何となくの終わりを模索中。
「偵察の お仕事で、燃料が許す限りの地上観察!」
「長距離飛行……疲れるよー!」
「そんなこと言わない。 戦う事を前提としていない分、安全な任務なんだから」
若造が開拓地までブーンで出張って来たから、余計な事をされないように見張っておく。 エリトラによる滑空や花火消費が勿体ないので、同じブーンを使用する。
「で、でも襲われでもしたら……!」
「大丈夫だって! どうしてかユーハングも一緒に飛んでくれてるし!」
若造は放っておくと何をしでかすか分からない。 悪意がない分、荒らしより厄介だ。
テーマに沿わない豆腐建築をするのは百歩譲って許せるが、素材収集場所が分からずに観賞用の木を伐採してしまう事もある。 他者の土地の下をブランチマイニングしてしまい、地下室に大穴を空ける場合もある。 それは景観や建造物破壊だ。 重罪である。
この村人たちに、そこまでの行動を起こせるか微妙ではあるが。 警戒するに越したことはない。
「えっと……地上の開拓地はここら辺までなのかな?」
「パッと見、ここらで止まってるわね」
「はぁ〜。 やっと偵察も終わりか」
「何日かかったのよ」
「この先はユーハングも知らない世界なのかな?」
「余計な事を考えないように」
しかしまあ、どこまで開拓してきたのだろう。
この先にもまだ見ぬ世界が広がっている。 ひたすらに冒険をして開拓して建築して。 どこに何があるかの把握は最早難しい。 それでも足を止めずにツルハシとスコップを振るい続ける。 まだ見ぬ世界が我々を待っている限り。
ふと、郷愁にも似た想いがクラフターをよぎった。
地上に生えるビル群や生い茂る草木の上……ブーンやエリトラで飛ぶ時とは違う、静かな高所の光景である。 空の青さが近しい一方で、見渡せるが故に地上の果ては却って遠い。
行かねば。
切なく胸を刺す想いに、クラフターは意味もなしにブーンを空中回転させた。 しかし、直ぐに止める。 別の衝動があるからだ。
クラフターは行かねばならない。
『果て』の風景を見なければ。 そこに巣食う『終わり』の象徴と対決しなければ。
誰に命じられた訳でもなく、それで何かを得られるという目算もなしに、ただクラフターは確信しているのだ。
そうしないでは我々の冒険が意味を失うと。開拓してきた全てが嘘になると。 地と空、全ての世界に対して……何かを誤魔化してしまうと。
「あっ! ユーハングが一斉に未開拓地に行くよ!」
「新しい開拓でも始めるんだよ」
「そうやって、アイツらは世界を相手取って楽しむか……羨ましいな」
「彼らの冒険に終わりって、あるのかな?」
「……あれ? 離陸してくるユーハングも多いね」
同志も何かを感じてか。 一斉に未開拓地の向こうへと歩みを進めた。 ブーンに跨り、空路で行く者もいた。
その先に何が待ち構えていようと、我々は正々堂々と対峙する。 元の世界でいうエンド世界に挑む時に似ている。 或いはウィザーか。 それは不安ではない。 終わるかも知れないという心配や切なさではない。
胸が高鳴り、期待と希望に満ちたものだ。 恐れる事は何もない。
「…………ッ!? ま、前!!」
「アレは……わっか!?」
「大変よ!」
「ウッズ社長に報告を……いや! みんなに、全員に!」
行こう。
全クラフターは、開いていく新たなゲートに立ち向かう。 中からはウィザーやらゾンビやらスケルトンやらが溢れ出ていく。 無数にだ。
確信する。 アレは元の世界に繋がっていると。 して、荒らし集団がけしかけたモンスターの大群であると。
クラフターは首を激しく振る。 腕を闇雲に振り回す。 激しい腰振りダンスで互いを鼓舞する。
さあ、諸君。 我々は開拓者であり建築家であり創造主である。 して、世界を楽しめる者を望んでいる。 それに相対する荒らしに出会う時、全力で立ち向かってきた。 闇を打ち払って、それすらも楽しんだ。
今回も、規模こそ違えど その時だ。 祭りの時間だ。
諸君。 クラフター諸君。
己の持ち得る能力、クラフトをぶつけよ。