんが海岸で倒れてた時にサンドスターを殆ど消費しちゃってた状態だったのもビースト状態から今のアムちゃんになった理由の一つとして考えられるかもしれないんだ。」

 

 そんなかばんさんの続く予想に、アムちゃんはよくわからんとばかりに「がうー?」と小首を傾げる。

 

「あはは、その辺りも今度一緒に考えようね。」

 

 ジャパリバスはゆっくりとおうちへの道を進む。そうしてもうすぐおうちに辿り着く、という時。

 イエイヌちゃんがハッとしてバスの進む先に鋭い視線を向ける。続けてアムちゃんがグルルルと唸りはじめて、かばんさんもピクリと反応する。

 ともえちゃんだけが急に雰囲気が変わったみんなに戸惑ってきょときょととみんなを見渡す。

 

「キケン。キケン。近くニ、セルリアンがイルヨ。」

 

 ボスウォッチが危険を報せる声をあげはじめてようやくともえちゃんも気が付いた様子。

 

「でも…。この先っておうちしかないよね?」

 

 それにかばんさんはコクリ、と頷いてかなり手前でバスを停車すると運転席から降りる。

 その先のおうちへ鋭い視線を投げかける。

 すると、おうちの扉が開いて中からゾロゾロと表れるのはフレンズ型セルリアンにヒト型セルリアン!

 その数は十体を下らない。

 そのセルリアンの姿にハッとしたかばんさん。イエイヌちゃんの方をバッと振り返ると…

 

「あ……あ…」

 

 と尻尾が垂れてさっきまでの戦意を失っている様子のイエイヌちゃん。

(イエイヌちゃんの瞳に飼育員さん型セルリアンやミライさん型セルリアンの姿が映っている様子を描写しておいてください)

 かばんさんはイエイヌちゃんに何か声をかけようと手を伸ばし…けれど何か声を掛けられず、唇を引き結び、拳を固く握りしめて背を向けてセルリアン達に向き直る。

 

「ともえちゃんはイエイヌさんと一緒にいて。アムちゃんはともえちゃんとイエイヌさんを守ってあげてね。」(帽子に隠れてかばんさんの瞳が見えないように描写しておいてください。)

 

 かばんさんの声はつとめて冷静であろうとするように平坦だった。

 

「あ……でも…かばんさん…わたし…おうち…守らなきゃ…でもあれ…ヒト…」

 

 オロオロとかばんさんとヒト型セルリアンたちを見比べるイエイヌちゃん。

 

「イエイヌさんは優しい子だからね。偽物とは言ってもヒトの姿をした物と戦わせるわけにはいかないよ。大丈夫だからボクに任せて。」

 

 背中を向けたまま一人歩みを進めるかばんさん。

 

「あれ…?かばんお姉ちゃん…。いま、ボクって言ったよね…。」

 

(ここで対セルリアン戦BGMがかかる感じでお願いします。対セルリアン戦BGMイメージは巻末にて紹介させていただいてます。)

 足取りもいつもと変わらない。背中もいつもと変わらない。だけどその後ろ姿は初めてみるような気がするともえちゃん。

 かばんさんは足取りは変わらぬままに一人、居住区のアーチをくぐって敷地内へと入っていく。

 そんな彼女を嘲笑うかのようにゆっくりとフレンズ型とヒト型セルリアンがかばんさんに迫って来る。

 かばんさん型セルリアンがかばんさんの目の前に歩み出てくる。

 至近距離で睨みあい、対峙する二人。

 セルリアンの手が振り上げられて、かばんさんへと振り下ろされる。見守る三人が惨劇を予想する中…。

 スッっとかばんさんの身体が沈みこんで、セルリアンの懐に入り込みながら流れるようにその腕を巻き込む。

 そのまま投げっぱなし一本背負いをキメちゃうかばんさん!

 地面に叩きつけられてそのままパッカーンするかばんさん型セルリアン。

 

「今のはジュードーっていう技だよ。」

 

 パンパン、とジャケットについた埃を払うように叩きながら体勢を直すかばんさん。

 

 続いて本気で殴りかかりに来たアムちゃん型セルリアンの拳をほっぺ掠めるぐらいの紙一重でかわしながら、自分の掌底をアムちゃん型セルリアンの顔面に叩きこむ。

 

「で。これがクロスカウンター。相手の力も乗るからボクでも簡単にキミ達を倒せる技の一つなんだ。」

 

 パッカーン!と舞い散るサンドスターの中でほっぺに出来た傷を親指で拭ってから自然体の構えに戻るかばんさん。

 ええええ、と遠くで見守るともイヌアムの三人が驚きを見せる。

 

「前に海の外に行った時に見つけた技なんだけどね。フレンズさんと同じ姿をしていないといまいち使い勝手がよくないものが多かったんだよ。」

 

 さらに襲い掛かってくる飼育員さん型セルリアンを横にかわしながらその足をスパァアアン!と音たてて足払いして、体勢崩して転んだところに容赦なく顔を踏み抜き追い打ち。さらにもう一体をサンドスターに還す。

 

「ボクの前でフレンズさん型になったのは失敗だったね。」

 

 かばんさんが一歩を踏み出すと、怖気づいたように一歩後ずさるフレンズ型セルリアン達。

 

「なるほど。そちらから攻撃を仕掛けなかったらカウンターを喰らう心配はないってわけだ。」

 

 言いつつ構う事なくずんずん歩みを進めてヒト型セルリアンとの距離を詰めるかばんさん。

 距離を詰められて我慢しきれなくなったミライさん型セルリアンが拳を振り抜く、が再び紙一重でかわしながらさらにもう一歩を詰めて懐に潜りミライさん型セルリアンの顔をガシ、とつかみ。足払いキメながらそのまま後頭部から地面に叩きつける。

 

「まあ、こうやって追い詰めてカウンターする事もできるし、崩しっていう技もあるから攻撃しなくても無駄だよ。」

 

 ミライさん型セルリアンをパッカーンしたあと、ゆらり、と再び自然体の構えに戻るかばんさん。

 残るフレンズ型とヒト型セルリアンはかばんさんを油断なく取り囲む。

 

―ヴォオオオオオオッ!

 

 怒りの咆哮をあげるセルリアン達。それはまるで『喰ってやるッ!』とでも言っているかのようだ。一斉に四方八方からかばんさんに飛び掛かっていく!

 それに対し黒ジャケットを脱ぎ捨ててこちらも初めて構えらしい構えをとり吠えるかばんさん!

 

「喰えるもんなら喰ってみろッ!」

 

(シーンイメージイラストを巻末にて紹介させていただいてます。)

 

 

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「あ、あれ。かばんお姉ちゃん絶対怒ってるよね…」

 

 かばんさんを見守るともえちゃんの言葉にコクコク頷くイエイヌちゃんとアムちゃん。

 

「かばんお姉ちゃんだけは絶対怒らせないようにしようね……」

 

 そのともえちゃんの言葉に何度も何度も頷き続けるイエイヌちゃんとアムちゃん。

 

「でも……なんだかすごく嬉しいんです…。かばんさん、わたしの為に怒ってくれてる…。こんな時なのにすごく嬉しいんです…。」

「それ、なんかすっごいわかる。アタシもなんか嬉しいもん。」

「がう。」

 

 イエイヌちゃんの言葉に今度はともえちゃんとアムちゃんが頷く。

 

「かばんお姉ちゃん頑張ってー!!」

 

 ってともえちゃんが応援をはじめたところで再びシーンが戻る。

 

 

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 おうちの庭先ではフレンズ型とヒト型セルリアン相手にかばんさんの大立ち回りが続いていた。

 次々に襲い来るフレンズ型セルリアンをかわし、いなし、そしてわずかな隙に的確にカウンターを差し込み一体、また一体とセルリアン達をサンドスターへ還していく。

 もうすでに半数以上を失ったフレンズ型とヒト型セルリアン達。

 前後から挟みこむように襲い来るイエイヌ型セルリアンにサーバル型セルリアン。

 それにイエイヌ型セルリアンに突っ込み対峙のタイミングをずらすかばんさん。

 イエイヌ型セルリアンが繰り出す爪の一撃をまたも紙一重でかわし、お互いの突進の力を利用したカウンターの掌底を顔面に叩きこんでさらに一体!

 そして、背後から繰り出されるサーバル型セルリアンの爪を振り返る事なく頭を下げてかわして、振り返り様に掌底の一撃を……。

 

「!?」

 

 叩きこめなかった。

 ほんの一瞬だけ。

 ほんのわずかな一瞬だけ、偽物とは言ってもサーバルちゃんの姿をしたセルリアンに心が揺らいでしまう。

 だが、そのほんのわずかな一瞬は致命的だった。

 続けて放たれたサーバル型セルリアンの蹴りをモロに受けて吹き飛ぶかばんさん。

 ズササーと地面を転がり2度転がってようやく止まる。

 

 確かにかばんさんは強かった。

 だけれどそれはフレンズのように強靭で頑強な身体を持っているわけではないのだ。

 ギリギリの綱渡りを華麗に続けてきただけだ。

 その綱渡りを支える心に揺らぎがあればいとも簡単にそれは崩れ去るのだ。

 その事に気づいたともえちゃん。

 

「アムちゃん!かばんお姉ちゃんを!」

 

 言うが早いかアムちゃんは雄叫びをあげながら突撃!凄まじい速度で一気にセルリアン達へ迫る。

 

「ダメだよ……。ともえちゃんから離れたら…。」

 

 未だ地面に倒れたまま立ち上がる事が出来ないかばんさんの目にもその光景は映っていたがか細い声はアムちゃんに届く事はなかった。

 そして、サーバル型セルリアンがニヤリといやらしい笑みを浮かべる。

 こちらに突撃してくるアムちゃんをドロリ、と不定形のスライム状に戻ってその脇をすり抜けるようにしてともえちゃんとイエイヌちゃんの方へと一気に迫る。

(セルリアンの身体の中には二枚の絵が取り込まれているのが見えている様子を描写して下さい。)

 イエイヌちゃんが前に出て迎撃態勢を取ろうとしたとき、絵の中の飼育員さんの顔に化ける不定形セルリアン。

 

「あ……」

 

 ビクリと身体を固くして動きを止めるイエイヌちゃん。その目の前でタコが獲物を飲み込むかのように身体を広げてイエイヌちゃんに迫る不定形セルリアン。

 

「イエイヌちゃん、逃げてぇ!」

 

 ともえちゃんが横からドンっとイエイヌちゃんを突き飛ばす。それでイエイヌちゃんは辛うじて難を逃れたが、不定形セルリアンにそのまま取り込まれるともえちゃん。

 セルリアンの一撃を受けて倒れたままのかばんさん。残るフレンズ型セルリアンからかばんさんを守るアムちゃん。最後の一体を倒したけれど距離はあまりにも離れすぎている。

 ともえちゃんを取り込んだ不定形セルリアンはボコリ、と飼育員さんの顔やともえちゃんの顔を作り出してニヤリとイヤらしい笑みを浮かべると逃走に入る。

 あっという間に距離を離す不定形セルリアン。

 

「あ…あ…」

 

 イエイヌちゃんの伸ばした手は空を切る。

 

(ここでイエイヌちゃんが超頑張ってる時に流れるBGMがかかる感じでお願いします。イメージBGMは巻末にて紹介させていただいてます。)

 

 ともえちゃんを取り込んだ不定形セルリアンはどんどんと遠ざかっていく。

 その事態にイエイヌちゃんの脳裏にフラッシュバックされるのは先ほどまで戦ってくれていたかばんさんの背中だった。

 

 そうだ。怒らなきゃいけなかったのは自分なんだ。

 自分にはあるじゃないか。ヒトが与えてくれた使命を守るよりも大切なものが。

 だから、これは…

 

「……そうだ…。これはわたしの戦いなんだ…!」

 

 ギチリ、とイエイヌちゃんの口が引き結ばれる。

 

「本当に守りたいもの…!それはおうちでも宝物でも使命でもなかったんだ…!」

 

 フラッシュバックで思い出されるともえちゃんとの思い出。かばんさんとアムちゃんと過ごした日々。

 バチバチ、と稲光のようにその瞳にそれぞれの色のスパークが散り始める。

 

「返せ…!」

 

 瞳の色と同じ輝く二本の軌跡を残し、イエイヌちゃんは放たれた矢のような速度で不定形セルリアンへ疾走。

 一気に追いすがる!

 

「その子はわたしの大切な友達だ…!」

 

 ずしゃしゃー!と不定形セルリアンの前方に回り込むイエイヌちゃん。

 

「使命よりもお留守番よりもずっとずっと大切なんだ…!」

 

 四つ足の低い体勢から鋭い猟犬の眼光が不定形セルリアンを射抜く。

 慌てたように不定形セルリアンが触手のように腕を伸ばして攻撃してくるが、その攻撃が貫いたのはイエイヌちゃんの残像のみ!

 

「ともえちゃんを……」

 

 凄まじい速度で不定形セルリアンの背後へと回り込んでいたイエイヌちゃん。

 バチバチとその瞳で散っていたスパークがついに炎となって宿る!

 

「ともえちゃんを返せぇえええええええええええええっ!」

 

 咆哮と共に野生解放したイエイヌちゃん。

 不定形セルリアンの作り出す偽物のヒトの顔ごと爪の一閃でセルリアンを四散させる!

 空中に解放されるともえちゃん。それをイエイヌちゃんは素早くキャッチした。

 

「ともえちゃん!ともえちゃん!無事ですか!?返事してください!」

 

 その呼びかけにともえちゃんの瞳が薄っすらと開かれる。

 

「えへへ…イエイヌちゃんにともえちゃんって呼んでもらえるの…なんか嬉しいね…」

 

 弱々しくその声に返事するともえちゃん。だんだんとその瞳が閉じられて…

 

「よかった…ともえちゃん…無事で…」

 

 イエイヌちゃんの瞳からも野生解放の光が消えていって、だんだんとその瞳が閉じられていく。

 

―バタリ。

 

 抱き合うようにして意識を失うともえちゃんとイエイヌちゃん。カメラは倒れた二人をとらえながら引いていき、フェードアウトしていく。

 

 という場面でEDへと移行する。

 (EDイメージは巻末にて紹介させていただいてます。今回EDは二人で歩く後ろで流れる絵が2話でフリスビーで遊んだり3話でモフられたり4話で海で一緒に遊んだり5話でアムちゃんとダブルモフモフしてたりする場面が流れてください)

 

 

の  の  の  の  の  の  の  の  の  の  の  の  の  の

 

 

 イエイヌちゃんに四散させられた不定形セルリアン。

 その殆どがサンドスターへと還っていく中、小さなたったの一欠けらだけがどす黒いまま海へと逃げていく。

 その中にはともえちゃんの瞳と同じ赤色と碧色の光点が宿っている。

 その小さなセルリアンは海へとたどり着くと……何かを待つようにじっとしてて…

 そしてバクン!!と前触れもなくその小さなセルリアンを食べたのは深手を負った超巨大船型セルリアンであった。

 そのまま海へと姿を消す超巨大セルリアン。

 海は何事もなかったかのように静かにそれを見送った。 ってシーンで今度こそ8話終了!

 

 

 

けものフレンズ2after☆かばんRestart 第8話『たからもの』

―おしまい―

 

 

 




【次回予告】

 一時的に、とはいえセルリアンに食べられたともえちゃん。
 昏睡状態に陥ってしまうが、そこである夢を見る。
 それはかつての記憶の欠片だった。
 次回、けものフレンズ2after☆かばんRestart 第9話『かなたの記憶』
 お楽しみに!




妄想元ネタ紹介

けものフレンズRオープニングイメージ
https://www.nicovideo.jp/watch/sm34990561
明るい歌と愛情溢れるイラストが素晴らしいオープニングイメージです。個人的にはこっちも大好き。


いつもの日常イメージBGM
https://www.nicovideo.jp/watch/sm34855329
日常シーンでは何度でも流れてて欲しい優しい曲調の素晴らしい曲です。めっちゃ好き。


対セルリアン戦BGMイメージ
https://www.nicovideo.jp/watch/sm30941969
アニメ版のセルリアンのテーマをアレンジしたBGMですね。お馴染みの曲がさらに超かっこよくなってます!
カッコいいBGMにあわせてカッコいいかばんさんを妄想するときっと色々捗るかもしれません…。っていうか捗りました!


喰えるもんなら喰ってみろッ!
http://seiga.nicovideo.jp/seiga/im7607078
このかばんさんを見た時から自分の中でのかばんさんのイメージにこれが追加されてしまいました。
元ネタ的には1期1話のパロディだと思いますがあまりにもかっこよすぎてめっちゃ好きです。
今回はガチでこんな顔しててくれたと思っています。
かばんさんはね!カッコイイんだよっ!


イエイヌちゃんが超頑張ってる時に流れるBGMイメージ
https://www.nicovideo.jp/watch/sm35157296
曲名はOVER LIVEだそうです。すごいカッコイイ曲なんで是非。
イエイヌちゃんが野生解放する時には是非流れてて欲しいカッコいい曲です。


けものフレンズRエンディングイメージ
https://www.nicovideo.jp/watch/sm34929655
エンディングイメージといえばこれ!曲も絵も素晴らしすぎて言葉が見つからないヤツです!
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