開拓のマイクラ地上隊(完結)   作:ハヤモ

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駄文更新。
日付が変わる頃に帰宅する……なおも休みはなく。
早く……解放されたい……自由が欲しい……。


展覧会と経歴

 

「ここだよ! 魚類展覧会!」

 

若造が騒いで移動するから、釣られてやってきたのは既存の建物だった。

中々良いデザインをしているが、内装は如何なものかと入っていくと。

 

「アロワナモドキ!」

 

ガラスの囲いに水を入れて、中に見たことがない魚が1匹泳いでいる。 横に長い。 豚のように どこ見てるかも分からない。 周囲には看板が何枚も確認出来た。

 

「…………これだけ?」

 

興味深いな。 先ず出た感想がソレだ。

 

クラフターは首をグリグリと動かし、中腰になって観察する。

薄暗く、内装という内装は敢えて無くしているではないか。

 

成る程。 クラフターは頷く。

 

注目点、集中点を絞る手法だ。 このやり方は、クラフターも経験がある。 己の歴史や功績を形として強調し、表せるから良い。

 

「これだけで お金を取られるのも」

「ユーハングが払ってくれたじゃない」

「えっと。 金で出来た大きな箱?」

「受付のお姉さん は硬直してたね」

「なんポンドするのよアレ」

「そんなモノを渡したユーハングは暫く棒立ちしたと思ったら、ガッカリしてた」

「相変わらず、よく分からないよ」

「価値観が違うのよ」

 

金ブロック1個の価値はあるかは微妙だが。

最初は村人が取引を持ち掛けてきて、応じないと奥へ進めそうになかった。 仕方なく金ブロックを設置、取引をしようとしたら それ以上の動きがなかった。 溜息が出た。

取引が成立する場合としない場合の見極めが難しい。 下手すると今回のように損失が大きくなる。 やはりか、信頼出来るのは食料取引所くらいか。

 

「魚ねぇ。 生きているのを初めて見たけども……どこを見てるのか分からない。 怖いよぉ」

 

過ぎた事より魚だ。

魚は見たところ新種である。 この新種を発見、皆に存在する証拠として、この建造物では内装を簡略化して展示しているのだ。 看板は恐らく説明文。 解読出来ないのが悔しい。 満腹値や味の感想、料理する為のクラフト方法が 書いてあるのだろう。

或いは釣り方か。 釣竿にもエンチャントが施せる。 何か その点で条件があるのか。 それとも釣った場所か。

 

「狭い場所に ひとりぼっち。 可哀想」

「そして、焼かれたり……場合によっては生きたまま食べられるという」

「ヒィッ!?」

 

似たような事なら、元の世界でも経験しているが魚を展示した事はなかったな。

此方の世界でもやってみよう。 この魚の味や満腹値は気になるが、新たな衝動が勝る。 早速行動だ。

 

「あっ! ユーハングがジャンプしながら外に出て行く!」

「ユーハングの世界って、みんなこうなの?」

「その事なんだけど……彼らはユーハングじゃない可能性があるんだ」

「そうなんですか?」

「あなたは?」

「ぼくは───」

 

沸き起こった衝動に駆られるがままに突き進む。

展示だ。 久し振りに造ろう。 我々の歴史書となる作品を。 村人に内装やクラフトの物品類を理解出来るかは不明だが、確かに我々がこの世界に存在した資料を残したい。

建造物こそ多く、万事万物に繋がる開拓と建築行為を行う我々は畢竟、世界と繋がっているといえる。 それは常なる晴れ舞台を生きているという事だ。

満喫していた。 だが見えない一部始終の物品を世界中にいるハァン集団に見せずして良いものか。 否。 見せるのだ。

共感をして欲しい訳じゃない。 理解をしろとも言わない。 だけど、願わくば。 ロマンを感じて欲しい。 クラフトを。 世界を。 この世は楽しいのだと。

 

「うわぁ。 また何かを建て始めた」

「少し大掛かりなんだな」

「ありゃあ、魚類展覧会の建物と似ているな」

 

空き地を見つけたクラフターは、凄い勢いで建造を開始する。 モデルは魚を展示していた建物だ。 石レンガを主に使う。 村人にも分かりやすくする為だ。

内装は魚のみならず、各種の鉱石ブロックや9個でクラフト出来るブロックを展示。

額縁で様々を貼りまくりもする。

して同志の計らいでなんと、エンダードラゴンの卵も展示した。 タッチされたらワープしてしまうので、ガラスブロックで囲い込む。

 

こうしていると、郷愁にも似た何かが湧いてくる。 あの頃が懐かしい。

エンダードラゴンを討伐して、かくして どれ位の年月の間が空いたのだろうかと。

 

ジ・エンド。

 

闇に浮かぶ島と、その世界に巣食うエンダードラゴンを倒すと皆で決意したあの日から、多くを切磋琢磨して、数多の犠牲と労力を払いながら、協力してポータルを発見、起動、闇の世界に突入して倒した。

最後に漆黒の身体の内側から光を放ち、四散した刹那、クラフターは歓喜に包まれた。 苦労が報われた達成感で愉快な腰振りダンスや首振り、腕を闇雲に振り回した。

その後、残された卵の回収方法が分からなくて苦労したが、なんやかんやで松明に落とすようにしたらアイテム化したので回収。

生まれたゲートに飛び込んで元の青空広がる世界へ帰還。

後に引くは、反動による虚無感。 ああ、さて次はどうしようと悩んだな。 結局はいつも通り世界の開拓と建築の日々に戻ったが。

そうこうしている中、この世界に繋がるゲートを発見して今に至る。 生きていると様々な発見があって良い。 感動の連続と冒険、開拓し切れない毎日だ。 果報者である。

 

「うん? おお! こっちは鉱石を展示しているのか!」

「鉄鉱石に石炭に……金とダイヤ鉱石か!」

「この巨大な塊は全部純金か!?」

「これが無限の動力源を生み出す赤い石……禍々しいのだ」

「なんで魚や肉が額縁に収まってるんだよ!?」

「他にも色々あるぞ!?」

「……注目がこっちに集まっているうちに、展覧会の魚を放流しましょう」

「ええ!? もう少し かまどや赤い石を見ていたいのだ……ああー! 引っ張らないで欲しいのだ〜!」

 

例によって建造した建物に勝手に入ってきた村人達が、驚愕のハァンを上げていく。

クラフターは笑顔で頷く。 こうして反応してくれるのは素直に嬉しい。 造った甲斐がある。

 

なにより我々が生きてきた、価値ある存在の証明な気がしたのだ。

 

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