開拓のマイクラ地上隊(完結)   作:ハヤモ

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日々を生きる辛み……。 ああ、悲しみのない自由な空へ行きたいな……。

時系列や知識に突っ込まないで……テキトー感が……(謝


渓谷開拓

 

オフコウ山以外にも渓谷の地形を見つけたクラフターだったが、そこには既に村人が住んでいた。

空飛ぶモンスターも それなりにいる。 勿論、大きな道路もあった。

とはいえ。 それなりの規模に見せておきながら、まるで開拓されていないと感じた。 谷が くねっているから、或いは開拓が難しかったのかも知れない。

ただ、これくらいで開拓を放棄しているようではクラフターは名乗れまい。

廃村とまで侮辱する気はないが、正直に述べれば味が欲しいところだ。

つまり。

 

開拓するしかないよね☆

 

クラフターはツルハシを振るった!

スコップも振るった!

例によって川を流し地下鉄を走らせ、仮拠点を設置。 緑化も行われ、松明も大量に刺された。 崖に、地面にだ。

あっという間に闇に浮かぶ光の島が出来上がる。 いや、光る谷である。 危うく満足しかけたが、ここまでが いつもの下地だ。

 

「うおおお!? アポなし訪問の上に無断改造だと。 ユーハング人め、止めないか!?」

「社長。 ここは逆に利用すれば良いのですよ。 悪いようにはなりません……たぶん」

 

浮かんだ光る谷の光景は美しい。 これだけでも価値が生まれた。

だがしかし。 向上心を持ち、建築に邁進する者どもだ。 崖や谷が付随するに違和感がない、或いは互いに喧嘩をしない美しき建造物。 それを考え行動しなければならない。

環境がよければ拠点を拡張、あるいは新規に大規模な建築を開始しよう。

違う場所での建造物も地形を活用しながら建てたものだ。 朝日を拝む雄大なバルコニー、日の光を受け止めて爽やかなガラス壁の広間、夕日を正面に見て静かなる山岳、本棚に囲まれ神秘の文言の浮かぶエンチャント部屋……素晴らしき建築物たち。

ウットリとした回想を流しつつ、景観を損なわない程度に階段ブロックや梯子で崖に適当な高度へ。 導線となる溝を掘る。 そのまま内部をくり抜いて崖表面に窓穴を開けていった。 即席ながら味のある部屋が出来あがる。

 

「おお。 あっという間に崖内に道と部屋が!」

「相変わらず謎の技術ですねぇ」

 

技術はいらない。 初心者でも簡単に出来る、してアクセントで味を出せる拠点製作方法だ。 ブロックを削るだけなので、豆腐のような見栄えを気にしない。

各クラフターは、崖の中を蟻の巣製作のように進んでいく。 偶に他のクラフターの導線とぶつかって繋がった。 ポコっと穴が開いたら目と目が合いました。

マルチでは、ブランチマイニング等でもある光景だ。 掘り進んでいると他のクラフターの道に繋がる事がある。

資源掘りが目的だと その伸びた道を見ては やられた、取られた感があるが、今回は開拓メインなので互いに協力する。

オフコウ山のように縄張り争いはしない。

 

あっ。 どうもどうも。 じゃ、私は別の方向に行きますんで。

あっ。 すいません。 私も別方向へ進みますね。

 

「崖を壊されるかと思いましたが、これなら引き続き この場を使えそうですねぇ」

「滑走路を潰されなくて良かった」

 

一方、崖底でも動きを見せる。

洞窟探検では恐怖の闇底だが、今回は多くの仲間がいるから安心だ。 墜落死しても遺品回収してくれる。 それに目的は開拓というのもあって、気持ちは軽い。

そうなれば、崖下は恐怖ではなく期待が込められる。 既存の建物や道路はそのままに、綻びのある部分の補修やデコボコした道路を石ブロックで舗装し直す。 馴染みとなったリピーターも忘れまい。

物見櫓は両サイドが谷であるから見送った。 狭い場所にわざわざ建てる事はない。 そも、周囲が見えない。 意味なきオブジェクトは今回、見送らせて貰おう。

代わりに崖の中をくり抜いて大きなガラス張りの部屋を造った。 これで道路全体が見える。 リピーター回路を持ってきて出力レバーも忘れまい。

 

「立派になるのは構わないが、目立ち過ぎじゃないか?」

「彼らとは意思の疎通が困難ですからねぇ。 望む望まないに関わらず、好き勝手に創っていきます。 それも、楽しそうに」

 

崖上では緑化が行われた。 ハイカラなビル群でも良いが、別の趣向を凝らしても良いと考えたからだ。

苗木を植えまくり、骨粉で急速成長させる。 あっという間に森を作る一方、計画的に植える事で自然な感じに道を作れた。

噴水やかけ流しの温泉風の水汲み場も用意。 威圧感を出さないように石材より木材を主に使用。 ログハウスを拠点とし、周囲に小さな畑を耕す。 木の柵も忘れない。

また、光源として ジャックオランタンと木の柵を縦に伸ばして制作した洒落た街灯を並べ立てた。

これらは総じて実用性を兼ねつつ、景観を重視したものだ。 花壇も作る。 もちろん、囲いは赤煉瓦ブロック。 実に自然な感じに仕上がった。 満足だ。

 

「我が社の周りを観光地にする気か!?」

「まあ、害はないでしょう。 目立ちますが」

「いや、これは駄目な気が」

 

崖上にも大きな道路を造ってみた。 崖下に隠れるようにしていては、分かり辛いからだ。

最近はモンスターや村人の勧誘も視野に入れているクラフターである。 おいでおいで、怖くないよとばかりに、開拓地では道路を造るのが当たり前になってきた。

拡がる開拓地。 地下鉄を利用して移動するのも良いが、やはり自由な空で移動した方が気持ちは明るいから。

 

「町長の雷電を返せーって、うわっ!? なんだこりゃ!?」

「ユーハングの仕業か!」

「緑がいっぱい」

「水もある」

「滑走路もあるよ! 降りてみる!?」

「お前達……遊びに来たんじゃないぞ!?」

 

ほら来た。 ブーンと音を立てるモンスターの群れだ。

こっちだ。 さあ来い。 降りろ。 ココ降りろブーン!

して、開拓地に活気をもたらすのだ。 願わくば鹵獲もする。 村人が降りて持ち主がいないなら、落し物だ。 拾えばクラフターのモノである。 半分以上は冗談だが欲望が出て短絡思考だった。

 

「ほら見ろ。 敵が来たぞ!」

「まあ、これはこれでビジネスチャンスですよ。 この辺を観光地として客を呼ぶのです」

「おお! 成る程! 絵とは方向性は全く変わるが、それも良いな!」

「コトブキ飛行隊の皆さま。 雷電は くれてやります。 ですから、今日は帰りなさい」

「何を偉そうに」

「いや、分かった。 無益な争いは互いにしたくないからな」

 

道路は地上面と崖下で分かれている。 それぞれ勧誘が始まった。

 

チッ! そっちに行くんじゃねぇ!

ほ〜ら。 コッチにはケーキモドキがあるぞ〜。

何を。 コッチはステーキだ!

ふん。 なら上位の金りんごだ。 それからフルダイヤ装備も付けてやる!

何いいいい!? ならコッチはダイヤクワ!

いや。 いらないでしょ(笑)。

やってみなきゃ、分かんねえだろ!

 

ワイワイガヤガヤ……。

 

新人クラフターを勧誘する時のような、縄張り争いとは別のベクトルでの平和的な争いが始まりを迎えたが、それはまた、別の話である……。

 

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